糖尿病
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24 巻 , 7 号
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  • 生野 哲雄
    1981 年 24 巻 7 号 p. 705-714
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病病態下でのアルコール性脂肪肝の発生機序解明のため本実験を行った.150g前後のWistar系雄性ラットを用い正常 (N群), 糖尿病 (streptozotocin-induced diabeticrat: DM群) の各々をエタノール投与, 非投与群の4群に分け, 5週間飼育後, 生化学的ならびに組織学的検索を行った.
    高脂肪食のみでは, N, DM群とも脂肪肝の発生を見ないが, エタノールの同時投与により, N, DM群とも脂肪肝発生を見た.その際, 肝中性脂肪, 血中遊離脂肪酸および肝ミクロゾーム分画の過酸化脂質の有意な増加を認めた.
    一方, 14C4-palmitateによるkinetic studyではN群はエタノールによるVLDL-TG放出障害が確認できたが, DM群では明らかな放出障害を証明できなかった.しかし, Triton WR-1339の実験では, 両エタノール群ともVLDL-TG放出は有意に低下していた。また, エタノールはPHLAにはほとんど影響がなかった.
    以上より, 正常ラットにおけるアルコール性脂肪肝の発生機序は脂肪酸動員の亢進, 肝での中性脂肪合成亢進, 肝からのVLDL-TG放出障害が示唆され, とくに放出障害には肝ミクロゾームでの過酸化脂質増加が一役を担っているものと考えられた.また, 糖尿病, すなわちインスリン欠乏状態下におけるアルコール投与の影響は, 末梢脂肪酸動員ならびに肝での中性脂肪の過剰合成が脂肪肝発生の主体をなすものと考えられ, 一部相対的なVLDL-TG放出障害も関与すると思われた.
  • 小沼 富男, 大平 誠一, 筒井 理裕, 遅野井 健, 武部 和夫
    1981 年 24 巻 7 号 p. 715-719
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ストレブトゾトシン糖尿病ラット (STZラット) 7匹の超低比重リポ蛋白, 低比重リポ蛋白, 高比重リポ蛋白に含まれるビタミンE (VLDL-Vit E, LDL-Vit E, HDL-Vit E) の変化が血漿および組織過酸化脂質 (LPO) の多寡にどのように反映されるものかにつき検討した.Vit Eは阿部・勝井法, LPOは八木法にて測定した.
    STZラットのリポ蛋白Vit Eは対照と比べLDL, HDL, Total (VLDL+LDL+HDL) で低値 (いずれも有意) にあり, VLDLで高値傾向にあった.このようなSTZラットにおけるリポ蛋白Vit Eの分布動態の特徴は同ラットのリポ蛋白コレステロール (Ch), 燐脂質 (PL), 総脂質 (TL) それぞれの分布動態に近似した.さらにSTZラットではVLDL, HDLの各分画でVit EとCh, PL, TLとがそれぞれ正の相関々係にあった.STZラットの血漿および組織LPOは対照と比べ, 血漿, 大動脈壁, 膵では高値傾向に, 肝では低値傾向にあったが, いずれも有意な差ではなかった.
    以上より, STZラットの血漿リポ蛋白に分布するVit Eはそれぞれの分画に分布する脂質の変化に伴って二次的に変動していることが示唆された.また同ラットにおける血漿および組織LPOの多寡にはVit E以外に他の因子も影響しているものと思われる.
  • 丸山 博, 早川 裕, 加藤 督介, 鈴木 彰, 石沢 晋, 片岡 邦三, 藤森 一平, 松木 駿
    1981 年 24 巻 7 号 p. 721-728
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ケトン性糖尿病昏睡治療における少量インスリン間歇静注法での治療成績を従来の初期大量インスリン投与法での成績と比較した.
    間歇静注群では血糖値が250mg/dl以下となるまで半昏睡4例に毎時間8単位, 完全昏睡1例に初回20単位, 以後毎時間10単位のregular insulin (RI) を静注し, 初期大量投与群では半昏睡4例に初回40~100単位のRIを半量ずつ静注および皮下注し, その後2時間ごとに血糖降下速度に応じRIを半量ずつ同様に追加注射した.間歇静注群での治療前血糖値は平均892±131 (M±SE) mg/dlで, 血糖値が250mg/dl以下となるまでの所要時間は平均8±2時間, RI必要量は72±21単位, 1時間あたりの血糖降下量は91±12mg/dlであり, これらの値と初期大量投与群での成績との間に有意差はなかった.間歇静注群で治療開始6時間後の血糖降下量は平均517±89mg/dlで前値の59±8%の降下を示し, これらの成績も初期大量投与群での成績と同様であった.意識回復までの所要時間, 治療開始24時間後までのRI必要量および輸液量にも両群の間で有意差がなかった.毎時間RI8単位を静注した間欲静注群の3例では, 治療開始1時間以降の各RI静注直前血中IRI濃度は18~43μu/mlであった.両群とも治療中の低血糖, 低K血症はみられなかった.
    以上, ケトン性糖尿病昏睡に対する間歇静注法での我々の治療成績は, 初期大量投与法での成績に比し劣らないと考えられる.
  • 中林 富雄, 金綱 隆弘, 高森 成之, 平海 良雄, 千丸 博司, 牧野 邦雄, 瀧野 辰郎, 秋田 茂夫, 葛谷 覚元
    1981 年 24 巻 7 号 p. 729-736
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病食事療法の作用機序を解明するため, インスリン受容体の面から検討を加えた.すなわち健常者16名を対照に, 成人型糖尿病患者18名に100g O-GTT時の血清インスリン (IRI), インスリン感性試験によるインスリン感性指数 (ISI), 更に末梢血単核球の125I-インスリン特異結合率などを測定した.また糖尿病18例には約1ヵ月の食事療法後にもこれらの検査を行い, 前後の成績について比較した.その結果は: 1) 食事療法のみでコントロールされた糖尿病18例では, 未治療時ISI, 125I-インスリン特異結合率およびインスリン受容体数は健常者に比べ有意な低値を示し, 治療後, 体重, 血糖はすべて低下し, ISI, 125I-インスリン特異結合率およびインスリン受容体数は有意に増加した.2) 食事療法後にはISIと125I-インスリン特異結合率との間に正の相関がみられた.3) 125I-インスリン特異結合率と空腹時IRI値およびΣIRIとの間には明らかな関係は認め難かった.すなわち成人型糖尿病ではインスリン感性およびインスリン受容体の低下がみられたこと, また食事療法による耐糖能の改善には, インスリン受容体数の増加によるインスリン結合, インスリン感性の増大などが強く関係しているものと思われた.またインスリン受容体の異常という点は, 成人型糖尿病における耐糖能の増悪因子を考えるうえに意義をもつものと考えられる.
  • 松田 文子, 葛谷 健, 杉田 泰雄, 川島 紘一郎
    1981 年 24 巻 7 号 p. 737-743
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Glibenclamideのradioimmunoassayを開発し, 臨床検体に応用するための基礎的検討を行った.glibenclamideの代謝変化を受ける部位からもっとも遠く離れた部位に牛血清アルブミンをジアゾ結合させたものを抗原とし, 家兎を免疫して抗体を作成した.最終稀釈8000倍の抗血清と160pgの3H-glibenclamideを4℃にて24時間反応させた後の結合率は35%であった.抗血清と3H-glibenclamideの結合は標準glibenclamide 50pg/tubeの添加で有意に抑制され, 検体を10μlとして5~500ng/mlの範囲で測定可能な標準曲線がえられた.血漿アルブミンはglibenclamideを非特異的に結合するので血漿中濃度を測定する場合・標準glibenclamideの系列にも同剤を服用していない正常者の血漿を添加する必要があった.
    このradioimmunoassay系ではglipizideを除く他のSU剤との交差反応はきわめて僅かであり, glibenclamideの代謝産物との交差反応も0.5%以下であった.アルブミンとの非特異的結合反応があるので遊離と結合3H-glibenclamideの分離にはデキストラン炭末法を用いた.回収試験, 稀釈試験もほゞ良好な結果がえられた.gas chromatography, liquid chromatographyによる測定値との間には高度の相関がみられた.glibenclamide 2.5mg服用後の人血漿中の濃度は1.5時間後72±32ng/mlと上昇し, この測定系で十分測定可能であることが示された.
  • 野村 隆英, 坂本 信夫, Robert A. Harris
    1981 年 24 巻 7 号 p. 745-753
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高い脂肪酸生合成活性を示す飽食ラットから得た遊離肝細胞を用いて, dibutyryl cyclic AMP (Bt2cAMP), oleate, octanoate, acetateおよびchylomicrons (CM) とそのremnants (RM) のケトン体産生, 脂肪酸生合成, さらに解糖系に及ぼす効果を比較検討した.Bt2cAMPとoleateはケトン体産生を亢進させると同時に, 脂肪酸生合成を著しく抑制し, 両代謝プPa・eスのrecipr0calrelationshipが観察された.一方ミトコンドリアでcamitine independentにacetyl groupを供給するoctanoateやacetateでは, ケトン体産生は増加させるが, 脂肪酸生合成は抑制せず, reciprocal relationshipは観察されなかった.さらに外因性乳酸・ピルビン酸のoctanoateに対するantiketogenic actionはTCA cycleの活性化よりは, 脂肪酸生合成の促進によることが認められた.これらの結果はケトン体産生の調節が, 1つはlongchain fatty acyl-CoAのミトコンドリア内への運搬ステップで, もう1つはβ酸化により産生されたacetylgroupの利用過程で行われていることを意味する一方, そのいずれにおいても, 脂肪酸生合成プロセスの活性が重要な鍵を握ることを示唆している.
    ところでCMと, functionally hepatectomized ratにより作成されたin vivo RMは, ともにケトン体産生に影響を与えることなく, 脂肪酸生合成を有意に抑制したが, その機序は不明であり, 現在研究室で追求中である.post heparin rat plasma中で作成されたin vitro RMはlipoprotein lipase活性を有し, 多量の遊離脂肪酸をmedium中に放出することにより, oleateと同様の代謝効果を呈した.
  • 篠塚 正彦, 広瀬 賢次, 宮司 勝, 塚本 剛
    1981 年 24 巻 7 号 p. 755-760
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン治療に際し, インスリン抵抗性および全身性インスリンアレルギーはともに稀に遭遇する問題であるが, われわれは今回両者を合併し糖尿病性昏睡を発症した興味ある症例を経験した.症例は57歳女性, インスリン療法再開後9, 10日目に全身のジンマシンと発熱が出現し, 13日目にケトアシドーシスとなった.ケトアシドーシスはレギュラーインスリン計450単位の投与に反応せず昏睡に進行したが, アクトラピッドインスリンに変更し投与量を増加したところ, 治療が奏効し救命しえた.ウシ, ブタ, MCブタインスリンを用いた直接皮内反応, Prausnitz-Küstner反応, Insulin Radioallergosorbent Test (RAST) は陽性であり, 全身のジンマシンと発熱はIgE型インスリン抗体によるインスリンアレルギーと考えられた.レギュラーインスリン450単位投与後の血清125I-インスリン結合率は67.1%, 血中総インスリンは900μU/ml以上, 血中遊離インスリンは32μU/mlであり, インスリン結合抗体によるインスリン抵抗性を呈していた.しかしアクトラピッドインスリンの大量投与に変更後, 血中遊離インスリンは急速に増加し, 320μU/ml以上を維持しており, 治療効果を裏づけていた.
  • 岡田 奏二
    1981 年 24 巻 7 号 p. 761-763
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The purpose of this communication is to outline the results of light microscopic and immunohistological studies of the islets of male CHBB rats actively immunized repeatedly at 2-week intervals for a total of 12 times with homologous islet tissue.
    Of 8 animals in the group sensitized with islet antigen and complete Freund's adjuvant, 4 gave a diabetic K-value. In the group sensitized with islet antigen alone, one of 7 animals had a diabetic K-value.
    The pancreas of rats actively immunized with homologous islets yielded a wide variety of morphological findings in the islets and islet cells: insulitis, disorderly arrangement and pyknosis of islet cells, total replacement of some islets by a granulomatous lesion composed of infiltrating histiocytic cells, phagocytosis of particles of the nuclei of islet cells, a decrease in B cells (A/B shift) and fibrosis of the islets. On the other hand there was also proliferation and hypertrophy of islets with enlargement of the nuclei and nucleoli of islet cells, and an increase in chromatin and nuclear fission.
  • 町田 光司, 今村 憲市, 中村 光男, 武部 和夫, 玉沢 佳巳, 大平 誠一
    1981 年 24 巻 7 号 p. 765-767
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    To evaluate the volume of the pancreas in juvenile onset diabetes (JOD), T values were measured by ultrasonography. The T value was obtained by measurement of the ventro-dorsal diameter at the body portion of the pancreas, and a good relationship was noted between the T value and volume of the pancreas in autopsy cases.
    Following this fundamental study, T values were measured in 52 JOD patients and 101 healthy controls. A significant correlation (p<0.01) was observed between the T value and the height in the control group. Although a good correlation was also obtained between the T value and the height in JOD, the coefficient for JOD was clearly less than that in the controls.
    Furthermore, a significant relationship existed between the duration of diabetes, daily injected dose of insulin and the T deviation value (= average T value of the control in the same height group-T value in the individual case of JOD).
    These results suggest that the growth of the pancreas in JOD did not run parallel with increase of height as compared to the control group, and the T value measured by ultrasonography appeared to represent a useful index for estimating the degree of damage of the pancreas.
  • 1981 年 24 巻 7 号 p. 769-787
    発行日: 1981/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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