糖尿病
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28 巻 , 9 号
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  • 小林 総一郎, 田村 禎通
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1019-1027
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    KKマウス (KK)(20~40週齢) の心筋エネルギー代謝について検討した. またKKにマグネシウムを投与し, 心筋エネルギー代謝に及ぼす影響についても検討し以下の成績を得た.
    1) 20週齢のKK心筋のアデノシン3燐酸含量は, 対照のDDYマウス (DDY) とほぼ同程度の値を示したが, グルコース6燐酸含量は低値であった (p<0.05).
    2) 20週齢のKK心筋のコハク酸脱水素酵素活性 (SDH) はDDYよりも低値であり (P<0.01), リンゴ酸脱水素酵素 (MDH) 活性は低い傾向を示した. 40週齢ではSDHはDDYより低値を示した (P<0.05).
    3) 20週齢のKK心筋のヘキソキナーゼ (HK) 活性, ホスホフルクトキナービ (PFK) 活性および乳酸脱水素酵素 (LDH) 活性は, いずれもDDYより高い傾向を示した. 40週齢のKK心筋のHK, LDHはDDYより高値一を示した (P<0.05). PFKはDDYより高い傾向を示した.
    4)(LDHアイソザイムパターンは, DDYがLDH1, 2が主成分であるのに対し, KKでは (LDH3, 4, 5の増加を認めた.
    5) KK心筋のクレアチンホスホキナーゼ活性はDDYとほぼ同じ値を示した.
    6) KK心筋のモノアミンオキシダーゼ活性はDDYに比ベて低値であった (P<0.01).
    7) KKにマグネシウムを投与しても, KK心筋で認めたエネルギー代謝の特徴はほとんど変化しなかった.
    以上の成績から, KK心筋では好気的エネルギー代謝の低下と嫌気的解糖の活発化が示唆された.
  • 福山 昭一, 竹下 光, 宇賀田 茂彦, 西村 敏郎, 小林 伸子, 永野 聖司
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1029-1034
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病生壊疽における壊疽発症の予見的指標を求めて, 糖尿病患者51例 (糖尿病性壊疽患者12例を含む) と非糖尿病者19例の動静脈の血液ガス分析, 趾尖容積脈波を測定した. 糖尿病性壊疽患者において網膜症の有無罹病期間5年間を指標として検討した. その結果上腕動脈・足背静脈酸素分圧較差は, 壊疽群では24.1±9.8mmHg (Mean±SD) で対照群 (38.9±12.9mmHg) に比して有意に低下していた (p<0.01). また非壊疽群でも網膜症を有し罹病期間5年以上の群で21.2±11.7mmHgと壊疽群との問に有意差を認めず, 対照群に比べて有意に低下していた (p<0.01). また足背静脈・肘静脈酸素分圧較差でも, 壊疽群は19.1±8.5mmHgで対照群 (1.7±12.3mmHg) に比べて有意に高値であった (p<0.01), 一方趾尖容積脈波では, 末梢性ブラトー波は壊疽患者の20%にしか認められず, その他壊疽に特異的な所見は見出せなかった. さらに組織での酸素解離に関与し, 長期のコントロールの指標であるHbA1と上腕動脈・足背静脈酸素分圧との相関は認められなかった. 以上より, 糖尿病性壊疽は網膜症など細小血管症を有し罹病期間の比較的長期なもの, さらに足背静脈血の酸素分圧が高値なものに発症しやすいことが示唆され, これらの症例は今後定期的なfollowが必要と思われる.
  • 神村 匡, 富永 真琴, 佐々木 英夫, 渡辺 秀弥, 宮沢 光瑞
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1035-1039
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    山形県小国町および舟形町において糖尿病集団検診を実施し同時にHbA1cの測定も行い, 集団検診における有用性につき検討した. 一次検診は夕食後2時間の尿糖検査. 二次検診は尿糖陽性者を対象に75gブドウ糖負荷試験 (以下OGTTと略す) およびHbA1cの測定を行った. 延べ586名の二次検診受診者中正常型123名, 境界型293名および糖尿病型170名であつた. 各型のHbA1c,(平均値±SD) はそれぞれ4.90±0.46%, 5.00±0.53%, 6.45±1.57%であった. この成績をもとに, 糖尿病スクリーニングの簡便化を目的として, 1日・1の採血で得られるHbA1c, と空腹時血糖 (以下FPGと略す) を取り上げ検討した. すなわちHbA1cとFPGを2変量とした判別分析法により対象者を糖尿病群と非糖尿病群とに分別した. 判別式にはf=30×HbA1c, +FPG-270が与えられ, f≧0のとき糖尿病群と判別された. この判別式を用いてFPGとHbA1cとから糖尿病の診断を試みる方式, すなわちFPG-HbA1c, systemは糖尿病集団検診, 人間ドックや外来での糖尿病スクリーニングに利用されるものと期待された.
  • 鈴木 将夫, 河津 捷二, 外間 朝哲, 渡辺 敏郎, 若林 孝雄, 石井 淳, 島村 幸夫, 松村 利徳, 河井 明夫, 河野 直幸
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1041-1048
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    今回われわれはラット膵島腫瘍細胞 (RINr) を標的細胞として用いたlaser flowcytometryによる新しい膵島細胞膜抗体 (ICSA) および補体依存性細胞障害 (CAMC) 測定法を試み, Type 1糖尿病患者, Type 2糖尿病患者そして正常対照者について比較検討した.
    陽性対照血清としてウサギ抗ラット膵島細胞血清 (RARICS) を使用した. まずEthidium Bromideを用いてRINrの生細胞域を決定し, 以後の測定にはこの生細胞域を使用した. ICSA測定は, 被検血清さらにFITC標識IgGで培養したRINrをlaser flowcytometry に適用し, 生細胞域に含まれる細胞のうち自然螢光以上を示す細胞数を百分率で表示した. CAMC測定は, 補体成分を加えない時の生細胞域中の細胞数と被検血清と補体成分を加えた時の生細胞域中の細胞数を比較して行った.
    RARICSを用いた% ICSA および% CAMCの希釈曲線は, いずれも低希釈率 (4~16倍) で90%以上を示しその後減少するシグモイド曲線を示した. 糖尿病患者血清のICSA値をIF法とIFF法で比較すると, 両者間に良い相関が認めらした. 被検血清をラット洗浄赤血球で吸収することによって, ICSA値が低下する症例が認められた. ICSA 陽性Type 1糖尿病患者の70%にCAMC陽性がみられた.
    以上, laser fiowcytometryによるICSAおよびCAMC測定法は客観的かつ定量的方法であり, 糖尿病患者の測定に有用である.
  • 衛藤 雅昭, 渡辺 清, 関口 雅友, 岩島 保法, 森川 秋月, 大島 英二, 石井 兼央
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1049-1055
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    耐糖能異常者 (IGT) は糖尿病 (DM) 患者と同様, 動脈硬化症を高頻度に合併することが知られている. そのrisk factorとしての脂質代謝異常特にアポ蛋白に着口し, IGTにおいてその異常が存在するかどうかを明らかにする目的で, 正常者とII型DM患者と比較検討した. 男性のみを対象とした. また年齢, 血圧には3群間で有意差はなかった. リボ蛋白は微量超遠心法で, アポBはロケット免疫電気泳動法で, その他のアポ蛋白はSRID法で測定した. 動脈硬化症と高脂血症の発症頻度は, 両者ともDM> IGT>正常群の順に高値を示した. DM群は血E常群に比べてFFA, TG, TC, LDLC, LDLC/ HDL-C比 (L/H比), アポCII, B, B/AI比の有意な増掬とHDL-C, アポAI/AII比の有意な減少を示した. 一方, IGT群は, FFA, TG, L/H比の有意な増加を正常群とDM群との中間程度に示したが, アポ蛋白異常は示さなかった. この値寒は, 少なくともIGTではアポ蛋白はathcrogenicに作用していないことを示している. 以上によりII型DMではatherogenicなリボ, アポ蛋白異常が存在するが, IGTでは中程度にatherogenicと考えられる脂質, リボ蛋白異常しか存在せず, 脂質代謝異常の面から, IGTとDMとの間に質的および量的な差があることが判明した. この差が両者におけるatherogenesisの差を少なくとも部分的に説明し得るかも知れない.
  • 小野 弘, 植田 太郎, 迫 康博, 梅田 文夫, 井林 博
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1057-1064
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    II型糖尿病 (NIDDMと略) にはインスリン感受性の低下が普遍的に存在し, 高血糖の病態に関与する一要因となっている. 著者らは治療経過によるインスリン感受性の変動について検討し, その機序に若干の考察を加えた.
    インスリン感受性はepinephrine, propranolol, insulinおよびglucoseを同時注入し, 恒常血糖レベル (SSPG) を求めるインスリン抑制試験 (IST) により評価した.
    健常者における本法の再現性は平均変動率11.5%で比較的良好であった. 非肥満NIDDM患者のSSPGは203±23mg/dl, 肥満を合併する群のそれは282±13mg/dlとより高値を示し, インスリン感受性の低下を認めた. また肥満を有する耐糖能障害者 (IGT) のSSPG値 (平均229mg/dl) は正常対照 (80±21mg/dl) に比較し有意に高値を示した. 膵性糖尿病, ステロイド誘発糖尿病, 肝硬変を伴った糖尿病患者のSSPGはいずれも高値を呈した.
    1~3か月間の食事療法のみによりコントロールが改善した症例でのSSPGは治療前後でそれぞれ242±25および223±18mg/dlと, インスリン感受性の改善傾向は乏しかった. しかしSU剤を同期間併用した群ではSSPGは治療前の261±31mg/dlから, 治療後には188±31mg/dlへと有意の (p<0.05) 改善を認めた. 2群とも治療前後で体重の変動はなかった. したがって, 肥満と代謝コントロールは個体のインスリン感受性に影響する各々独立した要因であることが示唆される.
  • 吉田 亨
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1065-1071
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者における食事・運動療法の実施状況, すなわち, 受容度 (compliance) についての研究は多くはない. また, これらの療法が日常生活での行動である点や, 細かな行動の集積である点にまで留意し, 客観的な把握を試みた例は少ない. そこでこれらの点を踏まえ, 受容度の詳細で正確な把握を行い, その相11二関係について検討を加えた.
    調査対象は, 昭和56年秋に都内某病院で教育入院を終了した患者全員 (125名) とし, 教育入院終了後半年間の受容度を, 調査票を用いた面接調査により把握した. なお, 調査実施率は80.8%であった.
    食事療法では, 朝・昼・夕食の受容度を中心に, 外食, 飲酒, 間食, 食品計量についても把握した. その結果, 市三食とも 「ほとんど守れた」 者は46%であるなど, 必ずしも満足すべき状況ではなかった. 一方, 運動療法では, 普段の日, 休日, 雨の日に分けて把握したが, 最低の日安である1日30分以上の運動を実施する者が, 普段の日で80%を占めた.
    以上の受容度を, 相関係数等の検討を通じ,(三食・外食・飲酒・食品計量)(過量の間食)(運動療法) の3群に分けることができた. また,(1) 調理担当者による計量が行われているほど三食が良く守れており,(2) 外食内容が適正であるほど昼. 夕食が良く守れており,(3) 飲酒の機会が少ないほど夕食が良く守れていた. 以上の点を踏まえ, 今後の患者教育に当たる必要があると考えられた.
  • 及川 登, 真山 享, 阿部 隆三, 佐藤 英幸, 桜田 幹夫, 豊田 隆謙, 後藤 由夫
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1073-1079
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存性糖尿病 (NIDDM) 患者における自律神経障害の有無と低血糖時の拮抗ホルモン分泌動態との関係を検討するため, 健常者7名, 自律神経障害のないNIDDM者7名 (A群), 自律神経障害のあるNIDDM若9名 (B群), にインスリン負荷試験 (0.12U/kg/h) を行った. 健常群とA・B群各群間で最低前乳糖値や血糖蜂下速度には差がなかった. 最低血糖値からの並1糖増加面積は, 健常群, A・B群おのおの2267, 2132,874 mg・min/dlで, B群は健常群, A群より有意に低値であった. インスリン注入停止後の拮抗ホルモンIの分泌増加面積を比較すると, Σ Δ グルカゴンは健常群, A・B群おのおの2210, 2369,762pg・min/mlで, B群は健常群, A群より有意に低反応であった. Σ Δ エピネフリンは健常群 4.95ng・min/ml. A群6.89, B群3.04であり, B群はA群より有意に低値であった. Σ Δ ノルェピネフリンは, 健常群A・B群おのおの3.36, 4.05, 1.83ng・min/mlで, B群は低反応傾向であった. Σ Δ 成長ホルモン, Σ Δ コルチゾールは健常群, A・B群各群間で差がなかった.
    以上より, 低血糖時, 自律神経障害のないNIDDM者では健常者と同様の反応を示すが, 自律神経障害のあるNIDDM者では低血糖が遷延し, グルカゴン・カテコールアミン分泌が低反応であった. NIDDM者の厳格な血糖コントロールに際しては, 事前にその自律神経障害の有無を検討する必要がある.
  • 坂東 一雄, 鮴谷 佳和, 直 克則, 河盛 隆造, 七里 元亮
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1081-1087
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病患者 (NIDDM) の残存膵8細胞機能に及ぼす種々インスリン補充投与の影響を検討した. 無作為に以下の3群のインスリン投与群に分け, 4週間治療を行った. (A) 群 (n=12): 中間性インスリン1日1回注射による基礎インスリン補充群. (空腹時血糖値 (FBS) が140mg/dl以下を目標としてインスリン量を調整),(B) 群 (n=15): 速効性インスリン1日3回注射による追加インスリン補充群. (食後血糖値200mg/dl以下を目標),(C) 群 (n=11): 人工膵島およびpre-programmable insulin infusion pump) を用いたインスリン持続注入による基礎および追加インスリン補充群. (BS 140mg/dl以下, かつ食後血糖値200mg/dl 以下を目標). 各インスリン投与法による治療前および治療4週後に経口ブトウ糖負荷試験 (OGTT) を施行し, 血糖応答曲線, 血漿Cペプチド (CPR) 動態を比較検討した. 治療前, 治療中の直血糖*内変動検索時の血漿CPR濃度, 尿中CPR排泄量も合わせ検討した.
    治療中血漿CPRの十分な抑制がみられなかった (A) 群ではOGTTに対する血漿CPR反応の改善は認めなかった. 治療中血漿CPRの抑制がみられた (B),(C) 群では, OGTTに対する血漿CPR反応は著明に改善し,(C) 群では血糖応答曲線も改善し, そのヒークは120分より60分に移動した. また両群でぱ1日インスリン需要量は有意に減少した.
    以上より, 膵B細胞を“resting”の状態に維持する基礎および追加インスリン補充による厳格な血血糖制御がNIDDMの内因性インスリン分泌能改誇に必要であることが示唆された.
  • 山脇 功, 古守 知典, 新城 孝道, 河原 玲子, 大森 安恵, 平田 幸正, 尾立 冬樹, 肥田野 信
    1985 年 28 巻 9 号 p. 1089-1094
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Hemdytic streptococcus gangreneは, 1924年Meleneyによりβ-streptococcusを起炎菌とするひとつの独立疾患として初めて起載されたが, 後に主病変は筋膜であるとして, necrotizing fasciitisと呼ばれるようになった. われわれは, 昭和37年に発見された77歳のインスリン非依存型糖尿病男性の肛門周囲に本症を併発し, 診断後直ちに切開, debridementを施行して創部の治癒経過は良好であったが, カンジダ性肺炎, 急性腎不全, 髄膜炎を併発して不幸な転帰をとった1例を経験した.
    本症は稀な疾患であるが, 予後不良のため早期診断, 早期治療が必要であるといわれている. また本症が, 糖尿病に合併した場合, 糖尿病性壊疽や蜂窩織炎との鑑別が必要であり, 糖尿病が本症の予後をさらに悪化させる因子となるため注意を要する.
  • 1985 年 28 巻 9 号 p. 1095-1103
    発行日: 1985/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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