若年糖尿病患者21例と同年齢対照児9例の赤血球, 多核球, リンパ球, 単球中のsuperoxide dismutase (CuZnSODとMnSOD) をradioimmunoassay法で測定し, 赤血球glutathione peroxidse (GPX), catalase (CAT), 血漿中過酸化脂質 (TBARS), HbA1c等他の代謝の指標との関連性を検討した.糖尿病児では対照群に比べて単球のCuZnSOD以外のすべてのSODが高値であった.GPX, CAT, TBARSは両群間で差を認めなかった.赤血球CuZnSODを目的変数とした重回帰分析でGPX, TBARS, HbA
1c, CATを説明変数とする有意な回帰式が得られ, 重相関係数R=0.816 (p<0.005), 偏相関係数は各々GPX (-0.610), TBARS (-0.606), HbA
1c (-0.527), CAT (-0.394) であった.血糖コントロールがインスリン治療により良好化すると関連してSODは誘導される傾向にあり, 脂質過酸化が抑制されていると考えられ, 組織障害性活性酸素に対する生体防御機構としてのSODの血球レベルの臨床的意義が示唆された.
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