糖尿病
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48 巻 , 1 号
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特集 糖尿病と脳血管障害
原著
  • 石井 均, 古家 美幸, 石橋 里江子, 辻井 悟
    2005 年 48 巻 1 号 p. 19-32
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    血糖コントロールに関する新しい質問表を作成し, 血糖コントロールの質的評価を行った. 質問表は29質問から構成され再現性は良好であった. 調査 (144例) の結果, 月1回以上の低血糖は74.3%の患者が経験し, 1型糖尿病患者および強化療法患者で有意に多く経験していた. 低血糖発生時間帯は, 昼食前, 夕食前および夜間就寝中に多く, 低血糖困惑度は夜間就寝中が最も高かった. 重症低血糖はその57.1%が夜間就寝中に発現し, 無自覚低血糖は15~26%の患者に認められた. 血糖コントロールの患者目標値は学会基準の「良」と同等であったが, 現実はHbA1c値で約1%高かった. インスリン治療全般への満足度に比して, 血糖コントロールおよび血糖値変動に対する満足度は低かった. この結果から高血糖および低血糖が少なく, かつよりよい血糖コントロールの得られる治療法が望まれていることが示唆された.
  • 岩瀬 正典, 杉谷 篤, 本山 健太郎, 山元 啓文, 大田 守仁, 吉田 淳一, 江上 拓哉, 平方 秀樹, 田中 雅夫, 飯田 三雄
    2005 年 48 巻 1 号 p. 33-42
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    海外では膵腎同時移植は末期腎不全を合併した1型糖尿病患者の根治療法として確立しているが, 我が国では臓器移植法制定後の膵腎同時移植慢性期症例についての報告はない. 今回, 当施設にて膵腎同時移植を施行し, 1~2年以上経過した4例について, 移植膵内分泌機能と糖尿病慢性合併症の経過について検討した. 経静脈ブドウ糖負荷試験におけるインスリン分泌は移植後1カ月に比べ, 4例とも低下したが, 75g経口ブドウ糖負荷試験 (OGTT) では免疫抑制薬の内服を自己中断した1例 (症例2) を除き, 正常であった. また, 2例にOGTT2時間後に低血糖を認めた. グルカゴン負荷試験では症例2と心停止下ドナーの症例 (症例3) で低反応であった. 血糖コントロールは症例3で食後高血糖 (161 mg/dl ) のためαグルコシダーゼ阻害薬を投与したが, 全例良好であった. 移植後, 網膜症に変化なく, 心拍変動とSchellong試験で評価した自律神経機能は4例とも改善を示した (p<0.05). ankle brachial blood pressure indexと心臓-頸動脈間脈波速度 (PWV) は改善する傾向を示した. 移植膵インスリン分泌動態は各症例間で異なっていたが, 全例血糖コントロールは良好であり, 糖尿病慢性合併症への効果が認められた. 我が国ではドナーが少なく, しかも, marginal donorが多い状況があるが, 我々の膵腎同時移植症例の経過は海外の報告と遜色ないと思われる.
症例報告
  • 田中 正巳, 宮崎 康
    2005 年 48 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    糖尿病に合併した硬膜外膿瘍4例の臨床像を検討した. 全例HbA1c高値で, 進行した糖尿病性網膜症, 腎症を合併し, 低アルブミン, 低コレステロール血症を呈していた. 4例中3例で, 黄色ブドウ球菌が起因菌と考えられた. 3例は敗血症が, 1例は硬膜外カテーテルからの感染が契機と考えられた. 前者3例で膿瘍の部位に, 後者1例でカテーテル刺入部に疼痛を認めた. 前者3例では炎症反応の高度亢進, 麻痺, 多彩な感染症の合併を認めた. また, 本邦の糖尿病合併硬膜外膿瘍の臨床的特徴も併せて検討したが, 男性に多く, 黄色ブドウ球菌が重要で, 腰椎に好発することが確認された. 1例を除き全例で膿瘍の部位に疼痛を訴え, 発熱がなかったと明記してある症例は1例のみであった. 頚, 背, 腰部の痛みと発熱があった場合, 硬膜外膿瘍は重要な鑑別診断になると考えられた.
  • 沖 健司, 小出 純子
    2005 年 48 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は69歳, 男性. 2日前より食欲不振, 嘔吐, 口渇, 多尿, 全身〓怠感が出現し当院を受診した. 随時血糖575mg/dl, 尿ケトン体陽性, 血液ガス分析でpH7.08であり, 糖尿病ケトアシドーシスと診断し入院した. 来院時HbA1cは7.6%と軽度高値であったが, 尿中Cペプチドは5.4μg/dayと極度に低下し, 抗GAD抗体陰性であった. 以上の所見から劇症1型糖尿病と診断した. 軽度の脂質代謝異常 (TC229mg/dl, HDL-C52mg/dl, TG404mg/dl ) を合併していたが, インスリン治療を開始し改善傾向にあった. しかし, 入院2週後より脂質代謝異常は悪化し, リポ蛋白電気泳動ではbroad βパターンが認められ, アポ蛋白EフェノタイプはE2/2であった. III型高脂血症に1型糖尿病が合併し, 興味深い脂質変動を呈した. 治療はインスリン投与のみで改善されず, bezafibrateの投与を必要とした.
短報
コメディカルコーナー・原著
  • 小松 桂, 立桶 史生, 藤井 厚子, 渡辺 亜紀子, 本山 博恵, 中村 昭伸, 小野 百合
    2005 年 48 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    糖尿病の療養に対する負担感情をPAIDの質問表を用いて教育入院前後で測定し, その変化に影響しうる因子につき分析した. PAIDの総点数の平均は退院後に有意に減少し負担感情が軽減した. 「糖尿病の治療」と「低血糖」に対する負担感情は非インスリン群で軽減する傾向があり, 「合併症」では初回の教育入院群や罹病期間が1年以上の群で軽減する傾向があった. 「糖尿病の受容」ではキーパーソンが配偶者である場合により軽減される傾向があり, 「周囲の協力」では職業を有する群に軽減されにくい傾向があった. PAIDの変化とHbA1cの変化には有意な相関は認められなかった. 教育入院前後での糖尿病に関する負担感情の変化と患者背景因子の関連が明らかとなった. 今後は更に教育プログラムを改善して負担感情の軽減に努め, 入院中に軽減できなかったものに関しては退院後の外来における療養指導につなげていけるよう検討する必要があると思われた.
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