糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
症例報告
  • 川名部 新, 中川 朋子, 内山 修太朗, 中村 祐太, 月山 秀一, 横田 健一, 曽根 正勝
    2024 年 67 巻 4 号 p. 173-180
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は71歳女性.68歳時食道癌術後再発あり,ニボルマブ投与を開始した.初回投与時より,免疫関連有害事象(immune related adverse events:irAE)による糖尿病発見目的に尿糖自己測定を指導した.22クール投与後より尿糖陽性が持続し,全身倦怠感を自覚し受診した.随時血糖352 mg/dL,HbA1c 6.6 %,随時血中CPR 0.7 ng/mL,尿ケトン±,アシドーシスは認めないが,1型糖尿病を疑いインスリンを導入した.その後,化学療法を変更しステロイドを前投与され,糖尿病ケトアシドーシスを発症し,即日入院となった.血中・尿中CPR感度未満で,irAEによる1型糖尿病と診断した.当院では免疫チェックポイント阻害薬治療時,糖尿病早期発見のため,尿糖自己測定を指導している.これにより1型糖尿病の発症を早期に捉え,重症化を予防できる可能性があり報告する.

  • 本間 玲子, 飯田 高久, 三浦 貴徳, 藤永 明裕, 平松 一秀, 腰塚 靖之, 佐藤 啓介, 鈴木 滋
    2024 年 67 巻 4 号 p. 181-188
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は56歳男性.2型糖尿病で7年前から加療中.循環器科に冠動脈ステント留置目的で入院中に,糖尿病薬休薬中にも関わらず低血糖発作を繰り返した.諸検査にて高インスリン血性低血糖症(早朝空腹時血糖36 mg/dLのインスリン(IRI)値64.3 μU/mL,CPR13.3 ng/mL)の診断となり諸検査施行.画像検査では膵臓に腫瘍は描出されず.数ケ月は観血的検査困難のため,ジアゾキシド投薬にて加療.しかし同薬増量にても次第に低血糖発作が増加.選択的動脈内カルシウム注入試験(以下SACIテスト)で陽性所見が認められ,手術希望されたため手術施行.病理所見はSACIテスト陽性部位に一致した膵島細胞の過形成が認められ,成人膵島細胞症と診断した.2型糖尿病の経過中に成人膵島細胞症を合併するのは稀であるが,膵内に腫瘤性病変が認められない時は,同症の可能性も念頭に置き,術式や治療法を選択する必要がある.

地方会記録
委員会報告
  • 小児糖尿病委員会, 浦上 達彦, 母坪 智行, 小川 洋平, 菊池 透, 臼田 里香, 松井 克之, 広瀬 正和, 平井 洋生, 阿比留 教 ...
    2024 年 67 巻 4 号 p. 202-208
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル 認証あり

    日本糖尿病学会に所属し,小児科を標榜する専門医と糖尿病学会の小児糖尿病委員に対して,中学生以下の糖尿病患者における2017年1月~2021年12月に発生した重症低血糖(SH)に関するアンケート調査を行った.33施設から回答があり,その内17施設が対象となる小児糖尿病を診察していた(1型506名,2型302名).その内SHの経験ありは11施設で,総数は25人(全て1型糖尿病)であった.対象の年齢は0~5歳が3人,5~10歳が5人,10~15歳が15人であり,発生時間は0~8時が18人で最も多かった.発生場所は自宅が18人で最も多く,学校と部活動中は4人だった.SHの処置として11人は経口的にブドウ糖が与えられ,グルカゴン点鼻は5人であり,15人が医療施設に救急搬送されていた.以上から,SHの発生頻度は0.01回/年/人・1型糖尿病患者と既報に比べ低頻度であったが,在宅中の夜間にその発生頻度が高く,SHの処置は未だ不十分であることが明らかとなった.

訂正
feedback
Top