糖尿病
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26 巻 , 7 号
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  • 勝又 一夫, 勝又 義直
    1983 年 26 巻 7 号 p. 697-702
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    すでに我々はトルブタマイドの脱共役作用はEGTAによって抑制され, Ca2+により促進されることから, Ca2+と密接な関係があることを示した。今回, トルブタマイドの脱共役に及ぼすコハク酸の濃度, カルニチン, ミトコンドリアのagingの影響を検討し, さらにCa2+の作用を追求せんと試みた. 雄性白鼠より肝ミトコンドリアを分離, 酸素電極を用いて酸素消費を測定し, ADPを加えてADP/O, RCRを測定した. この系にCa2+を0.01, 0.05, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4mM加え, 基質のコハク酸を1mM, 10mMとし, さらに10mMのカルニチンを加えた場合, トルブタマイドの脱共役作用がどう変動するかを検討した. またagingしたミト瓢ンドリアを使用するとどのような影響がでるかを検討した. その結果, 以下の成績が得られた.
    1.Ca2+を0.1~0.4mM共存させると, 高濃度になるほど少量のトルブタマイドが完全脱共役を示した. しかし0.01, 0.05mMCa2+はこのような作用を示さなかった.
    2. カルチニンを共存させた場合, 1mMでは全く効果がなかったが, 5mMおよび10mnMでは濃度に応じてトルブタマイドの効果を増強した. また基質であるコハク酸の濃度が10mMから1mMに減少すると, 完全脱共役に必要なトルブタマイドの濃度が100mg%から70mg%に低下した.
    3. トルブタマイドの効果を増強する条件, すなわち10mMカルニチンの共存および基質濃度の1mMへの減少において, さらにCa2+をそれ自体で促進効果のない0.05mM添加すると, わずか5mg%のトルブタマイドが有意な効果を示し, 10mg%トルブタマイドで完全脱共役を示した.
    4. 30分間室温でagingしたミトコンドリアを使用すると, カルニチンが存在しなくても0.05mMのCa2+添加により7mg%のトルブタマイドが完全脱共役を示した.
    以上の成績から, トラブタマイドとCa2+は脱共役作用において相加的に作用することが明らかとなった. またトルブタマイドの脱共役作用は基質濃度の減少, 5, 10mMカルニチンの共存によって増加することが判明した. またこのような条件下でもトルブタマイドはCa2+と相加的に作用し, 従来より少量の10mg%トルブタマイドが完全脱共役作用を示した.
  • 今村 憲市, 中村 光男, 宮沢 正, 町田 光司, 馬場 恒春, 牧野 勲, 武部 和夫
    1983 年 26 巻 7 号 p. 703-711
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    膵性糖尿病には重症低血糖がしばしば発生し, 時には死に至ることも指摘されている. この重症低血糖発生原因にglucagon分泌不全, 膵機能不全にもとつく消化吸収不良, アルコール性膵炎でのアルコールによるglycogen合成能低下等が指摘されているが, 低血糖時のインスリン拮抗ホルモン分泌動態についての検討は十分になされていない. 本研究は対照 (C) 5例, IDDM (DM) 4例, 膵性糖尿病 (CP) 9例にITT (Actrapid insulin 0.1u/kg) を施行し, 低血糖時の各種ホルモン分泌動態を検討したものである.
    各群の最低血糖値はC群30分 (20±3.5mg/dl), DM群45分 (42±5), CP群45分 (28±2.2) にみられた. 血糖回復はC群に比べ, DM群, CP群で緩徐であった. glucagon反応はC群, DM群では負荷後30分からみられ, 両群とも45分に頂値に達したが, CP群では45分にわずかな反応を認めるのみであった. CP群のcortisol反応はC群と同様60分に頂値を認めたが, 15, 30, 45分値は有意の低値を示した. また, 各採血時値一前値でもって算出したCP群の、Σ△glucagon,、Σ△cortisolは, C群 (P<0.01), DM群 (P<0.05) に比べ有意の低値を認めた. GHはDM群, CP群で低下傾向を認めたが, C群の変動幅が大きく有意差は得られなかった. また, C群のC-peptideは負荷後有意の低下を示したが, DM群, CP群ではこの反応を認めなかった. 甲状腺系ホルモンは有意の変動を示さなかった. これらの結果から, CP群の重症低血糖はglucagonとcortisol分泌不全が共存したときに発生する可能性があるものと推察された
  • 小田桐 玲子, 平田 幸正, 明石 弘子, 竹田 昌弘
    1983 年 26 巻 7 号 p. 713-720
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    健常者74名糖尿病患者183名, 甲状腺疾患27名, 末端肥大症10名, 膵疾患17名, 腎疾患28名, 肝疾患25名, 計290名につき血清IRE1を測定した結果次のような成績をえた.
    1) 健常者の平均血清IRE1は233.5±65.7ng/dlであった。各年代別に分けてみると, 20代の血清IRE1は205.0±61.2ng/dl, 50代258.5±63.0ng/dlと高齢者の血清IRE1は明らかに高値であった (P<0.01)。
    2) 糖尿病患者, とくにIDDMでの血清IRE1は142.2±34.0ng/dlであり, 著しい低値を示した (P<0.005).
    3) 糖尿病患者における空腹時血糖値と血清IRE1とは明らかな関係はみられなかった. HbA1が高値となるにしたがい血清IRE1は有意に低値となった (P<0.001)
    4) 糖尿病の治療法, 罹病期間, 糖尿病性網膜症の有無と血清IRE1とは明らかな関係はみとめられなかった. 50歳以上の者の一血清IRE1は高い傾向がみられた.
    5) 諸種疾患者における血清IRE1は急性膵炎m75.7±260.0n3/dl, 腎不全患者446.0±108.0ng/dlと著しい高値を示した.
    血清IRE1の測定は膵外分泌能を簡単に推測しえる1つの方法と思え
  • 秋久 理眞, 大森 安恵, 嶺井 里美, 東 桂子, 佐中 真由実, 本田 正志, 平田 幸正
    1983 年 26 巻 7 号 p. 721-727
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    妊娠の日的は正常児を出産することである. 私達は糖尿病妊婦でよい児を得るためには妊娠中の至適体重増加量をどれだけにすればよいかを新生児合併症の面から検討した.
    対象は妊娠前から糖尿病があり治療をうけており, 妊娠前と分娩直前まで定期的に正確に体重測定してある妊婦52症例62分娩例で, 分娩週38週以降のものとした. ほとんどの症例はインスリンで治療されていた.
    妊娠中の食事摂取量はkとして昭和50年の厚生省栄養審議会より出された指針に従った. 妊娠中の体重増加量は妊娠直前と分娩前の最大体重の差をもって表した.
    妊娠時母体の体重増加量は最小3.5から最大15 kg, 平均8.2±2.7kgであった. 体重増加量と新生児の出生時体重には明らかな相関を認め母体体重増加量が多いと出生時体重は増加傾向を示した (P<0.05). 体重増加量と妊娠中の最大インスリン需要量との問には相関はなかった. 体重増加量が6kg以上8kg未満のものは新生児の出生時体重は平均3188±502 gで正常と変わらず, 新生児合併症が最も少なかった点より, 糖尿病妊婦の妊娠による体重増加量は6kg以上8 kg未満が至適であると考えられた.
    糖尿病妊婦の妊娠による体重増加量と児の出生時体重に相関があることから, 正常児を出産させるためには糖尿病妊婦においては8kg以上の過剰な体重増加をふせぐ食事療法が重要であるといえる
  • 黒川 秀彦, 矢島 義忠, 藤田 芳邦, 斉藤 正行
    1983 年 26 巻 7 号 p. 729-732
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    phytic acidを用いたHbAi測定法 (PHR法) に及ぼす腎不全状態の影響について検討を行った.
    1) 非糖尿病性慢性腎不全患者20例のPHR法により測定したHbAI値は, 同時に測定したBUN値との間にr=0.68 (P<0.001) の相関を有する増加を示した. 一方, HbAI値とFBSとの間には有意の相関を認めなかった.
    2) 尿素窒素として100,500および1000mg/dlの尿素を含む培養液 (pH 7.45) を37℃7日間放置後に測定したシアン酸濃度は各々1.25, 3.44および7.25mg/dl (Mean, N=2) であった. さらに, これら種々濃度のシアン酸を含む培養液を用いて健常人赤血球を37QC3日間培養後に測定したHbAI値は各々5.7土1.0, 33。7土2.8および55.8土3.8%(M±SD, N=4) であり, HbAI値とシアン酸濃度との間にr=0.975,(P<0.0001) の相関が認められた.
    以上より, 腎不全状態を有する糖尿病患者においては, カラム法と同様に, PHR法によるHbA1値の評価にも注意が必要であると考えられた. また, 腎不全状態においてPHR法によるHbAI値が高値を示した機序として, シアン酸がブドウ糖と同様に2, 3-DPGポケットでhemoglobinと結合 (carbamylatedhemo910binの形成) して, phyticacidのhemoglobinへの結合を阻害したことが考えられた
  • 原 正雄, 山谷 恵一, 富永 真琴, 八幡 芳和, 丸橋 成次郎, 高橋 健二, 佐々木 英夫
    1983 年 26 巻 7 号 p. 733-737
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病では血中サイロキシン濃度 (T4) は正常で血中トリヨードサイロニン (T3) 濃度が低値を示す, いわゆるlow T3 syndromeがみられることが知られている. そこで糖尿病におけるlow T3 syndromeの成因を知る目的で, 未治療の糖尿病50例につき, T4, T3リバースT3 (rT3), 遊離T4 (FT4), サイロキシン結合グロブリン (TBG), 甲状腺刺激ホルモン (TSH) を測定し, その結果より症例をlowT3 syndrome群と正常T3群にわけ, 両群の間の異同を検討した.
    50例中2例はT4およびT3がともに低値で, 1例は甲状腺機能低下症であった. 他の48例はT4が正常で, うち17例 (35.4%) がT3低値でlow T3 syndromeであった. low T3 syndromeでは正常T3群にくらべ, T4およびTBGが有意に低かった。rT3はlow T3群syndromc群で低値であったが有意差なく, FT4およびTSHにも差がなかった. 以上より糖尿病のlow T3 syndromeの原因の一部はTBG減少であると考えた.
    low T3 syndrome群では正常T3群にくらべ, 空腹時血糖の上昇, 体重低下が有意であった. 網膜症の頻度とは相関がなかった, また両群で, 腎症または肝硬変の合併頻度に差がなく, TBGの尿中漏出または肝における合成低下を示す所見はなく, 糖尿病のlow T3 syndromeにおけるTBG減少の理由は明らかでなかった.
  • 朝川 信之, 東堂 龍平, 大森 成二, 王子 亘由, 横田 博雅
    1983 年 26 巻 7 号 p. 739-745
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    低体温体外循環使用開心術中は, 糖尿病患者のみならず非糖尿病者でも高血糖が持続し, 血糖のコントロールが困難な場合が少なくない. この術中の糖利用能およびインスリン分泌動態を明らかにし, 術中の血糖管理の方策を示唆すべく, 非糖尿病者を対象として静脈内ブドウ糖負荷試験 (以下ivGTTと略す) を施行し検討した.
    術前iv GTT (ブドウ糖22.59負荷) では, ブドウ糖利用恒数K値は2.14±0.50と良好であり, Actrapidinsulin 8単位同時負荷iv GTTでK値3.10±0.69と有意に上昇した. 血漿Cペプチドでみたインスリン分泌反応は良好であった.術中iv GTTではK値0.15±0.66と著明に低下, 高血糖が持続し, インスリン分泌の欠如がみられた.
    術中Actrapid insulin 16単位負荷iv GTTでは血漿インスリン値は500μU/ml以上に保たれたが, K値は1.10±0.88とその改善は有意でなく, 高血糖が持続し糖利用の著しい低下をみた.
    対照として腹部手術中Actrapid insulin8単位同時負荷iv GTTではK値2.61±0.34と良好で, 糖利用低下は少なく, インスリン分泌も保たれた. 低体温体外循環下の著しい糖利用の低下と高血糖に対するインスリン分泌欠如は, 外科的侵襲に加えて, 低体温による物質代謝の低下, 体外循環による血行動態の変化などによってもたらされるものと考えられる. この特殊条件下における血糖管理はインスリン投与のみで困難と考えられ今後の検討が望まれる
  • 佐藤 祐造, 井口 昭久, 白石 三思郎, 坂本 信夫, 勝亦 紘一
    1983 年 26 巻 7 号 p. 747-754
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病における運動療法の長期効果について検討を加える目的で, DeFronzoらのeuglycemic insu1in clamp法を用いてトレーニング効果を定量的に測定した.
    正常体型の鍛練者5名と健常対照者6名を対象とし, インスリン, グルコースを持続注入しeuglyccmic insulin clamp法を行った.鍛練者のグルコース注入量 (グルコース代謝量) は10.12±0.38m9/kg/minと非鍛練者の7.20±0.34mg/kg/minより約40%も増大していた (p<0.001).インスリンクランプ中, FFAは鍛練者, 非鍛練者両群とも急速に低下し, 120分後には前値の20%以下 (0.1mEq/l) となったが, グリセロールは徐々にしか低下せず, 120分後も20%低下したにすぎなかった.尿中カテコールアミン濃度は鍛練者, 非鍛練者で差はなく, インスリンクランプ中も有意の変動を示さなかった.
    以上の事実は, 鍛練者の外因性インスリンに対する感受性が非鍛練者より有意に増大しており, 運動療法を長期にわたって実施すれば, インスリン依存性糖尿病者のインスリン需要量を低下させうる可能性を示唆している.
  • 田嶼 尚子, 横山 淳一, 井出 幸子, 南 信明, 山田 治男, 池田 義雄, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1983 年 26 巻 7 号 p. 755-760
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    血糖の自己管理が, 糖尿病の管理のための有用な手段としてうけ入れられている. この研究では, 私たちの過去7年にわたる成績を分析し, 血糖自己管理の有用性の限界を明らかにしようとした.
    対象は1976年-1981年に血糖の自己管理を開始した63症例で, 年齢は9-67歳, 罹病歴は1-26年, IDDM38例, NIDDM25例, 計63例である. 63例中46例は機器法, 17例は目視法によって血糖を測定した. また, 月1回通院時にHbA1を測定し, 各年ごとの平均値を血糖コントロールの指標とした.
    1982年度においてHbへ9%以下にコントロールされた症例はIDDMでは5例 (13%), NIDDMでは13例 (52%) に止まった. 血糖自己管理前後でHbA1値を測定しえた45例の成績の変化はIDDM (n=28) では12.4±2.0%→10.5±2.2%, NIDDM (n篇17) では101±1.8%→8.4±1.6%と, いずれも有意な (P<0.01) 改善を示したものの充分満足しうるものではなかった. しかし糖尿病妊婦ではそれぞれ8.2±0.7%, 7.4±0.7%と良好であった.インスリン治療の調整については, 注射量には変化が少なく, 注射時刻, 混注法などの点に改善が認められた.
    血糖の自己管理は血糖コントロールの手段として有用ではあるがなお限界がRある.これをのり越えるためには, 個人個人にみあったインスリン処方箋や糖尿病教育の充実が不可欠である.
  • 輪田 順一, 布井 清秀, 横溝 由史, 小林 和夫, 飯田 三雄, 尾前 照雄, 崎元 哲郎, 松尾 栄一, 兼松 隆之
    1983 年 26 巻 7 号 p. 761-768
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は82歳の女性.約1年間にわたる精神症状を主にした低血糖症の精査を目的に当科入院.発作時の血糖値は20~40mg/dlで血中IRIは測定感度以下であった.また種々の分泌刺激試験でもIRIは低反応であった.他の内分泌機能不全は認められず, 血中Insulin like activity (ILA) は1,050μU/mlと異常高値を示した.腹腔動脈造影にて胆のう底部に腫瘍を認め切除した.腫瘍は胆のう底部に原発し, 正常肝臓内に2個の小転移巣を伴う推定重量約1509の胆のう癌であった.組織型は線維性間質に富む高分化腺癌で, 電子顕微鏡にて癌細胞内に分泌顆粒が確認された.腫瘍切除後, 低血糖発作は消失し通正の生活に復帰した.本例は胆のう癌による低血糖症であり, 胆のう癌の産生したILAが低血糖発現の主要因と考えられた.
  • 赤沼 安夫, 門脇 孝, 鈴来 和男, 岡 芳知, 春日 雅人, 岩本 安彦, 佐久間 真樹
    1983 年 26 巻 7 号 p. 769-772
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Insulin binding was studied using erythrocytes obtained from two homozygotes of familial partial deficiency of plasma lecithin: cholesterol acyltransferase (LCAT). Both patients revealed corneal opacity, plasma LCAT activity with 14-15% of the normal value, target cells and abnormalities of plasma lipoprotein composition with a reduced ester ratio of cholesterol. In addition, abnormalities of lipid composition of red cell ghosts were observed: cells obtained from both patient showed increased amounts of cholesterol and lecithin and an increase in the lecithin/sphingomyelin ratio.
    Insulin binding to the red cells was also increased, mainly due to an increase in binding affinity without a significant change in receptor number. Further studies are needed to confirm whether the increase in binding affinity is due to the change in lipid composition of the red cell membrane.
  • 1983 年 26 巻 7 号 p. 773-782
    発行日: 1983/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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