ワルダイエル扁桃輪(ワ輪)(男性39,女性16例,年齢中央値63歳),頸部リンパ節(頸部)原発(男性17,女性7例,年齢中央値62歳)の非ホジキンリンパ腫74例の背景を検討し,年齢,Ann Arbor分類によるA•B症状,血清LDH値,病期などの予後因子についても検討した.またワ輪原発について新たな予後因子としてTNM分類(1987)を行上い,予後とか関連について検討した.病理組織分類では最も多いワ輪原発ではび漫性大細胞型52%.頸部原発ではび漫性大細胞型,び漫性混合細胞型41%であった.T,Bマーカーはワ輪原発ではT14%,B86%,頸部原発ではT28%,B72%であった.病期分類はワ輪原発でI期14例,II期26例,III期4例,IV期2例.頸部原発ではI期8例.II期10例,III期6例であった.ワ輪原発例においてTNM分類が可能なものは41例であった.
5年粗生存率はワ輪原発は67%,頸部原発では34%であった.年齢ではワ輪,頸部原発ともに60歳以下群の予後が良かった.A•B症状ではB群が,血清LDH値では高値群の予後が悪かった.病期ではワ輪原発ではI期100%,II期54%,III期38%,IV期0%であり,頸部原発ではI期57%,,II期44%,III期0%であった.多変量解析では年齢,血清LDH値か2因子が生存期間に影響を与える因子であった.
ワ輪原発かTNM分類による5年生存率はT1,4例75%,T2,23例83%,T3,10例56%,T4,4例0%であつた.N0、15例91%,N1,7例73%,N2,11例55%,N3,5例,M1,3例では0%であった.病期ではI期1例,II期9例100%,III期12例80%,IV期19例34%であり,N分類は新たな予後因子なることが示唆された.
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