糖尿病
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34 巻, 11 号
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  • 佐々木 英夫
    1991 年34 巻11 号 p. 933-938
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 後藤 由夫
    1991 年34 巻11 号 p. 939-941
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 譲
    1991 年34 巻11 号 p. 943-945
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 岡田 奏二, 宮井 陽一郎, 正木 善告, 市木 研, 田野口 創, 石井 啓太, 満永 幹雄, 山本 洋, 太田 善介
    1991 年34 巻11 号 p. 947-950
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    教育の中期的効果を外来通院中で薬剤非投与のNIDDM患者50例においてHbA1値を指標として代謝上の改善について検討した.対象への糖尿病教育は糖尿病教育用教科書を用いると共に対話する教室により実施した.教育後2カ月目, 4カ月目, 6カ月目のHbA1値は教育前のHbA1値に比較してそれぞれ有意に (p<0.00003, Wilcoxon test) 低値を示した.そして代謝学的効果は年収の多いA階層でもそうでないB階層で, 短期ばかりでなく中期においても認められた.しかも, 教育後2カ月目, 4カ月目, 6カ月目のHbA1値はA階層がB階層よりそれぞれ有意に (p=0.0094, p=0, 0038, p=0.0233, Mann-Whitney U-test) 低値を示した.対照群ではいずれも有意差が認められなかった.以上の結果は, 糖尿病教育には代謝学的な中期的効果が認められ, しかも, 年収の多いものがそうでないものより大きいことを示している.
  • 中山 富雄, 近森 一正, 山野 利尚, 大野 文俊
    1991 年34 巻11 号 p. 951-957
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    NIDDMの膵の大きさと臨床像, 膵内分泌機能との関係につき, 超音波断層法により求めた膵長軸横断面積 (P値) およびこれを体表面積で除したQ値を用いて検討した.また剖検症例30名を対象としてP値Q値と膵重量, 容積との相関につき基礎的検討を行った.1) P値Q値は剖検症例における膵重量, 容積と有意の正相関を示した (P<0.01).2) Q値は尿中CPR値, 血清トリプシン値と有意の正相関を示した (P<0.01).3) NIDDM尿中CPR値高値群, 健常者群, NIDDM尿中CPR値正常~低下群, IDDM群のQ値は各々9.2±1.4, 8.9±1.5, 6.3±1.7, 4.7±1.2であった.以上の成績によりP値Q値は生体における膵重量, 容積の指標として有用である事, NIDDMでは膵インスリン分泌亢進期には膵腫大を呈し, その後膵インスリン分泌機能障害の進行と共に徐々に膵萎縮および膵外分泌機能障害が出現してくる事が示唆された.
  • 猪股 茂樹, 鶴居 信昭, 井上 雅寛, 正宗 研
    1991 年34 巻11 号 p. 959-964
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者における血清IV型コラーゲン7S (IV7S) 値と糖尿病性腎合併症及び非糖尿病性腎疾患 (NDRD) との関係を検討した.1) 健常人15例 (H群), NIDDM53例 [A群22例 (尿中アルブミン排出率: AER<20μg/min), B群17例 (20-200), C群14例 (≧200)] およびNDRDが主病変であるNIDDM11例 (D群: IgA腎症4例, 膜性腎症2例, 腎硬化症4例, 微小変化群1例) を対象にIV7S値をRIA法で測定した.平均IV7S値はH4.2, A4.9 (vs H, p<0.05), B6.1 (vs H, A, p<0.01), C6.4 (vs H, A, p<0.001), D4.3 (vs A, p<0.05; vs B, C, p<0.001) であった.2) 腎生検で糸球体びまん性病変がII度以下の5例とIII度以上の9例の平均IV 7S値はそれぞれ4.6, 6.2ng/mlであり, 後者で有意に高値であった (p<0.01).
    以上より, IV 7S値は糖尿病性腎病変の進展度を反映するので, 腎病変の程度の推定やNDRDとの鑑別に有用であることが示唆された.
  • 膵島の培養・灌流実験系を用いて
    鎗水 浩治, 丸尾 匡宏, 小野 順子, 伊奈 啓輔, 桶田 俊光, 高木 良三郎
    1991 年34 巻11 号 p. 965-971
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    膵β細胞を高濃度ブドウ糖に長時間さらすと, ブドウ糖刺激に対するインスリ.ン分泌反応が低下すること (desensitization) が知られている.本研究では, この現象を解明するためにin vitroのモデル実験系の確立を試み, その特異性について併せて検討した.高濃度ブドウ糖 (3mg/ml) 存在下でラット単離膵島を静置培養すると, 48時間後よりブドウ糖刺激に対するインスリン分泌反応は低下し, 5日間培養後の膵島を用いた灌流実験では第1相, 第2相共に分泌反応の低下が見られた.この膵島を低濃度ブドウ糖 (1mg/ml) でさらに2日間培養すると, 高濃度ブドウ糖刺激に対するインスリン分泌反応は第1相, 第2相共に回復した.
    Desensitizationが見られた膵島では, インスリン分泌反応の低下は高濃度ブドウ糖に対して特異的であり, Aキナーゼ, Cキナーゼ系を介する物質に対しインスリン分泌は保たれており, またカルシウムイオノフォアやスルフォニル尿素剤刺激に対しても反応性は変わらず, これら以外の機序が想定された.
  • 浦上 達彦, 宮本 幸伸, 藤田 英廣, 北川 照男, 野々村 章栄
    1991 年34 巻11 号 p. 973-977
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児インスリン依存型糖尿病 (以下IDDM) を, 急性発症例21名 (A群) と学校検尿で発見された例19例 (B群) の2群に分類して, 検眼鏡と蛍光眼底造影 (FAG) により評価した早期網膜症の頻度と進展を比較して以下の結果を得た.1) 症例の50%に異常所見が出現する年数はA群で検眼鏡で7.8年, FAGで6.0年であり, B群で検眼鏡で7.0年, FAGで4.4年であり, B群の方が有意に早期に網膜変化が認められた.2) A群では診断から長期にわたる血糖コントロールの良否が早期網膜症の頻度と進展に関与しているものと思われたが, B群ではその関係は明らかではなかった.3) HLAの検討では, 早期網膜症の頻度とHLA表現型の間には有意な関係は認められなかった.4) A, B両群は診断時の年齢に有意差はなく, B群はA群に比べて膵B細胞機能が保たれている症例が多いことより, 小児IDDMの早期網膜症の頻度と進展には, HLA表現型以外に発症様式に関連する他の因子も影響するものと思われた.
  • 純粋膵液採取法による検討
    石田 成伸
    1991 年34 巻11 号 p. 979-988
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    内視鏡下に採取した純粋膵液の解析により, 糖尿病性膵外分泌機能異常の病態機序を解明せんとした.血糖管理不良の糖尿病患者の液量, 最高重炭酸塩濃度は健常人に比し差はなかったが, mg蛋白当りのamylase活性は有意に低下し, 短期間の血糖管理後, 有意に改善したが, 依然健常人に比し低値を示した.mg蛋白当りのlipase活性は健常人とほぼ同様の値であり低下はみられなかった.糖尿病患者の膵液中の6-keto-PGF1 α/TXB2は健常人に比し有意に低下したが, 血糖制御により健常人と同程度まで改善した.
    以上, 糖尿病患者の膵外分泌機能異常の特徴はmg蛋白当りのamylase活性 (膵液中の酵素組成に占めるamylaseの割合) の低下にあり, その原因としてインスリン不足およびインスリン作用不足が考えられた.さらに, 高血糖の結果として, prostaglandinsの膵局所作用がcytotoxicityおよびvasoconstrictionに傾いている可能性が示唆された.
  • 速効型ヒトインスリンの比較
    浦江 明憲, 葛谷 健, 赤沼 安夫, 菊池 方利, 村勢 敏郎, 小坂 樹徳
    1991 年34 巻11 号 p. 989-999
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒトインスリンのB鎖10位のヒスチジンをアスパラギン酸に置換した速効型インスリンアナログ (以下, NN-X10) を健常成人男子20人に単回皮下投与して, その安全性と薬物動態を速効型ヒトインスリンと比較した.その結果, 0.05単位/kg投与時でのNN-X10群の最高血中インスリン濃度は27.3±1.9μU/ml (平均±SE) で, 速効型ヒトインスリン群16.8±1.1μU/mlに比べ有意に高かった (P<0.01).また, 最高血中インスリン濃度到達時間では, NN-X10群0.4±0.04hrは, 速効型ヒトインスリン群0.8±0.1hrに比べ有意な短縮を認めた (P<0.01).試験開始時からの血糖の変動巾 (以下, △BG) の最大値は, 両者に有意差は認められず, △BGの最大値に到達するまでの時間は速効型ヒトインスリン群に比べ, NN-X10群で有意な短縮を認めた.これらの差は, 0.1単位/kg投与時には更に大きく, △BGの最大値においても両群間に有意差が認められた.
  • 吉野 博子, 米満 春美, 荷見 澄子, 雨宮 禎子, 平田 幸正
    1991 年34 巻11 号 p. 1001-1006
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は糖尿病の既往のない50歳のインドネシア人男性で, 断食 (ラマダーン) 開始後11日目に傾眠傾向に陥った.来院時, 著明な脱水を認め, 著しい高血糖 (734mg/dl) と高ナトリウム血症 (151mEq/l) により血清浸透圧の上昇 (363mOsm/kg) を来たしていた.動脈血ガス分析では, pH7.321, PaO2 80.3mmHg, PaCO2 41.4mmHg, HCO-320.9mEq/lであった.高浸透圧性非ケトン性昏睡と診断後, ただちに0.45%食塩液の補液と速効型インスリンの持続静脈内注入 (CVII) を行ない, 脱水の改善と血糖の低下と共に意識状態も回復した, 高浸透圧性非ケトン性昏睡の誘因の多くは, 医原性であり注意を必要とすることはよく知られているが, 本例のような断食中に発症した症例の報告は見られず, 糖尿病者のラマダーン中における脱水に対しては十分な配慮が必要であることを示した1例である.
  • 和田 淳, 橋本 浩三, 高橋 健二, 久保田 章, 楠本 亨, 三宅 康夫
    1991 年34 巻11 号 p. 1007-1012
    発行日: 1991/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    約: 症例は53歳女性. 昭和62年11月, 一日5lに及ぶ多飲, 多尿を主訴に来院したが, 血糖値は正常であった. 平成元年6月食欲不振のため清涼飲料水を10l近く飲用し, 同年7月嘔気, 嘔吐のため当科を受診した. 尿量は一日8-10lで, 血糖624mg/dl, HbA1c15.9%であった. 脱水の補正およびインスリン投与を行った. 血糖値は正常化し, 2カ月後には尿中C-ペプチドも次第に改善し, 7590GTTは境界型を呈するのみとなった. インスリン中止後も糖尿病のコントロールは良好であった. しかし多飲多尿は持続するため, 水制限試験を行い中枢性尿崩症と診断した. 尿量はDDAVP (1-deamino-8-D-arginine vasopressin) の点鼻により良好にコントロールされた. 耐糖能異常の存在化に過度の糖負荷が高血糖を来し, 浸透圧利尿と尿崩症が相まって一過性のインスリン分泌不全とさらに高度の高血糖を来したと考えられ.
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