糖尿病
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36 巻 , 3 号
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  • 山本 和利, 柳沼 淑夫, 権平 達二郎, 金澤 康徳
    1993 年 36 巻 3 号 p. 171-176
    発行日: 1993/03/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病 (以下NIDDM) 発症と過体重ならびに糖尿病家族歴との関係をNIDDM群161名, 境界 (以下IGT) 群51名, コントロール (以下C) 群156名で検討した.
    1) 20歳BMIはNIDDM群でC群よりも高値であった (P<0.01). 2) 既往最大BMIはNIDDM群, IGT群ともC群に比し顕著に高く, 既往最大BMIが25以上を占める者の割合も同様であった (P<0.01). 3) 糖尿病家族歴を持つ者はNIDDM群でC群に比し有意に高かった (オッズ比=14.8, P<0.01). 4) ロジスティック回帰モデルをNIDDM群とC群に適用すると, 既往最大BMIと糖尿病家族歴が共にNIDDMに強く影響し (P<0, 001), IGT群とでは既往最大BMIが耐糖能異常に関与する結果を得た (P<0.005). 肥満することが耐糖能を悪化させ, それが糖尿病家族歴を持つものには促進的に働くと推測された.
  • 河口 明人, 佐藤 啓, 宮武 邦夫, 都島 基夫, 原納 優, 山本 章
    1993 年 36 巻 3 号 p. 177-184
    発行日: 1993/03/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    冠動脈疾患予知因子とされる高インスリン血症を, 糖代謝異常の中に位置づけた病態分類をインスリン抵抗性の位相として仮説し, 冠危険因子および冠動脈硬化重症度について検討した. 60歳未満で75gOGTT検査が施行された冠動脈疾患患者316名について, 血糖面積20mM・h以上を高血糖, インスリン面積0.9nM・h以上を高インスリン血症と定義した後, K-1: 正常血糖-正インスリン血症群, K-2: 正常血糖-高インスリン血症群, K-3: 高血糖-高インスリン血症群およびK-4: 高血糖-低インスリン血症群の四つに分類した. 糖負荷に伴うインスリン反応はK-1, 2, 3と段階的に増加しK-4で低下し, BMI (p<0.05), 血圧 (p<0.05), トリグリセリド (p<0.01), コレステロールの各冠危険因子, および冠動脈硬化重症度 (p<0.05) はその高インスリン血症の程度に相関して上昇し, K-4で軽二減した. 血糖-インスリン面積相応関係に基づく病態分類は, 高インスリン血症状態が冠危険因子集簇の過程および冠動脈硬化の重症度と連動し, 冠動脈疾患と密接に関連していることを示した.
  • 朝比奈 崇介, 柏木 厚典, 繁田 幸男
    1993 年 36 巻 3 号 p. 185-194
    発行日: 1993/03/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    血管内皮細胞 (EC) のグルタチオン依存性H2O2分解能が33mMグルコース (HG) 培養下に低下する (朝比奈ら糖尿病34: 593, 1991) 機序を解明するため, HG培養ECのNADPH量およびペントース燐酸経路 (PPP) 活性を検討した. ECのNADPH量は200μMH2O2により5.5mMグルコース (NG) 培養群および高浸透圧対照の27.5mMラフィノース (HR) 群では変化しなかったが, HG群で前値の58%に低下し (p<0.01), この低下は培地グルコース濃度依存性であった. 更にHG群の200μMH202によるPPPの活性化はNG群, HR群に比べ低値であった (NG群の66%, p<0.01). 一方, H2O2による乳酸放出の抑制はNG群に比べHG群で軽度であった (p<0.05). ピルビン酸はこれらHG群の異常を是正した. 以上より, HG培養ECではH2O2による解糖系の抑制が軽度で, PPPの活性化が低下し, 細胞内NADPH量が低下した. これらの異常はグルタチオンレドックスサイクル異常の一因となることが示唆され, またピルビン酸はこれら異常を改善した.
  • 紀田 康雄, 柏木 厚典, 瀧 秀樹, 日高 秀樹, 吉川 隆一, 繁田 幸男
    1993 年 36 巻 3 号 p. 195-201
    発行日: 1993/03/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の下肢末梢循環障害を非観血的に評価するため, 73例の糖尿病患者と24例の性, 年齢をマッチした非糖尿病健常者に安静仰臥位で足背の経皮酸素分圧 (以下TCPO2) を測定し比較した. さらに閉塞性動脈硬化症や壊疽などの末梢血管障害 (PVD) を有さない糖尿病患者でのTCPO2低下に関与する因子を調べた. 糖尿病患者は対照群と比べTCPO2は有意に低かった. 特にPVDを有する例ではPVD (-) 例に比べ低下が著明で50 mmHg以下に低下していた. 臨床的には末梢血管障害の明らかでない一部の糖尿病患者においてもTCPO2は既に50 mmHg以下に低下しており, 潜在的な下肢の虚血が示唆された. 動脈閉塞以外にもTCPO2低下に関与した因子は自律神経障害, 糖尿病性腎症であった事から動静脈シャント, 細小血管障害の合併が糖尿病患者下肢の酸素供給を妨げている事が示唆された.
    TCPO2測定は簡単で非侵襲的であり, 糖尿病患者下肢虚血の定量的な評価に有用である. TCPO2が50 mmHg以下である事は, 将来の壊疽発症のマーカーとして有用である可能性が示唆された.
  • 加藤 典弘, 河津 捷二, 伴野 祥一, 福田 まゆみ, 清水 美津夫, 大野 富雄, 石井 主税, 栗原 修一, 村田 和彦
    1993 年 36 巻 3 号 p. 203-209
    発行日: 1993/03/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性細小血管障害では早期から全身の毛細管基底膜肥厚が存在し, 臨床的にも血中・尿中のIV型コラーゲン (IV7S) やラミニン (Lam) の濃度が増加する. そこでヒト臍帯静脈内皮細胞を培養し, IV 7S, Lamなどの基底膜物質の分泌・合成に対する, 高濃度ブドウ糖 (HG: 30mM), IGF-1 (5μg/ml), あるいはビタミンC (Vit C: 100μg/ml) の関与について検討した. 内皮細胞の増殖, 蛋白産生はHG下で有意に抑制され, IGF-I存在下で有意に増加した. IV 7Sの産生については, HGあるいはVit C存在下で培養液中への分泌, 細胞付着分ともに有意に増加した. IGF-1添加で細胞付着IV 7Sは有意に増加したが, 総量に有意の変化はなかった. Lam産生に対しては, HG, IGF-I, Vit Cともに効果を示さなかった. 以上, HGとIGF-Iは基底膜物質, 特にIV 7Sの分泌・合成に関与し, その量的・質的変化に影響することが示唆された.
  • 細島 弘行, 宮内 英二, 岡田 博司, 白井 章夫, 森本 真平
    1993 年 36 巻 3 号 p. 211-218
    発行日: 1993/03/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肥満を伴ったImpaired Glucose Tolerance (IGT) および肥満正常対照症例のポリオールの代謝の変動について検討した. 肥満を伴ったIGT症例 (OIGT) および肥満正常対照症例では, 肥満を伴わない (NIGT) 症例や非肥満正常対照例に比し, 血糖コントロールに有意差はみられなかったが, 赤血球ソルビトール値, GAR値の亢進がみられ, 赤血球ソルビトール値と赤血球GAR値は体格指数 (BMI) 値と正の関係を示した. また, 赤血球ソルビトール値, GAR値はOIGT群で空腹時血糖値と正の関係を示したが, 全対象例では血糖値や血糖値の総和との関係は認めなかった. OIGT群では, 総コレステロール値, LDL値, VLDL値の亢進を認め, 赤血球ソルビトール値, GAR値は総コレステロール値, HDL値間に弱い正の関係を示した. これらの成績は, 肥満であることが血糖変化や脂質変化とともにポリオール代謝活性亢進に関与していることが示唆される.
  • 榊田 典治, 上原 昌哉, 七里 元亮
    1993 年 36 巻 3 号 p. 219-221
    発行日: 1993/03/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Two bedside-type artificial endocrine pancreases, the Biostator® from Miles Labratory, Ltd., U. S. A. and the STG-22® from Nikkiso Co., Ltd, Japan, are now widely applied to diabetic patients in Japan.
    The Artificial Organs Registry in Japan shows that clinical application of this bedside-type artificial endocrine pancreas has been increasing with time: the cumulative number of cases applied from 1983 to 1991 was more than 4726, and the number of cases applied in 1991 was 1044. Among these, application of this system for quantitative determination of insulin sensitivity is increasing greatly these days.
    Claims of mechanical failure, such as electrical, computer and sensing failure, have been reported in less than 1% of applications. Thus, it has been established that the bedside-type artificial endocrine pancreas is useful not only as a therapeutic tool for diabetes mellitus, but also as an elegant research tool for investigating the pathophysiology of the disease.
    Although minor improvements or modifications have been suggested diabetologists as well as diabetic patients are waiting for the development and clinical application of a wearable artificial endocrine pancreas that will accomplish strict long-term glycemic control in diabetic patients.
  • 1993 年 36 巻 3 号 p. 223-257
    発行日: 1993/03/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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