【目的】インスリン強化療法導入2型糖尿病患者で, インスリン治療から離脱しえた症例 (離脱群), および継続を余儀なくされた症例 (継続群) について, 臨床的特徴を比較検討し, インスリン離脱の予測因子を解析した.【対象と方法】2型糖尿病患者83名を対象とした. 導入時にHbA
1c, BMI, 罹病期間, 血清CPR, 24時間尿中CPRを, さらにHbA
1c, インスリン投与量を経時的に測定した. 離脱の条件はHbA
1c6.5%以下で投与量が0.3U/kg体重未満とした.【結果】離脱群42名, 継続群41名で, 年齢, 導入時のBMI, HbA
1cに差はなかった. 罹病期間は離脱群で有意に短く (p<0.05), 離脱時のインスリン投与量とHbA
1cは同時期の継続群に比べて有意に低かった (いずれもp<0,0001).【考察】罹病期間は離脱予測因子として, インスリン投与量およびHbA
1c値は離脱の評価因子として有用である.
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