糖尿病
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56 巻 , 1 号
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原著
患者心理・行動科学
  • 新谷 哲司, 宮崎 大輔, 庄島 蘇音, 小川 明子, 河本 絵里子, 西山 麻里, 古川 慎哉
    2013 年 56 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/07
    ジャーナル フリー
    糖尿病教育入院が抑うつに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.糖尿病教育入院を実施した2型糖尿病患者101例を対象とし教育入院の前後にSDS(自己評価式抑うつ性尺度)を評価した.入院時の結果より正常群,軽度うつ状態群,中等度・高度うつ状態群に分類し,それぞれの群におけるSDSスコアおよび各副項目の変化を解析した.正常群,軽度うつ状態群,中等度・高度うつ状態群の頻度はそれぞれ31.7 %, 34.7 %, 33.7 %であった.正常群ではSDSスコアが増加し(p=0.007),副項目では心理的随伴症状が増加した(p=0.004).軽度うつ状態群および中等度・高度うつ状態群ではSDSスコアが減少し(それぞれp=0.019, p=0.004),副項目では心理的随伴症状(それぞれp=0.010, p=0.005)が減少した.糖尿病教育入院は抑うつ症状,特に心理的随伴症状に影響を及ぼしている可能性がある.
  • 鈴木 克典
    2013 年 56 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/07
    ジャーナル フリー
    血糖値の程度を色で表示する機能を有する血糖自己測定器(以下C器と略す)の糖尿病患者に対する有効性を検討した.1次介入では,インスリン治療中糖尿病患者(133名)において,従来のモノクロ表示簡易血糖自己測定器からC器に機種変更し検討をした.変更2ヶ月後,患者の高血糖への意識変化が認められた.2次介入として,それらのC器に変更した患者を無作為に2群に分け,カラー教育資材を用いて血糖値の高低を色で自己管理ノートにC器の表示どおりに数値を色分けしてもらう介入群(56名,年齢;60.7±14.8歳)と従来群(56名,年齢;61.0±14.6歳)として患者の行動変容およびHbA1cの変化を検討した.その結果,介入群では,行動変容が従来群と比較し14 %の増加を示し,さらにHbA1cは,0.25 %(P<0.01)の低下が認められた.以上からC器を用いた指導介入が糖尿病患者に有効であることが示唆された.
症例報告
  • 日高 周次, 川畑 由美子, 中山 俊之, 加島 尋, 光冨 公彦, 石田 健朗, 藤富 豊, 野口 仁志, 福永 淳治, 池上 博司, 吉 ...
    2013 年 56 巻 1 号 p. 15-23
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/07
    ジャーナル フリー
    症例は81歳,女性.1998年,橋本病と診断された.2002年,血糖値 508 mg/dl, HbA1c 12.1 %(JDS値)と高血糖を認め,インスリン療法後に経口血糖降下薬による治療へ変更し,血糖値は改善した.2005年,汎血球減少を認め,骨髄異形成症候群と診断された.2008年,血糖コントロールが不良となりインスリン療法に変更された.2009年,貧血が進行し当院血液内科に入院となった際に,内因性インスリン分泌の低下,抗GAD抗体が強陽性であり1型糖尿病と診断した.退院後,大球性貧血を生じ,血清VitB12の低下,抗内因子抗体・抗胃壁細胞抗体が陽性であり悪性貧血を合併したと診断した.家系内に自己免疫性甲状腺疾患が多発する多腺性自己免疫症候群III-A型の症例に,発症に自己免疫機序の関与も示唆されている骨髄異形成症候群を合併した稀な症例を経験した.HLAとCTLA4遺伝子多型の解析と併せて,文献的考察を交えて報告する.
  • 土屋 晶子, 守屋 達美, 吉野 苑美, 小川 惇郎, 林 哲範, 沖崎 進一郎, 七里 眞義
    2013 年 56 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/07
    ジャーナル フリー
    48歳女性.29歳時に口渇,多飲が出現した.30歳初診時の空腹時血糖314 mg/dl,HbA1c 13.1 %(NGSP)で2型糖尿病と診断し,高血糖是正のため,インスリン治療を開始した.糖尿病網膜症はなく,正常アルブミン尿であったが,腎生検で糖尿病性糸球体硬化症を認めた.以後,HbA1c 5.4-7.1 %であった.35歳頃単純網膜症,微量アルブミン尿を認めた.アイオヘキソール静注法にて測定したGFRは127.9 ml/分/1.73 m2であった.36歳頃からHbA1c 8-10 %と増悪し,顕性蛋白尿を認めた.39歳時通院自己中断後にネフローゼ症候群,血圧上昇を認め,GFR 75.0であった.以後血糖コントロールは良好に推移したが,43歳時のGFRは41.8で,43歳頃に血清クレアチニンは2.0 mg/dl以上となった.糖尿病腎症(腎症)に対し,食事療法,レニンアンジオテンシン系抑制薬などの多角的治療を継続し,透析導入となった.長期間の経過を追え,腎症の経過を知る上で貴重な1例と考えた.
  • 牧 千里, 澤田 瑞穂, 丹羽 有紗, 池田 賢司, 川村 光信, 宮崎 滋
    2013 年 56 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/07
    ジャーナル フリー
    症例は56歳女性.15年前に2型糖尿病と診断され,内服治療を行うも血糖コントロールは不良であった.1997年~2009年まで6回の入院歴があるが,この間インスリン分泌は保たれ,抗GAD抗体は常に陰性であった.2010年1月第7回入院時,抗GAD抗体4.6 U/mlと低値陽性となり,インスリン分泌を保持するため持効型インスリンを少量導入した.10ヶ月後の第8回入院時,HbA1c 9.7 %,尿中CPR 18.5 μg/day,血中CPR食前0.7 ng/ml,食後2時間2.1 ng/mlとインスリン分泌は低下し,グルカゴン刺激試験でのCPR Δ6分値1.0 ng/mlと低値,抗GAD抗体は1.2 U/mlと正常範囲に低下していた.本症例では抗体価は低値で,陽性の期間も短期間であったが,抗GAD抗体の存在から内因性インスリン分泌低下に自己免疫機序が関与している可能性を考えた.
編集者への手紙
地方会記録
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