症例は58歳女性.56歳時にANCA関連腎炎と診断されステロイド治療開始.倦怠感,食思不振が持続し,清涼飲料水を摂取していた.定期受診時に血糖値867 mg/d
l, HbA1c 10.3 %と高値を認め,当科紹介となった.血中ケトン体の上昇,尿ケトン体を認め,動脈血ガスではアニオンギャップ15.1と糖尿病ケトアシドーシスの存在が考えられたが,HCO
3- 30.0 mmol/
lと代謝性アルカローシスを合併し,pH 7.680とアルカレミアを呈していた.また,低K血症(3.4 mEq/
l)を認めた.入院後,補液及びインスリン静脈内注入による加療を行った.ステロイド及び利尿薬の服薬と脱水に伴う二次性アルドステロン症により,低K血症による代謝性アルカローシスを来したと考えた.ステロイドや利尿薬服用中の糖尿病患者では,ケトン体の上昇によるアシドーシスがマスクされている可能性に留意する必要がある.
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