糖尿病
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23 巻 , 4 号
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  • 森田 宣人
    1980 年 23 巻 4 号 p. 267-275
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肝障害時にみられる高グルカゴン血症の成因を明らかにする目的で以下の実験を行った.14頭の成熟イヌを対象とし, 実験前16~18時間に, 50%四塩化炭素オリーブ油溶液を腹腔内に注入し肝障害を作製し, 膵十二指腸静脈 (膵静脈), 大腿動脈 (動脈) から随時採血できるようにした.未処理イヌ14頭を正常対照とした.各々7頭ずつに30gのアルギニゾを, 他の7頭ずつに1g/kgのブドウ糖を経静脈的に負荷し, 動脈血, 膵静脈血のグルカゴン (IRG), インスリン (IRI), 血糖値 (BS) を測定した.グルカゴンは抗体30Kを用いRIA法で, インスリンは2抗体法で測定した.アルギニン負荷では, IRGは動脈血, 膵静脈血とも肝障害群が対照群に比し有意に高値を示し, 膵静脈血IRGと動脈血IRGの差と膵静脈血漿流量の積で示される膵IRG分泌量も負荷前後を通じ肝障害群が高値を示した.
    IRIは両群で差を認めなかった.BSは負荷前後を通じ, 肝障害群が低値を示した.ブドウ糖負荷では, IRGは肝障害群が対照群に比し高値を示したが, ブドウ糖による抑制度をみると, 負荷後30分までは肝障害群も対照群と同様にIRGの抑制を認めた.以上より, 肝障害時にはIRGの過剰分泌を認め, これはブドウ糖による抑制を受けると考えられ, グルカゴン過剰分泌は血糖維持のための代償性機序による可能性が示唆される.
  • 竹下 建夫
    1980 年 23 巻 4 号 p. 277-286
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ソマトスタチンに特異的, かつ高感度のmdioimmunoassay (RIA) 系を確立し, 尿中のsomatostatinEke immunoreactivity (SLI) 測定の基礎的検討を行い, さらに正常者尿中SLIの日内変動を測定した.
    S307抗ソマトスタチン血清は最終希釈45,000倍で使用し, ソマトスタチンに特異的であった.S307を用いたRIA系は感度2Pg/ml, 測定内変動8%, 測定間変動19%, 回収率96.7%, 希釈試験も良好な結果を得た.尿中SHは比較的安定で測定に適し, 尿中には本測定系の阻害物が存在しないと思われた.Sephadex G 25を用いたゲル濾過の検討により, 尿中SHは合成ソマトスタチンと同一分子量と見られ, さらに合成ソマトスタチソ注入実験の結果, 血中ソマトスタチン濃度をある程度反映しているという成績を得, 尿中SLIの測定はソマトスタチンの病態生理学的意義の解明に有用な方法の1つであることを確認した.
    正常者の尿中SLIの基礎値 (0~8時) は167±45Pg/hr (mean±S.E.M.) であり, 昼食後および夕食後に有意の上昇 (p<0.01) を認め, 食事が直接的, あるいは消化管ホルモン等を介して間接的刺激となり, 主に胃, 腸, 膵からソマトスタチンが血中へ放出され尿中SLIの上昇を来すことが示唆された.
  • 井出 幸子, 横山 淳一, 南 信明, 本吉 光隆, 池田 義雄, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1980 年 23 巻 4 号 p. 287-294
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    成人発症糖尿病 (25歳以上65歳未満) でケトーシスを伴って急激に発症したインスリン治療症例10例 (男7名, 女3名) を分析し, 臨床経過から寛解に至ったと判断された5症例 (男3名, 女2名) とインスリン治療の継続を必要とした5症例 (男4名, 女1名) について臨床像と治療前後に施行した50g経ロブドウ糖負荷試験の血中IRI, CPR反応よりみた膵β細胞機能について検討した.
    寛解例の臨床像は34土4歳 (Mean±SEM), 来院時の血糖値321±57mg/dlで全例にケトーシスがみられ, インスリン最大必要量は28.8±6.4U/dayであった.発症前の体重をみると4例は肥満度+20%以上, 残り1例も+16%と肥満傾向にあった.しかし発症時の体重は+8.8±2%と減少がみられた.一方, インスリン例は年令, 血糖値, イゾスリン使用量には寛解例との間に差はなかったが, 体重の推移は両者間に明らかな差がみられた.すなわち発症前の肥満度は+10.2±3%そして発症時には-6±2.5%といずれも肥満傾向はなかった.
    治療前, 寛解例, インスリン例とも50g OGTT時のIRI反応は平坦であった.インスリン例ではコントロールしえた時点でもCPR反応は依然, 低かった.寛解例の寛解に至った時点のCPR反応よりみた膵β細胞機能には回復が示され, インスリン例との間に有意の差がみられた.なお, 寛解例中2例は経過観察中, 再び糖尿病状態が悪化し, インスリン治療を再開し同時にCPR反応も低く平坦に推移した.
  • 河原 玲子, 雨宮 禎子, 笠原 督, 平田 幸正
    1980 年 23 巻 4 号 p. 295-302
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    カ月以上継続して治療を行っている糖尿病患者161名の早朝空腹時血糖と同時にHbAIcを測定し, 細小血管症および各種パラメーターとの関連について検討した.1) HbAIcは同時に測定したFBSおよび過去3カ月間の平均FBSと正相関を示した (r=0.55, p<0.001).2) 同時に測定したFBSが119mg/dJ以下の群においてもそのHbAlcは6.69土1.88%で健常対照群の5.33土0.63%に比し有意に高値であった (p<0.02).3) 治療法別にみると食事療法, SU剤, インスリン治療群の順にHbAIcは高値となった.4) 持続性蛋白尿の有無とHbAlcについては, FBS140mg/dl未満の群でみると平均FBSは同程度にコントロールされていても持続性蛋白尿陽性者のHbAIcは陰性者のそれより有意に高値であった (7.94±2.04%, 6.91±1.97%それぞれp<0.05).5) 網膜症とHbAIcについては次の条件下においてみた場合に両者間に関係がみい出された.すなわちHbAIcと同時に測定したFBSが130mg/dl以下でさらに過去3ヵ月間のFBSが200mg/dlをこえたことは一度もない食事療法かSU剤治療患者27名において, 網膜症Scott IIIb以上のもののHbAicは7.11±0.8%でScott0の6.24±0.6%およびScottIa~IIIaの6.15±1.1%に比べ高値を示し, とくにScott0との間には推計学的に有意差をみとめた (p<0.02).
    以上FBSからみてコントロールされているように思われる場合でも細小血管症のすすんでいるものにHbAIcがより高値であったという事実は, コントロールの示標としてHbAIcが重要であることを示すものである.
  • 斎藤 謙, 高橋 徹, 柳沼 信久, 岩間 憲行
    1980 年 23 巻 4 号 p. 303-311
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病の発症機序の理解を深めるために, 糖尿病の膵ラ島の定量化を試み, 併せて主要な臨床成績との比較検討を行った.
    ラ島を膵組織中に分散する大小の球としてステレオロジーの理論をあてはめ, 剖検膵の組織計測 (linesampling) によりラ島の総数, 総容積, 平均半径などの諸量を定めた.材料としては, 新鮮な剖検例から選択した成人発症糖尿病 (MOD) 26例, 若年発症糖尿病 (JOD) 5例, 対照28例を使用した.さらに, 膵の血管病変とラ島の量的変化との関係をみるために, 非糖尿病・高血圧症9例にも検索を加え, 次の結果を得た.
    1) ラ島の総容積Viは対照群, MOD群, JoD群で0.97, 0.60, 0.26cm3であり, 糖尿病の2群で著しく減少している.高血圧群ではViは0.84cm3であり, 明らかな減少はみられない.2) 全症例を通じて, ラ島の総容積Viと50g経口糖負荷試験血糖最高値の間には負の相関がみられ, ラ島総容積の小さな個体ほど耐糖能が低いという関係が示された.3) 糖尿病群では, 空腹時血糖値とViの間にも類似の負の相関がみられる.これらの結果より, ラ島の総容積Viは個体の耐糖能を表す適切な形態指標と考えられる.4) ラ島の総数Ni, 平均半径r, ラ島1個の平均容積Viには各群間に有意差がみられない.他方, 全症例を通じて, ラ島総数Niと平均半径rの間には明瞭な負の相関が存在し, 総数の多い個体ほど小型のラ島が主体をなしている.しかし, Niおよびrにより糖尿病の膵ラ島を特徴づけることは困難であった.
  • 斎藤 謙, 柳沼 信久, 岩間 憲行, 高橋 徹
    1980 年 23 巻 4 号 p. 313-321
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    私どもは前報で, 糖尿病の耐糖能異常が膵臓中のラ島総容積Viにより適切に表現されることを示した.
    今回は糖尿病膵におけるA, B, D細胞の容積の変化を組織計測的に解析し, 臨床成績と関連づけながら検討した.新鮮な剖検例より成人発症糖尿病 (以下MODと略記) 26例, 若年発症糖尿病 (JOD) 5例, 対照18例を選び, 計測を行った.島細胞の鑑別はGomoriのaldehyde fuchsin trichrome染色によっている.各種島細胞の容積比は島断面上でのpoint counting法により測定した.
    成績: 1) A, B, D細胞相互の容積比は糖尿病, 対照群の間にほとんど差が見られない.特に, B細胞の容積比は各群を通じて約65%と一定している.2) 膵臓全体に含まれるB細胞の総容積VBは対照群の0.64cm3に対し, MOD, JOD群では0.39, 0.16cm3に過ぎない.A細胞の総容積も糖尿病の2群で減少している.3) 経口糖負荷試験の血糖最高値は, B細胞の総容積VBの減少とともに著しく上昇する.また, VBが0.4-0.6cm3の領域では糖尿病, 非糖尿病の症例が重なり合うのが見られる.この領域の非糖尿病例は相対的に耐糖能が低く, 糖尿病前症に相当するものと考えられる.4) 糖尿病群では空腹時血糖値の高い重症例ほど, VBが小さい.5) 糖尿病の発症年令が若いほどVBが小さく, B細胞の保持が不良である.
    これらの結果は, 糖尿病の成立にB細胞量の減少, したがってインスリン産生不足が重要な意味をもつことを示している.
  • 天工 厚子, 垣田 敬治, 松木 道裕, 松村 茂一, 西田 聖幸, 堀野 正治, 矢内原 昇
    1980 年 23 巻 4 号 p. 323-326
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The contaminating Proinsulin-Like Immunoreactivity (PLI) of several insulin preparations recently on the market was determined directly and after gel filtration by porcine and bovine proinsulin-specific radioimmunoassay.
    Although gel filtration of 800 μg of Novo lente gelchromatographed insulin revealed neither porcine nor bovine Proinsulin-Like Components (PLC), apparent porcine and bovinePLC were detected after gel filtration of 800 μg of single peak insulin (lente insulin “Lilly” U-40, lente insulir “Lilly” U-100, regular insulin Iletin U-100) and 100 μg of Novo regular insulin by the specificradioimmunoassay.
    The gelchromatographed insulin preparation contained less than 0.00045% of porcine and bovint PLI, but the regular insulin preparation from the same company contained 0.93 % of porcine and bovine PLI by weight as estimated directly with the specific-radioimmunoassay methods foi porcine and bovine PLI.
    Single peak insulin preparations contained about 0.2 to 0.6% of porcine or bovine PLI by weight as estimated directly.
  • 1980 年 23 巻 4 号 p. 327-342
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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