糖尿病
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43 巻 , 11 号
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  • 小野 利夫, 志賀 伯弘, 種田 嘉信, 梅村 周香
    2000 年 43 巻 11 号 p. 925-933
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    正常血糖クランプ試験のブドウ糖注入率 (GIR) が低い症例ではインスリン感受性指数 SDの著しく低下した例とそうでない例が混在するのでSlとGIRの関係を検討した. 2型糖尿病45例に2段階のインスリン注入率で正常血糖クランプ試験を行いSlとGIRを測定し, 非肥満と肥満に分けてSIとGIRの相関を調べた. また1/SIと空腹時インスリン値の相関もみた. SIとGIRの平均値は肥満と非肥満で差がなかったが, 末梢糖利用の用量反応曲線は肥満群で右方移動していた. SIとGIR/IRIは肥満群でよく相関した. 肥満群では血糖値170mg/dl未満で1/SIと空腹時インスリンが相関した [r=0.52 (p<0.05)], 肥満糖尿病では末梢糖利用の用量反応曲線が右方移動しているので, クランプ時の末梢血インスリン濃度も考慮してSIを評価しなければならない. 空腹時血糖値170mg/dl未満の肥満糖尿病では, 空腹時インスリンでSlを予測することも可能である.
  • 春日 明, 丸山 太郎, 森本 二郎, 島田 朗, 猿田 享男
    2000 年 43 巻 11 号 p. 935-940
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    GAD65抗体 (GADA) は糖尿病患者でのインスリン治療予知に有用だが, 一部の陽性患者ではインスリン治療を必要としない. 今回, 非インスリン治療のGADA陽性患者を経過観察し, インスリン治療予知のための戦略を検討した. 54名のGADA陽性患者を登録し, 自己抗体, Cpepitde, BMI, HLADRを測定した. 平均4年経過観察の後, 21名がインスリン治療となった. インスリン治療群はBMI, Cペプチドが低く, 他の自己抗体はこの群にのみ認めた (インスリン自己抗体6名, IA-2抗体2名). また, GADAは高値で, DR4を多く認めた, RO Cplotを用いた検討では, 約適0単位でGADAの診断能は極大となり正診率は8896であったが, C-peptideやBMIの極大の正診率は6割程度であった. 多変量解析ではGADA10単位以上に加え, DR4陽性が有用である亘能性が示唆された, 以上より, 日本人糖尿病患者のインスリン治療予知のためのGADAのcutoffは10単位 (Cosmic) とすることが妥当と考えられた.
  • 星山 真理, 岩田 実, 山田 朋子, 岡田 正彦
    2000 年 43 巻 11 号 p. 941-948
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    更年期の2型糖尿病女性では冠動脈硬化症が増加するが, 高血糖や高脂血症で修飾された低比重リポ蛋白 (以下変性LDLと略す) の解明は十分なされていない. 著者らは, 抗糖化LDL抗体, 抗酸化LDL抗体, 頚動脈内膜中膜複合体肥厚度 (以下IMTと略す) および他の危険因子と頚動脈硬化, 糖尿病網膜症, 腎症との関連について検討した. 対象は20名の健常者コントロール群と43名の2型糖尿病更年期女性患者群である. コントロール群に比し, 患者群ではIMT, 抗糖化LDL抗体が有意に高く, 高血糖, 高脂血症, 高血圧, 罹病期間とともに, 頚動脈硬化および細小血管症の促進因子であることが推測された. 糖尿病網膜症を合併した患者で, IMTは年齢や血糖コントロールと相関を認めた. 糖化LDLと酸化LDLの関連は明確にできず, 患者群および顕性腎症前期の患者群では抗酸化LDL抗体は低下していた. 今後, 変性LDLに対する長期の観察が必要である.
  • 石井 英博, 早木 郁人, 許斐 朝子, 松本 雅裕
    2000 年 43 巻 11 号 p. 949-956
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者にトログリタゾン (TR: 127例) とメトホルミン (MF: 120例) を24週間投与し, 臨床効果とその予測因子を比較検討した. 空腹時血糖 (FPG) とHbA1cはTRあるいはMFの投与により同等に低下した, 12週後のFPG変化率と背景因子との関連を検討すると, 単回帰分析では, TR群で homeostasis model assessment インスリン抵抗性指数 (HOMA-R), 空腹時血中インスリン (IRI), 年齢, body massindex, FPGの順に, MF群でFPG, HbA1c, HOMAR, 罹病期間, 年齢の順に有意の相関を認め, 変数選択重回帰分析では, TR群でHOMA-Rが, MF群で投与前FPGが最も強い寄与因子であった. また, TR群におけるFPG変化率は投与前のIRI依存性に高くなったのに対し, 投与前FPGが160mg/dl以上では一定であった, 以上より, TRとMFはインスリン抵抗性を有する2型糖尿病患者に対し同等の血糖改善効果を有するものの, MFはFPG高値例で, TRはHOMA-R高値例, 特にIRI高値例で, 高い有効性を期待できると考えられた.
  • 姫野 治子, 牧 之博, 姫野 利隆, 吉成 元孝, 藤島 正敏
    2000 年 43 巻 11 号 p. 957-961
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は20歳の女性. 1997年4月より12kgの体重減少, 口渇, 多飲, 多尿, 痺痒性皮疹が出現し, 6月皮膚科を受診した. 特徴的皮疹と高ケトン血症 (3ヒドロキシ酪酸以下30HBA, 3450μmol/l) より色素性痒疹と診断した. ミノサイクリン50mg投与で皮疹は軽快したが, 倦怠感が増強, 随時血糖450mg/dlを認めたため, 当科へ入院した, HbA1c 15, 596, pH7. 19, HCO3-7.6mmol/l, 抗GAD抗体117U/ml, 空腹時血中CPR0.8ng/ml であり, ケトアシドーシスを伴う1型糖尿病と診断し, 治療を開始した. 皮疹は順調に改善し, その後の再発はない. 糖尿病性ケトアシドーシスによる高ケトン血症を誘因に出現した色素性痒疹と考えられ, ミノサイクリンが有効であった.
  • 亀谷 富夫, 藤田 一, 越田 英夫
    2000 年 43 巻 11 号 p. 963-967
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は, 63歳の男性. 45歳より糖尿病あり. 50歳には尿CPRは2L7μg/日と低下. 55才よりインスリン治療を開始, 1998年6月18日全身倦怠感あり, 入院となる, 血清Kは, 2.2mEq/lと低下. 動脈血ガス分析では, 重炭酸は13.0mmol/lと低下しpH7316とaniongap正常の高クロ-ル性代謝性アシドージスを呈していた. 抗Tg抗体, 抗TPO抗体は陽性で慢性甲状線炎の状態と考えられた. 尿CPRは10, 0μg/日と著明に低下していたが, ICA抗体, GAD抗体は陰性であった. 尿中β2microgloburinは著明に増力口し, 尿アミノ酸分析では各種アミノ酸の排泄増加がみられた. 以上より遠位型RTAおよびFanconi症候群と考えられた. 経過よりslowlyprogressiveIDDMが疑われ糖尿病, 慢性甲状線炎, RTA, Fanconi症候群はすべて自己免疫の機序で発症した可能性もあり, 貴重な症例と考えられた.
  • 山守 育雄, 渡邊 陽子, 浅井 真人, 田中 扶実, 村本 あき子, 長谷川 晴彦
    2000 年 43 巻 11 号 p. 969-975
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は45歳女性, ケトアシドーシスで発症し入院. 随時血糖742mg/dl, HbA1c12.4%. 外陰部に壊死性筋膜炎, 左足部に蜂窩織炎あり. 深部腱反射消失, 単純網膜症と微量アルブミン尿をみとめた. 入院時尿中CPR3.3μg/日, 第22病日のグルカゴン負荷血清CPR頂値0.8ng/ml. 母系遺伝, 難聴はなく, 抗GAD抗体, ICA, 抗IA2抗体は陰性であった. HLAはA24, DR2 (DRB1*1502), DQB1*0601をみとめた. 外陰部壊死組織よりS.faecalis, S.epidermidis, K.pneumoniae, C.albicansC.glabrataを, 左足部の膿よりS.aureusを検出した. 化膿性足関節炎を続発したが, 会陰部に対するデブリドマン, 2期的創閉鎖と抗生剤の全身投与で両部位とも治癒した, 本例を含む本邦のFournier壊疽336例中女性は24例と稀である. 異なる起炎菌による異なる部位の感染を同時に発症したこと, 壊疽の治癒後も長期にわたりインスリン治療を要していることもあわせ, 極めて稀な症例と考えられた.
  • 山崎 弘子, 清藤 哲司, 田中 盛富, 荒尾 徳三, 川島 恵, 梶山 晃雄, 牧野 泰裕
    2000 年 43 巻 11 号 p. 977-981
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は43歳女性. 32歳頃より空腹時, 疲れたときなどに全身倦怠感・複視・口唇のシビレなどの症状があった. 33歳時意識消失発作をきたし, この時血糖58mg/dlで低血糖の可能性を指摘された, 低血糖の原因について近医で75gOGTT, 下垂体・副腎系機能検査, 下垂体MRI, 腹部エコー, 腹部CTさらには腹部血管造影も施行された. しかし明らかな異常は認めなかった. 40歳時, インスリノーマを疑い当院外科にて再度腹部血管造影及び経皮経肝門脈力テーテル検査 (PTPC) を行うも診断に至らず. 43歳時, 各種負荷試験の結果, やはりインスリノーマが疑われるため, 再々度腹部血管造影を行い, この時選択的動脈内力ルシウム負荷試験 (ASVS) を併用することにより診断できた. ASVSは侵襲も少なくインスリノーマの診断に有用な手技と考えられる.
  • 任 和子, 中井 義勝, 森本 昌親
    2000 年 43 巻 11 号 p. 983-987
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    S病院に通院中の2型糖尿病患者87名を対象に, 糖尿病に関連した日常生活のストレス原因と燃えつき状態について検討した, 患者が認知している糖尿病に関連した日常生活のストレス原因は, 14項目を設定した. 燃えつき状態は, 土居・宗像らの消耗感を中心とした尺度を用いた. その結果, 63.2%の患者が何らかの糖尿病に関連した日常生活のストレス原因を常に感じていた. その内容は, 「食事療法が負担」「日常生活が変わること」が多かった. また, 糖尿病に関連した日常生活のストレス原因の得点が高いほどHbA1cが高いことが一部明らかになった. さらに, 高い燃えつき状態の患者の方が, 14項目中6項目で糖尿病に関連した日常生活のストレス原因の得点が有意に高かった. このように多くの糖尿病患者に糖尿病に関連した日常生活のストレス原因が存在し, 一部の患者には燃えつき状態の存在することが明らかとなった. これらのことを効果的な患者教育実施上, 考慮すべきである.
  • 朝倉 俊成, 高橋 保志, 矢田 眞理子, 泉 典子, 橋本 和代, 格谷 美奈子, 厚田 幸一郎, 佐竹 正子, 中野 玲子
    2000 年 43 巻 11 号 p. 989-993
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    薬剤師が糖尿病における地域医療を進める上で, 病院薬剤師の糖尿病に関する業務の取り組みを調査するためにアンケートを行った, 対象は, 薬剤師が臨床にて服薬指導を行う薬剤管理指導業務を実施している全国の317施設で, 1999年6-7月に実施した. 結果は, 外来患者への服薬指導実施施設が65.0%であった. しかし, 実施施設で全患者を対象にしていたのは, 外来で12.1%, 入院で24.0%と少なかった. 糖尿病教室での薬剤師による講義実施施設は75.7%であった. また, 医療チームを編成している施設は73.8%と高い割合であり, 薬剤師は94.0%でチームに参画していた. 薬剤師の役割としては, 服薬指導の他にインスリン注射や血糖自己測定の指導にも携わる施設もあり, 療養指導に関する役割も増力口してきている. しかし, 糖尿病地域医療を考える上で, 病院薬剤師と開局薬剤師の連携をもとにしたシステム的な活動は非常に少なかった. 現在, 病院と診療所の連携や医薬分業が進められているなか, これらに注目して行く必要があると考える.
  • 2000 年 43 巻 11 号 p. 995-1009
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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