糖尿病
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46 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • tele-communicationと糖尿病
    宇都木 敏浩, 清水 弘行, 大山 良雄, 倉林 正彦, 酒巻 哲夫
    2003 年 46 巻 6 号 p. 423-427
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    テレビ会議システム, 人工衛星とケーブルテレビ (CTV) ネットワークを利用し遠隔地での糖尿病患者教育を試みた. 群馬大学附属病院と山間部の同県嬬恋村, 上野村をテレビ会議システムで結んだ, 会場と村のCTVネットワークを人工衛星で中継し, 在宅での視聴を可能とした, 村側に住民と医療スタッフが, 本院側に専門スタッフが参加した. 会場参加者に糖尿病の食事療法や運動療法などに関して質問し, 即時集計システムにより答えを集計した. それに対しスタッフがコメントをした. 参加者は, 双方向の画面を共有しながら質疑応答をした. 教育終了後のアンケートでは全員が良かったと答えた. 理由は, 複数の専門家がいたことが約80%と最も多かった. 本システムでは複数の遠隔地でも多数の人が参加でき, スタッフの育成や視覚的な知識の普及にも応用可能である.
  • 田近 正洋, 山之内 国男, 杉本 季代, 鈴木 恵美, 山口 有紗, 安井 まり, 平岡 潤子, 高野 良子, 竹田 紀子, 加賀谷 みえ ...
    2003 年 46 巻 6 号 p. 429-435
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食事療法用宅配食品の有用性について検討した. 外来糖尿病患者12例を対象とし, 3カ月間宅配食を摂取させ, その前後で糖尿病の病態およびQOLを観察し比較した. 食事摂取量は研究前1841 kcal day (平均) が, 宅配食摂取1カ月後, 2カ月後と徐々に低下し, 3カ月後には1640 kcal dayと有意に低下 (p<0.05), 指示量1583 kcal/dayに近づいた. HbA1cは研究前7.2%に対し, 3カ月後7.0%と低下する傾向を示し (p=0.079), さらにTGは2017 mg/dlから3カ月後158.8 mgdlへと有意に低下した (p<0.05). QOLは宅配食摂取中には変化を認めなかった. 宅配食は栄養計算の理解が不十分な症例や実際の献立, 調理が難しい症例などにおける糖尿病治療法の一つとして有用である可能性が示唆された. しかし, 今後も利用したいと答えた患者は4例のみであり, 長期に利用するには食事内容など更なる工夫が必要であると思われた.
  • 佐藤 吉彦, 駒津 光久, 上原 由美子, 相澤 徹, 橋爪 潔志
    2003 年 46 巻 6 号 p. 437-440
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は32歳男性. 5年前より精神分裂病で治療中. 急速に口渇が出現し, 大量の含糖ヨーグルト飲料 (6-7l日), 低脂肪乳 (5l/日), トマトジュース (1l/日) を摂取, 下痢が生じ来院した, 意識清明, 脈拍112/分整, 血圧130/80mmHg. 血糖値1556 mg/dl, HbA1c 15, 1%, 抗GAD抗体陰性, IRI33μU/ml, CPR 24ng/ml, Na 116mEq/l, BUN 35mg/dl, クレアチニン 1.0mg/dl, 総ケトン体4.7 mM, βヒドロキシ酪酸33 mM, 乳酸12mg/dl, 血漿浸透圧321mOsm/kgH2O. 動脈血pH7.396, PCO2 33mmHg, HCO3 19.8mM, アニオンギャップ 22.2mM. 絶対的インスリン欠乏なく, 腎機能正常, 極量の水分摂取による強制利尿, などにより著しい高血糖にもかかわらずケトアシドーシスや高浸透圧性昏睡から免れた症例と考えられた.
  • 明比 祐子, 小川 郁代, 浅野 喬, 安西 慶三, 中川内 玲子, 勝田 仁, 大久保 久美子, 西村 典子, 田村 和夫, 小野 順子
    2003 年 46 巻 6 号 p. 441-446
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれ, 1型糖尿病と橋本病を合併したDown症候群の1例を経験したので報告する. 本例は16歳 (1979年) 時に糖尿病を発症し, インスリン分泌能が保持されていたため, NIDDMと診断されていた. しかし, 徐々に血中C-ペプチド値は低下し, 20歳 (1983年) 時, インスリン療法が開始された. 35歳時, 抗GAD抗体陽性, HLADR9 (DRB1*0901) が明らかとなった. 糖尿病発症後約20年間に, 糖尿病腎症, 網膜症が進行し, 38歳時に腎不全のため永眠した. 剖検所見では甲状腺は橋本病の組織像に合致し, 膵臓では小型化した膵島が散見され, β細胞の選択的な消失が認められ, 糖尿病の発症に自己免疫機序の関与が示唆された. さらに本例では同時にミトコンドリア遺伝子G3357A変異, β3アドレナリン受容体遺伝子変異が証明され, これらが糖尿病の病態に関与していた可能性も大きい. Down症候群と糖尿病との関連を解明するにはさらなる遺伝学的検索が必要と思われた.
  • 萬代 幸子, 岩瀬 正典, 向井 直子, 中村 宇大, 市川 晃治郎, 飯田 三雄
    2003 年 46 巻 6 号 p. 447-453
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は33歳女性. 15歳時発症のMODYで, インスリン療法を行っていたが, 経過中数年間の放置歴がある. HbA1c6.8%, 正常アルブミン尿, 正常血圧で妊娠成立したが, 妊娠10週で頻回の嘔吐のため経口摂取不能となり, 入院となった. 重症妊娠悪阻と診断し, 中心静脈栄養を行った. 甲状腺中毒症状や甲状腺腫は認めなかったが, 遊離T4 1.9ng/dl, 遊離T3 4.5pg/ml, TSH<0.03U/mlと甲状腺機能亢進症を認めた. TSHレセプター抗体や甲状腺自己抗体は陰性であったが, 血中hCGが147, 600mU/mlで血中hCG上昇による甲状腺機能亢進症と診断した. 甲状腺機能は血中hCGの低下に伴い正常化し, 自覚症状も改善し, 経口摂取が可能となり, 妊娠18週で退院したしかし, 妊娠中期以降, 妊娠中毒症を発症し, 妊娠31週で再入院となった. 入院安静にて血圧や蛋白尿は改善したが, 妊娠36週で胎児仮死のため緊急帝王切開を行った. 児には異常を認めなかった, 分娩後一過性に高血圧や網膜症が増悪し, アルブミン尿の正常化まで分娩後1年を要した. hCGは甲状腺刺激作用のため妊娠初期の一過性甲状腺機能九進症を惹起するとともに, 妊娠中毒症の発症に関係する可能性が示唆された.
  • VLCDおよびLCD療法の性機能に及ぼす影響
    喜多 篤志, 田崎 浩則, 山川 賢一, 西郷 しおり, 福島 徹也, 高橋 亮子, 桑原 宏永, 藤田 成裕, 宮副 治子, 大島 勝也, ...
    2003 年 46 巻 6 号 p. 455-461
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肥満はインスリン抵抗性を惹起する重要な因子であるとともに, 性機能に対しても影響を及ぼすことが知られている. われわれは無月経, 男性化徴候を伴った高度肥満糖尿病患者においてVery Low Calorie Diet (VLCD) 療法およびLCD療法を行い, 体重, インスリン抵抗性, 性機能の推移を検討した. VLCD療法は28日間施行し, その前後で, 21.5kgの体重減少を、14.0kgの脂肪量減少を認めた. 内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の縮小, インスリン抵抗性の改善も認めた. 男性ホルモンの推移ではテストステロンが89ng dlから21.6ng dlまで低下した. 本症例において体重減少による男性ホルモン過剰分泌の解消と男性化徴候の消失には, インスリン抵抗性/高インスリン血症の改善が関連していると考えられた. 男性化徴候を伴った高度肥満患者に対してVLCD療法は性腺機能異常の回復を導く可能性を示唆する重要な症例と考えられた.
  • タイマー式と万年筆型の比較アンケート解析より
    寺田 愛, 安藤 仁, 野川 麻紀, 櫻井 勝, 野原 えりか, 山下 治久, 早川 哲雄, 宮本 謙一, 小林 健一, 篁 俊成
    2003 年 46 巻 6 号 p. 463-467
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    理想のインスリン注入器を追求する目的で, 新型タイマー式注入器の使用感や外観を従来の万年筆型注入器との対比において評価した. 当科通院中のインスリン使用糖尿病患者89人 (男性49人, 女性40人) に, アンケート調査を行った. タイマー式は単位の合わせやすさ (7896) や注入ボタンの押しやすさ (6296) など操作性が評価された (数値はタイマー式の支持率). 一方, 外観は形 (2896), めだたなさ (2996) と万年筆型が優っていた. これらを年代別に解析したところ, 操作性は各年代ともタイマー式を支持したが, 外観は若年層ほど有意に万年筆型を支持した, 今後使用したい注入器としては, 若年層ほど万年筆型を, 高齢層ほどタイマー式を選択し, 若年層では外観を, 高齢層では操作性を重視することが判明した. インスリン注入器に求める条件は年齢層によって異なり, タイマー式は高齢者が求める条件をより満たした注入器であることが明らかとなった.
  • 2003 年 46 巻 6 号 p. 469-508
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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