糖尿病データマネジメント研究会(Japan Diabetes Clinical Data Management Study Group, JDDM)は2型糖尿病における薬物療法の実態を解明する目的で,経口血糖降下剤とインスリン製剤による治療法と使用薬剤について調査した.糖尿病診療専用ソフト,CoDiC
®を用いて多施設よりデータを集積した.2002, 2003と2004年に登録された薬物療法中の2型糖尿病患者,各14,246, 17,576, 19,228症例を対象とした.38%の患者に経口剤単剤療法,32%に経口剤複剤併用療法,10%に経口剤とインスリン製剤併用療法および20%にインスリン製剤治療が行われた.経口剤単剤療法では,スルフォニル尿素剤(SU)が最も多く処方されたが減少し,ビグアナイド剤(BG), その他経口剤の使用が増加した.経口剤複剤併用療法では,SUとBGの併用が最も多かった.経口剤とインスリン製剤併用療法では,α-グルコシダーゼ阻害剤,BG, SUが多く併用された.インスリン製剤による治療では,最も多用されている30%レギュラーインスリン混合製剤の処方が減少し,レギュラーインスリンあるいは超速効型ヒトインスリンアナログ製剤とNPHインスリンあるいは持効型ヒトインスリンアナログ製剤併用(強化インスリン療法)症例が増加した.
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