動脈硬化危険因子を複数有するMultiple Risk Factor保有者で喫煙飲酒習慣のない女性のうち, 年齢と肥満度に有意差のない耐糖能異常 (IGT) と耐糖能正常 (NGT) において, 血中乳酸閾値 (LT) に相当する心拍数 (HR@LT) と自転車仕事率 (Watt@LT) を比較した. HR@LTおよびWatt@LTは2群間で有意差を認めなかった. Watt@LTを体重で補正した%Watt@LT/kgは, IGT群のほうが有意に低かった. %Watt@LT/kgの関連因子として, 単相関分析では, RF数, BMI, ウエスト囲, 腹部および大腿部の皮脂厚, VO
2max, 空腹時血糖, HOMA-Rが有意であった. ステップワイズ重回帰分析の結果, %Watt@LT/kgとRF数との関連が単独でもっとも強かった. %Watt@LT/kgは初期の糖代謝異常のみならず, 生活習慣病の集積状態を反映した指標である可能性が示唆された.
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