糖尿病
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54 巻, 7 号
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特集 糖尿病と慢性炎症
原著
  • 馬殿 恵, 小幡 佳也, 細川 吉弥, 最所 賢二, 丹波 祥子, 山本 浩司, 山田 祐也, 松澤 佑次
    2011 年 54 巻 7 号 p. 493-498
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/09
    ジャーナル フリー
    知覚痛覚定量分析装置PainVision®PS-2100は痛みを与えることなく電流知覚域値を簡便に測定することで神経障害の程度を定量評価する検査機器である.今回,糖尿病神経障害の評価方法としてPainVisionを用いることの妥当性につき検討を行った.一般的に糖尿病神経障害の指標とされる自覚症状の有無・アキレス腱反射・CVR-R・簡易診断基準を用いた神経障害の有無とPainVisionで測定した電流知覚域値は有意に相関した.また,PainVisionが異常を示した群は正常群に比べてF波潜時は高値であり,SNAP振幅は低値であった.今回の検討により,PainVisionは神経伝導検査と比較すると感度や他の神経線維障害情報が得られないという点で劣るものの,糖尿病神経障害の評価において従来の神経学的感覚検査と比較すると神経障害の程度を簡便に,かつ客観的に定量評価するという点で有用な検査方法であると考えられた.
症例報告
コメディカルコーナー・原著
  • 本田 まり, 河中 正裕
    2011 年 54 巻 7 号 p. 503-507
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/09
    ジャーナル フリー
    遺伝因子の関与の他,環境因子も含んだ指標と考えられる糖尿病の家族歴が日本人の耐糖能異常に及ぼす影響と,肥満が加わった場合の影響について検討した.外来栄養指導の患者(耐糖能異常者が全体の約54%)を対象に,第2度近親までの糖尿病の家族歴を問診した結果,糖尿病家族歴の保有は男女共に約30%であった.耐糖能異常に対するロジスティック回帰分析では,父母の糖尿病,その他第2度近親までの糖尿病の家族歴が男女ともに有意な危険因子であり,BMIでみた肥満の関与はみられなかった.特に糖尿病の家族歴がある場合は,非肥満でも耐糖能異常を有する割合が高く,男性でより顕著であった.糖尿病の家族歴は,両親のみならず他の家族歴も耐糖能異常に対して高リスクであり,肥満との関連では内臓脂肪を評価すべきであるものの,体格として非肥満(BMI 25未満)であっても耐糖能異常の頻度が増す可能性を考慮して療養指導に活かすべきと考えられた.
地方会記録
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