糖尿病
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36 巻, 8 号
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  • インスリンとの併用
    加来 浩平
    1993 年 36 巻 8 号 p. 607-611
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 加藤 順司, 大橋 誠, 伊東 達夫, 山田 義夫, 野村 誠, 阿部 裕
    1993 年 36 巻 8 号 p. 613-618
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    心室遅延電位 (Late Potential, 以下LP) は, 心筋梗塞や心筋症等に伴う心筋障害にて刺激伝導遅延が生じる事によって発生する微小電位であり, 加算平均心電図にて計測可能である。今回我々は狭心症や心筋梗塞症などの既往のない, NIDDM症例110例にてLP計測を行った.その結果NIDDMでは, 健常対照に比して有意に高率に本電位が検出された [27%vs4%, p<0.01].LP陽性NIDDMでは網膜症の合併が有意に高率であったが, LPとHbA1c・脂質・血圧との間には有意な関連性を認めなかった.さらに, LP陽性NIDDM28例について運動負荷心筋SPECTを行ったところ, 53.6%[15/28] にて冠動脈支配領域とは無関係な心筋循環障害の存在を認めた.以上の結果より, 加算平均心電図による心室遅延電位の測定は糖尿病性心筋障害を非侵襲的に診断する新しい方法として有用性が示唆された.
  • 石橋 不可止
    1993 年 36 巻 8 号 p. 619-624
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    分子量と荷電が異なる諸種尿蛋白の糸球体濾過 (GC) をミクロアルブミン尿を呈するNIDDM14名と健常対照 (C群) 16名を用い, L-アルギニン (L-Arg) 負荷で尿蛋白の尿細管再吸収を可逆的に阻害して測定し, アルブミンのGCの増加が糸球体のchargeあるいはsizeselectiv-ityの何れの障害によるかを検討した.C群のL-Arg負荷時のGCは分子量11800のβ2-ミクログロブリンから50000のIgGκ 鎖2量体まで指数関数的に分子量依存性に低下し, 50000以上では2-4μl-minの狭い範囲にあり, 陰性荷電が強いほどGCは小さかった (lgG-1>トランスフェリン>IgG-4≧アルブミン).NIDDMではC群に比しアルブミンとIgG-4のGCが有意に増加, IgG-1では減少したが他の尿蛋白では有意に変化しなかった.以上の結果より, ミクロアルブミン尿を呈するNIDDM患者におけるアルブミンのGCの増加はcharg selectivityの障害によることが示唆された.
  • 5年間のFollow-up study
    福田 正博, 池上 博司, 川口 義彦, 竹川 潔, 藤岡 喜彦, 藤澤 智巳, 上田 裕紀, 荻原 俊男
    1993 年 36 巻 8 号 p. 625-630
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    最近, 糖尿病合併症の成因のひとつにフリーラジカルの関与が注目されている. 本研究では抗酸化作川をもつことが報告されているprobucolが糖尿病合併症進展に対し阻止効果を有するか否かを検討した.[対象と方法] 糖尿病患者をprobucol群 (750mg/day) 23例と対照群46例に分け, 5年後に糖尿病合併症の進行度を比較した.[結果] 糖尿病性腎症は対照群の78%で進行したのに対しprobucol群では38%と有意に低値を示した (P<0.O1). 大血管障害の頻度も有意でないものの低い傾向にあった (24%vs7%).一方, 網膜症, 神経障害の進行度に差はなかった. 観察期間中の血糖コントロールは両群間に差を認めなかった. 治療開始時の総コレステロール値はprobucol群で高値を示したが, その後低下し評価時には対照群との差は消失した.[結論] Probucolは抗酸化作川を介し糖尿病性腎症, 大血管障害の発症・進展を抑制することが示唆された.
  • 古田 真由美, 斎藤 浩美, 米田 登志子, 中山 年正, 中西 幸二, 小林 哲郎
    1993 年 36 巻 8 号 p. 631-637
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    健常者 (A群) および耐糖能異常が疑われた当院外来受診者 (B群) を対象として75g OGTT時の毛細管血と静脈血血糖値の差 (C-V値差) を調べ, それがOGTT検査結果の判定に及ぼす影響について検討した.C-V値差には経時的な変化が認められ, その最大値はA群では負荷後60分, B群境界型, 糖尿病型は120分であった.また, 負荷後のC-V値差は静脈血血糖濃度 (VG値) との問に負の相関関係が認められ, 負荷後30, 60分でその傾向が顕著であった.耐糖能が低下するとC-V値差が最大値を示す時間が遅延し, また, C-V値差自身も小さくなると考えられた.OGTTの判定結果は, 同一被験者でも毛細管血血糖濃度 (CG値) とVG値を用いた場合とで異なる判定の得られる例が全被験者216例中31例中に認められ, そのうち25例はCG値による判定が境界型でVG値による判定は正常型であった.これらの結果は, 日本糖尿病学会のVG値判定基準がCG値と比較して低く設定されていることを示唆する.
  • 藤井 寿美枝, 中林 肇, 三輪 梅夫, 瀬田 孝, 松田 博人, 大家 他喜雄, 中川 淳, 竹田 亮祐
    1993 年 36 巻 8 号 p. 639-647
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性末梢・自律神経障害を伴うインスリン依存型糖尿病 (IDDM) 症例にみられた糖尿病性下痢に対するsomatostatin analog: Sandostatin (SMS) の効果について検討した. 症例は39歳と36歳男性で, SMS (50μg, 2~4×/日, s. c.) により, 両例の1日便量・回数, 脂肪便は速やかに著明に改善し, 2週後には血糖, 中性脂肪, 遊離脂肪酸モチリン, ガストリン, グルカゴンとカテコラミンの低下傾向と, 胃排泄および腸管通過時間の遅延, D-xylose吸収試験とPFD試験上の改善をみた. 同時に起立性低血圧は改善し, 血中総蛋白, 脂質レベル, 体重は増加した. さらに, 両例に2~7カ月間のSMS長期投与を行ったところ上記効果は持続してみられ, 副作用もなく, 血糖コントロールは不変であった. このような下痢のみならず消化吸収の改善をももたらした興味深い臨床効果は, 本薬の示す消化管運動および腹部内臓循環への直接作用によると考えられた.
  • 飯野 和美, 北澤 浩, 菊池 範行, 井上 潔, 井上 章, 杉谷 章
    1993 年 36 巻 8 号 p. 649-654
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は65歳の女性. 嘔気, 嘔吐, 意識障害を主訴にショック状態で入院した. 強度の尿糖とケトン尿を認め, 高血糖と代謝性アシドーシスを呈し, 糖尿病性ケトアシドーシスと診断した. 輸液および速効型インスリンの投与後, 全身状態は改善したが, 消化器症状の持続がみられ, 小腸X線所見, 臨床経過より小腸狭窄病変によるイレウスが疑われ, 開腹手術を施行した. 摘出標本では炎症細胞の浸潤, 線維組織の増殖を伴う開放性の潰瘍が認められ虚血性小腸狭窄と診断した. また, 一過性のT波の陰性化とCPK MBのL昇があり, 心内膜下梗塞が疑われた. 本症例は, 基礎疾患に加え, ケトアシドーシス状態による血管内脱水や血液濃縮が誘因となり, さらに, 続発するショック状態からくる循環血液量の低下の結果, 虚血性小腸狭窄が発症したものと考えられた. 本症は, 頻度は少ないが, ケトアシドーシス診療の際に考慮すべき重要な病態であると思われた.
  • 横山 宏樹, 本間 温, 早水 順子, 大和田 一博, 森田 千尋, 佐藤 麻子, 吉野 博子, 植田 太郎, 大森 安恵
    1993 年 36 巻 8 号 p. 655-660
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    基礎疾患に糖尿病があり, 化膿性肝膿瘍による敗血症性ショックおよび播種性血管内凝固症候群 (DIC) をきたしながらも治癒しえた一例を経験した. 症例は, 79歳, 男性. 悪心, 嘔吐, 食欲低下を主訴に入院. 当日よりスパイク熱をきたし敗血症性ショック・DICとなった. 腹部エコーで肝に内部不整な占拠性病変を認め, 同部の穿刺および血液培養よりクレブシエラ肝膿瘍と診断された. 抗生剤では改善せず, 第4病日にエコー下に経皮経肝膿瘍ドレナージ (PTAD) を施行. しかし炎症反応・画像上もその所見は改善せず, 全身状態より開腹術も困難であった. PTADを3カ所より行ない排膿経路が交通し, 抗生剤による膿瘍局所洗浄により軽快した. 本例は, 高齢, 糖尿病, 敗血症と予後不良因子を伴いつつも, 化学療法と画像診断の進展に基づいた早期発見および排膿処置により治癒しえた貴重な症例と考えられた.
  • 林 義和, 愼野 博史, 森岡 茂, 四方 賢一, 永井 康雄, 太田 善介
    1993 年 36 巻 8 号 p. 661-663
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Tissue inhibitors of metalloproteinases (TIMP) play important regulatory roles in degradation of the extracellular matrix (ECM). We measured serum and urinary concentrations of TIMP in diabetic patients and compared the values obtained with those of normal controls. Serum concentrations of TIMP in diabetic patients were not significantly higher than those of control subjects. However, urinary concentrations of TIMP in diabetic patients with proteinuria and renal insufficiency were significantly higher than those of control subjects. Urinary concentrations of TIMP may be increased in patients with advanced diabetic nephropathy. These results suggest that accumulation of glomerular extracellular matrix in diabetes is partly due to increased secretion of TIMP in renal glomeruli.
  • 1993 年 36 巻 8 号 p. 665-680
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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