糖尿病
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32 巻 , 5 号
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  • 紀田 康雄, 柏木 厚典, 児玉 光顕, 西尾 善彦, 阿部 奈々美, 田中 逸, 繁田 幸男
    1989 年 32 巻 5 号 p. 295-300
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1978年から1986年の間に入院した606例の糖尿病患者のうち, 壊疽を29例 (4.8%) に認め男女比は2: 1で, 83%の症例はインスリン治療者であった. 全例下肢に壊疽を認めたが, 1例のみ両手指にも壊疽を認めた. 下肢の閉塞性動脈硬化症 (ASO) を有する例は12例 (41%) で, そのうち男性が11例を占め, ASO非合併例と比べ下肢の切断率は67%と高値を示し, 大腿や膝部などの高位切断例が多く機能予後不良であった. 29例のうち, 1988年3月1日現在, 15例 (52%) が死亡しており壊疽発生から死亡まで平均3年で, 生命予後は著しく不良であった. 死因は壊疽自体による死亡は1例もなくいわゆる突然死が9例 (31%) と最も多く, 死亡例で腎症の頻度が多いことを除けば生存例に比し臨床的特徴差はなかった.壊疽を有する糖尿病患者における突然死の原因の解明と, その対策の重要性が示唆された.
  • 清水 明実, 大森 安恵, 兼松 幸子, 東 桂子, 佐中 真由実, 小浜 智子, 木戸口 裕, 亀山 和子, 平田 幸正
    1989 年 32 巻 5 号 p. 301-306
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    妊娠, 出産を経過した16歳未満発症の女子糖尿病患者の予後について報告する.
    対象とした21症例30分娩例は, すべて16歳未満に発症したものでIDDM 14例, NIDDM 7例である. 彼女らは昭和62年9月までの当院糖尿病妊婦総分娩数237分娩例の13%を占める. 発症年齢は7-15歳 (平均12.2歳), 分娩までの罹病期間は5-24年 (平均14年), 分娩時年齢は平均26歳であった. 1例を除いて全例妊娠までインスリン治療をうけていた.
    妊娠時のべ30母体中27例 (90%) が糖尿病性網膜症を有しており, 4例は妊娠中及び妊娠後に光凝固療法を必要とした. 腎症をもった症例は3例であった.出生児は30児で大奇形による新生児死亡が1例あった. 大奇形を合併していた児の母体は受胎後の初診であり高血糖を伴っていた. 分娩後1-14年にわたる網膜症のfollow-upでは, 対象と年齢・罹病期間の一致した未妊娠の糖尿病女性に比べ網膜症は進行しておらず, 妊娠, 出産は糖尿病女性の予後を悪化させていないことが示された.
  • 直 克則, 山崎 義光, 桂 賢, 野村 誠, 河盛 隆造, 鎌田 武信, 山本 保範, 石本 一郎
    1989 年 32 巻 5 号 p. 307-312
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当科糖尿病専門外来定期通院者で年一度以上, 5年間にわたり眼底の評価を行なっている155例についてHbA1c値と糖尿病性網膜症 (DR) の関連を検討した. 空腹時血糖はDRの重症度と明らかな関連を認めなかった. 5年間の平均HbA1cが6.5%未満の症例は全例DRの存在を認めず (NDR), 6.5~7.5%の症例では70.4%がNDR, 7.5%以上の症例では38.5%がNDRであった. また単純性DR (SDR) からNDRへ改善した6例とNDRからSDRに悪化した16例の変化発見時点での平均 (±SD) HbA1cは, 7.1±0.4% vs 9.0±1.2%(p<0.005) であった. SDR群のうち5年間の平均HbA1cが8.0%以下であった症例は改善例に比し5年間の平均収縮期・拡張期血圧とも有意に高値であった (147±11mmHg/83±7mmHg vs 129±13mmHg/73±6mmHg (p<0.025)).
    以上DR発症阻止の血糖制御目標として平均HbA1c値で6.5%以下が望ましく, さらに進展因子として高血圧が重要であることが示唆された.
  • 岩井 正秀, 芳野 原, 松下 正幸, 岩谷 逸平, 松葉 光史, 森田 宗孝, 鹿住 敏, 馬場 茂明
    1989 年 32 巻 5 号 p. 313-318
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    正脂血症を呈する糖尿病患者88例のリポ蛋白組成を検討した. 症例はその治療法によって3群に分け,: インスリン治療 (Insulin群), 経口血糖降下剤群 (SU群), 食事療法群 (Diet群), 血中コレステロール (Ch) とトリグリセライド (Tg) は各々, 250と150mg/dl以下に限定した. 年齢と比体重を症例にあわせた正脂血症健常人をコントロール (Control群) とした. 血中総ChとTgは4群で差はなく, 血中アポ蛋白 (apo) Bは糖尿病各群とも高く, SU群ではその上昇はcontrol群に比し有意であった. 超低比重リポ蛋白 (VLDL, 比重1.019以下) 分画のCh, TgおよびCh/Tg, さらに低比重リポ蛋白 (LDL) 中のChとCh/apo Bは4群間でまったく差を認めなかった. 高比重リポ蛋白 (HDL)-Chは4群間で差を認めなかったがapo A I, A IIとも糖尿病3群においては有意に低値でHDL-Ch/apo A IはDiet群とInsulin群で有意に高値を示した. 以上, 正脂血症の糖尿病患者ではLDL粒子のCh-enrichmentは存在しなかったが, HDL粒子については, その質的異常の存在がうかがわれた.
  • 加藤 順一, 鹿住 敏, 奥谷 俊夫, 笠間 敏雄, 芳野 原, 吉田 宗儀, 馬場 茂明
    1989 年 32 巻 5 号 p. 319-324
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    外来通院でのカロリー制限という食事療法のみで達成された体重減少の動脈硬化危険因子に与える影響を, 中年の男性肥満において検討した. Body mass indexは26.5±1.0から23.4±0.6kg/m2へと, 血圧も154±7/99±6から125±4/82±3mmHgへと低下した. LDL-脂質は変化しなかったが, VLDL-コレステロール (C) は42%, TGは46%, 燐脂質は38%減少した. これらの変化に伴ってアポBは17%, アポCIIは17%, アポCIIIは21%, アポEは28%減少した.一方, HDL-Cは18%, 燐脂質は12%増加した. HDL亜分画の検討ではHDL3-Cが有意に増加した.アポAIとAII, LDL-C/HDL-Cは有意の変化を示さなかったが, アポB/アポAIは0.88±0.08から0.72±0.06へと減少した. 同時に, 経口ブドウ糖負荷後の血糖とインスリンも低下した. 以上, 食事療法のみで達成された体重減少は, 中年男性の肥満において動脈硬化に対する種々の危険因子を有効に改善した.
  • 荻野 泰久, 岡田 奏二, 樋口 徹, 市木 研, 田野口 創, 太田 善介
    1989 年 32 巻 5 号 p. 325-330
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は糖尿病歴24年の65歳の女性. 60歳より閉塞性動脈硬化症を合併し間歇性跛行・左足底部潰瘍の寛解・増悪を繰り返していた. 昭和61年1月より持続する左股関節部痛を主訴として, その3週後に当院を受診X線検査にて異常を認めず, 筋肉痛として対症療法を受けていたが増悪するため入院. 入院時, 発熱・著明な左股関節部痛・左足底部潰瘍を認めた. X線にて坐骨の融解像を認め, 骨シンチグラフィーでも同部位の異常集積像を認め, また試験穿刺にて膿汁を採取したため, 坐骨骨髄炎と診断された.
    入院後, 後遺症を残さず3ヵ月後に寛解を得, 現在まで再発を認めていない.
    本症は足底部潰瘍を感染源として血行性に坐骨骨髄炎を発症したことが強く疑われ, 糖尿病患者におけるfoot careの重要性を示した. また, 糖尿病患者における原因不明の疼痛に対し骨髄炎を常に念頭におき早期診断・早期治療をする必要があると思われた.
  • 西村 進, 南條 輝志男, 坂上 和, 岡井 一彦, 英 肇, 近藤 溪, 三家 登喜夫, 宮村 敬
    1989 年 32 巻 5 号 p. 331-336
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は19歳女性. 3歳頃より次第に四肢が細くなった. 1987年2月検診で尿糖指摘され, 精査のため当科受診. 全身の脂肪萎縮著明, 四肢細く, 眼球突出, 甲状腺腫大, 肝腫大を認めた. OGTTにて糖尿病型血糖曲線, IRI, CPRは高値遅延反応. インスリン (イ) 負荷にて (イ) 抵抗性を認めた. 中性脂肪245mg/dl, 基礎代謝率+69.5%.甲状腺ホルモン, 甲状腺機能検査は正常であり, 本症例は脂肪萎縮性糖尿病と診断した. (イ) 抗体,(イ) レセプター抗体は陰性. 赤血球 (イ) 受容体結合能は正常. また, 患者血中 (イ) は逆相高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により正常 (イ) と同定された. 食事療法とClofibrate投与後の血清脂質正常時には (イ) 抵抗性は改善し, 空腹時IRI値は中性脂肪. 遊離脂肪酸 (FFA) 値とほぼ平行して変動したことより, 本症例の (イ) 抵抗性に血清脂質が大きく関与していることが示唆された.
  • 1989 年 32 巻 5 号 p. 337-352
    発行日: 1989/05/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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