糖尿病
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20 巻 , 2 号
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  • 香川 昌平, 野村 早苗, 小林 邦夫, 四宮 由美子, 津村 洋子, 伊勢 久代, 松岡 瑛
    1977 年 20 巻 2 号 p. 135-145
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ラット膵灌流法をもちい, 種々のイオン環算下でのglucose刺激によるインスリン分泌動態を検討し, インスリン分泌機構の解明を試みた.
    [実験成績]
    I.K+, Li+-free液, 6.2mMK+, Rb+, Li+液による灌流: Glucose-freeの場合, K+, Li+-free, 6.2mMLi+液は後期相のインスリン分泌を惹起するが, 6.2mMK+, Rb+液はインスリン分泌を誘起しなかった.10mM theophyllineを含むK+, Li+-free液は対照の3倍量のインスリンを分泌するが, 6.2mM Li+液はtheophyllineによる影響はうけなかった.Hill plotの解析から, K+, Li+-free液, 6.2mMK+, Rb+液のglucose刺激によるKm値は, それぞれ, 6.5, 8.9, 8.7mMであった.
    II. 24.8mM, K+, R+, Li+液による灌流: Glucose freeの場合, 24.8mMK+, Rb+液は一過性のインスリン分泌を惹起するが, 24.8mM Li+液はインスリン分泌を誘起しなかった.また, 12.4mM Li++6.2mMK+液の前灌流により, 24.8mMK+液のインスリン分泌は対照に比し低下した.
    III. 6.2mMK+液から6.2mM K+, Rb+, Li+液に変換した際のα-およびβ-D-glucose刺激によるインスリン分泌: 16.7mM濃度で, 6.2mM K+液では, 両anomer刺激によるインスリン分泌は同等であるが, 6.2mM Li+液では, βanomerに優位なインスリン分泌がみられ, 6.2mM Rb+液では, ともにインスリン分泌は抑制された.
    以上より, Li+はK+, Li+-free条件に比して, インスリン分泌を低下させるが, receptorの親和性を増大させ, βanomer刺激に優位なreceptor conformationへ変化させる可能性が示された.
  • 横須賀 智子, 大森 安恵, 平田 幸正, 平井 真一郎
    1977 年 20 巻 2 号 p. 146-152
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/09/13
    ジャーナル フリー
    健常者に対しインスリンの鼻粘膜と口腔粘膜投与を試み, これら粘膜からのインスリン吸収を, 血糖, immunoreactive insulin (IRI), C-peptide immunoreactivity (CPR) の変動によって検討した. 使用したインスリン溶液はブタ結晶インスリンを0.1ml中10, 30あるいは50単位含むものであり, 溶媒としてはpH3の生理的食塩水, 1%グルココール酸ナトリウムを含むpH7.6の溶液あるいはその他の各種界面活性剤を含む溶液を用いた. 鼻粘膜よりの吸収をみる目的では上記インスリン溶液の0.1mlをスプレーで健常者の鼻孔より注入した. 口腔粘膜からの吸収をみる目的では上記溶液を健常者の舌下に滴下した.これら溶液投与前後において肘静脈より採血し, 血糖, 血清IRI, CPRを測定した.
    溶媒としてグリココール酸ナトリウムを用い鼻粘膜から投与した場合がインスリンの吸収および粘膜刺激の面から優れており, このインスリン溶液を鼻粘膜に投与した際, 5分後に血中IRIの明らかな上昇がみられた. 血中IRIの上昇に遅れて血糖の低下, CPRの低下が認められた.
    これに対しpH3の酸性溶液の使用では鼻粘膜投与でもインスリンの吸収は認められなかった. なお口腔粘膜からは溶媒としてグリココール酸ナトリウムを用いた場合もインスリンの吸収は認められなかった.
  • 河盛 隆造
    1977 年 20 巻 2 号 p. 153-161
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    OGTTにおける正常型, 境界型, 糖尿病型を呈するそれぞれ99名, 56名, 82名, 計237名にIVGTTを施行し, その血糖曲線, 末梢血インスリン曲線を制御理論に基づいて解析し, 個体の血糖調節能の定量的把握を試み, 次のような結果を得た.
    1) IVGTT時の血糖曲線は, 従来片対数グラフ上で直線である. すなわちブドウ糖利用恒数 (k値) は一定である, と考えられてきたが, 血糖調節能の正常者においては, 片対数グラフ上で, 上に凸の曲線を示す.これは血糖調節のnegative feedbackの定数が時間的に大きくなると考えることにより説明できる.
    2) このnegative feedbackの定数の時間的変化は, 血糖調節能が低下するほど小さくなる.
    3) インスリン分泌の動特性をWeighting Functionとして求めたところ, 血糖調節能の軽度低下したものにおいて, すでに単位血糖上昇率に対するインスリン分泌のゲインが小さくなり, かつ時定数が著明に大きくなることを認めた. さらにnegative feedbackの定数の時間的変化が, 血糖上昇率に応じて追加分泌されたインスリンの作用によることを示唆しえた.
    以上IVGTTを制御理論を応用した新しい方法により解析し, 血糖調節能とインスリン分泌の動特性との関連性を定量的に把握することができた. かかる方法は, 糖尿病の早期診断や発症にいたる経過の研究に有効な方法と考えられた.
  • 市川 勝之, 赤沼 安夫, 小坂 樹徳, 葛谷 信貞
    1977 年 20 巻 2 号 p. 162-167
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    606名の軽度の糖代謝障害を含む健診受診者を対象に50gGTTを行い, 糖忍容能低下の有無, および30分値のΔ1RI/ΔBS (II) に従って分類し, 各群における体重/理想体重×100 (肥満度), 空腹時の血清中性脂肪値 (TG), 空腹時のインスリンレベル (IRI), 血糖 (FBS) の関係について調べ, 説明変量数増加型重回帰分析による検討も加えた.
    A) 糖忍容能正常かっII<0.4群は, 高度肥満でも高FBS者, 高TG者は少なかった。B) 糖忍容能正常かっII≧0.8群は肥満者に高IRI, 高TG者が多く, この群の高TGは, 肝での糖質からのTG合成亢進による可能性が考えられた. C) 糖忍容能低下かっII<0.4群は, 肥満と共に高IRI, 高TG, 高FBSがみられ, この群では, 末梢レベルのインスリン抵抗による脂酸動員亢進により高TGを招来すると考えられる. これらから, TG値はインスリン抵抗性を示す指標であると考えられる.
  • 清水 昇
    1977 年 20 巻 2 号 p. 168-173
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高度純化インスリンであるMonocomponent lente insulinの力価と持続時間が従来の市販のLenteinsulinと等しいかの点を糖尿病患者につき検討した. 当院に入院中のインスリゾ使用患者30例につきcrossover法を用いて1週ごとのターゲスプロフィルを測定し両者の平均血糖値につき推計学的考察を行った.その結果すべての時間帯で両者に有意差を認めなかった (P>0.05). Schlichtkrullが提唱し後藤らが改良を加えた血糖コントロールの指標となるM値を比較したが両者の使用群の間に有意差がなかった (P>0.2). 1日の血糖値のうちでM値と最も高い相関を示したのは日内最高血糖値であり (r=0,937), 空腹時血糖値では12時 (r=0.864), 16時 (r=0.795), 7時 (r=0.491) の順で相関を示した. この結果は持続性インスリン使用例では早朝空腹時血糖値のみでロントロールの良否を判定するのは必ずしも適切でないことを示唆している.
  • 富永 真琴, 山谷 恵一, 原 正雄, 佐々木 英夫, 大島 健次郎
    1977 年 20 巻 2 号 p. 174-179
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病と感染症の関係を知るために, インフルエンザ流行期に糖尿病死亡が増加するかどうかを人口動態統計の資料を用いて検討した. 近年, インフルエンザ流行の時期と規模の客観的指標として, また, その慢性疾患への影響の指標として, 超過死亡という概念が欧米諸国, WHOで慣行化されており, 今回この方法を用い, インフル満ンザ流行期を推定し, その流行期における糖尿病の超過死亡について検討した. 超過死亡は実際の死亡と非流行期の死亡から予測される期待死亡との差で求められる. 月別期待死亡率は月別死亡率 (観察値) を人口動態統計より得て, Serflingの方法に準じ, y=a+bt+csin (πt/6-θ) の予測式の係数を最小二乗法で求めることにより得られる. 超過死亡率の有意さの程度は比較強度 (超過死亡率/標準偏差) で検討した. インフルエンザ流行期の推定には呼吸器感染症の超過死亡で検討し, 1961年~1974年の14年間に7回の流行を把握した. この流行期に糖尿病の超過死亡は3回に有意, 1回にほぼ有意であることを認めた. 一方, 臨床的には1975年~1976年冬のインフルエンザ流行期に感冒様症状を呈した糖尿病外来患者の約70%に空腹時血糖値の上昇を認めた. したがってインフルエンザに対し糖尿病患者はhigh riskgroup (高危険群) であり, インフルエンザへの対策は糖尿病の管理上重要であると考えられる
  • 下條 まきゑ, 田島 節子, 丸山 博, 横須賀 智子, 杉本 智唯子, 大森 安恵
    1977 年 20 巻 2 号 p. 181-188
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病の母親より生まれた小児 (0才~14才) 25名に, 成長発育, 先天奇形, 骨発育, 精神運動発達ならびに耐糖能の調査を行い以下の結果を得た. なお25名の糖尿病母体はその大部分がWhite分類ClassBで, 妊娠中のコントロールは良好であった.
    1) 成長発育状況: 25名中18名は身長体重共に正常値内にあり, 4名は体重のみが正常値より多く, 2名は体重は正常で身長が低く, 1名は身長体重共に正常値以下であった.
    2) 先天奇形: 大奇形はなく小奇形のみ11例 (44%) にみられた.
    3) 骨発育状況: 22名中19名は正常, 3名が遅延を示し促進は認めなかった.
    4) 精神運動・知能発達状況: 21名の請査のうち, 精神運動・知能発達遅延児は認められなかった.
    5) 脳波所見: 21名の記録のうち, 15名正常, 4名境界型, 2名が異常を示した.
    6) 耐糖能: 100g-OGTTを13名に施行したが, 11名が正常パターン, 2名は境界型を示した. IRI反応は4名が低反応型, 1名が遅延型, 2名が高反応型, 6名が正常反応を示した.
  • 星山 眞理, 桜川 信男, 金子 兼三, 林 睦子, 松岡 松三
    1977 年 20 巻 2 号 p. 189-195
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒト尿中凝固活性化物質 (urinefactor, UF) は, 主として腎組織トロソポプラスチンに由来する. 著者らは, von Kaulla・青木の方法に従って, 健常者および糖尿病患者の尿よりUFを精製し, 各々のカルシウム再加時間を測定し, 検量線よりトロンポプラスチン量を算定し, UF排泄量 (mg/day) とした. 尿中UF排泄量は年令・性・空腹時血糖値・1日尿量・1日尿糖量・1日尿蛋白量との間に関係は認められず, 糖尿病の推定罹病期間と逆相関し, 内因性クレアチニン・クリアランス値と相関した. 罹病期間が長くなるほどUF排泄量は低下する傾向を認めた. macroangiopathictype (B) 群の平均は3.73mgと正常対照 (A) 群の3.51mgとほぼ同値であり, microangiopathictype (C) 群の平均は1.62mgと低下していた. 二次性糖尿病 (D) 群の平均は4.33mgと高値をとったが, 罹病期間の長いものでは低下していた. 治療別に検討すると, 食事単独療法群の平均5.74mg, 経口糖尿病剤併用の平均が3.2mg, インスリン療法併用の平均が1.52mg, インスリン療法にwafarin投与を行っていたものの平均が2.31mgであった. 以上から, 初期軽症糖尿病の糸球体内血液凝固は活発であり, 進行期においては不活発であることが推定された.
  • 進藤 俊彦, 小熊 茂, 服部 俊夫, 横山 正一, 鏑木 恒男
    1977 年 20 巻 2 号 p. 196-204
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全における自発性低血糖は現在まで10例が報告されているがその原因は明らかではない. われわれも非糖尿病の慢性腎不全患者に自発性低血糖を認めたので報告する. 患者は42才の主婦で急性腎炎, 妊娠中毒症の既往がある. 昭和50年11月10日, 呼吸困難で入院した. 慢性腎不全, 心不全の診断のもとに血液透析を開始した。昭和51年1月14日早朝低血糖発作 (Dextrostixで10mg/dl以下) を起こした. この4週間前に無黄疸性のGOT, GPT, a1-Pの一過性上昇が認められたが, このための低血糖とは考えられない. 低血糖発作はその後, 2月初, 中旬, 4月初旬にも出現した. 患者は4月20日全身状態悪化し死亡した. 剖検でインスリノーマは否定された。肝の一部にグリコーゲン量低下を示す所見が得られた. 50gGTTは境界型で遷延したIRI反応を示した. Tolbutamideによる血糖低下はIRI反応が良好にもかかわらず緩徐で遷延傾向にあった. Glucagon testによる血糖上昇は不良であった. Insulin tolerance testによる血糖低下は不良であったが, インスリン半減期は12分と軽度延長していた、下垂体, 甲状腺, 副腎, 膵α 細胞の機能低下は認めなかった. 低血糖発作時の血清アラユンも正常であった。
    以上の成績から, 肝グリコーゲン量の減少が本例の低血糖の原因と考えられるが, 低血糖からの回復機序の障害も関与していると思われる
  • 高取 悦子, 高橋 千恵子, 劉 瑞恵, 水野 美淳, 林 正雄
    1977 年 20 巻 2 号 p. 205-217
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳頭周囲および網膜主幹血管に新生血管を認めた増殖性網膜症患者4例に経鼻的にradon-seedの埋没による下垂体破壊術を施行したところ,(1) 経過観察中に新生血管が出現した3症例では術後新生血管の消失を認めた. 一方, 初診時既に新生血管が存在した1症例では術後新生血管はわずかに減少しているかにみえたが, 術後約10ヵ月に高度な硝子体出血を起こし, その後増殖性変化を来たした.
    (2) 術後の下垂体機能では, 新生血管が消失した3症例のうち, 1例はargi篇ine負荷後のHGH反応は無反応であり, LH-RH負荷後のFSH, LH反応も低反応を示した. 残りの2例ではarginine負荷後のHGH反応は軽度に抑制され, かつ1例はTRH負荷に対するTSH反応もやや低下を示した. 下垂体副腎機能は3症例とも正常であった. 眼底所見の増悪した1例では, 術前のarginine負荷後のHGH反応は著明な高反応を示し, 術後その軽度の抑制がみられた.
    以上より, 新生血管が出現した場合早期に下垂体破壊術を行えば, 新生血管の消失が期待出来ると云える. またその場合, 下垂体破壊の程度については内分泌学的に不完全な破壊であっても有効と思われる
  • 葛谷 健, 松田 文子, 杉田 泰雄, 楠本 一生, 斉藤 寿一, 吉田 尚
    1977 年 20 巻 2 号 p. 218-228
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    早朝の痙攣発作と意識障害を主訴として入院した60才男性で, 血清に抗体に由来すると思われるインスリン結合性を証明したが, 最終的に手術によりインスリノーマを確認し, 摘出後治癒した症例を経験した. 早朝空腹時の低血糖と血清インスリン高値があり, 各種インスリン分泌刺激試験では中等度の反応を示した. ポリエチレングリコール法, ゲル炉過法, 炉紙泳動法により血清に1251インスリン結合性のあることが認められた. 結合が非標識インスリンの添加で抑制されること, 抗ヒト免疫グロブリンによる沈降反応から, 血清中インスリン抗体の存在が示唆された. 諸種検討により, この結合は二抗体法による血中インスリンの測定にそれほど大きな影響は与えていないと推定された. 手術により膵尾部に直径約1.5cmの腺腫を見出し切除した. 腫瘍は毛細血管に富み, 特殊染色, 螢光抗体法により, B細胞と思われる細胞が散在することが示され, 電顕的にもB顆粒に似た結晶様構造を示す顆粒の存在がみとめられた. しかし大部分の細胞は無顆粒であった. 腫瘍のインスリン含量は2.6単位/gで正常膵部分4.6単位/gよりむしろ低かった. 術後低一血糖症状は消失し, 空腹時血中インスリン値は正常化し, 血清のインスリン結合性も消失した. インスリン結合性とインスリノーマとの相互関係は不明であるが, このような症例の存在はインスリン自己免疫症候群の診断上, あらたな問題を投げかけるものである.
  • 1977 年 20 巻 2 号 p. 229-237
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 20 巻 2 号 p. 238-252
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 20 巻 2 号 p. 253-266
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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