歳以下発症IDDM42例を対象に, 発症後の血清免疫活性トリプシン値 (IRT) がどのような遺伝及び環境因子と関連がみられるか, 重回帰分析によって検討した. 42例の男女比は, 19/23, 平均発症年齢は, 16.5±0.8歳, 平均罹病期間は6.8±0.8年であった. 血清IRT値に影響を与える可能性のある因子として, 性, 発症年齢, 罹病期間, 家族歴, 発症様式, 発症時の季節性, 体重歴, 現在の肥満度膵B細胞機能ICA, HLA, 血清クレアチニン値, 血糖コントロール状態を選んだ. 重回帰分析の結果, 回帰モデルは有意で (P<0.05), 選択された変数は, HLA DR9, 血清クレアチニン値, ICA, 性, 発症年齢で, 血清IRT値が膵外分泌機能を反映することを考えるとIDDM発症後の膵外分泌機能が, これらの影響を受けている可能性が示唆された. 今後IDDMの膵外分泌障害の成因解明には, これらの因子を考慮する必要があるだろう.
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