糖尿病
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24 巻 , 1 号
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  • 金子 滋夫, 松本 秀敏, 平出 典, 土井 邦紘, 河原 啓, 松浦 省明, 馬場 茂明, 吉田 宗儀
    1981 年 24 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    胃切除後低血糖症状を伴う4症例に対しpropranolol治療の有効性について検討した.
    まず50gブドウ糖負荷試験ならびにブドウ糖負荷前にpropranolol 10mgを服用させ, 血糖, insulin, human growth hromone, glucagon及びentero-glucagonを測定した. その結果propranolo1前負荷によりブドウ糖負荷後の最高血糖値は221.3土23.7mg/dlから174.8土17.8mg/dlと減少し, 逆に最低血糖値は対照の69.5土4.9mg/dlに比して, 78.3土6.6mg/dlとやや上昇した. 同時に測定した血漿中のinsulinの頂点も126.8土39.9μU/mlから68.5土10.6μU/mlと減少したが, その他のhormoneは有意な変化を示さなかった.
    次に行ったpropranolol治療実験 (2-7ヵ月) では3症例は毎食前投与により, 1症例は朝食前1回投与のみにて食後2時間目の血糖は空腹時の血糖をうわまわり, それとともに低血糖症状は消失した.しかし同時に測定した血中insulinやcatecholamineには大きな変化を認めなかった.
  • 堀江 浩章, 伏見 尚子, 瓦谷 仁志, 吉川 敏朗, 西川 光夫
    1981 年 24 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の心機能異常を検討し, 糖尿病性心筋症との関連を明らかにするために, Ultrasonic Cardiography (UCG) による測定, 及び糖尿病を合併した患者の剖検心における計測と組織学的検索を試みた. UCGは東芝ソノレーヤー11A, 凹面探触子 (2.25MHz) を用い, 心室中隔, 後璧の厚さを測定し, 前方駆出率も求めた。剖検による検索は, ホルマリン固定後, 中隔, 前壁の厚さを測定し, それぞれの部位から切り出した標本を, H・E染色, PAS染色, マロリー染色で組織学的に検索した。各標本からモノクローム写真をとりQuantimet720Image Analyzing Computer (ケンブリッヂInst.) にて, 心筋緑維を除く間質部分の全体に対する面積比を測定した。また同じ写真から心筋線維の横径を測定した. 心室中隔の厚さ (IVST) と後璧の厚さ (PWT) の比は, 糖尿病群では対照群に比べ有意に大きく, 糖尿病群内の比較では, 細小血管症の存在する群 (1.10±0.04) は存在しない群 (0.94±0.04) に比べ有意に大きかった. 剖検の結果では, 中隔の厚さと前壁の厚さの比は, 対照群 (1.04±0.05) に対し, 糖尿病群では (1.23±0.07) 有意に大きく, 標本上で測定した心筋線維の直径は, 対照群 (14.5土0.1μm) に対し糖尿病群 (12.9土0.1) で有意に低下していた. 以上より, 糖尿病患者ではUCGによる測定でIVST/PWT比の増大がみられ, 剖検心の測定でも同様の傾向がみられた. また細小血管症を有するものが, 有さないものより有意に増大していることから, 細小血管症との関連が示唆された.
  • 菊池 幹雄, 河盛 隆造, 山崎 義光, 七里 元亮, 阿部 裕
    1981 年 24 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    名のインスリン非依存性糖尿病患者 (NIDDM) および5名のインスリン依存性糖尿病患者 (IDDM) にアルギニン静注負荷を行い, その負荷前後の血糖制御を人工膵β細胞を用いて行った際の血漿グルカゴン (IRG) 反応をインスリン非注入時のそれと比較, 検討した.
    インスリン非注入時には, 両者ともアルギニン負荷に対してIRGは過剰分泌反応を示した. 人工膵β細胞を用い, 血糖を少なくとも1時間正常域に保持したのちアルギニンを負荷すると, 血糖値に応じてインスリンが注入された結果, 血漿インスリン (IRI) 値, 血糖値とも健常人と同様の反応曲線を示し, その際のIRG反応も正常化することを認めた.
    これらの事実から糖尿病に認められるアルギニン静注負荷の際のIRG過剰分泌反応はインスリン欠乏による2次的な結果であることを確認し, その際の効果についてはインスリン曲線, 血糖曲線の正常化が大きな因子であることを示唆しえた.
  • 新居 貞雄, 鮴谷 佳和, 河盛 隆造, 八木 稔人, 岩間 令道, 久保田 稔, 七里 元亮, 阿部 裕
    1981 年 24 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    携帯型インスリン注入システムによるインスリン皮下注法の有用性と問題点を指摘すべく6名の糖尿病患者に5種類の治療 (人工膵β細胞, 携帯型インスリン注入システムによる静脈内注入法及び皮下注入法, 速効型インスリン皮下注法, 中間型インスリン皮下注法) による24時間の血糖制御を行い, 血糖, 血漿インスリン (IRI), 血漿グルカゴン (IRG) の動態を比較検討した. その結果,
    (1) 本システムによる静脈内注入法により, 血糖, IRI, IRG動態を人工膵β細胞による場合に近づけ制御することができた.
    (2) 本システムによる皮下注入時のIRI動態は, インスリン注入量を静脈内注入時の1.3~1.5倍量とし食前30分に注入を開始しても, 静脈内注入時と異なった動態を示し, 血糖制御も不十分であった.
    (3) 本システムによる皮下注入法は, IRI動態, 血糖制御状態からみて, 中間型インスリン皮下注法に優るが, 速効型インスリン皮下注法との間には明らかな有意差を認めなかった.
    以上, 携帯型インスリン注入システムによる皮下注入法は, 現時点では, 速効型インスリン皮下注法に比し, 精神的, 肉体的苦痛の軽減, 深夜にかけての血糖上昇傾向抑制の2点で優るにすぎず, 血糖日内変動制御においては, 有意差を認めなかった. 今後, IRI動態を生理的範囲に近づけるべくインスリン注入プログラム開発の必要性が示唆された. また, 機器の安全性への十分な考慮が必要で, 臨床応用には慎重でなければならないと考えられた.
  • 河原 玲子, 雨宮 禎子, 笠原 督, 古守 知典, 平田 幸正
    1981 年 24 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性細小血管症の成因のひとつにヘモグロビンの酸素解離能の低下による末梢組織のhypoxiaが考えられる. そこでこのヘモグロビン酸素解離能に直接関与すると予想されるヘモグロビンAIと2, 3DPGを同時に測定して糖尿病性細小血管症との関係を検討し次の成績を得た.
    1) Scott 0でかつ蛋白尿陰性群 (A群) における2, 3DPGは正常対照群のそれより有意に高値であった. またHtは正常範囲であった.
    2) Scott Ia, II, IIIa, IIIbのいずれかを有しかつ蛋白尿陽性の群 (B群) の2, 3DPGはA群より低値であったが両者間に有意差はなかった. またHtはより低下した.
    3) Scott IV度以上でかつ蛋白尿陽性の群 (C群) の2, 3DPGはA, B両群に比し有意に低下した. またHtも同様有意に低下した.
    4) C群における2, 3DPGの低下はHbAIが10%以上のものでとくに著しく, 同群のHbAI 10%未満の群との間に有意差を認めた.
    以上より重症細小血管症を有するものでとくにHbAIが10%をこえているものでは, 赤血球2, 3DPGの著明な低下が認められ, 末梢組織における酸素解離能の低下が起こる可能性が示唆された.
  • 高取 悦子, 雨宮 禎子, 横須賀 智子, 平田 幸正
    1981 年 24 巻 1 号 p. 41-47
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性ケトアシドーシスのない, かつ貧血, 肺疾患, 心疾患, 脳血管障害, 糖尿病性壊疽も合併しない糖尿病者343例を対象に, 赤血球中2, 3-DPGを測定し, 糖尿病のコントロールおよび糖尿病性網膜症との関連について検討した.
    1) 糖尿病者における赤血球中2, 3-DPGはコントロール状態を考慮しない場合, 男女ともに健常対照群のそれに比べ, 有意な相異を認めなかった.
    2) コントロール別にみた網膜症を有さない糖尿病者における2, 3-DPGはコントロール不良なものほど漸次上昇し, コントロールpoor群では, コントロールgood群に比し有意に高値を示した (男P<0.01, 女P<0.05).また同一症例における治療に伴う2, 3-DPGの推移についても, 空腹時血糖値200mg/dl以上の未治療時に比べ, 糖尿病の治療を開始し, 少なくとも3ヵ月間良好なコントロールを維持した時点の2, 3-DPGは有意に低値を示した (P<0.01).
    3) Scottの病期分類別に赤血球中2, 3-DPGを比較すると, コントロールの別なく, 赤血球中2, 3-DPGは網膜症の病期の進展に伴い漸次低下し, コントロール不良なものでは, Scott IV以上の重症網膜症を有するものでは, 網膜症を有さないものに比し有意に低値を示した (男P<0.05, 女P<0.01).
    4) 網膜症の病期別にみた血清Piはコントロールgood群においても, コントロールfair+poor群においても, 2, 3-DPGがもっとも低値を示したScott IV以上の群で高値を示し, とくにコントロールfair+poor群ではScott 0群のものに比し, Scott IV以上群の血清Piは有意に高値を示した (P<0.05).
    Htが男38%以下, 女36%以下を貧血とするとScott IV以上で赤血球中2, 3-DPGを測定したもののうち男31例中12例39%, 女38例中17例45%に貧血が認められた.鉄欠乏性貧血, 慢性白血病などの非糖尿病貧血者を対照として, Scott IV以上の貧血を有する糖尿病者の赤血球中2, 3-DPGについて比較した.
    1) 非糖尿病貧血群の赤血球中2, 3-DPGは健常対照群に比し有意に高値を示したが (男女ともにp<0.05), Scott IV以上の貧血のある糖尿病者のそれは健常対照群より低く, かつ非糖尿病貧血者に比べ有意に低下していた (男女ともにP<0.05).また貧血のないScott 0群のものに比べても, Scott IV以上で貧血のあるものでは赤血球中2, 3-DPGは低く, コントロール不良群ではその差は有意であった (男女ともにp<0.05).
  • 阪本 要一, 斎藤 茂, 成宮 学, 横山 淳一, 田嶼 尚子, 池田 義雄, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1981 年 24 巻 1 号 p. 49-56
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    この研究では従来の市販インスリン製剤により治療を受けている糖尿病患者335名 (男性196名, 女性139名) について, インスリン・アレルギーおよびインスリン脂肪異栄養症の頻度とその臨床像を明らかにすることを目的とした.そしてこれらの病変に及ぼす精製インスリンの治療効果についても併せて検討した.得られた成績は以下のごとくである.
    1) インスリン・アレルギーは335名中26名 (7.8%) に認めた.全症例皮膚型のアレルギー症状で全身型7例, 局所型19例であり, 性・年齢差は認めなかった.
    2) インスリン脂肪異栄養症は335名中22名 (6.6%) に認めた.このうち18症例はインスリン脂肪組織萎縮のみを示し, 他の4例は脂肪組織萎縮と脂肪組織肥大の両病変を合併した.22名中17名は女性によって占められ, 明らかな性差が認められた.しかし年齢差は認められなかった.
    3) 精製インスリンはインスリン・アレルギー症例に対してもインスリン治療の継続を可能とし, 6ヵ月以内に全例アレルギー症状が消失した.
    4) 精製インスリンはインスリン脂肪組織萎縮に対しても, 治療開始1年後の成績で治癒率80%の有効性を示した.
    以上の事実から, インスリン・アレルギーおよびインスリン脂肪異栄養症はいまだにそれぞれ7~8%の頻度で認められること, 精製インスリンはこれらの病変にきわめて有効に作用することを明らかにした.
  • 北沢 明人, 菱谷 好高, 高松 順太, 名方 潔, 古川 恵三, 藤田 邦彦, 茂在 敏司
    1981 年 24 巻 1 号 p. 57-63
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Kwashiorkorはprotein malnutritionの中で全摂取栄養素中, 蛋白摂取不足の比率の高いものであり, 本来食事中の蛋白欠乏により毛髪, 皮膚の特有の変化と発育不良, 腹水などをきたす小児の疾患である.
    著者らは四肢しびれ感, 便秘などの神経症状を訴えた41歳男子の重症糖尿病患者で, 長期間下痢が続いたあと, 頭髪の赤色化, 皮膚の粗槌化, 腹水, 浮腫などKwashiorkorに特有の症候群を呈した症例について検索する機会を得た.
    本例ではアルコール性慢性膵炎による膵不全の存在が明らかにされ, 著しい低蛋白血症とレ線学的にはいわゆる“malabsorption pattern”がみられた.糖尿病は遺伝歴, 臨床所見およびアルギニンに対する膵グルカゴン反応などから一次性と診断した.治療では大量の膵酵素剤の投与とインスリン療法を施行し, 漸次諸症状の改善をみ, 約4ヵ月後に退院した.
    本例の病態は膵不全による吸収障害だけでは説明しえず, また著しい末梢神経障害を示す所見と便秘に始まり徐々にnocturnal diarrheaに移行した病歴とを考え合わせると, いわゆる糖尿病性下痢があったと考えられ, これが膵不全に加わったために重篤なprotein malnutritionに至る悪循環を形成したものと思われた.
    成人でみられるKwashiorkorは, 従来胃切除を受けた患者にのみ報告がなされており, 本例のように慢性膵炎を合併した糖尿病患者でみられたことは注目される.
  • 永原 章正, 内田 俊明, 原田 仁史, 木野山 真吾, 大西 泰憲, 三好 康夫
    1981 年 24 巻 1 号 p. 65-71
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    75歳男子, 79歳男子, 44歳男子の糖尿病3症例の背部に生じたscleredemaについて報告した.いずれの症例も各種合併症を有する成人型肥満糖尿病者であり, 先行する感染を認めず, 1~3年の経過観察中に寛解傾向がみられなかった.
    つぎに本邦での糖尿病合併45例と自験例を合わせて48例について検討した.男女差は認められず (25: 22, 不明1), 年齢は37~79歳 (平均50歳) と比較的高年者に多く, 糖尿病罹病期間も1~34年 (平均10年) と長いものが多かった.また誘因となった先行感染を認めたものは5例 (10%) にすぎず, 寛解率も15%と糖尿病非合併例のscleredemaに比して著しく異なっていた.
    さらに他の糖尿病合併症についてみると, 糖尿病性網膜症 (35%), 高血圧症 (27%), 糖尿病性神経障害 (15%), 白内障 (13%), 高脂血症 (10%) などがみられ, 1つでも合併症を有する症例は60%にものぼっていた.
    このような検討結果は, 本症の発現に糖尿病が関与していることを示唆するものかも知れない.
  • 宇佐美 勝, 清野 進, 中原 博, 高井 淳子, 清野 裕, 池田 正毅, 井村 裕夫
    1981 年 24 巻 1 号 p. 73-75
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The direct effects of saccharin sodium, cyclamate sodium and stevioside on insulin and glucagon secretion were investigated using the isolated perfused rat pancreas. Following preperfusion with 2.8 mM glucose and respective sweeteners (cyclamate sodium: 440 μM, saccharin sodium: 50 μM, stevioside: 15 μM) for 20 min, L-arginine hydrochloride (to give a final concentration of 19.2 mM) was introduced through a side arm for the next 30 min. The addition of arginine to the perfusate of 2.8 mM glucose without any sweeteners caused a biphasic increase in the insulin and glucagon concentrations. The perfusion of 2.8 mM glucose plus cyclamate sodium revealed no significant change in insulin and glucagon secretion as compared to glucose alone.
    Saccharin sodium and stevioside produced a slight increase in the insulin and a slight decrease in the glucagon secretion induced by arginine, although the changes were not significant, as compared to those with glucose alone. These resultssuggest that cyclamate sodium, saccharin sodium and stevioside have no direct action on pancreatic A and B cells.
  • 酒井 芳紀, 渡辺 清, 建部 高明, 石井 兼央
    1981 年 24 巻 1 号 p. 77-79
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Sixty-four newborn Chinese hamsters were divided into three groups. Group A received injection of monosodium glutamate (MSG) at a dose of 4 mg per g of body weight during 3 days after birth, and was fed the standard diet containing 0 1% synthetic trypsin inhibitor, N, N-dimethylcarbamoylmethyl 4-(4-guanidinobenzoyloxy)-phenylacetatej methansulfonate. Group B received 3 days injection of MSG, and was fed the standard diet. Group C received saline injection and was fed the standard diet. The mean plasma glucose level in group B was significantly high compared to that in group C at the 11th week. A slight significant difference was noted between groups A and C. Hyperglycemia of over 160 mg/dl was seen in 5.6% of group A, 44.4% of group B and 0% of group C at the 7th week. At the 11th week, hyperglycemia of over 300 mg/dl was observed in 63.0% of group B, but none was noted in groups A and C. These results suggest that the synthetic trypsin inhibitor may suppress MSG-induced hyperglycemia in newborn Chinese hamsters.
  • 1981 年 24 巻 1 号 p. 81-90
    発行日: 1981/01/30
    公開日: 2011/08/10
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