糖尿病データマネジメント研究会(Japan Diabetes Clinical Data Management Study Group, JDDM)は2型糖尿病患者における薬物療法の実態を解明する目的で,経口血糖降下剤とインスリン製剤による治療と血糖コントロールについて調査した.糖尿病診療専用ソフト,CoDiC
®を用いて34施設よりデータを集積した.2003年1月から7月に,CoDiC
®に登録された薬物療法中の2型糖尿病患者は15,553名で,経口血糖降下剤単剤療法患者が36%, 同複剤が33%, 経口剤とインスリン製剤の併用が11%, そしてインスリン製剤が20%であった.そのうちHbA
1C値が入力された14,099名を対象として解析を行った.薬物療法中で血糖コントロール優ないし良を達成した患者は29%で,49%が可,22%は不可であった.スルフォニル尿素剤療法患者で,他経口剤単剤療法に比較してコントロール不良であった.経口剤複剤療法患者では,経口剤単剤療法患者に比較して血糖コントロールはより不良であった.経口剤とインスリン製剤による併用療法患者で,他療法に比較して血糖コントロールが最も不良である.強化インスリン療法においても患者の30ないし35%でコントロール不可領域であった.薬物療法による積極的介入にもかかわらず,多くの症例で血糖コントロールは合併症を防止するために十分ではないことが明らかになった.
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