糖尿病
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59 巻 , 5 号
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特集
膵β細胞機能不全のメカニズム
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 堂川 冴子, 村上 隆亮, 波床 朋信, 加藤 朋子, 松田 優樹, 米光 新, 武呂 誠司, 隠岐 尚吾
    2016 年 59 巻 5 号 p. 344-352
    発行日: 2016/05/30
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    1型糖尿病患者において,カーボカウントは血糖管理に有用であるが,より効果的な指導方法の確立が望まれている.計量や暗記の必要性を軽減し指導を容易にする目的で,個人の手をひとつの尺度として糖質量を見積もる方法,手を活用したカーボカウントの有用性を検討した.食品交換表に準拠した糖尿病食210食における検討では,エネルギー設定に関わらず97.1 %の確率で,1型糖尿病患者の外来写真記録50食における検討では,92.0 %の確率で,±10 g以内で推算可能であった.また,後方視的検討では,手を活用したカーボカウント指導法にてカーボカウントが導入された患者群(12例)は,従来指導群(10例)に比べ,カーボカウント12ヶ月目のHbA1c,BMIは有意差を認めなかったが,低血糖頻度は有意に少なかった.手を活用したカーボカウントは妥当な糖質量の見積もりの継続に適した指導法として有用と考えられた.
  • 蘇原 慧美, 宇治原 誠, 小松 裕美子, 寺内 康夫
    2016 年 59 巻 5 号 p. 353-359
    発行日: 2016/05/30
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    近年生活習慣の欧米化や,2010年の妊娠糖尿病(GDM)の診断基準の変更によりGDMが増加している.当院におけるGDM症例において,インスリン治療の要否に関する因子について検討した.GDM 68例を対象として,診断時年齢,妊娠週数,Body Mass Index(BMI),75 g Oral glucose tolerance test(OGTT),HbA1cに関してインスリン治療を要した群40例と,食事療法のみ行いインスリン治療を要さなかった群28例に分け比較検討した.BMI,HbA1c,75 gOGTTの60分値と120分値,GDM診断基準の診断項目該当数がインスリン治療群で有意に高かった.また診断項目該当数が空腹時血糖値の1点のみである症例では,BMIが高値である症例を除いて食事療法で管理できる可能性が高いと考えられた.
病態・代謝異常・合併症
  • 杉本 一博, 鈴木 進
    2016 年 59 巻 5 号 p. 360-368
    発行日: 2016/05/30
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者370名を対象に両足感覚症状について簡便なアンケート調査を実施し,その結果とアキレス腱反射(ATR)および定量的末梢神経機能異常との関連性について解析した.13.2 %の患者が調査時に両足感覚症状を自覚し,そのうちATR評価を実施した93.5 %が異常を示した.また,感覚症状陽性群は陰性群に比し有意な運動および感覚神経機能異常並びに心拍変動低下を示した.感覚症状陽性群と性別,年齢およびA1c値を合わせるように抽出した53名の感覚症状陰性群との比較では,感覚症状の陽性,陰性の違いにかかわらず,ATR異常群では感覚症状陰性かつATR正常群に比し有意な運動神経伝導速度および感覚神経活動電位の低下を示した.感覚症状陽性群では高率にATR異常を示し有意な末梢神経機能の低下を認めたが,陰性群でもATR異常群では末梢神経機能低下を認めており,神経障害スクリーニングにATR評価は必須と考えられた.
症例報告
  • 湧田 健一郎, 前川 陽子, 渡辺 蔵人, 神谷 乗史, 屋良 朝博, 城間 勲
    2016 年 59 巻 5 号 p. 369-375
    発行日: 2016/05/30
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病で加療中の85歳女性.入院2か月前より水泡性天疱瘡に対してステロイド治療が開始された.3日前からの発熱を主訴に当院を受診し,肺炎を契機とした糖尿病性ケトアシドーシスの診断で入院した.入院後ステロイドを中止し,インスリン,抗菌薬を開始したが,翌日の喀痰鏡検にて糞線虫の幼虫を多数認めたため糞線虫過剰感染症と診断しイベルメクチンを開始した.また,意識障害,呼吸不全を認め,細菌性髄膜炎,非心原性肺水腫と診断し,抗菌薬の変更,非侵襲的陽圧換気も開始した.本例の抗HTLV-1抗体は陽性であり,イベルメクチン14日間連日投与で糞線虫は陰性化し,約60日間かけて意識状態,呼吸状態も改善を認めた.本例は抗HTLV-1抗体陽性2型糖尿病患者がステロイド投与を契機に糖尿病性ケトアシドーシス,細菌性髄膜炎,非心原性肺水腫を伴った重症糞線虫症を発症し,イベルメクチン連日投与により救命し得た希少な症例である.
  • 牛腸 直樹, 青木 絵麻, 岡田 千穂, 大村 和規, 平嶋 勇士, 田中 秀樹, 鈴木 奈津子, 大森 安恵
    2016 年 59 巻 5 号 p. 376-384
    発行日: 2016/05/30
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    症例は46歳女性.入院2ヶ月前より口渇,多尿,動悸,多汗が出現.発熱,下腹部痛,嘔吐のため他院に入院後,高血糖緊急症を疑われ当院に転院.当院入院時高血糖(308 mg/dl),HbA1c高値(11.1 %),代謝性アシドーシスを認め糖尿病ケトアシドーシスと診断,原発性甲状腺機能亢進症,骨盤腹膜炎を合併していた.膵島関連自己抗体陽性(GAD抗体122.5 U/ml,IA-2抗体11.0 U/ml),インスリン分泌枯渇(空腹時血清CPR 0.36 ng/ml)より急性発症1型糖尿病,TSHレセプター抗体陽性(166.1 IU/l)よりバセドウ病,併せて多腺性自己免疫症候群3型と診断した.他に抗環状シトルリン化ペプチド抗体,抗ミトコンドリアM2抗体陽性であったが,3ヶ月後に両抗体とも陰性化した.本症例では多臓器に及ぶ自己免疫機序が一時的に賦活化していた可能性が考えられ,考察を加えて報告する.
地方会記録
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