間質性膀胱炎を合併した糖尿病の2症例を経験した. 症例1は73歳の女性で罹病期間4年のNIDDM, グリベンクラミドによる治療中に尿意切迫, 頻尿, 排尿痛を繰り返し, 難治性膀胱炎として治療していた. 症例2は51歳の女性で罹病期間22年のインスリン療法中のNIDDM, 尿意切迫, 頻尿 (1日30-40回), 排尿痛, 下腹部痛で急に発症した. 2例とも糖尿病性合併症はなく, 上記の臨床症状, 無菌尿, 膀胱鏡下水充満時の血管拡張・粘膜下出血, 生検膀胱粘膜の浮腫および組織球・リンパ球浸潤像, 他の原因がないこと, などから間質性膀胱炎と診断した. 症例1は薬物療法によって症状が軽快したが, 症例2は膀胱内口MSO注入や高圧酸素療法を加えても効果がなかった. 間質性膀胱炎は中年女性に多く, その原因は明らかにされていない. 糖尿病との関連を指摘する報告もあるが, 否定するものもある. 日本での疫学調査はなく, 今後検討が必要と思われる.
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