糖尿病
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61 巻 , 9 号
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症例報告
  • 渡辺 恭子, 前田 英紀, 庄島 蘇音, 武田 昌也, 中塔 辰明, 伏見 卓郎, 児島 亨, 仁熊 健文, 赤在 義浩, 三村 哲重
    2018 年 61 巻 9 号 p. 593-599
    発行日: 2018/09/30
    公開日: 2018/09/30
    ジャーナル 認証あり

    周術期血糖コントロールは術後の感染予防や合併症予防のために重要であるが,高血糖や厳格な血糖管理による低血糖にて治療に難渋することが多い.今回,緩徐進行1型糖尿病患者(SPIDDM)の大腸がん術後の3回目の肝転移の手術に,人工膵臓(AP:STG-55:日機装)を用い良好なコントロールを得た.インスリン使用量(手術開始から24時間)は従来のスライディングスケール法で1回目38単位,2回目18単位に比較し,3回目の手術の人工膵臓法では123単位と多量のインスリンを要したが血糖は一定に保たれ,術後在院日数は11日と最短であった.人工膵臓を使用した厳格な血糖管理は,低血糖や高血糖を起こさず,血糖変動の少ない安定した血糖コントロールを達成することができたことより,1型糖尿病患者の肝切除周術期コントロールにおいて人工膵臓は有用であった.

  • 大城 彩香, 野原 栄, 長尾 敏彦, 中村 宇大, 北園 孝成
    2018 年 61 巻 9 号 p. 600-605
    発行日: 2018/09/30
    公開日: 2018/09/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は72歳女性.病歴24年の2型糖尿病で,グリメピリド1 mg,ビルダグリプチン50 mg内服でHbA1c 11.9 %とコントロール不良であった.病歴10年の尋常性乾癬も,光線療法や外用薬を行うも増悪傾向にあった.入院し,経口糖尿病薬は全て中止しリラグルチド0.3 mgを開始,1週間ごとに0.3 mgずつ増量したところ,治療開始9日目で乾癬の自覚症状の改善,99日目でPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコアが治療開始前の11.3から0.4へと改善した.尋常性乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で,近年TNF-αなど特定のサイトカインを標的とした生物学的製剤が著効する事が知られている.GLP-1はT細胞などの免疫細胞に作用し種々のサイトカインの調節に関与すると報告されており,本症例の皮膚症状改善もGLP-1受容体作動薬の免疫学的機序が関与していた可能性が考えられる.

  • 中道 仁, 松岡 有子, 角谷 佳城, 山田 正一, 三家 登喜夫
    2018 年 61 巻 9 号 p. 606-611
    発行日: 2018/09/30
    公開日: 2018/09/30
    ジャーナル 認証あり

    患者は82才の男性,2012年1月意識障害で搬送され当院に入院,慢性硬膜下血腫と診断され手術を受けた.その後数回意識消失があったが同血腫の再発として処置されていた.同年8月に自宅で意識消失し当院に入院.CT,MRIによりインスリノーマを疑う所見を認めたが,精査を拒否し退院.その後数回低血糖発作をおこしたがブドウ糖の投与により改善していた.翌年4月遷延する低血糖による意識消失のため当科入院,抗インスリン抗体,抗インスリン受容体抗体は陰性,インスリン拮抗ホルモンはすべて基準範囲内.ジアゾキシド(75 mg又は150 mg/日)投与1日後より低血糖は消失.持続血糖モニタリングを用いて同薬投与前の夜間低血糖および投与後の低血糖の消失を確認した.5年後においても同薬は継続して服用されており,服用している限りでは低血糖症状や副作用は認めていない.

  • 岩崎 真也, 黒木 康雄
    2018 年 61 巻 9 号 p. 612-618
    発行日: 2018/09/30
    公開日: 2018/09/30
    ジャーナル 認証あり

    ステロイド投与により血糖コントロールが悪化した糖尿病合併リウマチ性多発筋痛症の3症例で,GLP1受容体作動薬の有用性を検討した.症例1は81歳女性:プレドニゾロン投与後の顕著な食後血糖の上昇でアカルボース投与したが,効果不十分なためシタグリプチンをリキセナチドに変更し良好な血糖コントロールを得た.症例2は84歳女性:リナグリプチンをリキシセナチドに変更したが夕食後血糖値上昇を抑制できず,作用時間の長いリラグルチドに変更し良好な血糖コントロールとなった.症例3は67歳女性:リキシセナチド昼食前投与で昼食後血糖値は抑制したが,夕食前後および朝食後血糖値が上昇したため,リラグルチド朝食前投与に変更し血糖コントロール良好となった.75 g経口糖負荷試験では,リラグルチド投与でインスリン初期分泌の改善が見られたが,リキシセナチドでは60分まで血糖値もインスリン分泌も上昇がみられなかった.

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