糖尿病
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25 巻 , 7 号
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  • 佐藤 徳太郎, 星 晴久, 斎藤 和子, 井上 美知子, 伊藤 正秋, 国分 勝, 斎藤 毅, 吉永 馨
    1982 年 25 巻 7 号 p. 769-775
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病21例, 非糖尿病6例, 計27剖検例より胸部大動脈 (A), 腎動脈 (R), 冠動脈 (C) を得て, 各動脈内・中膜の総コレステロール含量を測定して次の結果を得た.
    (1) 糖尿病群において非糖尿病群に比し, A, R, Cいずれにおいても動脈硬化の程度は高度である. (2) 糖尿病群のAとRにおいて, 動脈壁総コレステロール含量と動脈硬化の程度とは正の相関を示す. (3) 非糖尿病群の各動脈総コレステロール含量はA (2.0±0.5%), R (0.9±0.1%), C (5.4±3.1%) であり各群間に有意差がみられた. (4) 糖尿病群の各動脈総コレステロール含量は, A (4.9±2.6%), R (2.7±2.7%), C (5.4±3.7%) であり, AとRにおいて非糖尿病群の各々2.5倍と3倍の高値を示した. (5) 糖尿病群における動脈壁総コレステロール含量を糖尿病罹病期間や蛋白尿の有無により比較検討した結果, 腎動脈にみられる増加率が著しく高く, 糖尿病性腎症と関連のあることが示唆された.
  • 伊藤 芳樹, 宮川 高一, 引地 央, 大神田 伊曽美
    1982 年 25 巻 7 号 p. 777-783
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病の早期腎変化を検討するため主として成人発症型糖尿病16名 (1名のみ若年型糖尿病) と正常コントロール10名についてErgometer負荷前・中・後の尿Albuminの変化と, 血中, 尿中N-acetyl-β-D-glucosaminidase (以下NAGと略す), 尿中β-D-galactosidase (以下GALと略す) を調べ検討した.
    1) 尿Albuminは正常者では増加が認められず正常者の又+2SDを正常域と考えると, Ergometer負荷により明らかに正常域を越えて上昇した糖尿病患者6名, わずかに上昇がみられたものが3名あった. 2) 血中NAGは尿Albuminの増加の認められた群には認められなかった群より有意に増加していた. 3) 尿NAG, GALはErgometer負荷前・中・後の間での差はなく, 糖尿病患者の尿NAGはErgometer負荷前・中において正常者よりも有意に増加していた. 4) 糖尿病患者における尿Albuminと尿NAG, GALの相関はErgometer負荷前ではなく, Ergometer負荷中および後において有意の正の相関を示した.
    以上より, 尿NAG, GALは糖尿病の早期腎変化の原因に関与することが示唆され, また早期発見の良い指標と考えられた.
  • 木村 満
    1982 年 25 巻 7 号 p. 785-794
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    成人型糖尿病剖検例141例について, いかなる糖尿病例が心筋壊死巣を合併したのかを知る目的で検討を行なった.
    対象は男109例, 女32例で, 死亡時年齢は平均66.1歳 (43~85歳) であった. 剖検所見より, 心筋壊死巣の有無により, 141例を3群に分けた. I群: 心筋梗塞に由来する, 明らかな範囲を持つ壊死巣を有する群 (45例). II群: 小壊死巣の散在のみを有する群 (33例).III群: 何ら壊死巣を有さない群 (63例). 3群間で男女比に差を認めなかった. これら3群と諸因子の関係を検討したところ, I群はIII群に比し, 糖尿病罹病期間が10年以上, 糖尿病発症より治療開始までが1年以上であった症例が多く (P<0.01), また高中性脂肪血症を呈したものが多かった (P<0.05). さらにI群には糖尿病性腎糸球体硬化症, 高度な冠動脈硬化症を有するものが多かった (P<0.01). しかし両群間に, 治療内容, 空腹時血糖レベル, 肥満, 常在性蛋白尿, 糖尿病性網膜症に関しては有意差を認めなかった. 血圧, 血清総コレステロール, 喫煙歴の3大冠危険因子については, 個々については3群間に差を認めなかったが, I群にはIII群に比し, いずれか2因子を合併するものが多かった (Pく0.05). II群とI群では, 糖尿病発症から治療開始までの期間に差を認めた以外, 臨床的, 病理学的に差はみられなかった.
  • 田坂 仁正, 岩谷 征子, 井上 幸子, 丸茂 恒二, 平田 幸正
    1982 年 25 巻 7 号 p. 795-801
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の剖検例における膵組織pancreatic polypeptide (PP) とIRI量を明らかにし, 非糖尿病症例と比較検討するとともに, 糖尿病患者の生前の空腹時血糖値の安定性との関係, 肝障害, 腎障害のそれらに及ぼす影響について研究した. 対象は糖尿病患者26例と非糖尿病患者19例であり, 剖検後膵凍結まで6時間の症例を扱った. 膵尾部または頭部を酸性エタノールにて抽出して膵PPならびにIRIを測定, 一部は抽出液をゲル炉過して分画に分け, IRIならびにPP, C-peptideを測定した. 空腹時血糖の安定性の指標として死亡前1年間の空腹時血糖15回の平均値の標準偏差 (SD) をとった. 成績は次のごとくである.
    1) 膵抽出液のゲル炉過像 (Sephadex×G-50) ではIRIのピークに続き, PP, C-peptideのピークが出現した.
    2) 糖尿病, 非糖尿病症例の膵尾部PP量は9.55±2.41μg/9 (平均値±SE), 7.71±1.52μg/gであり, 両者に有意差なく, 頭部においては糖尿病, 非糖尿病各々で16.86±5.51μg/9, 15.82±5.38μg/gであり, 同じく有意差はなかった. これらにおいて膵尾部よりも膵頭部の方がPP値は有意に高値であった (P<0.02).
    3) 膵尾部IRIは糖尿病で1.26±0.19U/g, 非糖・尿病2.55±0.35U/9となり前者で有意に低く (P<0.01), 頭部では糖尿病1.14±0.27U/g, 非糖尿病1.60±0.23U/gであり, 糖尿病では低値であったが有意ではなかった.
    4) 空腹時血糖の安定性との関係を検討すると, 膵PP量は一定の関係がみられなかったが膵尾部のIRIは0.5U/g以下の例において空腹時血糖のSDは98,161,104mg/dlと著しく不安定であった.
    5) 糖尿病患者の腎障害の空腹時血糖の不安定性に及ぼす影響は特になく, 腎障害が膵IRI, PP量に及ぼす影響も特にないと考えられる.肝障害も膵IRIに特に影響はないが, 空腹時血糖の安定性には若干影響があると考えられる.
  • 大角 誠治
    1982 年 25 巻 7 号 p. 803-811
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    年齢および耐糖能低下が与えるインスリン受容体への影響を検討するため満期正常安産臍帯血8例を含む82歳までの正常被験者76名 (年齢により任意に5群に分けた), 50g 0GTT境界型8名, 未治療インスリン非依存性糖尿病34名について赤血球インスリン結合を測定した. また糖尿病患者ではソマトスタチンを応用したインスリン感受性試験を施行し, 糖尿病にみられる感受性低下とインスリン受容体との関係を検討した.
    正常者における赤血球インスリン結合は受容体数 (R0) の増加した臍帯血を除いて年齢とともにインスリン結合の上昇を認め, Scatchard解析からは各群間でR0に差はなく加齢に平行して結合親和性 (Ke) の上昇を認めた.
    一方, OGTT境界型と糖尿病群では耐糖能低下とともにR0の減少によってインスリン結合は低下した. さらにこの糖尿病群をトレーサー濃度での結合が糖尿病群平均結合率 (4.86%) 以上をTypeH (n=18), 以下をType L (n=16) に分けると両者間にR0の差を認めなかった. しかし, Type HにおいてはKeの上昇を認め, Type Lよりもインスリン分泌能が有意に低下し, FPGの上昇, インスリン感受性の低下を認めた. Keの上昇はインスリン抵抗性に対する生体の代償反応とも考えられるが単独では代償し切れず, 糖尿病患者のインスリン感受性低下にみられるインスリン抵抗性においてR0の減少がKeの変化以上に重要な役割を果していることが示唆された.
  • 大角 誠治
    1982 年 25 巻 7 号 p. 813-821
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者ではインスリン受容体数 (R0) の減少が認められ, インスリン感受性低下の一因となっている. このR0が遺伝的に規定されているのか, 糖尿病の代謝異常に由来するのか, 遺伝的要因が大きな役割を果していると考えられるインスリン非依存性糖尿病 (Type II糖尿病) において検討した.
    対象は滋賀医科大学第三内科に通院する糖尿病患者のうち初めて診断をうけ未治療, または治療を中断放置後来院したコントロール不良患者で, これらの対象について赤血球インスリン結合を治療の前後で測定した.
    インスリン結合親和性の上昇を示した症例 (Type H) 5例において, 1~2週の短期間インスリン治療後R0は変化を認めなかったが結合親和性 (Ke) は低下し, 有意にインスリン結合の低下を認めた. また, 16ヵ月より29ヵ月の長期にわたり経過観察可能であった11例のインスリン結合は, 治療後Keの低下傾向を認めR0は有意に増加しインスリン結合も上昇した.
    以上, インスリン治療でKeはR0よりも早期に変動し低下することより, コントロール不良下での上昇したKeは糖尿病に認められるインスリン感受性低下に対する代償機転とも考えられる. また, 長期治療でR0の増加を認めたことよりType II糖尿病におけるR0の減少は遺伝的因子よりも代謝性因子によって規定されていることが示唆され, HbAIとR0の逆相関 (P<0.01) は代謝異常説を支持するものである. すなわち, 日本人のType II糖尿病におけるR0の減少はdown regulationよりも代謝性因子の関与が大と考えられた。
  • 秋久 理真, 大森 安恵, 東 桂子, 小浜 智子, 本田 正志, 亀山 和子, 福田 雅俊, 平田 幸正
    1982 年 25 巻 7 号 p. 823-829
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    妊娠中に網膜症の悪化をきたしたが光凝固を施行し, 妊娠を継続し得た糖尿病妊婦を経験したので報告する。
    25歳, 主婦.17歳で糖尿病と診断され, インスリン治療をうけていた. レンテインスリン36単位から42単位で血糖のコントロールはほぼ良好であった. 22歳で結婚後, インスリン注射は継続していたが, 約2年間医師の管理はうけていなかった. 昭和55年1月, 第1回妊娠8週で当センターへ紹介され初診. 初診前の眼底は不明である. 初診時, 空腹時血糖は274mg/dlと高値であり, 眼底は右Scott I a, 左Scott III aであった. ただちに入院インスリンの増量により, 血糖のコントロールは良好となったが網膜症は徐々に増悪し, 妊娠18週には両眼Scott III bの増殖性網膜症へ悪化した. 急激な増悪傾向のため妊娠継続が危ぶまれたが, キセノンによる光凝固を妊娠20週で右眼に, 22週で左眼に施行し, 網膜浮腫および出血, 白斑は減少した. さらに妊娠27週で第2回右眼, 30週で第3回右眼光凝固を追加した. その後も頻回に眼底検査を行い, 光凝固以後増悪傾向を示さないため妊娠を継続した. 妊娠37週に児心音微弱, 胎盤機能の低下を認めたため帝王切開を行い3,080gの女児を得た. 児は呼吸窮迫症候群と生下時低血糖を認めたが治療により直ちに回復した. 分娩1週間後の眼底は両眼Scott IIに軽快していた.
    妊娠中の網膜症の悪化には, 治療的流産または早産を考える前にまず光凝固術を施行すべきことが示唆された症例といえる.
  • 岡田 奏二, 宮井 陽一郎, 大藤 眞
    1982 年 25 巻 7 号 p. 831-836
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン依存性糖尿病を有する23歳の男子学生が, 恐れ・無気力などの強い情緒的不適応を示し, かつ高血糖と低血糖発作とを伴う代謝の不安定性をきたした.
    これらの2つの状態はふつうの糖尿病治療のみによっては改善されえなかった.
    ところが, これに加えて青年の心理を正しく認識したうえでなされたカウンセリングをとり入れた治療を行うことによりこれらの情緒的不適応と代謝の不安定性をはじめて是正することができたうえに社会的適応をも得られることがわかった.
    これらの結果から, 糖尿病青年においては, 感情の良好な適応と糖尿病の良好な管理との間には密接な関係のあることがわかり, また情緒的不適応の改善と代謝の不安定性の是正にはカウンセリングが極めて有用でありうると結論される.
  • 皆上 宏俊, 中山 秀隆, 青木 伸, 小森 克俊, 萬田 直紀, 黒田 義彦, 牧田 善二, 中川 昌一, 織田 一昭, 栗原 義夫, 工 ...
    1982 年 25 巻 7 号 p. 837-840
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Urinary N-acetyl-β-D-glucosaminidase (NAG) was measured in 108 diabetic patients with or without clinical diabetic nephropathy, and the correlation between urinary NAG activity and proteinuria, serum creatinine, and HbAI level were studied.
    The results obtained were as follows.
    1) The urinary NAG activity levels of non-diabetic controls, diabetics without proteinuria, diabetics with intermittent proteinuria and diabetics with persistent proteinuria were 2.74±1.41 (n=48), 7.70±4.62 (n=48), 12.26±6.35 (n=35) and 19.63±13.07 U/g creatinine (n=25), respectively. Such a marked and stepwise increment of urinary NAG activity suggests that the enzyme may represent a useful indicator of early diabetic renal involvement.
    2) No correlation was noted between urinary NAG activity and serum creatinine level.
    3) A significant positive correlation was observed between urinary NAG activity and HbAI level (r=0.28, n=75, p<0.02). However, further investigations are required to evaluate the relation between the state of metabolic control and the urinary NAG activity, since insulin-dependent poor control patients were more common among diabetics with persistent proteinuria who formed the high urinary NAG activity group.
  • 老籾 宗忠, 石川 和夫, 川崎 富泰, 窪田 伸三, 丹家 元陽, 高木 潔, 吉村 幸男, 馬場 茂明
    1982 年 25 巻 7 号 p. 841-844
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Recently, it has been found that the HbAI level tends to be high in renal failure without diabetes. In the present study, we investigated whether HbAI could be used as an indicator of control in patients with renal failure as well as in diabetic patients.
    The correlations between HbAI and BUN, or serum creatinine for a duration of 8 weeks prior to blood collection were investigated. The best correlation was found between HbAI and BUN, or serum creatinine also at 1 to 2 weeks before blood collection. It was found that a better correlation existed between HbAI and BUN (r=0.59, n=32, p<0.001) than between HbAI and serum creatinine (r=0.42, n=31, p<0.02) at 1 to 2 weeks before.
    It appeared, therefore, that HbAI was produced by carbamylation of urea, and HbAI could be used as an indicator of the state of renal failure of 1 to 2 weeks before in patients with renal failure without impaired glucose tolerance.
  • 1982 年 25 巻 7 号 p. 845-858
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 25 巻 7 号 p. 859-866
    発行日: 1982/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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