糖尿病
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27 巻, 7 号
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  • 垂井 清一郎
    1984 年 27 巻 7 号 p. 743-745
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 平山 章, 妻藤 清治, 上野 真佐美, 古田 康彦
    1984 年 27 巻 7 号 p. 747-758
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ラットを用い実験的糖尿病性網膜症及び腎症の作製を試みると同時に, 抗血小板剤EG626の本病. 態モデルに対する予防効果を検討した. その結果strcptozotocin (以下STZと略す) 単独投与後の網膜trypsin消化伸展標本による観察では3ヵ月または5ヵ月後の観察において網膜症は起こらなかったが3, 3ノーiminodipropionitrile (以下IDPNと略す) を投与するとpericytesの変性, 毛細管閉塞などの網膜細小血管障害が発症した. 一方腎ではSTZ単独投与で糸球体基底膜の肥厚, メサンギウム内PAS陽性物質の増加, fibrincapの発生及び糸球体毛細管瘤の形成等を伴ったヒト類似の腎症を認めた.
    この病態モデルにEG626を3ヵ月または5ヵ月間連続投与し以下の結果を得た. (1) STZ投与により上昇した血糖値は有意の低下を示した. (2) 体重はEG626の影響を受けなかった. (3) 白内障の発生率は有意に低下した. (4) STZ投与により増加した腎湿重量が有意に低値を示した. (5) 網膜trypsin消化伸展標本の所見ではIDPN投与で引き起こされたpericytesの変性が有意に減少した. (6) 腎の病理組織学的検索では, STZ投与によって惹起された糸球体毛細管瘤の発症が有意に抑制された. 以上のことから抗血小板剤EG626の糖尿病性網膜症及び腎症に対する有効性が示唆された。
  • リポ蛋白代謝および耐糖能におよぼす影響
    小沼 富男, 筒井 理裕, 工藤 幹彦, 遅野井 健, 落合 滋, 中村 光男, 牧野 勲, 武部 和夫
    1984 年 27 巻 7 号 p. 759-766
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病における糖および脂質, 特にリポ蛋白代謝異常に対するapple fibcr (AF) の効果を検討することを目的とした. りんごから精製したAF5g (1日1回) あるいは15g (1日1回) をMDDM11名 (男7, 女4) に6ヵ月間経口投与して, 毎月血清脂質, 高比重リポ蛋白-コレステロール (HDL-C), 空腹時血糖, 体重, 肝. 腎機能を測定し, さらに投与前と投与3および6ヵ月後に血漿リポ蛋白分析と75g糖負荷試験を施行した。
    血清CはAF投与前233±33 (mean±SD) mg/dlであったが, 投与1ヵ月後に213±30mg/dlと有意 (P<0.01) に低下し, その後6ヵ月まで低下傾向を持続した. 血清トリグリセリド (TG) は投与前後で変化なく, 血清燐脂質は投与後低下傾向を示した. リポ蛋白分析では, 低比重リポ蛋白 (LDL)-Cが投与前177±31mg/dlであったが, 投与3ヵ月後に163土17mg/dl (P<0.05), 6ヵ月後に161±32mg/dl (P<0.05) と低下した.HDL2-Cは投与前19.4±4.1mg/dlから投与後漸増し, 6カ月後に24.8土4.6mg/dl (P<0.05) と増加した. 抗動脈硬化指数としてのHDL2-C/LDL-Cは投与前0.11±0.03から投与6ヵ月後0.16±0.06 (P<O.01) と増加した.リポ蛋白-TGは投与前後で変動しなかった.
    75g糖負荷試験時の血糖およびインスリン曲線はAF投与によって, いずれも軽度ながら平担化した. 空腹時血糖は変動しなかった.
    体重, 肝・腎機能はAF投与前後で変動しなかった.
    以上の成績から, AFは糖尿病に対する食事療法の補助的手段として有用であるが, 特にリポ蛋白代謝の改善によって糖尿病性macroangiopathyの発症, 進展を抑制する可能性が示唆された.
  • 長期継続例における体重調節と血管合併症の推移
    山本 雅規, 関 淳一, 小嶋 善春, 魚井 孝悦, 藤井 暁, 和田 正久
    1984 年 27 巻 7 号 p. 767-774
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肥満を有するインスリン非依存型糖尿病患者 (肥満糖尿病患者) に対するSulfonylurea剤 (SU剤) の効果と限界の一端を明らかにするため, 初診時に未治療の肥満糖尿病患者で, 治療開始6ヵ月以内にSU剤を使用し, 10年以上継続した47例 (SU群) につき, 食事療法単独で治療した61例 (D群) と対比し, 血糖コントロール状態, 体重調節の良否, 血管合併症の推移を中心に検討した. 治療開始後5年以内に標準体重の110%未満に体重調節のできたものを体重調整例, 他を体重非調整例とした.
    その結果 (1) 治療開始3年後, D群では血糖の低下とともに全例で体重減少がみられたのに比し, SU群では血糖値は著明に改善されたが, 体重の増加する例がみられた. (2) 体重非調整例では一旦血糖値の改善が得られても, その後徐々に血糖の上昇するる傾向がみられた. (3) SU群ではD群に比し治療開始7年目ですでに網膜症の頻度が高く (38.3%vs.16.4%, p<0.02), その傾向は10年目でさらに顕著であった (66.0%vs.29.8%, p<0.001). (4) 両治療群とも, 全期間の平均空腹時血糖値が150mg/dl未満の血糖コントロール良好例でも体重調整例に比し, 非調整例で網膜症の合併が高率であった (56.0%vs.8.7%, P<0.001). (5) 10年後の高血圧の合併頻度は両治療群間で明らかな差はなかったが, 体重調整例に比し体重非調整例で高率であった (29.6%vs.51.4%, p<0.05). 以上, 肥満糖尿病患者に対するSU剤療法では, 血糖のコントロールと共に体重調整が血管合併症防止の上で重要であることを示唆した.
  • 浅本 仁, 赤沢 好温, 田代 眞一, 大石 まり子, 東 淑江, 小出 操子, 須藤 和彦, 横田 博子, 栩野 義博
    1984 年 27 巻 7 号 p. 775-781
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    NODマウスはInsulitisを伴い, 特に雌に高率に顕性糖尿を伴い早期に死亡する. 私共は, 生直後より約1年半までのNODマウスを病理組織学的に観察した. 対照としてICRマウスを用いた. NODマウスはICRより一般に体重が低く, 特に雌において顕著であった. 病理組織学的には, 膵臓以外にも唾液腺, 甲状腺, 副腎, 睾丸にもリンパ球が浸潤するが, このうち雌の唾液腺と雄の甲状腺はICRより有意であった. 脾臓重量はICRより雌雄共各期を通じて低く, また, T細胞及びB細胞領域のリンパ球密度も乏しかった.
    NODマゥスの胸腺重量は, 少なくとも生後24週まではICRより明らかに低く, 18週頃より雄が雌より高い値を示した. 組織学的には皮質の退縮, 髄質内の濾胞形成が早期に見られ, しばしぼ胚中心を伴う. OrthospectrumIIIを用いると, 胸腺細胞の平均サイズがICRのそれより小さく, 二相性を示した. リンパ腫等の悪性腫瘍が多数認められたがICRと有意差はなかった. 以上より, NODマウスにおける糖尿の発症は, 胸腺及び胸腺由来リンパ球が関与していると思われた.
  • 血中リポ蛋白脂質組成およびリポ蛋白リパーゼ活性について
    筒井 理裕, 小沼 富男, 遅野 井健, 落合 滋, 中村 光男, 今村 憲市, 大平 誠一, 武部 和夫
    1984 年 27 巻 7 号 p. 783-787
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    膵性糖尿病8名 (以下P群と略, 全例Insulin治療) における血中リボ蛋白脂質組成および血中PHLAについて, 一次性糖尿病23名 (以下D群と略) と比較検討した. またD群を治療内容によって3群に分類し (Diet 8名, OHA6名: Insuling名), それぞれP群と比較し, 治療法による影響についても検討した.
    P群では総Chが120.3±38.7mg/dl (Mean±SD) であり, D群 (159.7±48.2mg/dl) に比べ有意 (P<0.05) に低値であり, LDL分画のCh/TGも低値であった.さらに動脈硬化指数としてのLDL-Ch/HDL21ChもP群 (2.24土0.95) がD群 (3.82±1.56) に比べ有意 (P<0.02) に低値であった. これらの傾向はD群の食事療法群および経口剤群との比較において同様に認められたが, Insulin群との比較ではみられず, 治療としてのInsulinのリボ蛋白代謝への影響が示唆された. 一方, L1DL-ChはP群 (68: 2±31.7mg/dl) がD群 (103.6±35.0mg/dl) に比べ有意 (P<0.05) に低値であり, この傾向はD群の各治療群との比較においても同様に認められ, これはP群に特有な変化と思われた. またヘパリン静注20分後の血中PHLAはP群 (5.70±1.39mEq/L/hour) がD群の食事療法群 (4.13±0.77mEq/L/hour) に比べ有意 (P<0.05) に高値を示し, P群ではVLDLの代謝が円滑であることが示唆された.
    以上の成績は膵性糖尿病がリボ蛋白脂質の面で抗動脈硬化的な変化を示したことになり, 膵性糖尿病に動脈硬化性病変の合併が少ないとする疫学的成績を裏付け得るものであった.
  • 鈴来 和男, 門脇 孝, 藤本 マリ, 梶沼 宏
    1984 年 27 巻 7 号 p. 791-797
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病患者180例につき上腕二頭筋部, 上腕三頭筋部, 肩甲骨下角直下および上後腸骨棘直上部の皮厚を測定することにより体脂肪量とその分布状態を求め, 116例の非糖尿病者のそれと比較検討した.
    肥満度をマッチさせると体脂肪量は女性の方が男性より多かったが, 糖尿病患者と対照との間には差異はみられなかった.
    次に体脂肪の分布をみる目的で上腕部の皮厚の和 (二頭筋部+三頭筋部) と躯幹部の皮厚の和 (肩甲骨下角直下部+後上腸骨棘直上部) との比をみると, 男性ではこの比が低く躯幹部に, また女性では逆に上腕部により多く脂肪が分布していることがわかった。
    糖尿病患者では男女とも対照に比べてこの比が低く男性型の脂肪の分布を示すことが判明した. この傾向は非肥満糖尿病患者でも明らかであった.
    躯幹部の皮厚は体重の増減や血中脂質値, とくに中性脂肪値との間に良い相関がみられ, 同部の脂肪細胞が代謝状態を良く反映するものと推測された.
  • 小沼 富男, 筒井 理裕, 遅野井 健, 落合 滋, 大平 誠一, 武部 和夫
    1984 年 27 巻 7 号 p. 799-802
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The present study was undertaken to determine the effects, of Glibenclamide on plasma lipoprotein and postheparin lipolytic activity, i.e., plasma lipoprotein lipase (LPL) and hepatic lipase (HL), in rats. Twenty-four male rats of the Wistar strainweighing 200 g were divided into two groups. The first group was given a daily dosage of 2mg/kg of body weight of Glibenclamide suspended in 2% starch solution (G-group). The rats of the second group received 2% starch solution only (C-group). They were fed standard rat chow for eight
    Cholesterol (C) and triglyceride (TG) levels of very-low-, low-and high-density lipoprotein (VLDL, LDL and HDL) were similar in both groups. The ratio of TG to C (TG/C) of VLDL in the G-group (16.5±1.9, mean±SD) was significantly lower (p<0.05) than that of the Cgroup (21.7±5.1). HL activity in the G-group (2.76±1.12μEq FFA/ml plasma/hour) was significantly lower (p<0.05) than that of the C-group (4.98±2.22μEq FFA/ml plasma/hour).However, LPL activity was similar in both groups.
    These results suggest that Glibenclamide may lead to an accumulation of C-rich VLDL “atherogenic lipoprotein” which may be mediated by a decrement of HL activity.
  • 特に新らしい経口血糖降下薬DG 5128の効果
    河津 捷二, 鈴木 将夫, 渡辺 敏郎, 石井 淳
    1984 年 27 巻 7 号 p. 803-806
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    In an attempt to evaluate the role of selective α-adrenergic receptors on Langerhans' islet cells, insulin and glucagon secretion from rat isolated islets were determined with epinephrine, phenylephrine (α1-stimulator), clonidine (α2-stimulator), prazosin (α1-blocker) and yohimbine (a2-blocker). A new hypoglycemic drug, which was recently reported to act as a α2 blocker, was also studied in, this connectin.
    As already known, epinephrine (5μM) and clonidine (2μM) significantly inhibited insulin secretion and augmented glucagon secretion in the presence of low concentrations of glucoce (5-10 mM). I these conditions, when 100μM of prazosin were added, insulin secretion recovered well, but glucagon secretion was not affected. And when 100μM of yohimbine or DG 5128 were added, insulin or glucagon secretion was significantly increased or decreased, respectively, proving the blocking effect against epinephrine or clonidine. The dose-response curve of insulin and glucagon secreton induced by glucose (0, 5, 10, 15 and 20 mM) were shifted to the left in the presence of DG 5128 (100 and 200μM), changing the maximal response, namely, increaing insulin secretion in high glucose and decreasing glucagon secretion in low glucose.
    Thus, glucagon as well as insulin secretion could be regulated mainly through α2 adrenergic receptors in a tonic fashion. In addition, DG 5128, a new hypoglycemic drug, seems to act as a α2 blocker in its effect on the glucose metabolism.
  • 1984 年 27 巻 7 号 p. 807-842
    発行日: 1984/07/30
    公開日: 2011/08/10
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