糖尿病
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48 巻, 6 号
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特集 グリケーション―食品から臨床へ
原著
  • 庄野 菜穂子, 道下 竜馬, 笠原 貴紀, 鶴田 敏幸
    2005 年 48 巻 6 号 p. 423-428
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    動脈硬化危険因子を複数有するMultiple Risk Factor保有者で喫煙飲酒習慣のない女性のうち, 年齢と肥満度に有意差のない耐糖能異常 (IGT) と耐糖能正常 (NGT) において, 血中乳酸閾値 (LT) に相当する心拍数 (HR@LT) と自転車仕事率 (Watt@LT) を比較した. HR@LTおよびWatt@LTは2群間で有意差を認めなかった. Watt@LTを体重で補正した%Watt@LT/kgは, IGT群のほうが有意に低かった. %Watt@LT/kgの関連因子として, 単相関分析では, RF数, BMI, ウエスト囲, 腹部および大腿部の皮脂厚, VO2max, 空腹時血糖, HOMA-Rが有意であった. ステップワイズ重回帰分析の結果, %Watt@LT/kgとRF数との関連が単独でもっとも強かった. %Watt@LT/kgは初期の糖代謝異常のみならず, 生活習慣病の集積状態を反映した指標である可能性が示唆された.
症例報告
  • 八木 十詩子, 坂本 益雄, 釣谷 大輔, 大場 健司, 岩鬼 裕之, 加藤 夏野, 中村 浩淑
    2005 年 48 巻 6 号 p. 429-434
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    38歳, 女性. 妊娠30週4日に子宮内胎児死亡を伴う劇症1型糖尿病の症例を経験した. 入院時PG 529 mg/dl, HbA1c 6.4%, 尿中CPR 0.4 μg/day, GAD-Ab (-), ICA (-) であった. インスリン強化療法により血糖コントロールを図り退院したが暁現象のため血糖値は不安定であった. 2回目の妊娠時は血糖コントロール不良にて人工妊娠中絶を選択し, その後CSIIを導入した. Insulin Lisproによるpreprogramming型インスリンポンプにより管理し, HbA1c 6%前後で安定した. 特に暁現象の著明な改善を認め, 夜間低血糖もほとんどみられなくなった. 3回目の妊娠は, 妊娠39週で正常分娩であった. 劇症1型糖尿病では早期からの膵β細胞機能廃絶により血糖コントロールに難渋する例が多いが, 適応のある症例にはCSIIは有用であると考えられた.
コメディカルコーナー・原著
  • 多留 ちえみ, 宮脇 郁子, 矢田 真美子, 宮田 哲, 木戸 良明, 井上 朋子, 谷口 洋
    2005 年 48 巻 6 号 p. 435-442
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の食事療法における患者教育に資する目的で, 糖尿病患者が抱く食事療法負担感を測定する尺度を開発した. 事前の面接調査により作成した質問項目の内容および表面妥当性を確認した尺度案と, 糖尿病療養行動全般に伴う心理的負担感の調査票を用い, 協力が得られた2型糖尿病患者110名を対象に信頼性と妥当性の検討を行った.
    因子分析の結果, 「対人関係の中で感じる孤独感・疎外感」「好きなものが好きなだけ食べられない不自由感」「自己価値観を維持することへの脅かし」「生活範囲の縮小に伴う不自由感」の4因子17項目が抽出できた. 信頼係数の検討による信頼性の確認, Test-Re testによる安定性の確認, The Problem Areas in Diabetes Scale (PAID), 糖尿病総合負担感尺度の食事関連の項目, 自己価値観尺度との相関を検討し, 構成概念妥当性 (収束妥当性) が確認できた. また, これらの因子は, 順序性がなく相互に関連した形で並列に存在していた. 本尺度は糖尿病患者の食事療法における患者教育に使用可能であると考えられた.
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