糖尿病
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28 巻, 7 号
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  • 吉利 和
    1985 年 28 巻 7 号 p. 781-782
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • Waist Size/Hip Sizeについて
    雨宮 禎子, 河原 玲子, 古守 知典, 平田 幸正
    1985 年 28 巻 7 号 p. 783-788
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Waist sizeとhip sizeの比率 (W/H) が大きいこと, すなわち脂肪蓄積の上半身優位 (上半身型肥満) がインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 女性の特徴となり得るか否かを, NIDDM287名 (男性154名, 女性139名), インスリン依存型糖尿病 (IDDM) 女性26名, および健康正常人 (健常人) 197名 (男性92名, 女性105名), 計510名にて検討し, 以下の結果を得た。
    1) NIDDM女性のW/Hは健常人女性のそれに比べ, 肥満の程度や年齢の影響を考慮しても明らかに大きかった. これは50歳未満で顕著であった.
    2) NIDDM男性のW/Hは健常人男性のそれとほとんど変わらなかった.
    3) IDDM女性のW/Hは同年代, 同肥満度の健常人女性に近似値で, NIDDM女性より小さかった.
    以上より, NIDDM女性においてW/Hが大きいことは身体的特徴の1つと考えられた。
  • 平山 広喜, 高橋 哲三, 粕谷 泰次, 柳下 明, 石川 雅, 星 賢二, 佐野 隆志, 染谷 一彦
    1985 年 28 巻 7 号 p. 789-799
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン注入フログラム算出法開発を目的として, まず, 血清immunoreactive insulin値 (IRI値) と血糖値の関係を表現する数理モデルの応用性についての基礎的検討を行なった. 最初に, Ackermanモデルの妥当性を検討するため健常人にグルコース89の急速静注を行なったところ, パラメータ値が負の値を示すなど生理学的妥当性を欠くことが明確になった. 次いで, 当モデルの適合性および予測性を検討するため, グルコース5mg/min/kgの一定速度静注および3.2mg/min/kg, 12.9mg/min/kgのtwo step持続静注を実施した. その結果, twostep持続静注の血糖値推移に対して, 一定のパラメータ値による適合性は示さなかった. しかし, 5mg/min/kgの定速度静注から得たパラメータ値は, グルコース3.2mg/min/kg持続静注における血糖値推移を良く予測し, 両者の平均IRI値は10.3μU/mlと54μU/ ml であることから, IRI値が低い場合では当モデルは十分な予測性を持つと考えられた. また, IRI値が高い状態での糖消失速度を検討するため, 膵摘犬でIRI値を29.7μU/mlと54.6μU/mlに系佳持し, 各濃度下で3段階のグルコース持続静注を行ない, それぞれの定常状態血糖値を得た. この成績から, 血糖値依存の糖消失速度定数がIRI値に比例して変化する範囲で, 糖の変化を表現する簡略化された数式を考案した. 以上より, IRI低濃度域ではAckermanモデルを, IRI高濃度域では本研究で考案した数式を応用することが良いと考えられた.
  • 徳盛 豊, 田中 寧, 本田 守, 竹内 竜男, 伊東 康男, 倉橋 明男, 村上 功, 久野 悟, 茂久田 修, 池田 匡, 富長 将人, ...
    1985 年 28 巻 7 号 p. 801-805
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病におけるアルドステロン分泌動態を明らかにする目的で, ストレフトゾトシン (以下STZと略す) 45mg/kg腹腔内注射により作製した糖尿病ラットを用い, 副腎皮質刺激ホルモン (ACTHと略す) 負荷試験ならびに副腎灌流実験によるin vito, in vitoの検討を行い, 以下の結論を得た.
    (1) In vitoの実験において, ACTH負荷前後の血漿アルドステロン濃度は, STZ糖尿病ラット群と対照群の間に有意差は認められなかった.
    (2) In vitoの実験において, ACTH刺激に対する副腎からの直接的なアルドステロン分泌反応は, 糖尿病ラット群が若千低下している傾向はみられたが, 対照群との間に有意差は認められなかった.
    以Lより, STZ糖尿病ラットにおいて, ACTH刺激に対するアルドステロン分泌反応はin vito, in vitoともに正常反応を示し, 短期間の糖尿病状態では, ACTH刺激に対する生体内でのアルドステロン分泌反応および副腎からの直接的なアルドステロン分泌は良好に保たれていることが示唆された.
  • 木村 茂, 江本 正直, 松谷 秀俊, 角谷 佳成, 中尾 大成, 宮村 敬
    1985 年 28 巻 7 号 p. 807-812
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の腎尿細管障害を把握するため尿中β-glycosidase活性とβ2-microglobulinを測定し, その臨床的意義を検討した.
    健常者90名, 糖尿病患者192名の朝食後2時間尿を採取し, 尿中β-glycosidase活性をRobinson & Danceの方法によりN-acetyl-β-glucosaminidase, β-galactosidascを測定し, 尿中β2-microglobulinを radioimmunoassayにより測定し, 尿crcatinine/mgあたりの値を算出し比較した.
    尿中β-glycosidase活性, β2-microglobulinは尿蛋白陰性群において健常者に比し有意な高値を示し, さらに尿蛋白の増加とともに有意な高値を示した. 次に尿中β-glycosidase活性は尿蛋白陰性群において, インスリン治療群が食餌療法単独群に比し, 5090GTT時のインスリン分泌ないしCPR分泌poor群が {hlr群に比し, Scott III以上の糖尿病性網膜症合併群が非合併群に比し, 罹病期間11年以上の群が5年以下の群に比しそれぞれ有意な高値を示し, さらにHbA1との間に有意なIEの相関関係を示した.しかし尿中β2-microglobulinはかかる結果は得られなかった.
    以上より糖尿病患者では尿蛋白陰性群でも腎尿細管障害の存在が推測され, 特に尿中β-glycosidase活性は尿中β2-microglobulinよりも糖尿病の代謝異常や腎病変との関連性がより密接であることが示唆された.
  • 三上 有史, 領家 和男, 稲村 彦衛門, 道田 章仁, 石亀 裕通, 小川 隆嗣, 浜田 驍, 武田 倬, 倉橋 明男
    1985 年 28 巻 7 号 p. 813-817
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病と口腔疾患の関連性については, 1862年すでにSeiffertにより指摘されている. 以来, この問題については, 多数の報告があるが両者の因果関係には否定的な意見も多い. というのも, これまでの報告にあるような成人型糖尿病においてみられる, ウ蝕の多発や重症型の歯周疾患は, 増齢とともに健常者のあいだでもpopularなものとなり, 両者の比較が困難となるからである. そこで, われわれは, 増齢因子の加わることが少なく, 食事療法とInsulin注射で比較的コントロールされている若年型糖尿病と歯牙, 歯周疾患との相関関係を調べるため, 6歳~22歳までの若年型糖尿病患者50人を対象とした口腔診査を行い, age match, sex matchを施したcontrol群50人と比較検討した. 口腔診査にはCarics Indcx, Cariostat, PMA Index, Oral Hygiene Index, Pcriodontal Disease Indexの各項目を用いた. Caries Index, Pcriodontal Disease Indoxではp<0.01で有意差が認められ, PMA Indexにおいてはp<0.001で有意差があった. Cariostatについても糖尿病群にウ蝕活性の高い傾向がみられた. この結果を中心に, 歯牙, 歯周疾患に全身的因子として糖尿病が及ぼす影響について若干の検討を加えてみた.
  • 特にHigh Affinity Siteについて
    坂本 健一
    1985 年 28 巻 7 号 p. 819-825
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    未治療type II 糖尿病患者のヒト赤血球インスリン受容体の特性について, 生理的濃度のインスリンの生物作用を調節するhigh affinity siteに限定して検討を加えた.
    TypeII糖尿病患者 (n=108) における受容体の親和性 (Kd=1.49±0.06×10-9M, mean±SE) は, 健常者 (n=27) のそれ (Kd=0.92±0.05x10-9M) に比し有意に (P<0.001) 低下し, 親和性の低下が未治療typc II 糖尿病患者におけるインスリン抵抗性の一因であることが示唆された.
    さらに患者を肥満指数により分類すれば, 親和性は, 肥満指数が大なるものほど低下していた.
    食事療法およびインスリン療法にて.血糖をコントロールし得た患者 (食事療法群: n=11 肥満指数 116±2%, インスリン療法群: n=18肥満指数86±2%) の未治療時の親和性は, 健常者の値を含む幅広い分布を示した. 高親和性を示す患者は, 未治療時の50g-OGTTでのインスリン追加分泌の著明な低下を示し, インスリン分泌障害が喜明かつ代謝状態が不良なとき, インスリン作用不足に対する代償機能として, 親和性が一上昇していると考えられた.
    また, 治療により, 親和性は, ほぼ正常の一定範囲に収れんする成績が得られた. よってtype II 糖尿病患者の受容体の特質は, 遺伝的異常に基づくものではなく, 二次的な変化によるものであり, 代謝性因子が重要な役割を果たしていると考えられた.
  • 鎌田 郁子, 岩本 安彦, 松田 文子, 葛谷 健
    1985 年 28 巻 7 号 p. 827-831
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖病尿患者のインスリン依存性判定の指標として, グルカゴン負荷時の血清Cペブチド反応と24時間尿Cヘフチド排泄量 (尿CPR) との相関を検討し, グルカゴン負荷の有用性を検討した. 早朝空腹時にグルカゴン1mgを静注投与し, 前, 3, 6, 10分に採血して血清Cヘプチド (CPR) を測定し, 併わせて尿CPRも測定した. 対象は健常者 (N群), 経口剤治療糖尿病患者 (SU群), インスリン治療糖尿病患者のうち尿CPRが20μg/以上の者 (Ins-A群), 尿CPRが20μg/日未満の者 (Ins-8群) とした. グルカゴン静注後CPRは各群とも6分後に頂値をとり, 6分値はN群4.76±1.44, SU群2.73± 1.26, Ins-A群1.55±0.97, Ins-B群0.49±0.45 (ng/ml, 平均土SD) であり, 各群間には有意差があった. CPR6分値と前値との差 (ΔCPR) は, N群3.46±1.18, SU群1.27±0.94, Ins-A群 0.74± 0.65, Ins-B群 0.16±0.25ng/mlであった. CPR6分値, ΔCPRは尿CPRと高い相関があり, 相関係数は0.76, 0.67 (共にP<0.001) であった.
    結論Φ グルカゴン静注後CPRと尿CPRは高い相関がある. (2) 尿CPR20μg/日未満の症例ではCPR6分値は1.0ng/ml以下であり, この値がインスリン依存性の目安となる. (3) グルカゴン静注後血清Cペプチド反応は, 24時間尿CPRとともにインスリン依存性判定の一指標として有用である.
  • とくに若年発症糖尿病患者における高死亡リスクと死因の特徴
    佐々木 陽, 堀内 成人, 長谷川 恭一, 上原 ます子
    1985 年 28 巻 7 号 p. 833-839
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の予後と発症年齢との関係, とくに最近における若年発症糖尿病患者の予後を明らかにする目的で次の検討を行った. 対象は当センターの登録糖尿病患者1,900名で平均追跡期間7.9年, 35歳未満発症の1型糖尿病12名を除き, 全例が2型糖尿病であった.
    1) 平均年間死亡率 (1,000対) は対象者全員では男30.79, 女20.10で発症年齢が進むほど高くなるが, 35歳未満発症群では35-44歳群よりむしろ高い値を示した. これに対して, O/E比は全体では1.71で糖尿病患者では有意の過剰死亡を示すが, 発症年齢が若くなるほどO/E比は高くなり, 35歳未満発症群では男4.17, 女9.32に達した.
    2) 初診時における各種因の分布を発症年齢別にみると, 35歳未満発症群では空腹時血糖値が高く, インスリン治療のものが多い. また, 尿蛋白陽性率も35-44歳発症群よりも高率となっている.
    3) 発症年齢45歳未満を一括すると腎疾患による死亡が最も多く, 心疾患, 悪性新生物, 肝硬変がこれに次ぎ, 65歳以上発症群とは著しく異なる分布がみられた。また, 腎疾患のO/E比は45歳未満発症群では41.67に達し, 他の年齢群を大きく上回った.
    以上, 若年発症糖尿病患者は同年代の府民一般に比して死亡リスクが筈しく高く, また腎疾患による死亡がとくに多いなどの特徴がみられた.
  • 池田 匡, 本田 守, 村上 功, 久野 悟, 茂久田 修, 徳盛 豊, 富長 将人, 真柴 裕人
    1985 年 28 巻 7 号 p. 841-843
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    This study was undertaken to elucidate thyroid hormone metabolism in streptozotocin-induced diabetic rats.
    Diabetes mellitus was induced by the administration of a single intraperitoneal dose of streptozotocin (50mg/kg body weight). Two weeks later, rats whose fasting blood sugar levels were above 200 mg/dl were used in the present study. Serum thyroxine (T4), 3, 5, 3'-triiodothyronine (T3) and thyroid stimulating hormone (TSH) were determined by respective RIA.
    In the streptozotocin-induced diabetic rats, serum levels of T4 (2.1±0.4μg/dl, mean±SD) and T3 (80±20 ng/dl) were significantly (p<0.005) lower than those in controls (4.6±0.9μg/dl and 142±7 ng/dl), respectively. Serum levels of TSH were significantly (p<0.05) higher in streptozotocin-induced diabetic rats (4.1±0.7μIU/ml) than in controls (3.0±1.2μIU/ml).
    These results suggest that primary hypothyroidism may occur in streptozotocin-induced diabetic rats.
  • 森田 須美春, 中田 邦也, 田中 力, 笠間 敏雄, 芳野 原, 吉田 泰昭, 土井 邦紘, 馬場 茂明
    1985 年 28 巻 7 号 p. 845-848
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The acute effects of insulin on plasma triglyceride and cholesterol were estimated by applying glucose clamp for two hours in 58 patients with NIDDM. Glucose clamp studies were carried out by primed continuous insulin [human regular insulin (40 mU/m2/min)] infusion, and plasma glucose was maintained at the basal level by automatically infused glucose. The glucose infusion rate for the last 60 minutes was considered to be the insulin sensitivity for the glucose metabolism.
    Plasma triglyceride and cholesterol levels after glucose clamp studies decreased significantly compared with those of their starting levels and the rates of decrease were 15.2±2.2%(mean±SEM) and 8.3±1.4%, respectively.
    Moreover, we investigated the relationship between the changes of plasma triglyceride and cholesterol and the glucose infusion rate. As the glucose infusion rate was dependent on the plasma glucose concentration, we separated the patients into two groups. In group A, the plasma glucose concentrations ranged from 100 mg/dl to 130 mg/dl and in group B from 131 mg/dl to 160 mg/dl. The rate of decrement of plasma cholesterol during glucose clamp application, which was variable in each subject, was correlated with the glucose infusion rate (r=0.400, p<0.05 in A.r=0.585, p<0.01 in B). In contrast, the rate of decrement of plasma triglyceride was not correlated with the glucose infusion rate in either group.
    In conclusion, insulin reduced plasma cholesterol levels and the insulin-induced decrement of plasma cholesterol during glucose clamp application was well correlated with the insulin sensitivity for the glucose metabolism. The metabolism of plasma cholesterol may be regulated mainly by insulin with dependency on the concentration and the sensitivity.
  • 1985 年 28 巻 7 号 p. 849-878
    発行日: 1985/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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