糖尿病
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23 巻 , 9 号
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  • 星 充, 竈門 敬二, 石津 弘視, 藤田 峻作, 今村 正敏, 小泉 岳夫
    1980 年 23 巻 9 号 p. 831-839
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肝生検により組織診断を下しえた各種肝疾患患者について15項目の臨床所見 (年齢, 空腹時血糖, IRI, IRI/G, T. Bil, SGOT, SGPT A1.P., LAP, γ-GTP, ICG, ALb., γ-Glob, Chol. TG) を用いて主成分分析を行い, 肝障害, 耐糖能, 脂質代謝障害を表現すると解釈できる3主成分を得た.
    個々の症例についてこれら3主成分のscoreを算出し, 二次元座標上での各症例の分布を検討すると慢性活動性肝炎例は肝障害が著明であるにもかかわらず耐糖能障害を示すことは少なく, 経口糖負荷時の血糖, IRIおよびIRI/Gと空腹時の血中遊離脂肪酸を検討することにより, この病態については高血糖, 高インスリン血症の共存を高血清遊離脂肪酸にもとづく末梢インスリン抵抗に対するインスリンの代償性過剰分泌反応と考察した.
    肝硬変症については肝障害, 耐糖能障害がともに著明であり, 慢性非活動性肝炎, 脂肪肝においてはともに肝障害の程度は肝硬変, 慢性活動性肝炎に比し軽度であるが耐糖能障害の程度とよく相関するという成績であった.
    脂肪肝における脂質代謝障害の程度と耐糖能障害の程度間には有意の相関は認められず, 脂肪肝の成因分析については血清脂質に加えて肥満, 飲酒量, 摂取総カロリーについての検討が必要と考えられた.
  • 大原 清仁, 堀田 饒, 服部 忠和, 篠田 広, 国枝 武英, 野村 隆英, 玉川 達雄, 角田 博信, 坂本 信夫
    1980 年 23 巻 9 号 p. 841-850
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年グルカゴンは, 単に代謝調節に果たす役割のみならず治療あるいは診断的見地から臨床上多用され重要視されているが, 未だ明らかにされていない面が少なくない.そこで我々は, グルカゴンの作用を検討するとともに, その作用の疾患特異性を明らかにする目的で, 健常者, インスリン依存性糖尿病患者および肝硬変症患者を対象にグルカゴンを経静脈的に60分間にわたり負荷し, ホルモン, cyclic AMP (以下cAMP) および諸メタボライト動態を観察した.方法としては, 健常群を対象とした低濃度グルカゴン (5ng/kg/min) 負荷に加えて, in vivoで十分な効果が期待できる高濃度グルカゴン (50ng/kg/min) 負荷を全群を対象に行い検討を加えた.
    主要所見として (1) 乳酸が健常群でのみ増加する. (2) cAMPは各群で増加したが, 糖尿病群では頂値が他2群に比し遅延した. (3) ケトン体の増加は, 糖尿病群でのみ観察されたことがあげられる.
    乳酸動態には, 肝グリコーゲン量の多寡とインスリン分泌動態, さらには標的器官のホルモンに対する感受性が強く反映されているものと考えられる。ケトン体産生亢進の一因子としてインスリン/グルカゴン比の意義が大きいことはいうまでもないが, 主としてcAMPを介したグルカゴンとインスリンとの作用が微妙な血糖調節に極めて大きな役割を果たすと考えられる.
  • 河盛 隆造, 東堂 龍平, 山崎 義光, 清水 靖久, 七里 元亮, 阿部 裕, 宮田 正彦, 浜路 政靖, 坂本 嗣郎, 坂口 寛正, 中 ...
    1980 年 23 巻 9 号 p. 851-859
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    著者らがすでに開発したブドウ糖注入機構を備えた人工膵島は, 人工臓器の治療機器としての安全性の確保のみならず各種低血糖症への治療適応の拡大を可能とした.今回, 低血糖性昏睡を主訴とする患者の術前検査および術中血糖管理に本システムを応用した.
    症例は選択的膵動脈撮影やpercutaneous tramhepatic portography下での, 選択的膵静脈catheterizadonによる血漿インスリン値測定などにおいても術前腫瘍部位診断が不可能であった.
    ブドウ糖注入プログラムの応用により, 以下の成績をえた.
    1) 本プログラムによる血糖制御下で, トルブタマイド負荷試験を行った.この際, 高インスリン分泌反応を証明しえたが, ブドウ糖注入機構が作動して遷延性低血糖をみることなく安全に検査を完了しえた.
    2) 腫瘍切除術中の血糖管理を十分行いえた.
    3) 肉眼でみいだしえなかった腫瘍の部位決定のため膵頭部, 膵尾部をそれぞれマッサージし, この際のブドウ糖注入率の変化と, これに伴う血糖制御状況を指標とすることにより腫瘍部位を推定しえた.さらに切除組織より3mm径の微小腫瘍を発見した.
    インスリノーマの術前部位決定は, 種々の検査方法を駆使しても困難なことが多い.人工膵島によるブドウ糖注入は術中の血糖管理のみならず, 微小腫瘍, 多発性腺腫の部位検索, 残存腫瘍の有無などの検討に有用であると考えられた.
  • 三家 登喜夫, 南條 輝志男, 近藤 渓, 猪尾 和弘, 宮村 敬
    1980 年 23 巻 9 号 p. 861-869
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリンおよびグルカゴンによる治療歴のない2名の患者血中にグルカゴン結合抗体を検出した. 症例1は, 64歳の男性で糖尿病, 症例2は61歳の男性でクッシング症候群の疑いの患者である.両例ともインスリンおよびグルカゴンを投与された前歴はない.症例2の耐糖能は正常であった.臨床検査上, 両例に共通した所見は, treponema pallidum hemagglutination test (TPHA) が陽性であることであった.
    Polyethylene glycol法およびゲル炉過法にて, 患者血漿蛋白は, 125I-glucagonと異常に高く結合することが認められた.この結合は, 豚グルカゴンによってのみ特異的に阻害されるとともに, 酸性条件下では結合の解離が認められた.硫安塩析法, アガローズ電気泳動および, 抗ヒト免疫グロブリン抗血清を用いる沈降法にて, 患者血漿蛋白中のグルカゴン結合物質が, IgGでありそのL-chainはK型優位であることが判明した.
    これらの2症例以外の, インスリン治療歴のない者で, その血中に異常に高いグルカゴン結合能を有する7名では, すべてTPHAが陽性であった.
    以上より, インスリン治療歴のない患者の血中に存在するグルカゴン結合抗体と, 抗treponema pallidum抗体または, 梅毒感染との間に何らかの関連が示唆された.
  • 池田 匡, 西谷 昭夫, 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 富長 将人, 武田 倬, 安東 良博, 真柴 裕人
    1980 年 23 巻 9 号 p. 871-877
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    エタノールの膵内分泌機能すおよぼす直接的作用をみる目的で, ラット摘出膵灌流実験を用い, 21.7mMエタノールおよび65mMエタノールのインスリンならびにグルカゴン分泌すおよぼす影響を検討した.
    両濃度のエタノール添加により, 16.7mMブドウ糖および6.4mMアルギニン刺激に対するイゾスリン分泌は1相, 2相ともす抑制をうけたが, ブドウ糖に対するインスリン分泌は, 21.7mMエタノールに比し65mMエタノールにより, より強く抑制された.アルギニン刺激に対するグルカゴン分泌は21.7mMおよび65mMエタノールによりほぼ同程度に抑制された.
    以上の結果より, エタノールはラット膵すおいて, 直接的作用によりインスリンならびにグルカゴン分泌を抑制すること, また高濃度ブドウ糖に対するインスリン分泌を容量依存的に抑制することが示唆された.
  • 三輪 梅夫, 坂戸 俊一, 吉光 康平, 佐藤 隆, 森 清男, 長谷田 祐一, 吉野 公明, 山本 英樹, 小野江 為久, 大家 他喜雄, ...
    1980 年 23 巻 9 号 p. 879-888
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症に糖尿病性ケトアシドーシスが合併し意識障害をきたしたとする報告は本邦では乏しい.著者らは, それぞれ7年, 14年の長期間すわたる甲状腺機能亢進症が適切な管理を受けることなく放置されていた状態で, 突然糖尿病性ケトアシドーシスによる意識障害を合併し, 回復後インスリン依存性糖尿病となった若年の2女性例を報告する.症例1: 25歳, 女.18歳甲状腺機能亢進症, 放置.口渇, 全身倦怠, 眠気を主訴.傾眠gradeII甲状腺腫.皮膚粘膜乾燥尿中糖, ケトン体とも強陽性.血糖636mg/dl.動脈血pH7.236, PCO220.9mmHg, BE-17mEq/l, HCO3-8.5mEq/l, Ht48%.T3RU51.5%.T417.4μ9/dl, T3270ng/dl, TSH測定感度以下.サイロイド, マイクロゾーム試験いずれも陽性.
    症例2: 37歳, 女.23歳甲状腺機能亢進症, 放置.嘔吐, 動悸, 傾眠を主訴.傾眠.頻拍154/分.甲状腺触れず.皮膚粘膜乾燥.尿中糖, ケトン体とも強陽性。血糖400mg/dl以上.動脈血pH7.176, PCO217.5mmHg, BE-19.9mEq/l, HCO3-6.4mEq/l, Ht53%.T3RU5L8%, T416.8μg/dl, T3280ng/dl, TSH測定感度以下.マイクロゾーム試験陽性.2症例とも補液, イソスリン治療によりケトアシドーシスの改善をみたが, インスリン抵抗性を示し, 抗甲状腺剤の投与とともすインスリン需要の明らかな減少を認めた.2症例はHoussayのいうmetathyroid diabetesに該当すると考えられるが, 糖尿病の発症要因には, 遺伝, 自己免疫因子についても考慮する必要があろう.
  • 坂本 安弘, 福満 昭二, 三村 悟郎
    1980 年 23 巻 9 号 p. 889-896
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン自己免疫症候群は1978年までに22例報告されている。このうち薬物によって誘発されたと考えられている症例が5例ある。3例は1-methyl-2 mercaptoimidazoleであり, 1例はdiphenylhydantoinであり, 1例はα-mercaptopropionyl glycineであり, 今回我々が経験した症例はその2例目である。症例は71歳の男で, 昭和54年1月に低血糖による意識障害を主訴として当院に入院した.患者は長い間慢性肝炎の診断のもとに近医で治療を受けてきたが, 約3週間にわたってα-mercaptopropionyl glycineの投与を受けるまでは全く元気であった.さらに調べてみると約半年前に1ヵ月にわたってこの薬の投与を受けていることが判明した.患者血清中には大量のインスリン結合抗体が存在し, その性状はIgGでlight chain typeはK型であった.昭和54年1月, 2月, 5月, 9月に50gブドウ糖負荷を行い経時的に血糖, 総インスリン, 遊離インスリン, 125Iインスリン結合率, Cペプタイドが測定された.これらの検査結果や血糖の日内変動の推移は本症候群に特徴的であると考えられた。グルカゴンが高反応を示したがグルカゴン抗体は陰性であった.HLAはLocus AがA9, Locus BがB15とB40であった.患者は衛生兵としての経験をもち, さらに糖尿病の母親に対して2年間にわたりインスリン注射を行った経験もあり, インスリンの自己注射が可能な立場にあったが本人はそれを強く否定した.
  • 棚橋 忍, 梶沼 宏
    1980 年 23 巻 9 号 p. 897-900
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Fasting plasma adenosine 3', 5'-monophosphate (cAMP) levels in diabetics without ketoacidosis were measured, and the relationships between the fasting plasma cAMP levels and fasting blood glucose (FBS), plasma immunoreactive glucagon (IRG), mode of therapy, onset and duration of diabetes mellitus were investigated.
    There was no correlation between plasma cAMP levels and FBS, plasma IRG, onset and duration of diabetes mellitus. No significant difference in fasting plasma cAMP levels was found among diet-, drug-, insulin-treated diabetics and control subjects.
    The fasting plasma cAMP levels in insulin-treated diabetics whose onset was before 39 years old, were significantly lower than those in control subjects. This finding is in agreement with the studies of other investigators.
  • 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 池田 匡, 安東 良博, 真柴 裕人
    1980 年 23 巻 9 号 p. 901-903
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The reliability of a “HemascopeTM System” was tested using venous blood samples obtained from diabetics. The following results were obtained.
    1) The blood sugar levels determined with this system were significantly correlated to those obtained with an Autoanalyzer (r=0.93, p<0.001).
    2) The influence of time of exposure to the blood sample on the blood sugar values was also studied. In order to obtain exact blood sugar values, it was necessary for the exposure time to be just for 60 sec.
    3) The blood glucose levels determined with this system gradually declined after washing out a strip. However, the decline in blood sugar values was not significant when they were measured within 20 sec after washing out the strip.
    It is concluded that the “HemascopeTM System” represents a simple and reliable method for the measurement of blood glucose levels if the procedure is performed accurately.
  • 1980 年 23 巻 9 号 p. 905-911
    発行日: 1980/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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