糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
48 巻 , 12 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
特集 血管内皮障害
原著
  • 日高 秀樹, 辻中 克昌, 山〓 義光
    2005 年 48 巻 12 号 p. 841-847
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    職域の健診成績と診療報酬請求書より算出した医療費から, 糖尿病一次予防の対象と医療費軽減の可能性を推定した. 1992年度に健診を受けた40~60歳男性で2000年度までにFPG 126mg/dl 以上 (DM域) を示した対象は1992年度FPG 100mg/dl 以上の群より増加し, 7~8年後の医療費も増加した. FPG 100~125のハイリスク1,242例から, 1996, 1997年度にDM域は21%出現し, この群の1999~2000年度の平均医療費は41±5.8万円とFPG不変・改善群より約10万円高額だった. ハイリスク群に介入し25%有効な場合, 3, 4年後に減少する医療費は年間1名当たり約3千円と推計された. FPG 100未満の低リスク群では, 4, 5年後のDM域は1.5%であり, 減少医療費は440円と推定された. より長期の効果については今後の検討が必要である. 短期的な直接医療費から一次予防に利用可能な費用はハイリスク者でも少なく, 糖尿病一次予防は費用対効果の優れたものが必要と考えられる.
  • 松本 一成, 尾崎 方子, 藤田 成裕, 三宅 清兵衛
    2005 年 48 巻 12 号 p. 849-854
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    境界型47例を3年間前向きに経過観察し, 2型糖尿病を発症しやすい患者の臨床的特徴を, インスリン抵抗性やメタボリックシンドロームとの関係に焦点をあてて調査した. インスリン抵抗性はインスリン負荷試験のK値 (Kitt) にて測定した. 糖尿病を発症した境界型患者 (16例) は, 腹囲が有意に大きく (89±14 vs. 82±9cm, p<0.05), 空腹時血糖値が有意に高く (111±17 vs. 101±10mg/dl, p<0.05), インスリン抵抗性が有意に高度 (3.31±1.11 vs. 4.23±1.13%/min, p<0.05) で, メタボリックシンドロームの比率が有意に高かった (68.8% vs. 32.3%, p<0.05). また, メタボリックシンドロームを呈する境界型からは, メタボリックシンドロームを伴わない境界型と比較して有意に多くの糖尿病が発症した (52.4% vs. 19.2%, p<0.05). 多重ロジスティック回帰分析においては, 種々のモデルにてインスリン抵抗性とメタボリックシンドロームは独立した危険因子であったが, インスリン分泌は糖尿病発症の独立した危険因子ではなかった. 以上のことより, 境界型のなかでインスリン抵抗性が高度な患者やメタボリックシンドロームを呈する患者は2型糖尿病に移行しやすいと思われた. 糖尿病の発症を効率よく予知するためには, 糖負荷試験のみでなく, 腹囲, 血圧, 脂質なども測定し, メタボリックシンドロームの有無を診断することが有用であると思われた. 今後, 多数例での検証が必要であろう.
症例報告
  • 長峯 美穂, 〓橋 伸彦, 井上 充貴, 高後 裕, 奥村 利勝
    2005 年 48 巻 12 号 p. 855-858
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は54歳の女性. 38歳より糖分摂取で改善する脱力感, 冷汗を自覚していた. 2002年2月, 同様の症状で近医を受診. 75gOGTTで3時間後の血糖が39mg/dl のため当科を紹介となった. 血液学的には異常を認めず, 腹部CTで膵腫瘍を認めなかった. 2003年2月に同様の症状を自覚して再来し, 食後3時間の血糖が58mg/dl のため再入院となった. 内分泌ホルモンを含めて血液学的異常は認めず, 消化管の手術歴もないため特発性食後性低血糖症と診断した. α-Glucosidase Inhibitor (α-GI) で治療後経過良好である. 特発性反応性低血糖症例は比較的稀な疾患であり, 本症例を含めた本邦報告例をまとめたので, 若干の考察を加えて報告する.
  • 長池 涼子, 水田 雅也, 上野 浩晶, 斎藤 幸枝, 澤田 浩武, 長嶺 元久, 中里 雅光
    2005 年 48 巻 12 号 p. 859-861
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は23歳女性と32歳女性. 低身長を契機に性染色体異常を指摘され, ターナー症候群と診断された. いずれも23歳時に高血糖を契機に糖尿病と診断され, その後抗GAD抗体陽性で内因性インスリン分泌が保持されていたことから, 緩徐進行型1型糖尿病と診断した. 2症例とも橋本病を合併しており, ターナー症候群に伴う糖尿病の発症機序に自己免疫異常の関与が示唆された.
コメディカルコーナー・原著
  • 中野 真寿美, 森山 美知子, 黒江 ゆり子, 坂巻 弘之, 長谷川 友紀
    2005 年 48 巻 12 号 p. 863-868
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    疾病管理手法に基づき2型糖尿病の自己管理を促進するため, 患者特性に応じたアセスメント・アルゴリズムの開発を目的に, 文献で得られた影響因子を参考に, 2型糖尿病425名に質問紙による調査を行った.
    自己管理の評価指標をHbA1c値に設定しパス解析を行った結果, インスリン使用の有無にかかわらずHbA1c値が8.0以上の不可群において妥当なパス図を作成することができた. パス図は, 「自己効力感」が「食事・運動が守れる」という行動を介してHbA1c値に影響し, 「家人の協力」は「療養の重要性の認識」を介してHbA1c値に影響した. 「Locus of control」のみHbA1c値に直接影響した.
    この結果より, Locus of controlの所在, 自己効力感の高さおよび療養の重要性認識と行動変容の段階を考慮した介入・教育プログラムの提供を実践するアセスメント・アルゴリズムを考案した.
feedback
Top