今回我々は,尿中ミオイノシトール(以下尿中MIと略す)を測定すると同時に,75gブドウ糖負荷試験(以下OGTTと略す)を行い,初期の耐糖能障害検出の有用性について比較・検討した.OGTTの採血・採尿と同時に負荷前(0分)と負荷後120分までの尿中MIを測定,クレアチニンで補正し,120分値から0分値を引いた値であるミオイノシトール排泄指数(以下
ΔUMIと略す)を結果とした.OGTTにて正常型に分類された中で,負荷後高血糖を認めない確実な正常型をNGT-I, 負荷後いずれかの地点(30分・60分)での血糖値が140mg/d
l以上180mg/d
l未満となる群をNGT-II,負荷後60分での血糖値が180 mg/d
l以上の群を準境界型とした.
ΔUMIは,NGT-Iと比較しNGT-II・準境界型で高値を示した.このことから
ΔUMIはOGTTに比べ,ごく初期の耐糖能障害を鋭敏に反映することが示唆された.
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