糖尿病教育入院をした61名の2型糖尿病患者 (男性42名, 女性19名;平均年齢52.8±120歳, 平均罹病期間9.9±9.5年, body mass index (BMI) 24.5±4.5kg/m
2) に東大式エゴグラム (TEG) を行い, 最大36カ月間のHbA1cと性格特性について検討した. TEGは批判的親 (CP), 養育的親 (NP), 大人 (A), 自由な子 (FC) ならびに過剰適応する子 (AC) の5つのカテゴリーからなる.合併症は肥満25名, 神経障害27名, 網膜症15名, 腎症8名, 大血管障害17名で, 主たる治療法は食事療法のみが4名, 経口血糖降下剤が33名, インスリン製剤が24名である. 全体でみると, HbA1cは教育後3カ月目に7.5±1.896と教育前の10.5±2.396から低下した, その後, 6カ月目から徐々に増力口した. CP, NP, A, FCの得点を中間値で2群に分け, HbA1cを比較したところ有意差はみられなかった. しかし, AC高得点群では糖尿病教育入院後HbA1cは低下するものの15カ月後以降にAC低得点群に比べ有意に高値となった. AC高得点に代表され自信がなく, 周囲に過剰適応する共依存的な者は教育的介入で一旦血糖コントロールは改善されるものの, 周囲の影響を受け, 徐々に血糖コントロールが悪化すると思われた.
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