糖尿病
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49 巻 , 12 号
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特集 糖尿病患者における移植・再生医療の現状と展望
原著
  • 金塚 東, 川井 紘一, 平尾 紘一, 大石 まり子, 高木 廣文, 小林 正, 糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)
    2006 年 49 巻 12 号 p. 919-927
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/01/19
    ジャーナル フリー
    糖尿病データマネジメント研究会(Japan Diabetes Clinical Data Management Study Group, JDDM)は2型糖尿病患者における薬物療法の実態を解明する目的で,経口血糖降下剤とインスリン製剤による治療と血糖コントロールについて調査した.糖尿病診療専用ソフト,CoDiC®を用いて34施設よりデータを集積した.2003年1月から7月に,CoDiC®に登録された薬物療法中の2型糖尿病患者は15,553名で,経口血糖降下剤単剤療法患者が36%, 同複剤が33%, 経口剤とインスリン製剤の併用が11%, そしてインスリン製剤が20%であった.そのうちHbA1C値が入力された14,099名を対象として解析を行った.薬物療法中で血糖コントロール優ないし良を達成した患者は29%で,49%が可,22%は不可であった.スルフォニル尿素剤療法患者で,他経口剤単剤療法に比較してコントロール不良であった.経口剤複剤療法患者では,経口剤単剤療法患者に比較して血糖コントロールはより不良であった.経口剤とインスリン製剤による併用療法患者で,他療法に比較して血糖コントロールが最も不良である.強化インスリン療法においても患者の30ないし35%でコントロール不可領域であった.薬物療法による積極的介入にもかかわらず,多くの症例で血糖コントロールは合併症を防止するために十分ではないことが明らかになった.
症例報告
  • 城 聡一, 米本 俊良
    2006 年 49 巻 12 号 p. 929-933
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/01/19
    ジャーナル フリー
    症例は42歳男性.2003年8月下旬より発熱,咽頭痛を認め,全身倦怠感,口渇,多飲,多尿が出現し9月5日昏睡状態となり救急搬送された.血糖値2,766 mg/dl,HbA1C 7.1%, 血中ケトン体2,500 μmol/l以上と高値を認め,pH 7.105,HCO3 8.4 mmol/lと著明な代謝性アシドーシスおよび横紋筋融解と貧血,急性腎不全を認めた.入院3日前のHbA1C 4.4%, 尿中CPR感度以下,抗GAD抗体,インスリン抗体陰性であり劇症1型糖尿病と診断した.Hb 10.9 g/dlと貧血を認め,原因として上部消化管病変による出血が考えられた.また,輸液により一度軽快した急性腎不全が再び悪化し一時血液透析を必要とした.感染の持続によりエリスロポエチンの反応が低下し,貧血の遷延化に影響した可能性が考えられた.著明な高血糖にもかかわらず貧血を合併したこと,また,その原因となる消化管病変と劇症1型糖尿病発症との関連を考える上で意味のある症例と考え報告する.
  • 郡山 暢之, 永田 耕治, 時任 裕一, 山口 昭彦, 中崎 満浩, 鄭 忠和
    2006 年 49 巻 12 号 p. 935-940
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/01/19
    ジャーナル フリー
    症例は53歳の女性.1994年8月(44歳時)に胸部レントゲン写真およびCT上,縦隔腫瘍を指摘された.生検組織診断は,リンパ球優位性の混合型胸腺腫であった.すでに胸膜浸潤と肝転移を伴っていたため,放射線療法が開始され著効を示した.しかし放射線肺臓炎を合併したため,1995年1月よりプレドニゾロン(PSL)治療が行われ,その際,高血糖が出現したためインスリン治療が開始された.インスリン使用下での24時間尿中Cペプチド(CPR)は正常値を示していた.以後,胸腺腫悪化のたびにステロイドパルス療法が繰り返され,そのつど腫瘍には著効を示したが,血糖コントロールは不良かつ不安定な状態で経過した.2001年7月(51歳時),抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)抗体18,980 U/mlおよび抗膵島細胞抗体(ICA) 2,560 JDF unitsと高値を示し,さらにグルカゴン負荷試験に対し血中CPRは無反応を示し,1型糖尿病の確定診断に至った.HLAクラスIIのDNAタイピングでは,1型糖尿病感受性(DRB1*0405-DQA1*0303-DQB1*0401)と抵抗性(DRB1*1502-DQA1*0103-DQB1*0601)の両ハプロタイプを有することが明らかとなった.胸腺腫組織の免疫染色で,上皮細胞における分子量65 kDa GAD(GAD65)の発現が確認された.1型糖尿病の発症機序を考察する上で興味深い稀な症例と考えられるため報告する.
  • 須田 健一, 橋本 俊彦, 江藤 知明
    2006 年 49 巻 12 号 p. 941-945
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/01/19
    ジャーナル フリー
    症例は55歳男性.2型糖尿病に対しメトホルミン内服中であった.普段より1日焼酎2合程度の飲酒習慣があった.4日間にわたるアルコール多量摂取の後,多呼吸・嘔吐・吐血を主訴に救急車にて来院,検査にて著明な乳酸アシドーシス(pH 6.850, 血中乳酸値250 mg/dl)および高度の肝腎障害を認めた.血液透析などによりアシドーシスは改善し,入院後に一過性の血小板減少および凝固能の延長を認めるも,経過に問題なく15日目に退院となった.乳酸アシドーシスは一度発症すると短時間で急激な臓器障害をきたすため,迅速な診断および治療が必要である.また,ビグアナイド剤はその優れた薬効および安価であることより多くの糖尿病患者に使用されており,これらの患者への多量飲酒の警鐘も込めて報告する.
  • 木内 由香, 花井 豪, 大屋 純子, 治部袋 佐知代, 田中 伸枝, 笠原 隆行, 稙田 太郎
    2006 年 49 巻 12 号 p. 947-951
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/01/19
    ジャーナル フリー
    家族性リポ蛋白リパーゼ(LPL)ホモ欠損症に合併した糖尿病の1例を報告した.患者は49歳男性.30歳以前に急性膵炎を反復,2年前に糖尿病を発症,今回,血糖コントロール悪化のため入院した.インスリン4回法にて血糖改善したが,カイロミクロン(CM)血症を伴うトリグリセリド(TG)の著増(3,750 mg/dl)を認め,ヘパリン静注後の血漿LPL濃度の著減(<9 ng/ml)およびDNA解析によりLPLのAsp 204 Gluホモ変異が証明された.妹にも膵炎の既往と高TG血症があり,家族性と考えられた.食事前および後のTGはCM分画よりVLDL,特にその大分子中に最も多く存在し,V型を呈した.LDL, HDL濃度の著減,血中FFA濃度の一貫した低値は,これらの代謝の中心にLPLがあることを示している.本例の糖尿病は痩せ型であり,CPRの著減,インスリン需要量およびアディポネクチン濃度から推察してインスリン高感受性の膵性糖尿病と考えた.また,本例には腎機能低下を伴う多発性の腎嚢胞があるが,病態の詳細は不明である.
コメディカルコーナー・原著
  • 西山 陽子, 鈴木 克典, 岡畑 恵子, 永野 裕美子
    2006 年 49 巻 12 号 p. 953-958
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/01/19
    ジャーナル フリー
    〔目的〕 ダイヤル式携帯用インスリン注入器300(ノボペン300®, 以下ノボペン300)からペン型キット製剤300単位(フレックスぺン®,以下フレックスぺン)に変更後の患者の使用感を検討した.
    〔方法〕 当院糖尿病外来に通院し,3カ月以上ノボペン300を使用している2型糖尿病患者105名を対象にし,フレックスペンに変更後,約1カ月後の来院時にアンケートを用いて評価した.
    〔結果〕 フレックスペンの使用感は,ノボペン300と比較し,大半の項目で6割以上の良い評価を占めた.特に,「数字の見やすさ」については79%,「単位修正の簡単さ」については73%と肯定的な高い評価であった.また,80.6%の患者がフレックスペンに「すぐ慣れた」と答えていた.一方,「注入ボタンの押しやすさ」に対しては,良いと評価した患者が38%と最も評価が低く,約4割の人が「悪い」との評価であった.
    〔結論〕 大多数の患者において,ノボペン300からフレックスペンへスムーズに変更でき,良好な使用感が得られていたことがわかった.
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