糖尿病
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31 巻 , 3 号
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  • 猪股 茂樹, 井上 正則, 大沢 佳之, 伊藤 万寿雄, 正宗 研
    1988 年 31 巻 3 号 p. 189-198
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 43例 [microalbuminuria (Albumin excrction ratc: AER≧20μg/min) 17例 (A群), normoalbuminuria (<20μg/min) 26例 (B群)] についてAERとHbA1を12~18ヵ月間追跡し, またA群9例でAERの推移と腎組織所見を対比した.
    AERの推移は追跡終了前6ヵ月間の平均HbA1が8.0%未満のA-S群5例で正常化2例, 不変3例, 8.0~9.0%のA-G群4例で正常化2例, 改善1例, 不変1例, 9.0%以上のA-P群8例で不変5例, 悪化3例であった. 同一規準でわけたB-S群8例中1例, B-G群7例中1例, B-P群11例中4例で間歇性または持続性microalbuminuriaが認められた. 糸球体びまん性病変III度, 結節性病変I度でも厳格な血糖管理でAERが正常化しうることが明らかになった.
    NIDDMにおけるmicroalbuminuriaは, HbA1が常に9.0%以上または8.0~9.0%であればHbA1をそれぞれ8%台または6, 7%台にすることで是正できる可能性が示された.
  • 原田 真理子
    1988 年 31 巻 3 号 p. 199-208
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病における高脂血症, 特に高LDL血症の病因病態を研究する目的で, 培養線維芽細胞を用い, LDL代謝経路に及ぼすインスリン作用を細胞周期および糖代謝と関連させて検討した. インスリンは2時間よりLDL受容体を増加させ, 50%最大効果は2.5ng/ml以下で観察された. この50%最大効果出現濃度はインスリンのブドウ糖取り込み促進作川の濃度とほぼ一致し, DNA合成促進では100ng/mlと40倍以上必要とした。
    インスリンの作用と細胞用期との関連を知るため, ヒドロキシ尿素を用いて細胞周期を同調させ, G1期 (DNA合成準備期) およびS期 (DNA合成期) について, インスリンの作用を検討した. インスリンのLDL代謝経路促進作川は, 主にG1期にみられ, S期には認めなかった. インスリンの細胞内ブドウ糖取り込み促進作用についても同様であった.
    これらの結果は, インスリンが生理的にもLDL代謝をLDL受容体の増加を介して調節していることを示唆しており, このインスリン作川の不足が, 糖尿病における過血糖のみならず, 高LDL血症の出現にも, 関与しているものと考えられる. また, これらのインスリン作用が, S期には発現せず, G1期では発現することは, インスリン作用機序解明上興味ある知見と考えられる.
  • 渡辺 敏郎, 石井 淳
    1988 年 31 巻 3 号 p. 209-215
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    自然発症インスリン依存型 (1型) 糖尿病動物 (BB/Wラット) に対しaldosc rcductase inhibitor (ARI: ONO-2235) を投与し, 糖尿病性腎症とポリオール代謝との関連につき検討した. 腎ソルビトール含量は, インスリン単独治療糖尿病群 (A群) に比し, ARIを併用した糖尿病群 (B群) および同週齢未発症対照群 (C群) でともに有意に低値であった (ともにp<0.05). 尿中アルブミン排泄量 (U-Alb) および尿中N-acctyl-β-D-glucosaminidasc (U-NAG) 活性は, A群で観察期間中, 有意に増加を認めたが (ともにp<0.05), B, C群では不変であった. 光顕上, メサンギウム領域はA群において, B, C群に比し, 有意に増加した (p<0.05). 電顕上, A群において, 上波細胞の腫大, 足突起の癒合, などが認められた. 以上, 糖尿病による, 腎ソルビトール蓄積と腎障害との関連が示唆され, ARI投与により, 腎障害の改善あるいは発現が抑制される可能性が考えられた.
  • 石井 周一, 飯村 康夫, 櫻林 郁之介, 河合 忠
    1988 年 31 巻 3 号 p. 217-222
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Fructosamine (FA) は, glucoscが蛋白に結合しamadori転移を起こしたもので, その生成過程はHbA1と同様であるが, 血清中に含まれる蛋白の半減期が平均14~28日であることから, HbA1より短期間で, 測定前1~3週間の平均血糖濃度を反映しているといわれている. われわれは人間ドック受検者と, 定期検診で尿糖を指摘され糖尿病を疑われて来院した患者に75g OGTTを実施し, 同時にFAやHbA1などを測定し, FAの糖尿病スクリーニングの指標としての有用性について検討した. FAは正常型群 (N群) 2.59±0.17, 境界型群 (B群) 2.77±0.28, 糖尿病型群 (D群) 3.47±0.49mmol/lで, D群とB群のFA値はN群に比し有意に (p<0.001) 高値を示した. さらに, FAは空腹時血糖 (FPG), 75g 0GTT 4時点の血糖の総和 (ΣOGTT), HbA1などと高度の有意の正の相関が認められた. また, 今回われわれが検討したFAの測定法は, 検体として血清を用い, 簡易で短時間に自動測定可能なため, 人間ドックや外来初診でのスクリーニング検査に適しており, 今後, FA単独あるいはFPGなどと組合せることにより, 明らかな糖尿病や, 糖尿病のhigh risk群をスクリーニングできる可能性が示唆された.
  • 寺田 雅彦
    1988 年 31 巻 3 号 p. 223-230
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性神経障害の発症機序を解明するため, ストレプトゾトシン (STZ) 糖尿病ラットの薄束および薄束核の機能変化を電気生理学的に検討し末梢神経機能障害と比較した. またdying-back型ニューロパチーの1つである2.5-ヘキサネダイオン (2, 5-HD) 中毒ラットの薄束系でも同様の検討を行った. STZ投与後4週で末梢神経の運動および感覚線維最大伝導速度 (MCV, SCV) は対照群と比較して低下したが, 薄束路最大伝導速度 (GTCV) の低下はSTZ投与後12週で初めて認められ, しかもMCV, SCVの低下に比して軽微であった. また薄束核表面誘発電位および薄束の逆行性複合活動電位波形の変化は糖尿病ラットでは認められなかった. 一方8週2, 5-HDラットでは, GTCVの低下とともに薄束核表面誘発電位N, P波の振幅の減少とN波の潜時および持続時間の延長ならびに逆行性複合活動電位の潜時と持続時間の延長を認めた. 以上から糖尿病ラットにおいて薄束線維は末梢神経線維に比べ傷害されにくいこと, および薄束障害が2, 5-HDニューロパチーと異なる機序によって起こることが推察された.
  • 池本 卓, 口羽 謙二, 秋山 雅昭, 前田 俊彦, 横瀬 琢男, 磯貝 行秀
    1988 年 31 巻 3 号 p. 231-237
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性細小血管症の成因に関する血血液粘弾性の意義を明らかにするために, 細小血管症の重症度による血液粘弾性の変動を検討した. 対象は, 正常12例, 糖尿病54例である. 方法は, 血液粘弾性を岩本製作所試作のOP-Rheomderを用用いて測定し, 動的弾性率G′と損失弾性率G′′をその指標とした. 得られた成績は, 1) 網膜症: 正常と比較してG′はScott分類I期以上で, G′′はIII期以上で有意の上昇を認め, 網膜症を認めない群に比較して, G′, G′′ともScott IV期以上で有意の上昇を認めた. 2) 腎症: クレアチニンクリアランス値の低下に伴い, また尿蛋白排泄量の増加に伴い, G′, G′′とも有意に上昇した. 3) 神経障害: 心電図R-R間隔の変動係数の低下に伴い, G′, G′′とも上昇した. 以上より, 血液粘弾性の異常は, 細小血潅管症の重症度と密接な関係を有しており, その成因の一部として関与する可能性を示唆するものと考えられる.
  • 石橋 修
    1988 年 31 巻 3 号 p. 239-246
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン受容体蛋白の減少を示すインスリン受容体異常症の2症例, JRM 1およびJA 3の遺伝子DNAおよびmRNAレベルの異常を検索するため, EB virus-transformed lymphecytesを用いてヒトインスリン受容体cDNAでのSouthern analysisおよびNorthern analysisを行った. Kpn I, Pvu II, Rsa IおよびSac Iにて調べた切断断片にはpolymorphisrnが認められたが, Ban I, Ban II, Bgl II, Hind IIIではみられなかった. しかしいずれの症例も対照にない断片は見いだされず, このpolymorphismが本疾患に特有ではないこと, インスリン受容体遺伝子DNAには大きな欠損や挿入のないことが示唆された. Northern analysisにて検出されたmRNAは対照と同様の分子量およびバンドの強度を示し, 大きな異常のないことが示された. 以上の結果よりこれら2症例のインスリン受容体数の低下の原因は, mRNA転写以後のステップにあることが示唆された.
  • 二宮 裕, 荒川 正昭
    1988 年 31 巻 3 号 p. 247-252
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    原発性慢性糸球体腎炎 (以下腎炎) を合併したインスリン非依存性糖尿病 (NIDDM) 者について, 血清アンジオテンシン変換酵素 (SACE) 活性および腎機能を検討した. 対象は, 肺に異常なく, 喫煙歴のないNIDDM (糖尿病性腎症合併26例, 非合併42例), 腎炎を合併したNIDDM8例, 糖尿病を合併しない腎炎患者 (IgA腎症14例, 膜性腎症6例) および正常45例とした. 腎炎を合併したNIDDMのSACE活性は, 糖尿病性腎症群および正常群と比較して低値であった. 糖尿病性腎症の合併例では, 正常群と比較してSACE活性は高値であった. 腎疾患を合併する各群において, 糸球体濾過値 (GFR) とSACE活性の間には相関が認められなかった. 以上より, 尿蛋白陽性のNIDDMでは, 糖尿病性腎症の合併か腎炎の合併かの鑑別のため, 血清のACE活性値を検討することは有用と考えた.
  • 岡部 正, 亀田 省吾, 葉山 泰史, 斎藤 裕, 木村 武彦
    1988 年 31 巻 3 号 p. 253-255
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The insluin-like activity of oxytocin, in stimulating glucose oxidation in several tissues, has been demonstrated recently. This study on the effect of oxytocin on the plasma glucose level was made during induction of labor.
    Plasma glucose, insulin, glucagon, cortisol and adrenalin levels were measured during oxytocinor prostaglandin F (PGF)-induced labor. Oxytocin (8.3 mU/min) or PGF (10 g/min) was given to normal pregnant women at term.
    The plasma oxytocin level was significantly higher in labor induced by oxytocin than in labor induced by PGF. The plasma glucose level was decreased by oxytocin, while PGF, caused no significant change. Plasma insulin, glucagon, cortisol and adrenalin levels did not change during labor induced by either oxytocin or PGF.
    Further more, at the same duration and interval of uterine contraction, oxytocin decreased the plasma glucose level, while PGF had no effect.
    These findings suggest that the decrease in plasma gluose during oxytocin-induced labor is not due to uterine contraction or insulin secretion, but may be due to an increase in glucose oxidation in the tissues.
    Oxytocin, in addition to its known physiological roles, may have further metabolic roles and it should be studied for its possible therapeutic use for diabetic patients.
  • 伊藤 洋次郎, 小池 隆夫, 倉沢 和宏, 石井 達子, 伊藤 勇夫, 富岡 玖夫, 吉田 尚
    1988 年 31 巻 3 号 p. 257-260
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The development of diabetes in NOD mice is a T-cell-dependent autoimmune phenomenon. To clarify which subset of T cells is responsible for the destruction of B cells in islets of NOD mice, we injected precritical NOD mice (12 weeks old) with monoclonal antibodies (anti-L3T4 mAb and anti-Ly-2 mAb), which react with mouse lymphocytes. The administration of anti-L3T4 mAb prevented diabetes in the NOD mice, while anti-Ly-2 mAb failed to do so. Histologically, severe insulitis similar to that in the control mice was observed in both anti-L3T4 mAb-and anti-Ly-2 mAb-trea ted mice. However, the subsets of T cells constructing insulitis were entirely different in the two groups. Ly-2-positive T cells were dominant, while L3T4-positive T cells were absent, in the islets of anti-L3T4 mAb-treated mice. In the anti-Ly-2 mAb-treated group, most of the infiltrated lymphocytes were L3T4-positive T cells, and no Ly-2-positive T cells were observed.
    These results lead to the conclusion that L3T4-positive T cells may play a major role not only in the development of insulitis but in the destruction of B cells in NOD mice.
  • 1988 年 31 巻 3 号 p. 261-274
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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