糖尿病
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23 巻 , 8 号
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  • 小林 正, 岩崎 誠, 前川 聡, 繁田 幸男
    1980 年 23 巻 8 号 p. 743-750
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    従来, インスリゾ受容体測定は, 脂肪細胞等の標的細胞で行われている.最近, 赤血球でインスリン結合を行い, その変化の病的意義について解析する研究も行われている.非インスリン標的細胞である赤血球の受容体が標的細胞のそれと同様の変化をとるものか検討した.受容体の数, 親和性に変化をきたすような条件下にラットを置き, 赤血球と脂肪細胞で同時にインスリン結合を行った.条件としては, 非肥満に対して肥満, そしてそれぞれを48時間絶食させたもの, ストレプトゾトシンを静注したもの5グループに分けた.48時間の絶食により非肥満絶食群で, 脂肪細胞, 赤血球共に有意の親和性の上昇が認められた.肥満絶食群では, 親和性の上昇はやや認められたが有意ではなかった.肥満により脂肪細胞, 赤血球共に階受容体は約1/2に減少した.血中インスリン値と脂肪細胞, 赤血球のインスリン結合の値ではともに逆相関の関係にあり, r=-0.503,-0.556で有意, また脂肪細胞と赤血球の間ではr=0.685で有意の正相関が認められ, 脂肪細胞と赤血球のインスリン受容体変化には, 密接な関係があることが明らかになった.赤血球インスリン受容体は他のインスリン標的細胞である脂肪細胞のインスリン受容体の変化と同じ態度をとることがこの研究より明らかである.
  • 佐々木 嵩, 中山 秀隆, 青木 伸, 織田 一昭, 栗原 義夫, 佐藤 光男, 門田 悟, 小森 克俊, 萬田 直紀, 中川 昌一, 牧田 ...
    1980 年 23 巻 8 号 p. 751-759
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒト肝細胞癌4例と正常肝4例から分離した細胞膜の125I-インスリン結合を測定し, 肝癌のインスリンレセプターの性状を正常肝のものと比較検討した.
    ヒト肝癌と正常肝の細胞膜には, 親和性, 結合容量の異なる少なくも2種類のインスリンレセプターが存在し, インスリンのみに特異的に結合した.肝癌の125I-インスリン結合は正常肝より高く, 温度条件を20℃, 37℃ に変えて経時的にみても高かった.肝癌のインスリンレセプターの性状を正常肝のものと比べると, 肝癌の各症例ごとにみた親和定数はいずれも低く, 結合125I一インスリンのレセプターからの解離は充進を示した.しかし, 高親和性, 低親和性レセプターの結合容量はいずれも増大し, 肝癌4例の総結合容量の平均値は正常肝に比べ高値であった (P<0.05).反応系におよぼす蛋白分解酵素活性の影響を肝癌についてみると, 4℃, 24時間の反応ではインスリンとレセプターの分解は7%以下で低いが, 37℃, 5時間の反応ではインスリン分解は23%になった.インスリン分解を抑える目的で蛋白分解活性阻害剤を加えると, Phenylmethylsulfbnyl Huorideのみがインスリン結合を増大した.ヒト肝癌のインスリンレセプターの親和性が低下し, 結合容量の増大した事実は, 癌化に伴って細胞膜にあるレセプターに異常をきたす可能性のあることを示唆している.
  • 佐々木 陽, 松宮 和人, 荒尾 雅代, 堀内 成人, 長谷川 恭一, 上原 ます子
    1980 年 23 巻 8 号 p. 761-768
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高血圧, 心血管病変における高インスリン値は早くから注目されており, インスリンの上昇が動脈硬化の促進に何らかの関係のあることが推測されてきたが, 最近の疫学調査では高インスリン値が動脈硬化性心疾患のrisk factorとなりうることを報告している.今回われわれは, このような機序を解明するための手懸りの1つとして, 糖代謝正常なものについて, 高血圧, 動脈硬化, 脂質代謝異常と50g OGTT中のIRI反応との関係を検討した.
    (1) 対象は人間ドック入院者中から, 糖尿病の家族歴なく, 糖代謝正常 (ΣBG<350), 肝機能 (GOT, GPT, ZTT) 正常で, 年齢40歳以上のもの219名を選んだ.
    (2) 対象者を非肥満・肥満の群に分け, 非高血圧, 高血圧の別にOGTT中のIRI曲線をみると, 肥満度に関係なく高血圧群が, 空腹時値も糖負荷後もともに高くなる傾向を示した.またIRI反応の評価指標でみると, ΣIRIにおける差が最も明らかで, インスリン分泌総量が関係することが見出された.
    (3) 動脈硬化性所見として冠硬化, 眼底動脈硬化, 腎機能低下, また脂質代謝異常として高コレステロールおよび高TGをとり上げ, ΣIRIとの関係をみると, 冠硬化, 腎機能低下では高血圧とほぼ無関係に, また眼底動脈硬化と脂質代謝異常では非高血圧群においてIRIの高値がみられた.
  • 大森 安恵, 嶺井 里美, 竹居 真知子, 平田 幸正
    1980 年 23 巻 8 号 p. 769-778
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン抵抗性を示す糖尿病の中には, インスリン受容体抗体め存在する症例のあることがKahnらによって報告された.
    私どもは, すでに報告したヒト胎盤membraneを用いるインスリン受容体抗体検出法により抗体陽性例のチェックを試みた.対象は80単位以上のインスリン注射にもかかわらず, 治療困難な例, 糖忍容力低下がありながら血中immunoreactive insulin (IRI) が空腹時で50μU/ml以上の症例, 原因不明の低血糖を示した症例の計61例である.
    健常者11例, インスリン抗体をもつインスリン治療中の糖尿病6例を対照とした.
    正常者血清は125I-insulinとmembraneの結合に阻害を示さず, 対照のインスリン治療患者血清は, 1251-insulin, membrane, 血清を同時に加える直接法でいちじるしい結合阻害を示した.あらかじめmembraneと血清を艀置, 洗滌後のmembraneに125I-insulinを加えるpreincubation法では結合阻害を示さなかった.上記61症例のうち6症例は, 直接法のみならず, preincubation法でも著明な結合阻害を示した.また血清より抽出した蛋白部分とくにIgGにこの阻害作用を認めた.
    この6例は, 男性2例, 女性4例でSjögren症候群を3例, acanthosis nigricmsを1例に認めた.また4例では, インスリン抵抗性であり, 他の2例中1例は, 自発性低血糖を示した.インスリン受容体抗体の消長は著明で, インスリン抵抗性の程度および低血糖発作の頻度とよく一致した.
    本論文は, ヒト胎盤membrane法によりチェックし得た6症例の検討から, インスリン抵抗性を伴わないインスリン受容体抗体が存在する可能性のあることを示したといえる
  • 池田 匡, 西谷 昭夫, 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 白石 正晴, 富長 将人, 武田 偉, 安東 良博, 真柴 裕人
    1980 年 23 巻 8 号 p. 779-786
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    膵外分泌不全が存在する場合の膵内分泌機能の変化については, 相反する成績も多く一一定の見解が得られていない.そこで, より詳細に膵外分泌不全時の膵内分泌機能を検討する目的で, 膵管結紮術による実験的膵外分泌不全ラットを用い, 摘出膵灌流実験によるインスリンならびにグルカゴン反応を検討するとともに, 組織学的検討も併せ行った.
    摘出膵灌流実験において, ブドウ糖およびアルギユン刺激に対するインスリン反応には著変が認められなかったが, アルギニン刺激に対するグルカゴン反応は, 膵外分泌不全ラット膵において有意の高反応を示した.膵の組織学的検査では, 膵管結紮ラット膵において, 膵外分泌腺細胞の著明な変性と萎縮ならびに膵ラ島の軽度肥大とA細胞の増加が認められた.
    以上の結果より, 膵外分泌不全の一時期においては, 膵A細胞の増加による膵グルカゴンの過剰反応がみられ, 膵外分泌腺の存在や機能が膵A細胞の正常な機能維持に何らかの役割を有している可能性が示唆された.
  • 星山 真理, 荒井 奥弘, 室橋 健
    1980 年 23 巻 8 号 p. 787-794
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は47歳の家婦.11年の糖尿病歴があり, 糖尿病性網膜症 (Scott V), 神経症, 腎症および僧帽弁閉鎖不全を合併している.昭和53年10月下旬, 全身浮腫と息切れを主訴とし, 糖尿病の悪化も加わったことより入院.入院後, lente insulin 16U, Furosemide 160mg, Cedilanid 0.5mg投与にて, 血糖および浮腫の改善をみた.しかし, この頃より, 原因不明の高K血症 (血清K6.8mEq/l) が続くことから, 内分泌学的検索が行われた.血漿レニン活性 (PRA), 血漿アルドステロン濃度 (PA) の基礎値は低く, 起立負荷, Furosemide静注刺激に対して低反応, ACTHおよびAngiotensinII注入に対してPAの反応やや低下, deoxycorticosterone (DOC), corticosteroneはほぼ正常, 糖質コルチコイドも正常, 509グルコース静注10分後に血清Kのparadoxical increaseが認められた.腎組織では, 典型的な糖尿病性腎症を認め, 糸球体輸入細動脈の硝子化を認めた.以上より, 高K血症の原因として, 糖尿病性腎症による低レニンまたはAngiotensinII不応性による選択的低アルドステロン症が考えられた.入院時, 高K血症が著明でないのは, 心不全および高血糖による相対的なアルドステロン優位の状態があったためと推察された.現在, 鉱質コルチコイドの投与なく, 高血糖の是正と食塩制限の緩和のみで, 血清Kは4.6mEq/lに維持されている.
  • 栗原 義夫, 小森 克俊, 黒田 義彦, 萬田 直紀, 中山 秀隆, 中川 昌一, 秋山 三郎, 加藤 紘之, 磯松 俊夫
    1980 年 23 巻 8 号 p. 795-802
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリノーマの手術すおいて最も苦慮する点は術中の慎重な触診によっても腫瘤を発見できない場合である.従来このような場合, 盲目的膵体尾部切除術が行われることが多かったが, その成功率は25~55%と高くない, また良性インスリノーマの約10%は多発性であり, 異所性のものとともす術中に見落される可能性が大きく, インスリノーマ手術例の15~30%は再手術を必要としている.今日までインスリノーマの術前局在診断法として最も信頼されている膵血管造影法でもその確診率は平均約66%と満にできるものではなく, 新たな正確な術前局在診断法の必要性が強調されている.
    今回, われわれはインスリノーマが疑われたが膵血管造影が陰性であった16歳の男子すおいて, 経皮経肝門脈カテーテル法により門脈の各所より採血し, その血中IRIを測定したところ, 後上膵十二指腸静脈の門脈への開口部と脾静脈末端部の2ヵ所すおいてインスリン値の上昇を認め, 膵頭部と膵尾部に多発したインスリノーマと考えられる結果を得た.1年後再度, 膵血管造影を試み超選択的膵背動脈造影により膵頭部に腫瘍陰影を発見したが, 膵尾部には全く所見を認めなかった.しかし手術すおいて膵頭部と膵尾部すそれぞれ良性腺腫を認め別出した.
    この経験より本カテーテル法はインスリノーマの術前局在診断法として極めて有用であると思われる.
  • 近藤 渓, 南條 輝志男, 三家 登喜夫, 小池 広昭, 森山 悦裕, 猪尾 和弘, 宮村 敬
    1980 年 23 巻 8 号 p. 803-808
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Clinical application of two kinds of glucagon RIA Kits, “Daiichi” and “Dainabot”, was evaluated. Values for glucagon immunoreactivity (GI) assayed by both Kits were satisfactory as regards precision, as confirmed by withinassay, betweenassay, recovery and the dilution effect. The minimum detectable GI concentration was 31.3 pg/ml with “Daiichi”, and 50 pgind with “Dainabot”. The GI levels in fasting plasma of normals (n =16) and of patients with liver cirrhosis (n= 15), chronic renal failure (n=15) and diabetes mellitus (n=45) were assayed by both Kits and another RIA system employing antiglucagon antiserum 30 K. A significant correlation was noted between any two of the three GI assay systems.
    Using the three assay systems, similar patterns of GI-response after an intravenous injection of 4 g arginine were observed; i.e., rapid increments of GI levels after the injection in both normals (n=6) and diabetics (n=6), and a larger degree of GI increment in the diabetics than the normals.
    Based on the above results, the glucagon RIA Kits are recommended for plasma GI measurements.
  • 1980 年 23 巻 8 号 p. 809-828
    発行日: 1980/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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