糖尿病
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58 巻 , 10 号
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第49回糖尿病学の進歩記録〈世話人特別企画〉
  • 槇野 博史, 堀田 饒, 大森 安恵, 八木橋 操六
    2015 年 58 巻 10 号 p. 741-744
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    第49回「糖尿病学の進歩」において世話人特別企画「歴史で学ぶ糖尿病」を開催した.「切手にみる糖尿病の歴史」ではインスリンを発見したFrederick Grant Banting,「糖尿病の歴史」では糖尿病と妊娠の治療に貢献したPriscilla White,「ランゲルハンス島ヒストリア」ではPaul Langerhans,「糖尿病性腎症の歴史」では腎症の概念を確立したPaul Kimmelstielなど糖尿病の歴史を飾った人々に焦点をあてて概説した.
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 山﨑 真裕, 肥後 直子, 兼子 照美, 長谷川 真智子, 久保 久仁子, 松本 しのぶ, 千丸 貴史, 牛込 恵美, 濱口 真英, 田中 ...
    2015 年 58 巻 10 号 p. 745-752
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    日本人2型糖尿病患者に対するdapagliflozinの効果,QOLへの影響を検討した.方法は当院通院中の2型糖尿病患者でdapagliflozin 5 mgの投与を開始された55例に対して,投与前と投与6か月後でのHbA1c,体重,DTR-QOL質問票によるQOLの比較,検討を行った.HbA1c(8.3±1.6 % vs. 7.7±1.4 %,P<0.0001),体重(78.7±18.4 kg vs. 76.0±18.4 kg,P<0.0001)とも有意な低下を認めた.DTR-QOLも総スコア,①社会活動/日常活動の負担,②治療への不安と負担,④治療満足度で有意な上昇を認めた.投与をきっかけに行動変容が起こり,行動強化により期待以上の効果が出た症例を経験したのであわせて報告する.糖尿病治療で重要な療養支援,Patient Centered Careの重要性を再確認できた.
病態・代謝異常・合併症
  • 瀧野 皓哉, 髙木 聖, 横地 正裕, 野村 卓生, 森 康一, 河村 守雄
    2015 年 58 巻 10 号 p. 753-760
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    60歳以上の高齢2型糖尿病患者61例(男性35例,女性26例,平均年齢71.7±6.1歳)を対象に①下肢筋力(膝伸展筋力,足背屈筋力),②身体活動量,③糖尿病神経障害の有無,④患者背景因子について調査し,下肢筋力と身体活動量,糖尿病神経障害との関連性について検討した.統計解析にはSpearman順位相関係数およびMann-Whitney U検定を用い,それらの解析にてp<0.2となった因子を独立変数,下肢筋力を従属変数とした重回帰分析を行った.膝伸展筋力の関連因子として身体活動量,年齢,性別が抽出され(R2=0.47),足背屈筋力については糖尿病神経障害が抽出された(R2=0.15).足背屈筋力は,先行研究を支持する結果であったが,膝伸展筋力については身体活動量と関連することが明らかにされた.身体活動量の向上は血糖コントロールのみならず下肢筋力の維持・向上にも繋がることが示唆された.
症例報告
  • 池間 迪子, 島川 明子, 藤枝 典子, 西田 周平, 木下 博之, 下田 誠也, 荒木 栄一
    2015 年 58 巻 10 号 p. 761-766
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    症例は58歳女性.56歳時にANCA関連腎炎と診断されステロイド治療開始.倦怠感,食思不振が持続し,清涼飲料水を摂取していた.定期受診時に血糖値867 mg/dl, HbA1c 10.3 %と高値を認め,当科紹介となった.血中ケトン体の上昇,尿ケトン体を認め,動脈血ガスではアニオンギャップ15.1と糖尿病ケトアシドーシスの存在が考えられたが,HCO3 30.0 mmol/lと代謝性アルカローシスを合併し,pH 7.680とアルカレミアを呈していた.また,低K血症(3.4 mEq/l)を認めた.入院後,補液及びインスリン静脈内注入による加療を行った.ステロイド及び利尿薬の服薬と脱水に伴う二次性アルドステロン症により,低K血症による代謝性アルカローシスを来したと考えた.ステロイドや利尿薬服用中の糖尿病患者では,ケトン体の上昇によるアシドーシスがマスクされている可能性に留意する必要がある.
  • 藏城 雅文, 小山 英則, 庄司 拓仁, 角谷 美樹, 岡﨑 博一, 山本 徹也, 森脇 優司, 難波 光義
    2015 年 58 巻 10 号 p. 767-773
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    症例は17歳,女性,Prader-Willi症候群(PWS)患者.随時血糖301 mg/dl, HbA1c 9.7 %と高血糖を認め当科紹介,入院となる.インスリン強化療法を導入し血糖コントロールは改善したが,退院後頻回注射の継続が困難であり,エキセナチド10 μg,メトホルミン500 mg/日に変更した.退院3カ月後HbA1cは11.8 %(入院時)から6.1 %まで低下し,メトホルミンは中止した.食欲低下は6カ月持続し,体重は71.1 kg(身長155 cm)から64.6 kgまで低下した.退院2年後には体重は72.5 kgまで再度増悪したが,HbA1cは6.2~6.6 %で経過し,良好な血糖コントロールが長期的に得られた.本PWS症例では,GLP-1(Glucagon-like peptide-1)受容体作動薬により,食欲低下,体重減少は一時的であったが長期の血糖コントロールが得られ報告する.
  • 滝田 美夏子, 保科 早里, 大屋 純子, 柳澤 慶香, 三浦 順之助, 内潟 安子
    2015 年 58 巻 10 号 p. 774-780
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    症例は40歳女性.20歳から高度肥満があり28歳時2型糖尿病と診断.挙児希望のため30歳からインスリン開始.メトホルミン2250 mg内服,インスリン量100単位/日(1.07 U/kg/日)使用下でHbA1c 9.8 %と高値であり血糖コントロール目的に第4回目の入院.入院後1440 kcalの食事療法と運動療法,入院3日目よりイプラグリフロジン50 mgを10日間投与した.退院時,BMIは38.7 kg/m2から36.3 kg/m2に,インスリン量は53単位/日(0.60 U/kg/日)になった.イプラグリフロジン投与前後の腹部脂肪面積は365.56から246.87 cm2,V/S比は0.88から0.66へ,体成分分析では体重減少のほぼ100 %が体脂肪量の減少であった.退院5ヶ月後には妊娠が許可されるまでに至ったので,代謝異常の改善状況をいくつかの指標とともに報告する.
  • 安藤 豪将, 安井 才知衣, 木村 了介
    2015 年 58 巻 10 号 p. 781-787
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    経口血糖降下薬のみでは血糖コントロール不良で,インスリン自己管理困難な肥満高齢2型糖尿病患者に対して介護者が行う持続性エキセナチド週1回注射の有用性について検討した.症例1は75歳女性.糖尿病歴8年,持効型インスリンと内服併用中に自己管理困難となりHbA1c11.5 %と経過不良となった.持続性エキセナチドに切替え9ヶ月後,HbA1c6.7 %に改善した.症例2は67歳女性.糖尿病歴20年,SU薬を含む内服薬でHbA1c7.3 %と経過不良であった.持続性エキセナチドに切替え6ヶ月後,HbA1c5.9 %に改善した.症例3は79歳女性.糖尿病歴30年,混合型インスリンで加療中に自己管理困難となりHbA1c9.1 %と経過不良であった.持続性エキセナチドに切替え4ヶ月後,HbA1c7.5 %に改善した.自己管理困難な肥満高齢2型糖尿病患者に対し介護者が行う持続性エキセナチド週1回注射は有用と考えられた.
  • 檀原 尚典, 江戸 直樹, 盛田 幸司, 田中 祐司, 重政 千秋
    2015 年 58 巻 10 号 p. 788-794
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    46歳女性.外傷を除き生来健康.2日間続く上腹部痛,発熱にて近医受診し,胃腸炎の診断.腹痛軽減するも微熱は継続.近医初診から4日後上腹部痛増悪,口渇,悪心も出現し再診.尿定性検査にて初診時認めなかった尿糖及び尿ケトン体が検出され救急搬送.アニオンギャップ(以下AG)開大性代謝性アシドーシスあり,糖尿病性ケトアシドーシス(以下DKA)と判断し入院,補液及びインスリン治療開始.来院時の随時血糖955 mg/dl,HbA1c 6.0 %,インスリン分泌能も枯渇しており,劇症1型糖尿病(以下FT1DM)と診断.第9病日,右足関節に限局する疼痛,腫脹出現.造影CTにて右膝窩静脈に造影欠損認め深部静脈血栓症(以下DVT)と診断,直ちに抗凝固療法開始し軽快した.糖尿病全患者のDVT発症率は非糖尿病患者の約2倍に上がるとされる.常にDVTの発症もあり得ることを念頭に置き,可能な限り早期離床に努め,発症時は速やかに対応するべきであると考える.
短報
  • 須田 尚子, 神谷 秀佳, 鯉江 基哉, 山藤 知宏, 北本 友佳, 森田 聖, 太田 充, 西 重生, 森 久也, 鈴木 正昭, 生水 晃 ...
    2015 年 58 巻 10 号 p. 795-800
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    「糖尿病透析予防指導管理料」が新設され,早期の段階から積極的なチーム介入を行い糖尿病患者の透析導入予防を図るよう求められている.今回,全国済生会病院に対して糖尿病透析予防指導開始後の現状についてアンケートを2回実施し,今後の課題を検討した.実施出来ない理由として,人員確保の困難を挙げる施設が最も多かった.チームは主に医師・看護師・管理栄養士で構成され,糖尿病療養指導士が在籍している割合は91 %であった.指導の際,看護師・管理栄養士が同じ場所で行う方が,指導者間での患者情報の共有や指導内容の統一,指導時間の短縮に繋がると考えられた.指導効果は8割以上の施設において実感すると回答している一方,看護師・管理栄養士では指導に不安があると答えた割合が2回目の結果において増加し,チーム全体においても活動に対する負担を感じている割合が62 %認められたことから,これらの改善が今後の課題である.
委員会報告
  • 平松 祐司, 羽田 勝計, 安日 一郎, 難波 光義, 内潟 安子, 植木 浩二郎, 渥美 義仁, 綿田 裕孝
    2015 年 58 巻 10 号 p. 801-803
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    妊娠中の糖代謝異常と診断基準の統一化について HAPO Study(N Engl J Med. 2008)をもとに,International Association of Diabetes and Pregnancy Study Groups(IADPSG)では,世界統一の妊娠糖尿病(GDM)診断基準を作成し提唱しました(Diabetes Care. 2010;33:676-682).わが国でも,これと並行して日本糖尿病・妊娠学会でそれに準拠した新診断基準作成を行い,日本糖尿病学会,日本産科婦人科学会に提言してきました.そして,2010年7月から妊娠中の糖代謝異常に関する新診断基準が使用されていますが,最後のすり合わせが不十分であったため,日本糖尿病学会の診断基準と日本産科婦人科学会,日本糖尿病・妊娠学会の診断基準に一部不一致点がありました.このため,日本糖尿病学会と日本糖尿病・妊娠学会との間で合同委員会を立ち上げ,診断基準の統一化を検討し,両学会,および日本産科婦人科学会の三学会の合意を得て統一案を作成しました.各学会においては,2015年8月より,改訂新診断基準を使用下さいますようお願いいたします.2015年8月1日
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