糖尿病
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23 巻 , 6 号
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  • 星山 眞理
    1980 年 23 巻 6 号 p. 579-586
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性血管病変と血液凝固亢進状態の関連を血管壁凝固活性および組織での血栓の有無から検討した報告は少ない. 著者は, 24匹の雄家兎を用い, N (normal), DM (alloxan diabetic), DM-SE (alloxandiabetic treated with gliclazide), DM-Ins (alloxan diabetic treated with insulin), N-Ins (normaltreated with insulin) の5群を作製し, 1ヵ月飼育後に以下の検索を行った. 処置前, 後における各群の血液凝固線溶能, 大動脈thromboplastic activityの測定, 左頸動脈, 心, 冠動脈, 大動脈, 右腎, 右腎動脈の光顕, 大動脈, 腎の螢光抗体法 (抗IgG, A, M, βIC-globulin, fibinogen, 血小板第4因子 (PF4), 組織トロンボプラスチン血清使用) を行った. DM群でPF4, fibrinogen, F-V, F-VIIIの著増を認め, DM-SE群およびDM-Ins群で是正を認めた. DM-SE群とDM-Ins群に大差なく, DM群の凝固亢進の是正が, SE投与による抗血小板作用によるのか, 血糖改善に伴う二次的変化なのかは不明である. 大動脈thromboplasticactivityはN-Ins>DM-Ins>DM>DM-SE>N群の順に強く認められた. N-Ins群やDM-Ins群での高値は, insulin投与による慢性低血糖や高インスリン血症が血管壁凝固活性を促進したためと考えられた. 形態学的所見では, 光顕, 螢光抗体法いずれにおいても, 初期動脈硬化病変や血栓形成を各群とも認めえず, 血液凝固線溶能の差異による血管病変の相違を証明しえなかった.
  • 大滝 幸哉, 中川 英彦, 前田 昌子, 栗林 忠信, 俵 哲, 荒木 淑郎
    1980 年 23 巻 6 号 p. 587-596
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の尿中蛋白質を, SDS-polyacrylamide gel電気泳動を用いて分析し, 尿中に排出される蛋白質の分子量の差異による分布を調べた. 電気泳動図からは, albuminより低分子量の蛋白質 (LMW-蛋白質) が相当排出されていることが明らかで, また, 主として4本のバンドが明瞭に観察された. これらの蛋白質の分子量はそれぞれ, およそ42,000, 32,000, 21,000, 15,000であった. 対照として用いた尿細管障害群, ネフローゼ症候群, 糸球体腎炎, および正常群の結果と比較すると, 糖尿病の泳動像は尿細管障害群のものによく類似し, 他の対照群とは異なっていた. LMW-蛋白質の全蛋白質に対する割合を電気泳動図から求めると, 糖尿病, 尿細管障害群, ネフローゼ症候群, 糸球体腎炎でそれぞれ, 45.6土9.4%, 66.4土10.3%, 16.4土2.5%, 24.5土10.2%であった. また, 糖尿病で排出されるLMW-蛋白質と, 尿細管障害群のそれとの同一性を調べるために, LMW-蛋白質の分離精製を行った. そのうちで分子量33,000の蛋白質は, 尿細管障害群に見られる蛋白質と電気泳動的に同一であることがわかった.
    これらの結果は, 糖尿病では腎尿細管に機能的障害の生じている可能性を示唆するものである.
  • 七里 元亮, 山崎 義光, 河盛 隆造, 菊池 幹雄, 八木 稔人, 新居 貞雄, 東堂 龍平, 伯井 信美, 王子 亘由, 阿部 裕
    1980 年 23 巻 6 号 p. 597-606
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Witepsol H-15を基剤とし, Polyoxyethylene-9-laurylsulfateを表面活性剤としたインスリン坐薬は, 動物実験において2U/kgという少量で有効であり, かつ副作用もなく, また直腸粘膜の障害の少ないことを認めている. そこで今回は, このインスリン坐薬を健常人および糖尿病患者に投与し, 血糖および血漿インスリン動態, さらには血糖目内変動に及ぼす影響を検討した.
    1. 健常人に50U/person (平均0.8U/kg相当量) および100U/person (平均1.6U/kg相当量) 投与にて血漿インスリン値の有意の上昇を認めた. また糖糖尿病愚者に100U/person (平均1.8U/kg相当量) 投与後の血漿インスリン値の上昇は健常人のそれと比較し高値であった. インスリン坐薬投与時の効果をInsulin Actmpid筋注投与時の効果と比較すると, 健常人では投与量の平均2.6%, 糖尿病患者では7.1%が吸収されたと推定できた.
    2. 糖尿病患者に1癖3回, 100U/person (平均1.8U/kg相当量) 投与時, 食後高血糖の抑制が著明に認められ, その結果として血糖日内変動の改善および1日尿糖量の減少が認められた.
    以上の成績は, インスリン坐薬投与により軽症および中等症の糖尿病患者の血糖コントロールの可能性を示唆しえたと考える.
  • 横山 淳一, 田嶼 尚子, 池田 義雄, 大野 誠, 斉藤 茂, 阪本 要一, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1980 年 23 巻 6 号 p. 607-617
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリンは膵腺房細胞に対して栄養効果を示すことが知られており, とくにそのアミラーゼ産生に果たす役割の重要性が注目されている. そこでこの研究では糖尿病の病型, 膵島B細胞機能とアミラーゼ活性値との関連を検討した.
    対象は25歳までに発症した若年発症糖尿病76名である. これらの患者を若年型 (JOD) と成人型 (いわゆるMODY) に区分し, 血清総アミラーゼ活性値の測定と, そのアイソザイム分析を行い, これらから膵型アミラーゼ活性値を算出し病型との関連について検討した. 膵島B細胞機能については50gOGTTの際のCPR反応の総和ΣCPRを求めてその指標とした.
    血清総アミラーゼ活性値は血糖コントロール状態と関係が深く, 血糖コントロールの不良な時は低く, 良好になるにつれて上昇した. JODでは発症時より膵型アミラーゼ活性値が低く, なかでも15歳未満に発症したJODでは, とくに低値を示し, アミラーゼアイソザイムパターンは広範な膵石のみられる膵性糖尿病のそれに酷似した. 一方, いわゆるMODYでは膵型アミラーゼ活性値は比較的よく保たれていた. なお, 膵型アミラーゼ活性値とΣCPRとの間には正の相関がみられた.
    以上の事実はアミラーゼ産生に果たすインスリンの大きな役割を示唆すると同時に, 若年型糖尿病では高度の膵アミラーゼ産生障害のあることを示すものである.
  • 奥野 泰久, 丸毛 和男, 上田 進彦, 田中 航志郎, 曽和 悦二, 木下 迪男, 藤井 暁, 関 淳一, 和田 正久
    1980 年 23 巻 6 号 p. 619-626
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者に眼筋麻痺が合併する頻度は比較的少ないものとされているが, 過去8年間に経験したいわゆる糖尿病性眼筋麻痺9例と糖尿病患者にみられた動脈瘤による動眼神経麻痺1例を報告し, その臨床像の特徴と鑑別診断上の問題点について若干の考察を加えた. 糖尿病性眼筋麻痺9例の内訳は, 男性2例, 女性7例で年齢は42~79歳 (平均63歳), 動眼神経麻痺7眼, 外転神経麻痺3眼で1例は右動眼神経麻痺と左外転神経麻痺を同時に合併していた. 症状としては複視が8例にみられ, 眼痛または頭痛が5例に認められた. 瞳孔については, 動脈瘤による動眼神経麻痺症例では異常を認めたが, 糖尿病患者にみられた動眼神経麻痺7例では1例に異常を認めたにすぎなかった. 眼筋麻痺は1~3カ月でほぼ正常に回復したが, 瞳孔異常の遺残が1例に認められた. 糖尿病は全例成人型で罹病期間は0.3~20年 (平均約8.5年) であったが, 麻痺発症時に糖尿病が発見された症例が1例認められた. 発症前コントロール状態は1例を除き良好もしくはやや良好で, 合併症としては綱膜症を7例中3例, 蛋白尿を9例中4例, 下肢腱反射異常を9例中5例と約半数に認め, 一方高血圧は9例中6例, 心電図異常は6例中5例, 胸部X線上大動脈硬化は9例中5例と半数以上に認められた.
  • 神田 直子, 竹居 真知子, 大森 安恵, 平田 幸正
    1980 年 23 巻 6 号 p. 627-631
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    経口血糖降下剤による重症低血糖症の報告は多い. しかし本邦では薪しいスルホニルウレア剤である, gliclazide (diamicron) による低血糖昏睡の報告は, まだないようである. 今回私どもはgliclazide服用者にみられた低血糖昏睡の1例を経験したので報告する.
    症例は60歳女性で, 糖尿病発症後13年を経過しており, Scott IIIaの網膜症と腎症を有し, 2時間クレアチニンクリアランス34.5ml/minであり, 今回の低血糖発作の2年10ヵ月前よりgliclazideを服用していた. 患者は昭和53年9月24日, 食事を摂取せずgliclazideを服用し, 昏睡状態となって入院した. 入院時の血糖は, 45mg/dl以下であり, ブドウ糖点滴静注で意識を回復したが, その後点滴静注の速度を緩めることで, 低血糖発作を2回起こし, 発作を離脱するまでに約35時間, 総ブドウ糖量は281.59を要した. gliclazide服用後約18時間経過した時の血中gliclazide濃度は1.2μg/mlであったが, この時期には, まだ低血糖を離脱していなかった. liclazideの半減期が8~10時間であることを考えれば, 発作時には, より高値であったと思われた. なお本剤の血中有効濃度は, 2μg/ml以上といわれてい. 患者は糖尿病性腎症を有し, gliclazide服用に腎機能低下と食事を摂取しなかったことが加わり低血糖昏睡を生じ, 低血糖回復が遷延したものと考えられた.
  • 高井 孝二, 川村 肇, 折笠 哲男, 杉田 泰雄, 藤岡 隆庸, 坂本 美一, 松田 文子, 斉藤 寿一, 吉田 尚, 葛谷 健, 桜林 ...
    1980 年 23 巻 6 号 p. 633-640
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病に盤型高脂血症を合併し, 治療経過中post heparin lipolytic activity (以下PHLAと略す) が高脂血症と逆絹関を示した症例を報告する.
    症例は23歳未婚女性. 両親がいとこ結婚である. 19歳頃より肘, 膝に発疹性黄色腫が出現し, 高脂血症と糖尿病を指摘され, 食事療法により黄色腫は消失した. 当院受診時, 黄色腫はなく, 空腹時血糖は140mg/dl, 血中トリグリセリド1,840mg/dl, コレステロール366mg/dl, セルロースアセテート膜によりリポ蛋白電気泳動でbroad β bandを認めた.ヘパリン静注後の肝外性リポ蛋白リパーゼ (LPL) 活性は2.27 (対照7.04土2.32), 肝性リパーゼ (HTGL) 活性は0.85 (対照8.05土3.66) といずれも低下していた. (単位はいずれもμ moles FFA/ml plasma/hour).
    入院後1,500Calの食事制限を行ったところ, 高脂血症と糖尿病は改善したが低栄養状態, および無月経となった. 熱量制限を緩めたところ, 糖尿病と高脂血症の悪化をみたためグリベンクラマイド, ついでインスリン療法を併用し良い治療効果を得た. 治療経過中, 高脂血症の程度は空腹時血糖値の増減とほぼ平行して変動し, broad β bandの増減もこれに平行した. 全経過を通じてLPL, HTGL両活性は高脂血症とは著しい逆相関をもって変化し, 高脂血症改善時には活性は上昇したが両活性とも正常値には達しなかった.
    本症例の1臨床経過はIII型高脂血症の増悪軽快に関して, LPL, HTGLの活性の変化が密接な関連を有することを示唆する. そしてIII型高脂血症の発現機序にPHLA, とくにHTGLが関与する可能性を示すものである.
  • 1980 年 23 巻 6 号 p. 641-656
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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