日本耳鼻咽喉科学会会報
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99 巻 , 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 川名 正博, 野々村 直文, 大倉 隆弘, 中野 雄一, 五十嵐 文雄
    1996 年 99 巻 5 号 p. 645-652,721
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
    当科で過去12年間に治療した外耳道・中耳悪性腫瘍21例について検討した. 症例の内訳は, 外耳道11例, 中耳10例であり, それらの年齢分布は10-80歳 (中央値: 61歳), 性別は男性9例, 女性12例であった. 主訴は, 耳痛, 耳漏, 血性耳漏が多く, 中耳癌症例には顔面神経麻痺が4例にみられた. 病理組織をみると扁平上皮癌16例, 腺様嚢胞癌3例, 基底細胞癌1例, 横紋筋肉腫1例であった. 外耳道症例には腫瘍切除を, また中耳症例は中耳根本手術を基本とした腫瘍切除術と照射を併用した治療を行い, 5年生存率は外耳道77.8%, 中耳40.0%であった.
  • 鴻 信義, 深見 雅也, 柳 清, 浅井 和康, 飯田 誠, 森山 寛
    1996 年 99 巻 5 号 p. 653-660,721
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    内視鏡下鼻内手術の施行後1年以上経過した慢性副鼻腔炎症例 (90症例・172側) における前頭洞入口部の術後開存度を検索し, 以下の結果を得た. 術後開存度は90.1%で, 術後中鼻道に生じたポリープや癒着による入口部の術後閉塞は9.9%であった. 術前の前頭洞病変が高度な症例, 前頭洞入口部周囲が元来狭いために術中の入口部開放が十分に広く行えなかった症例, 術後中鼻道の所見が不良な症例では, 術後に入口部の閉塞を来す可能性が比較的高かった. また術後閉塞例の中に, 喘息の合併例が比較的多かった. 手術時の適切な篩骨蜂巣の開放と, 適切な術後加療が重要であると考えた.
  • 藤井 隆, 佐藤 武男, 吉野 邦俊, 稲上 憲一, 橋本 典子, 上村 裕和, 長原 昌萬, 馬谷 克則
    1996 年 99 巻 5 号 p. 661-668,721
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1979-91年の喉頭癌1022例中, 両側頸部転移例は58例 (5.7%) であった. そのうち根治手術を施行した49例の5年累積粗生存率は32.2%, 死因特異的5年生存率は52.2%であった. 頸部郭清術の郭清範囲が狭い症例に頸部非制御例が多く, 照射併用による頸部制御率の向上がみられたが, 高率な遠隔転移のため原病死は減少せず, 照射併用による治療成績の向上はみられなかった. 一方, 両側lateral neck dissection以上の範囲の頸部郭清術を施行することにより, 手術単独でも頸部非制御例が顕著に減少し, 治療成績の向上に結び付いた. 1985年以前に比べ1986年以降は, 5年粗生存率が26.1%から38.5%へ, 死因特異的5年生存率が32.6%から76.9%へと向上した.
  • 東野 哲也, 瀬川 祐子, 坪井 康浩, 森満 保
    1996 年 99 巻 5 号 p. 669-674,721
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    50年以上に及ぶ長期の耳管異物 (第2次世界大戦時の被爆による砲弾破片) が原因となって発症した鼓膜癒着型真珠腫症例を経験した. 外耳道側より鼓膜を破って鼓室内に侵入した砲弾片が, 穿孔の自然閉鎖の後, 粘液繊毛系の働きで骨部峡部に陥入し, 周囲に形成された異物肉芽とともに慢性の耳管狭窄状態を引き起こしたためと推定された.
    本症例の異物は骨部耳管内に固く嵌頓していたため鼓室からの操作では摘出不可能であった. 異物摘出には, 外耳道保存真珠腫手術に併用する前鼓室開放術をさらに前方に拡大して骨部耳管腔への直接的なアプローチ (拡大前鼓室開放術) が必要であった.
  • 石戸谷 淳一, 小口 直彦, 王 娜亜, 鳥山 稔, 工藤 宏一郎
    1996 年 99 巻 5 号 p. 675-680,723
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    異なる下気道病変を伴う慢性副鼻腔炎を, 喘息合併例と慢性気管支炎, 気管支拡張症またはびまん性汎細気管支炎を合併する慢性副鼻腔炎 (副鼻腔気管支症候群, SBS) の2群に分け, その臨床的特徴を検討した. 喘息合併例では上顎洞よりも篩骨洞の陰影が高度で, 鼻汁中には好中球より好酸球が優位であり, サッカリンテストは正常例が多かった. 一方, SBS症例では上記の特徴がすべて反対であった. 以上より, 異なる病態の下気道病変を合併する慢性副鼻腔炎は, 異なる臨床的特徴を示し, 慢性副鼻腔炎の病態にも相違があることが示唆された. また, 上気道病変と下気道病変の合併には患者の素因が重要であると考えられた.
  • 矢部 多加夫, 吉本 裕, 山根 仁, 平川 治男
    1996 年 99 巻 5 号 p. 681-688,723
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    耳鳴を主訴とした頭蓋内疾患5症例について臨床的に検討し, 頭蓋内疾患に伴う耳鳴について考察した. 症例は小脳橋角部髄膜腫2例, 小脳橋角部類表皮腫1例, テント上大脳鎌髄膜腫1例, 側頭骨脳硬膜動静脈奇形1例であった. 拍動性耳鳴, あるいは頑固に持続する耳鳴のために, 頭蓋内疾患を疑いCT・MRI検査を行った. 耳鳴検査では, 耳鳴は低音性で, 大きさは中等度であった. 拍動性耳鳴症例では, 血流の異常が末梢の聴覚系に影響を及ぼしたために, 小脳橋角部腫瘍の非拍動性耳鳴症例では, 腫瘍による中枢聴覚系への障害の結果, 耳鳴が生じたものと考えられた.
  • 小川 和昭, 鮫島 篤史, 廣田 常治, 昇 卓夫, 徳重 栄一郎, 牛飼 雅人, 福田 勝則
    1996 年 99 巻 5 号 p. 689-694,723
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    先天性両側アブミ骨固着症に両側第5指指節間関節強直症と両側遠視を合併した, 32歳女性の1例を報告した, Vesellは, 1960年に伝音性難聴に近位指節間関節強直症と斜視を合併した最初の例を報告した. 著者等の例は, 先天性アブミ骨固着症に指節間関節強直症を合併した本邦における19例目の症例である.
    今回および過去の報告例より, 遠視は本疾患の重要な-症状であると思われる. 著者らの報告例では真性小眼球症が遠視の原因であり, 本疾患に合併した遠視の原因が明らかになったのは今回が初めてである.
    両耳ともにstapedotomyが行われ, 術後聴力は正常域にまで改善した.
  • 高崎 賢治
    1996 年 99 巻 5 号 p. 695-699,723
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    鼻アレルギー, 非アレルギー鼻副鼻腔疾患患者の下甲介粘膜における, Bリンパ球について, 抗CD20抗体, 抗CD40抗体を用いてLSAB法にて免疫組織学的検討を行った.
    鼻アレルギー, 非アレルギー患者の下甲介粘膜においてCD20陽性細胞は粘膜固有層浅層, 腺組織を中心に存在した. CD40の発現は粘膜上皮細胞, 腺細胞にも認められ, 円形の単核球にも認められた. 4μmの連続切片において検討すると下甲介粘膜におけるBリンパ球の大部分は, CD20陽性CD40陽性細胞であった. 鼻アレルギー, 非アレルギー患者の下甲介粘膜においてCD20陽性細胞の分布やCD40の発現は明らかな差を認めなかった.
  • 奥野 秀次, 小松崎 篤, 小川 明
    1996 年 99 巻 5 号 p. 700-705,725
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    自衛隊を定年退職する前の健診受診者470名を対象として面接調査をし自衛官における音響外傷と内リンパ水腫という病態との関連について考察した. その結果, (1) 対象中メニエール病といわれたことのある症例が5例あり, (2) なんらかのめまいを訴えたものはメニエール病を除く全対象の32.5%あり, (3) これらの群の聴力レベルはめまいを経験しない群の聴力レベルと比較すると一部は有意差をもって, また, 全体的にも聴力レベルは悪化している傾向を認めた. 従って, 自衛官における音響外傷と内リンパ水腫という病態との間には関連性はあると考えられた. しかし, その因果関係を示すのには, 更に慎重な検討が必要である.
  • 神崎 仁
    1996 年 99 巻 5 号 p. 706-709
    発行日: 1996/05/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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