糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
45 巻 , 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 松林 直, 椋田 稔朗, 阪中 明人, 宮川 眞一, 河合 雅代
    2002 年 45 巻 11 号 p. 783-789
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病教育入院をした61名の2型糖尿病患者 (男性42名, 女性19名;平均年齢52.8±120歳, 平均罹病期間9.9±9.5年, body mass index (BMI) 24.5±4.5kg/m2) に東大式エゴグラム (TEG) を行い, 最大36カ月間のHbA1cと性格特性について検討した. TEGは批判的親 (CP), 養育的親 (NP), 大人 (A), 自由な子 (FC) ならびに過剰適応する子 (AC) の5つのカテゴリーからなる.合併症は肥満25名, 神経障害27名, 網膜症15名, 腎症8名, 大血管障害17名で, 主たる治療法は食事療法のみが4名, 経口血糖降下剤が33名, インスリン製剤が24名である. 全体でみると, HbA1cは教育後3カ月目に7.5±1.896と教育前の10.5±2.396から低下した, その後, 6カ月目から徐々に増力口した. CP, NP, A, FCの得点を中間値で2群に分け, HbA1cを比較したところ有意差はみられなかった. しかし, AC高得点群では糖尿病教育入院後HbA1cは低下するものの15カ月後以降にAC低得点群に比べ有意に高値となった. AC高得点に代表され自信がなく, 周囲に過剰適応する共依存的な者は教育的介入で一旦血糖コントロールは改善されるものの, 周囲の影響を受け, 徐々に血糖コントロールが悪化すると思われた.
  • 秋山 俊治, 上田 城久朗, 吉川 裕之, 広畑 佳秀, 木原 康之, 中村 早人, 大槻 眞
    2002 年 45 巻 11 号 p. 791-795
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    境界型糖尿病患者にα グルコシダーゼインヒビター (αGI) を長期投与し, 糖尿病発症抑制ならびに阻止効果の可能性について検討した. 境界型糖尿病患者を2群に分け, A群には食事と運動療法とともにαGIであるアカルボース150mg/日を6カ月間内服させ, B群には食事と運動療法のみを行い, homeostasis model assessmentindex (HOMA-R指数) を用いて, 両群間のインスリン抵抗性の改善を比較した. A群のHOMA-R指数はB群と比較し有意に減少したことから (A群: 治療前3.64±0.01v s治療後2.07±0.01, B群: 治療前3.64±0.02vs治療後286±0.01, p<0.05), インスリン抵抗性が改善したと考えられた. 本研究の結果は糖尿病の高危険群に対しαGIを予防的に投与する1と, 糖尿病の発症を抑制あるいは阻止することができる可能性を示唆していると考えられた.
  • 小林 和人, 鈴木 誠司, 三浦 光弘, 高橋 昭光, 水谷 正一, 島野 仁, 曾根 博仁, 豊島 秀男, 川上 康, 奥田 諭吉, 山田 ...
    2002 年 45 巻 11 号 p. 797-802
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は71歳男性糖尿病患者. 合併した全身性の乾癬様の紅皮症に対し, 外用および経口のステロイド剤治療が行われた, 通院・服薬コンプライアンス不良で, 高血糖状態が続いた, 明らかな受傷歴なしに発熱と下肢の多発筋肉内膿瘍を発症, 歩行困難となり緊急入院した. 入院後は抗生剤による保存的治療で膿瘍は軽快したが, その後, 発熱と右季肋部痛が出現, 血液培養からはC.albicansが検出された. 腹部エコーで胆嚢炎が疑われ, 眼底検査では真菌性眼内炎と思われる所見を認めた. FIuc0naz0le, Vancomycin, lmipenem併用により腎機能は悪化したものの感染は軽快した.
    糖尿病患者は経験的に易感染性があると考えられており, ステロイド外用はカンジダなどの皮膚真菌感染症を助長すると考えられる, 皮膚疾患を合併した糖尿病患者では破綻した皮膚局面が細菌や真菌のエントリー・サイトとなり, 本例のことく重篤な感染症を起こす可能性があるため十分な管理が必要である.
  • 森 康一, 横山 隆之, 山田 隆之, 中尾 正英, 西田 友厚
    2002 年 45 巻 11 号 p. 803-807
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は66歳の男性. 20年以上の糖尿病歴があり, 糖尿病腎症のため3年前より血液透析を行っている, 今回腎部および右膝関節下部を初発として広範囲に出現した発疹の精査, 治療を目的に入院し, 成人に比較的稀である痂皮性伝染性膿痂疹を示し, 病変部からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (以下, MRSAと略す) が検出された. その後, 痂皮は黒変し, 糖尿病壊疽へと進展した. 症例は整形外科にて右膝関節付近で右下肢離断術を行った結果, 全身状態の改善がみられた.
    伝染性膿痂疹は主として小児, 夏期に好発する予後良好な疾患であるが, 今回の症例では糖尿病による血液透析患者の免疫能の低下が関与していると考えられた. 血液透析を行っている糖尿病患者に出現した伝染性膿痂疹では, 糖尿病壊疽への進展を考慮した感染症対策および十分な局所処置を行うべきと考えられた.
  • 山口 康平, 南野 淳吏, 隅 廣邦
    2002 年 45 巻 11 号 p. 809-814
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は45歳女性. 高血圧で通院中, 新たに糖尿病を発症した. 身長165cm, 体重100kg, 血圧146、82mmHgであった. 食事療法あるいはマジンドールを力口えた治療を約6カ月間行ったがFPG 179mg/dl, HbA1c 7. 496であったのでトログリタゾン400mg/dayの投与を開始し, 2年半服用した. この間定期的にHomeostasis Model Assessment (HOMA) 指数を観察した. HOMA指数は投与前6.2で, 1カ月後から6カ月後まで20程度であったが, 13カ月後3.7となった. 体重も開始時89kgで, 6カ月後85kgまで減少, 1~2年後の間は92~93kgであった. HbA1cも当初改善, その後若干悪化と似た経過をとった. 体重増力口の時期, 食事・運動療法の乱れはなかった. 本例の臨床的意義として, トログリタゾン投与中, HOMA指数の改善と中途悪化を体重の経過と関連づけて観察できたことが挙げられる. 2年半後メトホルミンに変更したところ血糖コントロール, HOMA指数とも著明に改善した.
  • 岡田 洋右, 谷川 隆久, 井口 信夫, 福島 あゆみ, 三澤 晴雄, 河野 智恵, 村上 敦子, 神田 加壽子, 森田 恵美子, 田中 良 ...
    2002 年 45 巻 11 号 p. 815-820
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は85歳の女性、5年前より, 低血糖を指摘されていたが放置されており, 低血糖症状出現に対し補食を繰り返していたため, 体重70.8kg (BMl32) と肥満を呈していた. 2000年12月, 低血糖昏睡にて入院. 来院時の血糖値39mg/dlにもかかわらす, IRI 37μU/mlと高インスリン血症を認めた. CT検査にて膵鈎部に径1.5cm大の腫瘤を認め, 血管造影検査でも同部位に濃染される腫瘤陰影を確認, さらに選択的動脈内力ルシウム注入法にて陽性であり, インスリノーマと診断された. しかし, 本例は高齢, 肥満であることに加え心肺機能も低下しており, 手術困難と考えられた. 内科的治療を考慮しソマトスタチン負荷試験施行したところ, 血糖の上昇, インスリン分泌の抑制を認めたため, 酢酸オクトレオタイド100μm皮下注射を眠前1回投与より開始. 治療開始後より, 低血糖発作は完全に消失し, 退院後も自宅でこの治療を継続した. その後も低血糖発作を認めず経過し, 2001年7月には血糖上昇傾向を認めたため, 本剤を75μg眠前1回注射に減量した. 治療開始から1年以上が経過した現在も, この1日1回の酢酸オクトレオタイド少量投与で低血糖は完全に消失しており, 経過中本剤の漸減さえも必要であった長期間有効な症例である, 本例のように1日1回少量投与で低血糖のコントロールが長期間可能であった例は過去に報告がなく, 患者のQOLを良好に保つことのできた稀な症例と考えられれた.
  • 松崎 純子, 岡本 敏哉, 小野 百合
    2002 年 45 巻 11 号 p. 821-824
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    目的: 測定器や測定試験紙の温度変化が血糖自己測定 (以下, SMBGと略す) の精度に与える影響を検討した, 方法: 対象は入院糖尿病患者36名でA~Cの3法に分け, 簡易血糖測定器および専用テストストリップを使用した. 患者は測定器, テストストリップがA~Cの条件でのSMBGを行い, 同時に行った通常の条件によるSMBG (D法) と比較した.
    A法: 冷却測定器+室温テストストリップ
    B法: 室温測定器+冷却テストストリップ
    C法: 冷却測定器+冷却テストストリップ
    結果: 各条件ともD法とのよい相関が得られた. 測定環境温度変化の影響は, A法が高値較差の傾向を示し, B法は低値較差の傾向を示し, C法はその中間であった.
    結語: 測定器およびテストストリップの温度条件を守れなかった場合には測定値に較差を生じる傾向があり, 測定器の特性を認識しながら使用する必要があると考えられた.
  • 富永 真琴, 小林 功, 桑 克彦, 武井 泉, 星野 忠夫, 芳野 原, 菅野 剛史, 片山 善章, 葛谷 英嗣, 桑島 正道, 田港 朝 ...
    2002 年 45 巻 11 号 p. 825-834
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    日本糖尿病学会 (JDS) の「糖尿病関連検査の標準化に関する委員会」(本委員会) は1999年に当時, 市販されていた6社6機種の血糖自己測定 (self-monitoring of blood glucose, SMBG) 機器の機種間差に関する共同実験を行い, 機種間差が存在することを明らかにした. 機種間差の主たる原因は何に測定値を合わせるかという比較対照法が統一されていないことであった. 本委員会は, 健常人から静脈血をヘパリン採血し, 37℃でインキュベートしたものとしないものにグルコース溶液を混じて任意の血糖値の静脈血検体を作製し, これをSMBG機器で測定した血糖値を, 遠心分離して血漿を得て日常法であるヘキソキナーゼ (HK) 法で測定した血糖値に合わせる方法 (静脈血法) をメーカーに対して提案している, 今回, この方法の有用性を検討する目的で7社10製品のSMBG機器に関して共同実験を行った. その結果, 静脈血のHK法測定を比較対照法とすることは実行可能であり, 有用であることが確認された. また, この比較対照法を採用した場合には, 現在日本で市販されている全てのSMBG機器のバイアスは±15mg/dl以内であり, ばらつきの指標であるSy/xはほぼ10mg/dl以下であった.
feedback
Top