糖尿病
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39 巻 , 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 羽入 修, 塙 晴雄, 中川 理, 谷 長行, 安藤 伸朗, 相澤 義房, 柴田 昭
    1996 年 39 巻 11 号 p. 835-841
    発行日: 1996/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病腎症の発症には遺伝因子が関与している可能性が指摘されているが詳細は明らかでない. Angiotensin I変換酵素 (ACE) 遺伝子のintron 16における欠失 (D)/挿入 (I) 多型に関して, インスリン依存型糖尿病においてII型では腎症になりにくいとされるが否定する報告もある. これら相異なる成績の一因としては, 対象患者の血糖コントロール状態の相違なども考えられる. 今回増殖糖尿病網膜症を有するインスリン非依存型糖尿病で, 細小血管障害を発症しうる十分な罹病期間と高血糖とに暴露されたと考えられる45症例においてACE遺伝子多型について検討した. 腎症を合併する群と合併しない群間で, HbA1cの1年間の平均値, 血圧, 罹病期間で有意差がなかったが, 腎症のない群で有意に (P=0.012) II型が多く, またII, DI, DD型と尿中アルブミン排泄率が増加する傾向が認められ, 以上よりACE遺伝子が腎症の発症に関与している可能性が示唆された.
  • 奥平 真紀, 佐伯 明子, 武藤 和子, 横山 宏樹, 内潟 安子, 大森 安恵
    1996 年 39 巻 11 号 p. 843-848
    発行日: 1996/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    インスリン依存型糖尿病 (IDDM) 患者に対してαグルコシダーゼ阻害剤アカルボースを併用し血糖コントロールに有効であるか否かを検討した. 対象は血糖コントロール不良で摂食障害を含むIDDM患者21名, 平均年齢31歳である. アカルボース150mg/日を3カ月間投与し, 投与前3カ月間のHbA1cと投与後3カ月間のHbA1cの変化率により, 5%以上改善例を有効群, 5%未満を無効群とした. 有効群は8名, 無効群は13名であった. 摂食障害合併例6名は平均年齢23歳, 女性5名, 男性1名で全て無効群に含まれ, アカルボース無効の一因と考えられた. 両群の他の臨床的背景に差異は認めなかった. 重篤な副作用も認められなかった. 摂食障害のないIDDM患者の血糖コントロールにアカルボース併用の有効性が示唆され, 今後さらに長期投与していく意義があると考えられた.
  • 朝長 修, 馬場園 哲也, 田中 好子, 石井 晶子, 平山 美智代, 佐藤 賢, 武田 將伸, 作家 有実子, 青木 かを里, 高野 靖子 ...
    1996 年 39 巻 11 号 p. 849-855
    発行日: 1996/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖化アルブミン (glycated albumin, GA) に対する腎不全の影響を明らかにすることを目的とし, 腎不全群132名 (ブドウ糖負荷試験正常耐糖能16名, 境界型17名, 糖尿病99名), 腎機能正常群298名 (正常耐糖能126名, 境界型24名, 糖尿病148名) における, GAおよびHbA1cを測定した. 正常耐糖能群においてHbA1cは腎機能正常群に比べ腎不全群で有意に高値を示したのに対し, GAは正常耐糖能あるいは境界型群いずれにおいても, 腎不全, 腎機能正常群間で差を認めなかった.重回帰分析や腎不全群におけるエリスロポエチン (EPO) 投与前後の検討で, HbA1cはEPOの投与によって低下することが示唆されたが, GAはEPOの投与のみならず, 血清アルブミン値の影響も受けないことが明らかとなった. 以上から, GAは腎不全に至った糖尿病患者においても血糖制御の指標として用いることが可能であり, さらにEPO投与中の腎不全患者ではHbA1cよりも有用であると考えられた.
  • 森 ユミ子, 安西 慶三, 田代 英一郎, 高田 徹, 大久保 久美子, 二田 哲博, 漢 幸太郎, 浅野 喬, 小野 順子
    1996 年 39 巻 11 号 p. 857-865
    発行日: 1996/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性自律神経障害について, 交感および副交感神経機能を個別に, かつ同一検査内で評価することを目的にsquatting testの有用性を検討した. 3分間立位後1分間踵鋸, 再度1分間の立位を取り, 規定時間内での平均RR間隔, 最大RR間隔, 最小RR間隔を計測し, squatting test vagal ratio (SqTv=baseline RR/longest RR), squatting test sympathetic ratio (SqTs=baseline RR/shortest RR) を求めた. 40歳以上の健常者72名および糖尿病患者39名を対象として, これらと心拍変動係数 (CVRR), 起立試験, さらに24時間心電図による心拍変動解析の結果とを比較検討した. SqTv, SqTsとも再現性は良好であった. 加齢の影響を受けるため10歳間隔で基準範囲を設定した. 従来の検査法での判定とほとんどの症例で一致し, しかも本検査がより鋭敏であったが, SqTsは副交感神経機能も反映すると思われた.
  • 莇 也寸志, 帯刀 圭子
    1996 年 39 巻 11 号 p. 867-872
    発行日: 1996/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は慢性膵炎と糖尿病で通院中の70歳の男性1993年12月腹部腫瘤の精査のために入院し, 腹部血管造影検査によって右総腸骨動脈の嚢状動脈瘤と診断された. 動脈瘤切除術が施行されたが, 術中所見では動脈瘤は周囲の多房性の膿瘍と一塊となっており, 膿瘍の培養からカンジダが検出された. 組織学的検査において動脈壁に活動性の炎症所見を認めなかったことから, 本例に認められた動脈瘤は後腹膜膿瘍からの炎症が動脈硬化によって脆弱化した総腸骨動脈に波及したために形成された感染性動脈瘤と考えられた. また後腹膜膿瘍は, 1989年の早期胃癌に対する胃切除術施行後の中心静脈高カロリー輸液にともなうカンジダ血症に続発した深在性真菌症と考えられた. カンジダ感染症が4年後に出現した理由として, 全身に播種されたカンジダが耐糖能異常による細胞性免疫能の低下を背景として後腹膜において再燃した可能性が推測された.
  • 馬場 泰忠, 濱田 富志夫, 青崎 真一郎, 久保田 敬子, 北原 弘文, 鮫島 久子, 有馬 暉勝
    1996 年 39 巻 11 号 p. 873-881
    発行日: 1996/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は28歳のIDDMの女性, 糖尿病性ケトアシドーシス (DKA: 血糖値633mg/dl, pH6.90) と診断し治療を開始した. 呼吸音も胸部X線も異常を認めなかったが, 約14時間後成人呼吸窮迫症候群 (ARDS) を発症した. DKAにおけるARDS発症例の報告は稀で, その救命は非常に困難とされている. 本症例では肺水腫による低酸素血症は急速に進行し, 酸素吸入を開始したが好転せずショック状態に陥った. 救命的治療とともにCorticosteroid, Urinastatinの投与を行った. 高度の低酸素血症は約6時間続き, その間瞳孔は散大, 対光反射は消失し, 中枢神経系の重大な障害が危惧された. しかしその後低酸素血症の改善に伴って次第に意識回復が認められ, 8日間の呼気終末陽圧法を併用した呼吸管理の後, 後遺症なしに救命された. 本症例を経験して, ARDSの治療にはDKAにおいても, 病態に応じた呼吸管理と速やかなCorticosteroidやProtease-inhibitorの投与が大切と考えられた.
  • 1996 年 39 巻 11 号 p. 883-891
    発行日: 1996/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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