糖尿病
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36 巻 , 11 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 岡 尚省, 持尾 聰一郎, 佐藤 健一, 佐藤 浩則, 磯貝 行秀
    1993 年 36 巻 11 号 p. 829-838
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    収縮期血1圧の短時間の変動をスペクトル解析することにより糖尿病患者の交感神経の基礎活動の障害を検討した.対象は糖尿病 (DM) 患者23名 (平均年齢49.7歳) および健常者23名 (平均年齢52.1歳) である. 方法は収縮期血圧を非観血的連続的に測定し最大エントロピー法で0.02~0.15Hzの低周波 (LFC) と0.15~0.5Hzの高周波成分 (HFC) を算出しその積分値をそれぞれSYSLFC (mmHg2) およびSYS-HFC (mmHg2) とした. DM患者では他の自律神経機能検査や起立性低血圧および臨床的諸病態との関連を検討した. 結果はSYS-LFCは健常者4.16に対してDM患者は2.08で有意に小さかった. SYS-HFCに関しては両者に差はなかった. Valsalva overshoot, 寒冷昇圧試験が障害されている群, および起立性低血圧を認める群でSYS-LFCが有意に小さかった. また, 末梢神経伝導速度の低下している群でSYS-LFCが有意に小さかった. 糖尿病患者において, 収縮期血圧の低周波成分は交感神経基礎活動の障害の評価に有用である.
  • 吉岡 成人, 中津 寿子, 福沢 尚子, 赤沼 安夫
    1993 年 36 巻 11 号 p. 839-845
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1, 5アンヒドロD グルシトール (1, 5-Anhydro-D-Glucitol, 1, 5-AG) の体内動態を検討する目的で, 経口ブドウ糖負荷試験の際の血中, 尿中1, 5-AGの変動について検討を加えた. 従来, 血中1, 5AGは糖負荷試験の影響を受けないと報告されている. しかし, 今回の検討では, 糖負荷試験の際には尿中1, 5AGの排泄が亢進するにもかかわらず, 血中1, 5-AGは血糖値の上昇と共に変動し, 糖負荷後, 有意に上昇した (p<0.01). また, 腎尿細管における1, 5-AGの再吸収率をfractlonal excretionをもとに検討すると, 経時的な尿糖排泄量の変化と1, 5-AGのfractionalexcretion の変化との関連が示された. 耐糖能が低下し, 血中1, 5-AGがすでに低下している状態であっても1, 5 AGのfractional excretionは増加していた. 耐糖能障害時における血中1, 5-AG低下は尿糖排泄の増加に伴い1, 5-AGの再吸収が減少することによるものであると考えられた.
  • 神田 勤, 中村 美津子, 岩崎 誠, 和田 正彦, 黒飛 万里子, 志水 洋二
    1993 年 36 巻 11 号 p. 847-854
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝硬変では赤血球寿命 (RCST) が短縮し, 血清蛋白濃度が減少していることより, 肝硬変を合併した糖尿病 (NIDDM-LC) の血糖コントロールの指標として, Hb A1c, fructosamine (FRT) および1.5 anhydroglucitol (AG) のいずれが適当かを検討した.
    NIDDM LC18例のHb A1cは1月前の空腹時血糖値 (FPG) と正相関したが, FRTは2週間前のFPGと, AGは採血当日のFPGとそれぞれ相関しなかった. RCST19日以上をA群, 18日以下をB群とすると, B群ではA群に比し肝機能が低下しており, A群ではHb A1cと1月前FPGおよびFRTと2週間前FPGの間に正相関を認めたが, B群ではHb Alcと1月前FPGの間のみに正相関を認めたことより, FRTは肝機能低下が進行したNIDDM-LCでは, 血糖コントロールの指標として不適と思われた.一方, NIDDM-LCのHb A1cはFPGを一致させたDM30例に比し, 低値 (平均1.7%, 0.5%~2.2%) を示した.
    以上はNIDDM LCではNIDDMに比し, Hb A1cは低値を示すものの, FRTやAGに比べ血糖コントロールの指標として有用であることを示している.
  • 小野 百合, 加藤 雅彦, 柳沢 克之, 工藤 守, 小池 隆夫
    1993 年 36 巻 11 号 p. 855-860
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    スポット尿にて蛋白尿を認める当院外来通院中の糖尿病患者32名を対象とし, より全身のプロスタノイドを反映すると考えられる尿中11-dehydm-TXB2, (11DTX), 2, 3-dinor-6-keto-prostaglandin F1α(23D6) とより腎局所の障害を反映すると考えられる尿中thromboxane (TX) B2, 6-keto prostaglandm F1α (6keto PG) の排泄比より腎障害時に腎局所と全身のそれぞれのプロスタノイドの産生の比率が変化しているかを検討した. 尿中TXB, 尿中TXB2/6keto-PG, 尿中TXB, /11DTX, および尿中TXB2/6keto-PGと尿中11DTX/23D6の比率は尿タンパク, 尿Alb, 尿NAG, 尿β2MG, 尿Na量と有意の正相関を示した.しかし尿中11DTX値はこれらとは全て相関を有さなかった.尿中TXB2, 6keto PG, 11DTX, 23D6量の比より, 腎障害時には全身に比し腎の局所的なTXA2の産生亢進が発生していると推測された.
  • 田中 明, 諸星 政治, 由井 克昌, 藤沼 悦範, 内村 功, 沼野 藤夫, 中嶋 克行
    1993 年 36 巻 11 号 p. 861-867
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    高コレステロール血症 (220mg/dl以上) を合併したインスリン非依存型糖尿病28例に, コレステロール合成の律速酵素HMG Co Areductaseの阻害剤simvastatinを5mg/日, 6カ月間投与し, remllant like Particles (RLP) に及ぼす影響を検討した.RLPコレステロール (RLP-C), LDLコレステロール (LDLC) は, simvastatin投与後有意に低下した. 高脂血症IIb型では, RLPC, RLPトリグリセリド (TG) の変動はともにTGの変動と高い相関を認めたが, LDL-Cの変動とは全く相関を認めなかった. IIa型では, RLP-TGの変動はTGの変動と高い相関を認めたが, RLPCの変動はTGよりLIDLCの変動と高い相関を示した.以上の結果から, 糖尿病においてsimvastati1のRLP低下作用を認め, 動脈硬化進展阻止に有用と考えられた.また, IIb型では, そのメカニズムにLIDLレセプター以外のRLP代謝経路の関与が示唆された.
  • 鈴木 吉彦, 松岡 健平, 門脇 弘子, 赤沼 安夫, 門脇 孝
    1993 年 36 巻 11 号 p. 869-874
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    下肢疼痛を主訴とし難聴を持つ33歳の糖尿病患者を報告する. 家族歴に母, 妹, 弟に難聴がある. 30歳の時, 高血糖昏睡で糖尿病を発病し同時期より難聴を自覚した. 糖尿病治療開始3カ月後より下肢に難治性の治療後柊痛性神経障害を起こし6カ月後より網膜症が出現した. また低身長, 心電図異常, 乳酸値とピルビン酸値上昇を認め, ミトコンドリア (以下MTと略す) のLeucyl tRNA遺伝子3243番目のA→G点変異を認めた. これよりMTの遺伝子変異による難聴を特徴とした新しいタイプの糖尿病と診断した. ただし治療後疼痛性神経障害を強く認め網膜症の進行が速い点は特異な例として注目した. これは血糖コントロール後の神経および網膜細胞内エネルギー不足がMT異常により増悪または加速された可能性もあると推察した. 以上よりこのMT異常は糖尿病誘発因千となるだけでなく合併症発症に影響する可能性もあり, 今後このような症状の患者には注意深い観察が必要である.
  • 今川 彰久, 伊藤 直人, 花房 俊昭, 宮崎 厚, 三木 啓之, 宮川 潤一郎, 山縣 和也, 和栗 雅子, 田村 信司, 難波 光義, ...
    1993 年 36 巻 11 号 p. 875-880
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は22歳, 女性. ケトアシドーシスにてIDDMを発症し, Basedow病を合併ICA陽性, HLA DR4/9. IDDM発症4カ月後に腹腔鏡下膵生検を施行, 生検膵組織の免疫組織化学的染色により, T, Bリンパ球, マクロファージなど多様な単核球の膵島への浸潤を認めた. T-リンパ球のサブセットではCD8+リンパ球が大多数 (53~86%) を占め, CD4+リンパ球は少数 (0~14%) であった.抗TCR抗体による検索ではαβTリンパ球, γδTリンパ球ともに陽性であった. 膵島細胞のうちα, δ細胞の数は保たれていたが, β細胞は著減していた. また膵島細胞におけるMHC class I抗原の発現増強, 膵島周囲の血管内皮細胞におけるclass I, II抗原の発現増強を認めた. これらの組織所見は, 主にCD8+リンパ球が膵島に浸潤し, 発現の増強したMHC class I抗原と共に自己抗原を認識して, β細胞を破壊する機序の存在を示唆していた. ICA陽性, 他の自己免疫疾患の合併等も, 本例の膵島炎の成立が自己免疫的機序によることを支持すると思われた.
  • 持尾 聰一郎, 森 豊, 岡 尚省, 栗田 正, 畑 章一, 加藤 秀一, 池田 義雄, 磯貝 行秀
    1993 年 36 巻 11 号 p. 881-884
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    We electrophysiologically examined the effect of the PGI2 analogue, Beraprost sodium (BPS), on neuropathy in spontaneously diabetic WBN/Kob rats, Diabetic male WIIN/Kob rats, aged 43 to 45 weeks, were randomly divided into BPS-treated (n=7) and untreated (n=6) groups. BPS was orally administered at a dose of 30μg/kg every day, while untreated rats were given distilled water, for 16 weeks. Motor nerve conduction velocity (MNCV) of the tail nerve and the coefficient of variation (CV) of pulse intervals of the tail artery, as indicators of parasympathetic nerve function, were determined before and after treatment. After the 16 week treatment period, the sciatic nerve blood flow (NBF) was measured by laser doppler flowmetry. At the end of treatment, the CV of pulse intervals of the tail artery in the BPS treated group was significantly increased in comparison with that in the untreated group, while there was no significant difference in MNCV between the two groups. In addition, NBF in the BPS-treated group was increased in comparison with that in the untreated group.
    In conclusion, these results suggest that BPS treatment might be useful not only for peripheral neuropathy but also for autonomic neuropathy.
  • 塚原 建一郎, 奥田 諭吉, 水谷 正一, 江連 素実, 坂内 千恵子, 山下 亀次郎
    1993 年 36 巻 11 号 p. 885-888
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    The effects of elevated glucose and eicosapentaenoic acid ethyl ester on in vitro 2 [3H] myoinositol uptake were evaluated in cultured rat vascular smooth muscle cells (VSMC).Since Na+-deprivation and the addition of ouabain (1mM) are known to reduce myo inositol uptake, we speculated that myo-inositol incorporation into VSMC might be dependent on an active transport system mediated by Na+-K+ATPase activity. Glucose inhibited myo inositol uptake in a dose-dependent manner. However, the addition of eicosapentaenoic acid ethyl ester (3×104M) prevented this glucose mediated inhibition of myo inositol uptake. These results suggest that eicosapentaenoic acid supplementation may prevent or ameliorate myo inositol related disorders in diabetics.
  • 鈴木 吉彦, 松岡 健平
    1993 年 36 巻 11 号 p. 889-892
    発行日: 1993/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Although the measurement of beatto-beat heart rate variation is generally accepted as a valid test, there is still considerable debate as to which currently available method is the most practical for general clinical use. This study was designed to assess which test is most suitable in terms of the relationship with diabetic neuropathy.
    Three different methods of analysing RR interval (heart rate) variation were compared in 16 normal subjects and 48 diabetics with responses to diabetic neurological measurements such as achilles tendon reflex, blood pressure fall on standing, and motor conduction velocity of the tibial nerve. The subjects selected were all in their 40s so as to exclude the influence of age as much as possible.
    Hinge spread of RR intervals on deep breathing differentiated most accurately not only between normal subjects and diabetics, but also between diabetics with and without neurological damage. The coefficient of variation of RR intervals at rest and the difference between the maximum and minimum heart rates on deep breathing did not differentiate groups more accurately than the hinge spread of RR intervals.
    Therefore, for routine clinical usage, we conclude that recording the hinge spread of RR interval variation on deep breathing is the most practical method currently available.
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