当科で過去12年間に治療した外耳道・中耳悪性腫瘍21例について検討した. 症例の内訳は, 外耳道11例, 中耳10例であり, それらの年齢分布は10-80歳 (中央値: 61歳), 性別は男性9例, 女性12例であった. 主訴は, 耳痛, 耳漏, 血性耳漏が多く, 中耳癌症例には顔面神経麻痺が4例にみられた. 病理組織をみると扁平上皮癌16例, 腺様嚢胞癌3例, 基底細胞癌1例, 横紋筋肉腫1例であった. 外耳道症例には腫瘍切除を, また中耳症例は中耳根本手術を基本とした腫瘍切除術と照射を併用した治療を行い, 5年生存率は外耳道77.8%, 中耳40.0%であった.
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