糖尿病
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40 巻 , 11 号
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  • 近藤 しおり, 永淵 正法, 赤司 朋之, 岩田 勲, 仁保 喜之, 安西 慶三, 小野 順子
    1997 年 40 巻 11 号 p. 703-709
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    日本人糖尿病患者におけるβ3アドレナリン受容体遺伝子の変異の頻度と糖尿病, 肥満, 高血圧, 内臓脂肪症候群との関連を検討した. 対象は153人の患者と120人のボランティア健常者。白血球由来染色体DNAを用い, polymerase chain reaction restriction-fragment-length-polymorphism (PCR-RFLP) で変異を検出した. 変異ホモ接合体は273人中7人で, アリル頻度は0.19. 変異ホモ接合体の頻度は糖尿病群3.9%, ボランティア健常者群1.9%で, 糖尿病群の方が高かったが, 統計的有意差は認めなかった (p=0.18). 肥満あるいは高血圧を有する患者でのホモ接合体, ヘテロ接合体の頻度は対象群と差はなかった. 各遺伝子型間でのbody rnass indexの差は認めなかった. 変異ホモ接合体の糖尿病患者5例の腹部CTで, 5例中3例 (全員男性, 肥満は1例のみ) が内臓脂肪型の脂肪分布 (内臓脂肪症候群) をとった. 疾患群と非疾患群の変異の頻度の差は認められず, 同変異の糖尿病, 肥満, 高血圧との強い相関は認められなかったが, 内臓脂肪症候群との関連が示唆された.
  • 梅澤 慎一, 金森 晃, 矢島 義忠, 青木 主税
    1997 年 40 巻 11 号 p. 711-718
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者を対象にNeurometer® を用いて電流知覚閾値 (current perception threshold: CPT) を測定し臨床的有用性を検討した. 健常者47例 (C群) と糖尿病患者73例 (DM群) を対象に右拇趾のCPTを測定し, 従来の神経機能検査との関係を検討した. DM群を神経障害の重症度別に軽症からD, DN, DF群の3群に分け, CPTとCPT等級値 (Katimsら, 1989) の比較を行った. CPTは空腹時血糖, HbA1cとは相関を認めず, 神経機能検査とは知覚神経伝導速度を除き良好な相関を示した (p<0.01). CPTはDF群で他の3群に比し有意に高値であり (p<0.01), CPT等級値はDM3群間全てに有意差がみられた (p<0.05). 異常CPTの出現頻度はD群で知覚過敏が40%, DF群では知覚鈍麻が76%と最多で, DN群ではその中間的な分布であった. CPTによる評価は糖代謝状態の影響が少なく, 従来法にない知覚過敏の評価が可能で糖尿病性神経障害の質的量的診断に有用と考えられた.
  • 岩崎 誠, 米田 正太郎
    1997 年 40 巻 11 号 p. 719-725
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    社会的環境因子として家族構成を中心に, 高齢者糖尿病患者の血糖コントロールに影響する因子を調べた. 方法は断面調査で, 1995年5~6月の当科外来通院中の糖尿病患者304人中, 満65歳以上の94人を対象とした. 同居家族の世代数, 調理者, 治療法, 配偶者の有無, 性などの要因別に, HbA1c値を群間比較した. 同居世代数別のHbA1c (平均値±標準偏差) は, 1世代のみの核家族 (A), 2世代同居家族 (B), 3世代同居家族 (C) でそれぞれ7.1±1.2%, 7.2±1.2%, 6.5±1.1%であった (Avs. C; P=0.04, Bvs. C; P=0.05, Avs. B; P=0.08). 調理者別では, 本人 (D), 配偶者 (E), その他: 娘や息子の嫁 (F) で, それぞれ7.1±1.2%, 7.1±1.1%, 6.6±1.2%であった (Dvs. E; P=0.97, Evs. F; P=0.10, Dvs. F; P=0.09). 治療法別では食事療法, 経口剤, インスリンでそれぞれ6.7±1.2%, 6.9±1.1%, 7.4±1.2%であった (食事vs. 経口剤; P=0.59, 食事vs. インスリン; P=0.04, 経口剤vs. インスリン; P=0.07). 配偶者の有無や男女差では有意差はなかった. これより高齢者糖尿病患者では, 家族環境が血糖コントロールに影響する.
  • 前畑 英介, 井上 穣, 矢野 正生, 柴 輝男, 山門 実, 井上 健, 鈴木 晟時
    1997 年 40 巻 11 号 p. 727-734
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    高血糖状態が続くとメイラード反応過程で蛋白質の糖化やブドウ糖自身の自動酸化で活性酸素の発生が活発となる. 今回, 我々は電子スピン共鳴装置 (ESR) を用いて, 糖尿病患者の血清中総superaxide dismutase (T-SOD) 活性およびCu, Zn-SOD活性測定法を確立した. さらにグリコアルブミン (GA), グリコヘモグロビン (HbA1c) との関連性を検討した. 対象は外来糖尿病患者66例と健常者対照群54例を選んだ. T-SOD活性は対照群3.2±0.8U/ml (平均±SD) に対し, 糖尿病群4.8±1.8U/mlと有意に高値となった. これを血糖コントロール良好群 (HbA1c<7.0%, 26例) と不良群 (HbA1c≧7.0%, 40例) とに分けると4.3±1.6U/mlに対し, 5.2±1.9U/mlと後者が有意に高値となった. さらにCu, Zn-SOD活性は対照群1.2±0.5U/mlに対し, 糖尿病群は1.4±1.1 U/mlと両群間で有意差はなかった. 一方, T-SOD活性とGA (r=0.257), HbA1c (r=0.450) 間で, Cu, Zn-SOD活性とHbA1c (r=0.587) 問で有意な正の相関が見られた.
  • 手越 久敬, 瀬戸口 純子, 北川 良裕, 和田 勝也, 繁田 浩史, 中埜 幸治, 宇野 賀津子, 近藤 元治
    1997 年 40 巻 11 号 p. 735-740
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性網膜症とその増悪因子としてのC型肝炎の関係について検討を行った. 外来通院中のインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者415名を対象にHCV抗体を測定し, その有無により2群に分けた. 網膜症合併率はHCV抗体陽性者では45名中21名 (46.7%) と, 抗体陰性群370名中103名 (27.8%) に比して, 血糖コントロール, 血圧などの背景因子に差を認めず, 有意に高率 (p<0.05) であった。また, 糖尿病罹病期間20年未満の者において, HCV抗体陽性群で網膜症合併頻度が高いことも判明した. HCV抗体陽性群のウイルス (HCV-RNA) 量 (n=36) と網膜症合併率との関連では, RNA≧5Meq/mlでは16名中13名 (81.3%) と, 5Meq/mlの20名中6名 (30.0%) と比較して有意に高頻度に合併していた (p<0, 05). 内因性インターフェロン-αの産生能と網膜症合併の有無との間に関連を認めなかった. さらにHCV陽性で網膜症合併者において異常免疫グロブリン (クリオグロブリン) の存在を認めなかった. 以上より, C型肝炎合併NIDDM患者における高率な網膜症合併の一因として, HCVウイルス量が関与することが示唆された.
  • 二宮 利治, 中村 晋, 西山 公恵, 横溝 由史, 吉成 元孝, 小野山 薫, 藤島 正敏
    1997 年 40 巻 11 号 p. 741-747
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    高カロリー輸液 (TPN) 中に食後低血糖を頻発した稀な症例を経験したので報告する. 症例は76歳, 男性. 1994年7月肺アスペルギルス症により右肺切除術を施行. その後全身倦怠感食欲不振のために同年12月8日入院食欲不振が強く, 第33病日よりTPN (1, 680kcal/日) を開始し, 経口にて900kcal/日の食事を摂取した. TPN開始16日後頃より食後3~4時間目に低血糖発作が頻発した. しかしTPNを中止することによって食後低血糖は消失した. TPN中の食事負荷試験では, 2時間後にインスリンの過剰分泌 (IRI220μU/ml) を認め, 3時間後の血糖は40mg/mlまで低下した. TPN中止後の食事負荷試験では, IRIのピーク値は15μU/mlと正常化し, 血糖も正常パターンを示した. 高濃度ブドウ糖持続刺激下の膵潅流実験ではインスリン過剰分泌が報告されている. 本例はTPNによる高濃度ブドウ糖持続静注下で, インスリン分泌が持続的に亢進し, さらに食事刺激により過剰反応を起こしたため, 反応性低血糖を生じたと考えられた.
  • 森 俊明, 宗宮 基, 垣羽 寿昭, 大國 智司, 加藤 譲
    1997 年 40 巻 11 号 p. 749-755
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 男性. 30年前に糖尿病と診断された. 2年後より経口血糖降下剤無効となり, インスリン治療が開始された. 1年前に胃癌のため胃全摘術を受けた. その後, 著明なやせ (BMI15.2kg/m2), 食後の高血糖ならびに1日1~2回の低血糖発作を認めるようになり, 血糖コントロール目的で入院となった. 血清CPRは著明に低下 (0.3ng/ml) し, 抗GAD抗体陽性を認め, slowly progressive IDDMと診断した. 強化インスリン療法と6分割食による血糖コントロールは困難であった. 強化インスリン療法とαグルコシダーゼ阻害剤とを併用することにより, 食後血糖の低下, 低血糖発作の消失が認められた。同時に血糖日内変動幅の低下, HbA1cの改善 (9.6%→7.8%) を認めた. 以上の成績より, α-GIの併用はインスリンによる血糖コントロール困難な胃全摘後の糖尿病患者の治療に有用と考えられる。
  • 高田 一太郎, 白根 研介, 城崎 慶治, 後藤 誠, 道躰 敏弘, 外山 久太郎, 金山 正明
    1997 年 40 巻 11 号 p. 757-762
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    19歳, 女性. 1977年 (3歳) 痙攣を起こし特発性副甲状腺機能低下症の診断でカルシウム剤, 活性型ビタミンD3投与開始. 91年 (16歳) インスリン依存型糖尿病発症. 19歳になっても月経が発来しないため検討を行った。乳腺発育は不良で腋毛・恥毛はまばら. HbA1c9.9%, 食後血中C-ペプチドは低値. 抗GAD抗体18100.0U/ml. 抗ラ氏島抗体は陰性. intact-PTHは測定感度以下. 抗甲状腺抗体は陽性, シンチグラムで不均一. 成長ホルモン, ソマトメジン-C, プロラクチン, ACTH, rapid ACTH testのコルチゾールに異常を認めなかった. 抗下垂体抗体・抗副腎抗体陰性. 血中エストラジオールは低値, LH-RHテストでFSHの基礎値は高値. 婦人科的検査で異常を認めず超音波検査では子宮および卵巣は萎縮状. 糖尿病と特発性副甲状腺機能低下症の合併は本邦では稀であり, 特に性腺機能低下症の合併は認めていない. また, 多腺性自己免疫症候群I型との関連についても考察した.
  • 須永 泰弘, 稲垣 暢也, 山田 祐一郎, 石田 均, 清野 裕, 清野 進
    1997 年 40 巻 11 号 p. 763-766
    発行日: 1997/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    troglitazoneはインスリン抵抗性改善薬として知られている. 今回著者らは, 膵β細胞と心筋・骨格筋のATP感受性K+ (KATP) チャネルを再構築しtroglitazoneの効果を86Rb+の effluxによって検討した. troglitazoneは代謝阻害剤の存在下で, いずれのKATPチャネルも用量依存的に活性を抑制した. したがってtroglitazoneはKATPチャネルを介してこれらの細胞の機能を修飾している可能性が示唆された.
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