スルホニル尿素薬を極量から準極量服用している2型糖尿病患者で1年以上HbA
1c 7.5%以上が継続している44名(男27名/女17名,平均HbA
1c 9.7±1.6%)に対して,朝食直前あるいは眠前にインスリングラルギン皮下注射投与を追加し,18カ月間の治療効果を検討した.
投与開始6カ月後にHbA
1c 7.0%以下に改善していた群(改善群,n=11,平均HbA
1c 6.7±0.3%)と投与開始6カ月後にHbA
1c 7.0%以下を達成されなかった群(非改善群,n=16,平均HbA
1c 8.3±1.2%)に分けて解析したところ,改善群では18カ月後においても6.9±0.6% (p<0.001)と投与開始前と比べ治療効果は継続しており,インスリングラルギン使用量も6カ月後から有意な増加を認めなかった.一方非改善群ではインスリングラルギン使用量が6カ月から有意な増加を認めていた(9.3±4.8単位⇒14.3±7.1単位,p=0.001)にもかかわらず,18カ月後においても8.3±1.3% (p=0.002)とさらなる改善は認められなかった.
本治療に対する短期間での反応良好群は18カ月の長期に渡ってもインスリングラルギンの増量なく良好なコントロールを継続している症例が大部分を占め,インスリン頻回注射療法の導入が困難な症例に対して有効な治療法であると考えられた.
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