糖尿病
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28 巻 , 10 号
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  • 楢崎 健次郎, 稙田 太郎, 小野 弘, 井口 登与志, 渡辺 淳, 迫 康博, 梅田 文夫, 井林 博
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1105-1112
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Entero-Insular axis (EIA) は, 従来経口糖負荷時に見られるインスリン分泌の増幅効果をとらえた概念である.最近, C-ペプチド (CPR) の同時測定により, 経口 (OGTT) と経静脈ブドウ糖負荷 (IVGTT) ではインスリンの代謝クリアランスが相異し, OGTTに見られる末梢血高インスリン血症の一因として関与するという新しい見解が提起されている.われわれは正常 (N) 5名, 肥満 (O) 11名, II型糖尿病 (D) 9名および肝硬変症 (L) 6名について, 同一対象にそれぞれ75gOGTTと30gIVGTTを施行し, 血中および尿中CPRを指標にこの点の再検討を行った.
    インスリンの分泌増加量、ΣΔIRIおよびΣΔCPRはいずれの群においてもOGTTで有意に高値を示したが, 刺激量ΣΔBSも有意高値 (あるいは高値傾向) であり, したがってOGTTにおける内因性インスリン分泌の増幅による結果とは断定できなかった.一方, 肝における代謝をほとんど無視できるCPRを基準とした諸指標のうち, N群ではΣΔIRI/Σ ΔCPR・IRI/CPR・ΣΔIRI/U-CPR, 0群ではIRI/CPR・ΣΔIRI/U-CPR, D群ではΣΔIRI/U-CPRはいずれもOGTTで有意の高値を示した.他方, L群ではこれらの諸指標はいずれも両負荷試験の間で有意差を認め得なかった.以上の成績はOGTTに見られる高インスリン血症では, 少なくとも一部インスリン分泌後の代謝クリアランスの低下が関与し, この機構に肝の役割が大きいことを示唆している.
    結論: 内因性インスリン分泌の定量的指標として血中CPRおよび尿中CPR排泄量を基準に検討すると, EIAに見られる高インスリン血症には肝におけるインスリン代謝クリアランスの低下が一部関与しているものと考える.
  • 久保 一紀, 三家 登喜夫, 里神 永一, 木村 茂, 野村 佳成, 森山 悦裕, 近藤 溪, 南條 輝志男, 宮村 敬
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1113-1117
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病 (DM) 患者において, 空腹時血清総ケトン体 (TKB), アセト瀕酸 (AcAc) および3-ヒドロキシ酪酸 (3-OHB) をジアゾニウム法にて測定し, DMにおける測定意義について検討した.
    1. DM患者ではTKB, AcAc, 30HBおよび3-OHB/AcAc比いずれも健常者群に比べて有意な高値を示した.またType II DM食爆1療法単独群の血糖コントロール良好な者でも同様に高値を示した.
    2. TyPe II DM患者のTKB, AcAぐC, 3OHBは血糖コントロール不良の者や遊離脂肪酸高値の者またインスリン分泌能 (ΣΔCPR 120') の低下している者で, より高値を示した.
    3. DM 患者のTKB, A`CAc, 3OHBはグルカゴンとインスリン (IRG/CPR) のモル比と有意な正の欄を示した.
    以上より, DM患者における空腹時血清ケトン体値はDMコントロールの指標の1つとして有用であることが示唆された.
  • 老籾 宗忠, 石川 和夫, 畑中 裕司, 川崎 富泰, 窪田 伸三, 高木 潔, 丹家 元陽, 吉村 幸男, 馬場 茂明
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1119-1124
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    蛋白のlysine残基にglucoseの結合したfructosc-lysincを酸性加水分解して生ずるfurosineを測定し, glycosylated plasma protein (GPP) の変動を観察し, 糖尿病患者への臨床応用を試みた.血漿1mlを6NHCIで30時間の酸性加水分解を行い, μBondapak C18 columnを用いた高速液体クロマトグラフィーで分析した.Lysineとglucoscから作成した検体では波長280nmおよび254nmで保持時間4.1分のピークが出現した.それぞれ1のピークの高さの比は3.9: 1であった.さらにNaBH4の前処理で, このピークが消失し, 保持時間4.h分のピークはfurosincと考えられた.同時に測定したtyrosineを内部標準として波長280nmにおける両ピークの面積比furosine/tyrosine×100 (%) を用いてGPP値を表した.本測定法を用いて測定した糖尿病患苦のGPP値は4.6±1.5%(Mean±S.D.) で, 健常者のGPP値 2.6±0.5%に対U∫ 意に高値を示した (P<0.001).糖尿病患者ではGPP値と空腹時血糖との問にr=0.66, GPPとHbへとの問にr=0.62と有意の正相関が認められた.Furosine測定による血漿蛋白のglycosylation測定は糖尿病患苦の血糖の長期コントロールの指標として有用と考えられた.
  • 畑中 裕司, 松本 真一郎, 石川 和夫, 川崎 富泰, 窪田 伸三, 丹家 元陽, 古村 幸男, 乾 正也, 谷口 洋, 老籾 宗忠, 馬 ...
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1125-1130
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Valsalva テスト施行時における手指皮膚毛斜紐血管血流量 (PBF) の変動を, レーザードップラー皮膚血流量計 (PLDF) により観察し, 糖尿病性自律神経障害の評価を試みた.PLDF は, 2mW のHe-Ne レーザーを使用しており, PBFを直接的, 連続的, 非観血的, しかも簡便に測定し得るものである.健常者80名と糖尿病患者93名を対象とし, またValsalvaテストによるPBFの反応型によって, PBF decreasingvcloclty (PIV) を指標として設定した.
    1) 健常者に, 硫酸アトコピン1mgの負荷を行った.その結果, PDVは有意の低下を来したが, 呼吸停止時間の差や年齢階層別PDV値には有意差を認めなかった.
    2) 健常者のPDV値 (mV/sec) が134±41 (mean±SD) であるのに対し, 糖尿病患者では75±50 (mean±SD) と有意 (p 0.001) の低下が、1忍められた.健常者のmean±2SDを正常範囲とすると, 糖尿病患者におけるPDVの異常出現率は45%(93名中的42名) であった.
    3) 21例の糖尿病患`者で, 深呼吸時の心拍数変動 (BBV) を測定した.PDV と BBVの間には有意の正相関 (r= 0.802, P< 0.001) が認められた.
    今回のValsalva テストにおけるPBF 反応パターンの解析から, PDV は主として副交感神経機能をみるものと考えられ, PLDFによるPBF 変動の観察は, 糖尿病性自律神経障害の新しい評価手段として, 臨床上有用であると考えられた.
  • 松葉 育郎, 鶴岡 明, 森 豊, 佐々木 温子, 山田 治男, 種瀬 富男, 石川 博, 大河原 久子, 平田 幸正, 池田 義雄
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1131-1136
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    でンスリン依存型糖尿病 (IDDM) に膵島細胞抗体 (ICSA) が出現することが知られている.ICSAの検出は, トこに間接螢光抗体法 (IF) と125I-protcinA binding assayによって行われている.今回, 私たちは両測定法の比較検討を行った.抗原側細胞は, ラットの分散膵島細胞およびヒト膵島B細胞クローン (JHPI-1) を使用した.
    間接螢光抗体法を川いた検討では, ラットおよびJHPI-1細胞いずれにおいても, 生細胞と固定細胞両二者間に, 有意な相関が認められた (p<0.05).固定操作により, ラットでは, 著しく螢光陽性細胞比が低下した.しかも, 固定によりラットとJHPI-I細胞の相関は失われた.125I-protein A binding assayでは, JHPI-I細胞の固定細胞と生細胞両者間に, 有意な相関が認められた (p<0.01).
    螢光陽性細胞比と125I-protein A binding assayによるICSAの測定結果を比較すると, ラットおよびJHPI-1細胞いずれにおいても, 両法の原法には, 有意な相関が認められなかった.これらの両測定によるICSAの力価決定には, 解離が認められた.
  • 前田 利裕, 日浅 芳一
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1137-1146
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    大動脈冠動脈 (A-C) バイパス手術を行つた92例を糖尿病 (DM) 群および非糖尿病 (非DM) 群の2群に分け, 手術成績と心機能との関連について検討した.
    グラフト開存率はDM群 (29例) 80.2%, 非DM群 (63例) 92.0%で, DM群が非DM群に比べて有意に1氏かった.術中に測定したDM群のグラフト血流量の平均値は44ml/min, 非DM群のそれは57ml/minで, 前者が後者に比べて有意に低かつた, また高抵抗 (100mmHg/ml/sec以上) を示す冠血管分枝数もDM群が非DM群に比べて多かった.A-Cバイパス手術前後の心機能の検討では, 左室駆出率および左室拡張終期圧は両群とも術前後で差がなかつた.心拍数およびdouble productについては, 両群とも術後の方が術前に比べて増加したが, DM群が非DM群に比べて増加の程度が顕著であった.術前の駆出率が0.60未満の心機能不良群では, DM群では術後に有意な駆出率の改善を認めなかつたが, 非 DM群では術後に有意な改善を認めた.左冠動脈前下行枝にA-Cバイパス手術を施行し, かつ術後のグラフト造影でその開存を確認した例での短縮率は, 非DM群では術後には術前に比べて有意に改善したが, DM群では術後の改善が得られなかった.
    A-C バ有パス手術を施行したDM例では, グラフト開存率および心機能の改善は非DM群に比べて悪く, 糖尿病患者にA-Cバイパスr術を行う際には絶対適応を有する例に限るべきであると思われた.
  • 坂田 茂樹, 小牧 卓司, 小嶋 範子, 三浦 清
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1147-1151
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ブタMCインスリンをモルモットに免疫し, 抗血清を得, インスリン-epoxy-sepharose 6Bカラムを用い, 抗血清中の抗インスリン抗体の精製を行った.得られた抗インスリン抗体を酸性下 (pH3.0) で透析し, さらにPBBS (pH 7.4) に対し透析後, 2羽の家兎にFCAとともに免疫を行った.2羽の家兎より得られた抗血清は, しかしながら抗インスリン抗体を有していたため, インスリン-epoxy-sepharose 6Bカラムを通し, 完全に抗インスリン抗体を除去し, 抗idiotype抗体のassayに用いた.このようにして得られた家兎抗血清は3.0×10-1mg (API-1), 6.7×10-1mg (API-2) の濃度でsepharose 6Bと共有結合されたインスリン抗体と125I-インスリンの結合をそれぞれ, 82.1%, 81.7%抑制した.これに対し, 対照として用いた家兎抗モルモットIgGおよびIgMは, 125I-インスリンと抗インスリン抗体の結合を抑制しなかつた.これらの結果は, 2羽の家兎で抗インスリン抗idiotypc抗体が産生されたことを示している。
  • 三崎 盛治, 佐藤 孝之, 足立 和秀, 嶋 照夫, 中井 義秀
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1153-1158
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    腺腫摘出後GH分泌が完全に正常化し, 糖尿病性網膜症の改善をみた顕性糖尿病を伴う活動性末端肥大症の1例を報告した.症例は52歳の男性で20歳時急に手掌が大きくなったことに気付いたが, 放置していた.40歳時, 糖尿病発症, 2年後インスリン治療が開始された.51歳飛蚊症を訴え, 糖尿病性網膜症 (右Scott III b, 左Scott IV) と診断された.52歳心不全の状態で入院した.光凝固, 冷凍凝固にもかかわらず入院時左眼は眼前手動弁であった.尿蛋白 (卅), 血圧170/112mmHg, NPHインスリン15U.投与の状態で空腹時血糖120mg/dl, CPRは50g OGTTで低反応, アルギニンに対しても反応しなかった.血清GHは基礎値230~300ng/ml, アルギエン, ブドウ糖, bromocriptine負荷に低下, TRH, LH-RH負荷に増加反応を示した.心不全の改善後Hardyの手術 (transsphenoidal pituitary adenomectomy) を行った.腫瘍摘出 (好酸性腺腫) 後軟部組織の縮小とともに血圧も正常化, インスリン使用量もNPH6U.まで低下, GHは基礎値2.3~7.0ng/mlと低下, TRH, LH-RH負荷後も反応せず, アルギニンに反応するようになった.左眼も硝子体出血の吸収, 黄斑浮腫の低下とともに視力も0.2~0.3へと改善し, 線維組織の増殖は停止している, しかし血清のクレアチニンは高値を示すようになり, 腎機能の悪化をみた.
  • 高柳 和弘, 尹 漢勝, 本村 光明, 瀬戸口 洋一, 東島 正泰, 苅家 利承, 堺 隆弘
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1159-1166
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    低血糖発作を繰り返すインスリノーマに対し, propranololとdiazoxideを経口的に投与し, その効果に若1二の知見を得たので報告する.症例.27歳男性.主訴は意識障害。昭和57年7月下旬より四肢の脱力感が出現.ブドウ糖の静注にて上記症状は軽快.同年8月中旬, 早朝に冷汗と傾眠傾向が頻発するようになり, 同年8月16日朝方, 意識消失発作が出現し, 当院外来を緊急受診し, 入院となった.受診時, 血糖値20mg/dl以下で, ブドウ糖の静注にて症状は回復した.空腹時血糖値に比し, 血中インスリン値が高値でありインスリノーマが強く疑われた.各種インスリン分泌刺激試験を行ったが, インスリン分泌は亢進していた。インスリン負荷試験では, 血1糖値が低値を示しても, C-ペプチドは高値を示したままであつた。入院後も繰り返し出現する低血糖発作に対し, 経口的にpropranololおよびdiazoxideを投与してみた.血糖値の上昇は有意ではなかったが, 血中インスリン濃度は, propranolol, diazoxide投与時ともに低下し, 特にdiazoxidc投与時での血中インスリン濃度の低下が著明であった.摘出標本の電顕像では, 腫瘍細胞中に分泌顆粒が認められ, ヒトィンスリンに対する酵素抗体法による染色標本にて, インスリン産生性島細胞腫と診断された.
  • 森 豊, 須甲 松信, 奥平 博一, 松葉 育郎, 鶴岡 明, 佐々木 温子, 石井 賢治, 宇都宮 一典, 山田 治男, 信田 隆夫, 西 ...
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1167-1170
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Nonobese diabetic (NOD) mice aged 30 days were orally treated with Cyclosporin (Cs) at a dose of 25 mg/kg every other day until they were 160 days old. Then 60 day-old mice were treated with Cs at doses of 15 and 2.5 mg/kg every other day until they were 160 days old.
    Diabetes developed in 7 of 10 untreated contol mice in the first experiment and 5 of 8 control mice in the second experiment with partial to complete destruction of the islets of Langerhans associated with marked lymphocytic infiltration. The plasma glucose level in control NOD mice gradually increased by the time they were 130 days old and reached 254. 4 ± 93.8 mg/dl (mean±SD) in the first experiment and 335.3± 179. 4 mg/dl (mean ± SD) in the second experiment at 160 days of age, whille Cs-treated NOD mice at any dose showed neither a clear increase in the plasma glucose level nor development of insulitis.
    These results suggest that Cs has a preventive effect against diabetes in NOD mice.
  • 畑中 裕司, 北村 嘉章, 西本 茂樹, 松本 真一郎, 石川 和夫, 川崎 富泰, 窪田 伸三, 丹家 元陽, 古村 幸男, 老籾 宗忠, ...
    1985 年 28 巻 10 号 p. 1171-1174
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    We determined the amount of furosine derived from glucosylated hemoglobin (Hb) by high-performance liquid chromatography (HPLC) by using a reversed phase column chromatograph (TSKGEL) according to the method of Schleicher et al. Forty-four diabetic patients and 7 healthy subjects were selected for the study. Glucose bound to a lysine residue is transformed to fructoselysine which undergoes acid hydrolysis to form furosine. The furosine value of glucosylated Hb (GHb-f) was expressed as the ratio of the furosine peak area to the tyrosine peak area. HbA, was determined by HPLC using an ion exchange column chromatograph (Auto A1c).
    The GHb-f value was 4.6 ± 1.5%(mean ± SD) in diabetic patients, significantly higher than that found in healthy subjects which was 2. 3 ± 0.3%(mean ± SD). A significant positive correlation was found between GHb-f and HbAi values. Furthermore, the GHb-f was best correlated with the stable HbAic value (r= 0.960, p<0.001).
    This method is useful for the detection of various glucosylated proteins. In the present study, we evaluated the possible use of furosine as a new indicator of blood glucose control of diabetic patients.
  • 1985 年 28 巻 10 号 p. 1175-1195
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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