糖尿病
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67 巻, 1 号
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受賞講演
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 小野 恭伸, 米田 真康, 佐藤 光絵, 佐々木 美希, 小武家 和博, 大野 晴也
    2024 年 67 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2024/01/30
    公開日: 2024/01/30
    ジャーナル 認証あり

    運動指導は,コミュニケーション形態から「対面型」と「遠隔型」に大別することができる.本研究では,スマートフォンによる遠隔運動指導が高齢2型糖尿病患者のHbA1c値やbody mass index(BMI),身体機能,身体活動量に与える影響を短期的(介入期間中)及び長期的(介入終了から12か月経過時点)に検討した.広島県の中山間地域の医療機関に通院中の高齢2型糖尿病患者20人を対象とした.身体機能を測定し,スマートフォンアプリと電話を用いて,運動指導を毎月1回,6か月間実施し,介入期間中と介入終了から12か月経過時点の調査を行った.短期的には男女ともに身体活動量の有意な増加が認められたが,長期的には元々運動習慣のない女性で身体活動量が低下していた.スマートフォンを活用した現行の遠隔運動指導は短期的には有用性が確認されたが,長期的には高齢女性において運動定着に課題があると思われる.

  • 斎藤 宥希, 今井 佐恵子, 梶山 静夫, 橘田 薫, 宮脇 尚志, 梶山 真太郎, 橋本 善隆, 福井 道明
    2024 年 67 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2024/01/30
    公開日: 2024/01/30
    ジャーナル 認証あり

    2型糖尿病患者に対するパイロット研究のため,若年健常女性を対象に1日2食の糖質制限食が血糖指標に与える影響を調べることを目的とした.対象者16名は間歇スキャン式持続血糖測定器を装着し5日目の昼食と夕食に糖質制限食を,それ以外はそれぞれ同一の標準糖質食を摂取し血糖指標を調べた.標準糖質食の炭水化物,脂質,タンパク質のエネルギー比率はそれぞれ64 %,21 %,15 %,糖質制限食は30 %,49 %,21 %であった.糖質制限食摂取当日の血糖指標は,標準糖質食を摂取した前日あるいは翌日より有意に低値を示したが,標準糖質食に戻すと,朝食・昼食の食後血糖値および朝食・夕食の血糖上昇曲線下面積が糖質制限食摂取前の標準糖質食摂取時より有意に高くなった.本研究結果より,若年健常女性において糖質制限食を中止し糖質摂取量を増やすと食後血糖値が増加する恐れがあるため,2型糖尿病患者に適応する場合には注意を要する.

症例報告
  • 松田 瑞沙, 堀口 恭平, 村田 真里子, 中戸 美沙, 畑 悠佑, 佐々木 敬徳, 安部川 卓, 浜野 久美子, 永井 義夫
    2024 年 67 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 2024/01/30
    公開日: 2024/01/30
    ジャーナル 認証あり

    膵癌の初期は特異的な症状に乏しく,糖尿病の急な増悪や腫瘍マーカー陽性などが疾患を疑うきっかけとなる.今回,CA19-9感度未満の膵癌で,Lewis血液型陰性と判明した症例を経験した.79歳の男性が血糖管理困難となり紹介受診した.患者に生活習慣の乱れはなく,各種検査の結果から,膵頭部癌・多発肝転移と診断した.CA19-9は測定感度未満だった.Lewis血液型を確認したところ,Lewis血液型陰性と判明した.追加で測定したDUPAN-2は上昇していた.Lewis血液型は血液型の一種で,陰性者ではCA19-9が測定感度未満となる.一方DUPAN-2は,CA19-9がLe酵素で修飾される前駆体であるため,CA19-9が感度未満の場合に補完できる.CA19-9が感度未満の場合,Lewis血液型陰性の可能性がある.DUPAN-2など他の腫瘍マーカーや画像検査を組み合わせてさらに検査を行うべきである.

地方会記録
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