インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者における血清IV型コラーゲン7S (IV7S) 値と糖尿病性腎合併症及び非糖尿病性腎疾患 (NDRD) との関係を検討した.1) 健常人15例 (H群), NIDDM53例 [A群22例 (尿中アルブミン排出率: AER<20μg/min), B群17例 (20-200), C群14例 (≧200)] およびNDRDが主病変であるNIDDM11例 (D群: IgA腎症4例, 膜性腎症2例, 腎硬化症4例, 微小変化群1例) を対象にIV7S値をRIA法で測定した.平均IV7S値はH4.2, A4.9 (vs H, p<0.05), B6.1 (vs H, A, p<0.01), C6.4 (vs H, A, p<0.001), D4.3 (vs A, p<0.05; vs B, C, p<0.001) であった.2) 腎生検で糸球体びまん性病変がII度以下の5例とIII度以上の9例の平均IV 7S値はそれぞれ4.6, 6.2ng/m
lであり, 後者で有意に高値であった (p<0.01).
以上より, IV 7S値は糖尿病性腎病変の進展度を反映するので, 腎病変の程度の推定やNDRDとの鑑別に有用であることが示唆された.
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