糖尿病
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25 巻 , 10 号
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  • 山本 厚子, 日置 長夫
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1043-1051
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性末梢神経障害の発生, あるいは進展には種々の因子の関与が考えられる。今回, 微小循環における酸素解離に関与し, 組織anoxiaのbiochemical mediatorとして重要因子とも考えられる2・3-diphcophoglycerate (2・3-DPG) とglycosylated Hbの定量と運動神経伝導速度 (MCV), 知覚神経伝導速度 (SCV) を同時に計測し, それらの相関性につき検討した. すなわち, HbAlc4-6%41例を1群, HbAlc6~8%37例をII群, HbAlc8%以上34例をIII群とし, 計112例につき検討した. その結果,(1) HbAlcと2・3-DPGとの間には, II, III群, 糖尿病全群との間に負の相関を認めた. (2) HbAlcとMCV (腓骨神経) との間には, II, III群, 糖尿病全群との間に負の相関性を示した. (3) 2・3-DPGとMCVとの間では, 糖尿病全群との間にのみ正の相関性を認めた. (4) FBSとMCVとの間には, I-III群の各々に相関性を認めず, 糖尿病全群としてのみ有意の相関性を示した. 以上の結果から, 糖尿病性末梢神経障害の進展機序には, 高血糖そのものよりも, 酸素結合能の高いHbAlcの上昇によるHb-O2解離能の低下, Hb-O2解離の重要因子である2・3-DPGの低下による末梢組織への酸素供給能の減少が重要な因子のひとつであることが示唆された.
  • 古庄 敏行, 小坂 樹徳
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1053-1064
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    IDDMとHLAとの間の関連の遺伝学的メカニズムを解明するため, 連鎖平衡を仮定した頻度の期待値と頻度の観察値との比較から, その “ずれ” をepistasisによる効果と仮定し, epistasis分散の推定を試みた. epistasis分散の遺伝子型分散に対する比は, IDDMとHLA-Bw54で1/69, IDDMとHLA-DYTで1/59およびIDDMとHLA-DRw4では1/33で, 比較的小さい結果が得られた.
    連鎖不平衡は受精直前の配偶子の頻度で定義されるので, epista曲があっても, 必ずしも連鎖不平衡がでるとは限らない. 2つの遺伝子座位間の距離がある範囲より小さくなければならない.
    人の遺伝形質は配偶子レベルで分析できないので, 本研究では表現型のepista曲を考えているから, 連鎖不平衡は考えていない. したがって, 連鎖平衡が存在していることが確実なら検出できるが, epistasisと連鎖不平衡がある結果と同じようにでるので, この点十分考えねばならない。
    IDDMとHLAとの間のepista曲の解明は, 臨床遺伝学上極めて重要であるので, 今後さらに詳細な計画の下に多数の資料を収集して再検討する予定である.
  • 谷口 郁夫, 景山 茂, 斎藤 宣彦, 阿部 正和, 広瀬 茂久, 村上 和雄, 高木 敬三
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1065-1072
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性低レニン性低アルドステロン症 (Diabeti chyporeninemic hypoaldosteronism: DHH) では血中レニン活性が低下し, 不活性型レニンが正常者に比べて増加している. DHHの血中不活性型レニンの分子量 (MW) はSephadex G-100を用いたゲル炉過法によると55,000であるがUltrogel AcA 44を用いると50,000であった, 等電点電気泳動法より測定したDHHの血中不活性型レニンの等電点 (pI) は5.3, 5.5, 5.75, 6.1の4つのピークを示した, これらのMW, pIは健常者血中不活性型レニンと全く同じ値であった. また真のレニン前駆体である腎プロレニンのplと近似しているため, DHHにおける血中不活性型レニンの増加は腎臓内でのプロレニンからレニンへの変換障害によるものと考えた.
    DHHにおける血中不活性型レニンの活性化機構を検討したところ, トリプシンで不活性型レニンを活性化した場合, ゲル炉過法 (Ultrogel Ac A44) によるMWは50,000から42,000と小さくなり, pIは4.6, 4.75, 4.9, 5.1と変化した. 酸処理法 (酸透析後に中性透析) では, MWは42,000となり, pIは485, 5.0, 5.2, 5.35となり, 腎抽出液中の活性型レニンの値と近似していた. 従って酸処理で活性化された血中不活性型レニンは, 腎臓内活性型レニンと同じ分子組成をもつと考えられ, 血中にも正常な活性型レニンへ変換する因子が存在する可能性が示唆された.
  • 工藤 幹彦, 成田 祥耕, 小森 哲夫, 武部 和夫
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1073-1079
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    半年以上血糖コントロール状態および治療法が変わらなかった糖尿病患者57名の正中神経伝導速度を測定した. その内訳はF波による脊髄-肘部間, M波による肘部-手根部間の, それぞれ運動神経伝導速度と肘部-手根部, 手根部-手指間の感覚神経伝導速度の計4つである. 年齢, 性, 推定糖尿病罹病年数, 血糖コントロール状態, 網膜症, 尿蛋白, 膝蓋腱反射, アキレス腱反射, 治療法と4つの神経伝導速度との関連性を多変量解析法で分析し次の結果を得た. (1) 9つの臨床検査所見と4つの神経伝導速度の単相関分析では, 4つの神経伝導速度は共に血糖コントロール状態, 網膜症, 治療法と有意の相関を示した. しかし, 偏相関分析ではF波伝導速度のみが, 年齢と血糖コントロール状態と有意の相関を示した. つまり血糖コントロール状態が悪ければ, また高齢であればF波伝導速度は低値を示した. (2) 神経伝導速度の因子分析 (バリマックス法) で得られた2因子と臨床検査所見を偏相関分析すると第1因子と年齢が, 第2因子と血糖コントロール状態, 治療法が危険率1%以下の有意な相関を示した. (3) 9つの臨床検査所見からF波伝導速度を予測する目的で重回帰分析を行なった. 重回帰係数は0.753であり予測値が実測値の土2m/秒, 土3m/秒に入るものは53, 72%であった.
  • 野沢 真澄, 千葉 勉, 藤谷 浩, 田港 朝彦, 門脇 誠三, 松倉 茂, 藤田 拓男, 後藤 由夫
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1081-1086
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ストレプトゾトシン糖尿病ラットに対し膵移植を行ない, 糖代謝異常を是正した際, 胃ソマトスタチン (SRIF) がいかなる変化を来すかについて分泌量, 含量ならびに含有細胞数の面より検討を行なった.実験は, Lewis系ラットを用い, 正常群, 糖尿病群, 膵移植群の3群に分け, 4週後, 次の実験に供した.血糖, 血中インスリン (IRI), グルカゴン (IRG) を測定し, 胃灌流を行ない胃SRIF分泌を検討するとともに断頭屠殺後, 胃SRIFを抽出し, その含量を測定した. 更に, 胃体部のSRIF含有D細胞を酵素抗体間接法により染色し, その数を測定した. これらの結果, 血糖値は糖尿病群で明らかに増加したが, 膵移植により正常群以下に低下した. IRIは糖尿病群で低下したが, 膵移植により正常群以上に回復した.一方, IRGは糖尿病で増加し, 膵移植でさらに増加した.胃SRIF分泌量および含量は, ともに糖尿病群で明らかに増加したが, 膵移植により正常群以下にまで減少した.胃体部SRIF含有D細胞の数は, 糖尿病群においては正常群に比し増加したが, 膵移植により正常以下にまで減少した. これら胃SRIFの含量, 分泌量の変動は, 胃SRIF含有D細胞数そのものと相関し, この変動には, 末梢血中のインスリンが重要な役割を演じていることが示唆された.
  • 末広 逸夫, 大槻 眞, 尤 芳才, 山崎 富生, 大木 篤, 坂本 長逸, 岡林 克典, 前田 光雄, 神田 勤, 馬場 茂明
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1087-1093
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    α-glucosidchydrolase inhibitor (以下a-GHIと略す) は, 炭水化物水解酵素であるα-シュークラーゼ, マルターゼ, アミラーゼなどの活性を阻害するので, 食事と共に経口投与すると食後血糖の上昇を抑制することが知られている.今回, 我々は, α-GHIをTypeII糖尿病14症例に投与し, 2, 4, 8, 12週目で効果を検討した.空腹時血糖, 食後血糖上昇, 尿糖排泄量は, 投与後2週目より有意に低下し, 12週目まで持続した.血清コレステロール, トリグリセライド値も, 血糖値の改善と共に有意に低下した.投与前後でブドウ糖負荷試験を比較すると, 血糖曲線インスリン反応に全く差を認めなかった.血清総アミラーゼ活性並びに膵型アミラーゼアイソザイム比活性には, α-GHI投与前後で全く差を認めなかった.投与後, 体重は低下する傾向を示したが有意な変化ではなかったa-GHIの投与は, 糖尿病治療に有用であると考えられる.
  • 河原 玲子, 水野 美淳, 雨宮 禎子, 高橋 千恵子, 平田 幸正
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1095-1102
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者における運動時の代謝, 内分泌の変動を観察して運動量や施行時間についての検討を試みた.合併症をもたないかまたはあっても軽度の糖尿病36名と健常対照7名に早朝空腹時トレッドミルで5度の坂を脈搏数110/minになるような速度 (50-80m/min) で30分間歩行運動を行わせ運動前, 終了直後, 終了1時間後の3回血糖, インスリン反応 (IRI), 成長ホルモン (HGH), 乳酸, 遊離脂肪酸 (FFA), 総コレステロール (TC), 中性脂肪 (TG), LCAT活性を測定した.テスト中血圧と心電図をモユターしたが血圧の異常上昇や心電図所見の悪化を認めた例はなかった。糖尿病患者においては運動負荷後で血糖が平均10mg/dl低下し, HGH, 乳酸, FFAは有意に増加したがこの増加は運動終了1時間後に前値に復した.IRIや血中脂質, LCAT活性は運動により著変なかった.これらより私共の負荷した運動量は患者にとって過大ではなく日常生活に利用出来ると思われる.次に糖尿病36名中11名と対照7名中4名に朝食前テスト施行1-3ヵ月後に再び同じ運動負荷を朝食1-2時間後に行って両テストの比較をした.運動を朝食後に行った場合には食事摂取後の高血糖の抑制が強くかつHGH, 乳酸, 血中脂質の運動後の上昇が少なく, 運動の効果がより大きいと考えられた.また境界型を含む肥満糖尿病者に運動を行わせる場合には血糖下降の著しくない場合にもFFAの上昇とTGの低下がみとめられ脂質代謝の面よりもこの程度の運動の有用性がみとめられた。
  • 伊藤 光泰, 船内 正憲, 福岡 尚文, 阿部 陽介, 広岡 良文, 仁瓶 禮之
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1103-1108
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症にインスリン依存性糖尿病を伴う例があり, 又一部の例では甲状腺クリーゼと糖尿病性昏睡の合併が知られている, 我々は甲状腺機能充進症の難治例で3回目の131I治療後に甲状腺クリーゼ初期症状が誘因となり糖尿病性ケトアシドーシスを発症した例を経験した.症例は50歳の男性で1977年1月に甲状腺機能充進症及び糖尿病の診断を受けメルカゾールと経口糖尿病薬の治療を受けていたが改善せず2回の131I治療を受けた.しかし寛解と再燃をくり返し1980年10月3回目の131I治療後甲状腺クリーゼ様症状と糖尿病性ケトアシドーシスを呈し緊急入院した.入院後インスリン投与と補液により血糖の低下をみ, 一方メルカゾール投与により甲状腺機能の正常化をみた.75g OGTT並びにトルブタてイド負荷試験ではインスリン分泌能の低下を認めた.症例は131I投与後, 血中T3, T4が高値でありHbAlcも高値であって131I投与後の甲状腺クリーゼ様状態により糖代謝の悪化をみたものと思われる.糖尿病性ヶトアシドーシスは甲状腺クリーゼの誘因の1つに挙げられており, この症例では早期の糖尿病性ケトアシドーシスに対する治療が甲状腺クリーゼの誘発を防ぎ得たと考えられた.
  • 高橋 貞則, 小林 哲郎, 杉本 忠夫, 伊藤 徳治
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1109-1114
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頬部疼痛は, 全例食物摂取により誘発される. 食事を1口口に含んだ瞬間, まだ噛み始める前に, 耳介前下方にジーンとしみいるような痛みを生じ, そのまま耐えているうちに軽快消失する. これら7例の頬部疼痛は, その特徴より全例舌咽神経痛と考えられる。これら7例は, 一般の舌咽神経痛に比し, 若年者が多いこと, 両側性のものが多いこと, 発症頻度が高いこと等の特徴をもつ. 糖尿病と舌咽神経痛とめ関連では, 全例が長期罹病の糖尿病症例で種々の程度の糖尿病性神経障害をもつこと等の特徴を有しており, その機序は不明であるが, 糖尿病性脳神経障害の1つとしての舌咽神経痛と考えられる. 糖尿病に合併する舌咽神経の障害についての過去の文献的記載は4例のみであり, その中には舌咽神経痛についての記載はない. 今後, 舌咽神経痛について注目する必要があろう.
  • 吉岡 重威, 斎藤 志津子, 井村 満男
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1115-1118
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The plasma 1-deoxyglucose contents of non-diabetic and streptozotocin-induced diabetic rats, were measured by gas-liquid chromatography. The mean values of the compounds in non-diabetics were 1.11±0.23 mg/dl, and in diabetics, 0.25±0.18 mg/dl. The difference was statistically significant by Student's t-test (p≤0.05).
    It was confirmed that the plasma 1-deoxyglucose contents in diabetic rats before insulin therapy were already low, compared to those of non-diabetics, and were sometimes undetectable. It is suggested that plasma 1-deoxyglucose determination might serve as a useful metabolic parameter for evaluating the function of carbohydrate metabolism in diabetes mellitus.
  • 平田 幸正
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1119-1137
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 三浦 清
    1982 年 25 巻 10 号 p. 1139-1144
    発行日: 1982/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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