糖尿病
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43 巻 , 6 号
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  • 森本 聡尚, 澤 純子, 吉田 宗儀, 穂積 俊樹, 末永 謙治, 宮崎 俊之, 北村 育夫, 土井 邦紘
    2000 年 43 巻 6 号 p. 421-430
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    小麦粉の水溶性蛋白画分である小麦アルブミン (WA) はアミラーゼ阻害活性を有し, 澱粉の消化吸収を遅延して食後血糖上昇を抑制する. 著者らは糖尿病ラット (50mg/kg BW STZ投与) においてWA (飼料中5%) の長期投与が糖代謝等へ及ぼす影響を検討した. 実験1では糖尿病ラットに高澱粉飼料を制限給餌により与え, 10週間飼育した.実験2では, 健常および糖尿病ラットにわが国の最近10年間のエネルギー栄養素別構成比率を模した飼料を自由摂取で10週間与え, その際の糖尿病およびWA投与による影響を検討した, 実験1ではWA投与は糖尿病ラットの経時的体重増加を促進し (p=0.02), 飼育9週目における経口糖負荷試験では血糖2時間値を低下させ (p=0.006), 耐糖能の改善に寄与した.実験2では糖尿病による体重増加抑制, 並びに糖尿病によるフルクトサミン上昇が, WA投与により軽減された (体重p<0.001, フルクトサミンp=0.02) 両実験において膵ラ島の萎縮はWA投与群の方が軽微であった. 以上の成績より糖尿病動物におけるWA長期投与による糖代謝の改善が示唆された.
  • 野村 佳世子, 多田 久也, 久保木 幸司, 井口 利樹
    2000 年 43 巻 6 号 p. 431-436
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    高ブドウ糖濃度における培養ヒトメサンギウム細胞 (MC) の細胞外基質蛋白の産生亢進がTGF-β1 latency-associated peptide (LAP) により抑制されるか否かを検討した. Recombinant LAPはTGF-β1活性を濃度および時間依存的に阻害した. さらに, MCにおいてTGF-β1刺激によるフィブロネクチン産生増強が, LAPの添加により抑制された. 33mMブドウ糖条件下では, 5mMブドウ糖に比しMCのフィブロネクチン, トロンボスポンディン産生の増加が認められたが, LAPの添加によりそれらの増加はほぼ完全に抑制された. なお, 5mMブドウ糖条件下では, それらの産生能はLAPの添加により変化はみられなかった. 以上より, LAPはTGF-β1活性の阻害を介して, 高濃度ブドウ糖刺激によるMCの細胞外基質蛋白の産生能亢進を抑制することが明らかとなった. したがって, LAPは腎症の治療薬として有効である可能性が示唆され, 今後, in vivoにおける検 討が必要であると思われる.
  • 田中 史子, 瀧野 博文, 山崎 浩則, 安部 幸弘, 尾崎 方子, 山川 賢一, 世羅 康徳, 川崎 英二, 魚谷 茂雄, 山口 義彦, ...
    2000 年 43 巻 6 号 p. 437-441
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1型糖尿病に慢性関節リウマチ (以下, RA), バセドウ病を合併した2症例を報告する. 症例1は, 48歳女性, 昭和48年にケトアシドーシスにて1型糖尿病を発症し, 平成4年にRA, 平成9年にバセドウ病を発症した. グルタミン酸脱炭酸酵素抗体 (以下, 抗GAD抗体) は陰性であった. 症例2は, 67歳女性, 昭和28年にRA, 昭和33年にバセドウ病を発症した. 昭和57年に糖尿病と診断され, 食事, 経口剤で力口療されていたがコントロールは不良であった. 平成9年抗GAD抗体を測定した結果11600U/mlと高値で, いわゆる緩徐進行型1型糖尿病と診断された, IDDM, RA, バセドウ病の3つの自己免疫疾患を合併した症例の報告は少なく, また, この2例は3つの自己免疫疾患を同じように合併しながら異なった臨床経過をたどっており, 1型糖尿病の自己免疫学的発症機序ならびに3疾患の関連性を考える上で興味ある症例と考えられる.
  • 有安 宏之, 村上 典彦, 東 信之, 加藤 純子
    2000 年 43 巻 6 号 p. 443-448
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は, 20歳, 女性. 12歳から1型糖尿病のためインスリン治療中であった. 今回, 急性膵炎の力口療のため入院中に, 一過性の片麻痺を2回発症したが, その際の血糖値はそれぞれ41mg/dl, 36mgdlであった. ブドウ糖・蔗糖の投与により片麻痺は消失した. 頭部CT, 頭部MRIで脳血管疾患を認めず低血糖性片麻痺と診断した. 低血糖症の中枢神経症状として片麻痺を起こすことが国内外で報告されているが, その発症機序など詳細はいまだ不明のままである. また低血糖性片麻痺は, 脳血管疾患として扱われている可能性もあり, 糖尿病症例では片麻痺を認めた場合, 低血糖性片麻痺も念頭において検査治療を進めることが重要と思われる.
  • 蘆立 恵子, 川村 光信, 石井 昌俊, 長谷 和正, 東田 寿子, 安藤 矩子, 宮崎 滋
    2000 年 43 巻 6 号 p. 449-454
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は38歳男性. 30歳時に2型糖尿病と診断され一時当院通院するも血糖コントロールは不良であった. 1994年9月頃より口腔内の白苔, 味覚異常, 嚥下困難が出現し, 再度当院受診. 内視鏡検査で口腔・食道力ンジダ症と診断された. 抗真菌薬での治療に難治であり1998年3月血糖コントロールおよびカンジダ症の治療目的で入院となった. インスリン療法を開始し良好な血糖コントロールが得られるとともにカンジダ症は急速に治癒した. しかし退院後, 血糖の悪化に伴いカンジダ症が再発した.
    食道力ンジダ症は免疫低下状態でしばしばみられ, 糖尿病でも血糖コントロール不良例や自律神経障害の強い例での報告が散見される. 本例は明らかな免疫不全がないにもかかわらず再発を繰り返し, 抗真菌薬のみでの治療には難治であった. しかし, 血糖コントロールの改善により速やかに治癒した. このことから, 感染症の予防や治療には厳重な血糖コントロールが極めて重要であると考えられた.
  • 冨樫 倫子, 山田 ひとみ, 岩崎 直子, 横山 宏樹, 佐藤 麻子, 朝長 修, 馬場園 哲也, 鈴木 暁岳, 岩本 安彦
    2000 年 43 巻 6 号 p. 455-458
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病と難聴の母系遺伝をもつ47歳女性. 25歳頃難聴に引き続き糖尿病が発症した. 次第に拡張型心筋症と腎機能の悪化を認め, 半年前からは脳虚血様発作を繰り返すようになった. 入院前日意識消失があり精査力口療目的で入院となった. 入院時腎不全の急性増悪を認め透析を行ったが, 敗血症を併発し第6病日に死亡した. 末梢血DNA検査の結果, ミトコンドリアDNA3243変異を認めた. 剖検所見では, 膵臓の外分泌腺は保たれていたが, 膵島は萎縮していた. β細胞の著明な減少がインスリン染色により認められたが, グルカゴン染色を行った結果α細胞はよく保存されていた, 脳には慢性虚血性変化と基底核の石灰沈着を認めた. 肋間筋にはragged-red fiberを認めた. 心筋及び全身の平滑筋の変性が認められた. 変異ミトコンドリアDNAの比率は膵では38%, 末梢血で14%, 腎, 心筋, 脳, 胃では50%以上であった.
  • 早川 みち子, 梶本 和義, 穂積 俊樹, 佐野 亙, 乾 明夫, 植村 太郎, 鹿住 敏
    2000 年 43 巻 6 号 p. 461-466
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食事療法を契機に摂食障害に陥り, 著明な体重減少と無月経を来した緩徐進行型1型糖尿病の1例を報告する. 30歳女性. 26歳時に糖尿病を発症するが, 食事, 運動療法のみで血糖管理は良好であった. 発症前の体重は50kg (BMI: 21.1kg/m2) であったが, 糖尿病を発症し体重は42kg (BMI: 17.7kg/m2) となり, その後厳密な摂食量の自己管理により体重は36kg (BMI: 15.2kg/m2) にとさらに減少した. 28歳より2年間は通院せず放置しており, 30歳時にケトーシスを発症し入院. 入院後はインスリン治療で血糖は安定したが, 1日のインスリン必要量は比較的多く (40単位前後), 尿中CPRは低値 (0.59μg/日) であり, 抗GAD抗体も強陽性 (510U/ml) であったので緩徐進行型1型糖尿病と診断した. 食思不振が続き体重は31kg (BMI: 13.0kg/m2) まで減少し, 中心静脈栄養を余儀なくされた. 患者には食事摂取で血糖が上昇し, 糖尿病が増悪するという思いこみがあり食事療法を契機に摂食障害を発症したと考えられた.
  • 藤本 新平, 塚田 英昭, 細川 雅也, 梶川 麻里子, 藤田 準, 山田 祐一郎, 石田 均, 尾林 博, 清野 裕
    2000 年 43 巻 6 号 p. 467-471
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は70歳女性. 46歳発症, 抗グルタミン酸脱炭酸酵素 (GAD) 抗体高値 (259U/ml) の1型糖尿病患者. 入院中, 血糖コントロールが悪化し, 多汗が出現し, Free T4高値TSH低値, 抗TSHレセプター抗体陽性でバセドウ病と診断された. 抗甲状腺薬投与, インスリン量の調節, 食事療法の徹底にて甲状腺機能, 血糖コントロールは改善した. 本症例は, 内視鏡で胃体部にびまん性に萎縮性胃炎を認め, 疾患特異性の高い抗内因子抗体も陽性で自己免疫性胃炎と診断された. しかし, 現在のところ, 悪性貧血はなく, 血中ビタミンB12も正常値である. 今後, 悪性貧血発症も念頭において経過観察の必要がある.
  • 佐々木 一郎, 磯谷 治彦, 亀岡 慶一, 古川 恵三, 稲垣 勝則
    2000 年 43 巻 6 号 p. 473-476
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は15歳, 男性. 平成7年10月 (12歳時) 糖尿病を指摘されたが, 食事療法によりHbA1cは正常範囲に維持された. 平成10年4月, 運動部へ入部し, 生活習慣の変化と清涼飲料水の多飲により体重減少, 全身倦怠感が出現し, 6月30日意識障害のため当科入院. 入院時, JCS 30, 血糖745mg/dl, 尿ケトン体強陽性, pH 6.893, HCO3-1.3mmol/lより糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) と診断. 補液とインスリン投与によりDKAは軽快. HbA1c 12.6%, 尿中CPR 64.4μg/day, 抗GAD抗体陰性. 食事療法のみにて血糖値の改善を認め, 2ヶ月後の75g糖負荷試験では境界型となった. 経過中, 血中膵酵素の上昇 (peak S-Amylase 727U/l, P型89%) 及び横紋筋融解症を合併した. 本例は若年者2型糖尿病と考えられ, 運動部入部に伴う生活習慣の変化により糖尿病性ケトアシドーシスと血中膵酵素上昇, 横紋筋融解症を来した清涼飲料水ケトーシスの稀な1例と考えられた.
  • 鴨井 久司, 藤田 信也, 池澤 嘉弘, 高木 正人, 佐々木 英夫
    2000 年 43 巻 6 号 p. 477-481
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ミトコンドリア遺伝子 (mtDNA) の3243 (A-G) 点変異を伴った1型糖尿病の稀な症例で運動制限が血糖コントロールに有効であった1例を報告する. 56歳の女性. 身長139cm, 体重33kg. 母は35歳で死亡. 末梢血のmtDNAに本人は5%変異, 長男 (31歳) は正常の耐糖能で1896の変異, 次男 (26歳) は境界型で17%の変異を認めた, 38歳より両側難聴, 40歳よりインスリン療法を必要とし, 52歳時に慢性甲状腺炎を認めた, 抗GAD抗体は41.9U/mlと高値でHLAはA24, DR4, DQA1*0301を認めた. 筋・脳症状はなく, 15年間, HbA1cが8%以上であったが, 糖尿病性慢性合併症はなかった, 血中乳酸とピルビン酸値は高く, エルゴメーター負荷試験で更に増加したことから, 潜在性の筋細胞障害が示唆された, 運動制限後はインスリン投与量が不変にもかかわらず血糖コントロールは良好となり, エルゴメーター負荷試験でも血中乳酸とピルビン酸の上昇は抑制された, mtDNAの3243 (A-G) 点変異によるATPの産生障害が運動制限の効果に関与していると考えられる.
  • 2000 年 43 巻 6 号 p. 483-525
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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