糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
38 巻, 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 趙 源清, 姫井 孟, 松岡 孝, 川西 純暉
    1995 年 38 巻 7 号 p. 485-490
    発行日: 1995/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性自律神経障害評価のために, MemCalc 1000を用いて100心拍のR-R間隔変動幅の周波数解析をMEMにより行った. 副交感神経機能を反映する高周波領域の区分積分値は深呼吸負荷で有意に増加し, R-R間隔変動幅の標準偏差, ひんじ散布度と共に深呼吸負荷が副交感神経機能評価に有用であった. 高周波領域の区分積分値増加例では交感神経機能を表現する低周波領域の区分積分値も増加し, 深呼吸負荷時の変化も大きい. 深呼吸負荷時の区分積分値は副交感神経と同時に交感神経機能評価にも有用な指標になり得ると考えた. Sympathetic skin response (SSR) は無髄C線維機能の評価法であるが, 深呼吸負荷時に低周波領域の区分積分値が増加しない例では, SSR潜時は延長, 振幅は低下するか, no responseであった. また, 心筋シンチグラムで交感神経障害が示唆された例でも低周波領域の区分積分値は明らかに減少し, 区分積分値は自律神経機能の有用な指標になり得ると考えた.
  • 平井 淳一, 若杉 隆伸, 嵯峨 孝, 木藤 知佳志, 竹越 忠美, 斉藤 和哉
    1995 年 38 巻 7 号 p. 491-499
    発行日: 1995/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    人間ドック初回受診者のうち, 男性の40歳代2263例, 50歳代2174例, 女性の40歳代629例, 50歳代741例, 合計5807例を対象とし, 耐糖能異常や肥満を段階的に分け, 収縮期血圧 (SBP), 拡張期血圧 (DBP), 脈圧 (PP) への影響を男女・年代別に検討した. また腎障害の関与についても観察した.【肥満の影響】(1) SBP, DBPは上昇したがPPは不変であり, この現象は女性に比し男性で, しかも50歳代で顕著であった.(2) Crは概ね上昇した.(3) 蛋白尿は一部で減少した.【耐糖能異常の影響】(1) 血圧の上昇は男性の50歳代で顕著であり, PPも増加していた.(2) Crと蛋白尿の変化は一様でなかった.【まとめ】血圧値は, 肥満次いで耐糖能異常の順に影響を受けていたが, PPの増加の有無など両者の血圧値への様相は異なっていた. そして両者は, 女性の50歳代のSBP, DBPで相乗的に, その他で相加的に影響していた. なお腎障害との直接的な関連は少ないと考えられた.
  • 吉野 博子, 荷見 澄子, 大森 安恵
    1995 年 38 巻 7 号 p. 501-507
    発行日: 1995/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Limited joint mobility (LJM), Dupuytren拘縮 (DC) を伴うNIDDMの臨床的特徴を調べ, 血清IV型コラーゲン7S値について検討した. LJMはMIDDM 168例中30例 (17.9%) に, DCは26例 (15.5%) にみられた. LJMを伴うNIDDM (LJM群) では, LJMとDCのいずれもないNIDDM (対照群) に比較し, HbA1cのみが有意に高く, 年齢と罹病期間には有意な変化はなかった. DCを合併するNIDDM (DC群) では, 年齢, 罹病期間, HbA1cすべて対照群より有意に高値を示した.神経障害は, LJM群とDC群のいずれも対照群より有意に高率であり, 増殖網膜症の頻度はDC群において61.5%と最も高かった. 血清IV型コラーゲン7S値は, 対照群の4.89±0.64ng/mlに対し, LJM群では4.96±1.21ng/ml, DC群では5.77±0.93ng/mlであり, DC群で対照群と比較し有意に高値であった. DCを有するNIDDMにおいてIV型コラーゲンの代謝異常が進んでいる可能性が考えられ, 糖尿病細小血管障害の進行との関連性が示唆された.
  • 骨髄移植による糖尿病治療
    根本 昌実, 森 豊, 横山 淳一, 畑 章一, 加藤 秀一, 村川 祐一, 田嶼 尚子, 磯貝 行秀, 池田 義雄, 西村 正彦
    1995 年 38 巻 7 号 p. 509-515
    発行日: 1995/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    自然発症糖尿病WBN/Kobラットの糖尿病発症機序を明らかにする目的で骨髄移殖による治療を試みた. 生後4週齢のWBN/Kob (RTIU) ラットに8Gyの放射線を照射し, WF (RTIU) ラットとLETO (RT1U) ラットの骨髄細胞を各々3×107個静注した. 対照としてWBN/Kobラットの骨髄細胞を移殖した. 経口ブドウ糖負荷試験, 膵インスリン含量, 末梢血リンパ球サブセット, 膵病理組織像を6カ月齢で検討した.治療群の耐糖能障害は対照群と比較し有意に軽減されており, 膵インスリン含量も保たれていた. リンパ球サブセットの解析では治療群で対照群と比較し有意にBリンパ球の増加, Tリンパ球の減少を認め, Th/Tnon-h比は有意に減少していた. 治療群の膵病理組織像は対照群と比較して明らかに線維化が軽減されていた. 骨髄細胞移植によりWBN/Kobラットの糖尿病は軽減化され, 本ラットにおける糖尿病発症には骨髄細胞の移植によって改善される病因が存在することが考えられた.
  • 浅野 道子, 奥田 諭吉, 平野 国美, 山岡 孝, 鶴嶋 陽子, 曽根 博仁, 小川 雅士, 伊坂 正明, 水谷 正一, 朝倉 由加利, ...
    1995 年 38 巻 7 号 p. 517-522
    発行日: 1995/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は50歳男性. 12年前, 急性膵炎と糖尿病を発症した. 大量の飲酒を続け, 血糖コントロールは不良であった.1年前より, 水様性の下痢, 口内炎, 味覚障害, 頭髪や眉毛の減少, 手指と足趾末端に亀裂, 痂皮, 落屑を伴う紅斑が出現. 血中亜鉛は39μg/ml (50-140) と低値を示し, 硫酸亜鉛の経口投与にて, 症状は著明に改善した. アルギニン負荷試験にてインスリンとグルカゴンは共に低反応であり, 膵性糖尿病と診断した. 亜鉛投与後, 全身状態の改善に伴い耐糖能も改善し, アルギニン負荷試験でのインスリン分泌も亜鉛投与前と比較して若干の改善を認めた.
  • 瀬戸口 純子, 繁田 浩史, 手越 久敬, 和田 勝也, 北川 良裕, 中埜 幸治, 近藤 元治
    1995 年 38 巻 7 号 p. 523-526
    発行日: 1995/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Recently, it was reported the interferon therapy for chronic hepatitis C, often induces retinal diseases. To investigate the effects of HCV infection on diabetic complications, especially diabetic Rretinopathy, 421 patients with non-insulin dependent diabetes mellitus were examined for anti-hepatitis C virus antibody (HCVAb), hepatitis Bs antigen (HBs-Ag), and liver function. They were divided into four groups (A, B, C, D); Group A: both HCVAb and HBsAg were negative, with normal liver-function (n=335), Group B: both HCVAb, and HBsAg were negative, with liver-dysfunction (n=35), Group C: positive HCVAb (n=42), and Group D: positive HBsAg (n=9). These four groups showed no significant differences from diabetic controls. The prevalence of diabetic retinopathy in Group C (52%) was, however, significantly higher than those of groups A (29%), B (14%), and D (11%), and the prevalence of diabetic nephropathy (40.5%) was higher than those of groups A (19.1%) and B (14.3%)(p<0.05). These findings suggest that HCV infection exacerbates diabetic microangiopathy. We speculate that activated lymphocytes in HCV-infected patients, produce cytokines wchich induce diabetic damage of small vessels.
  • 富永 真琴
    1995 年 38 巻 7 号 p. 527
    発行日: 1995/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
feedback
Top