日本耳鼻咽喉科学会会報
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76 巻 , 3 号
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  • 茂木 五郎, 前田 昇一, 吉田 豊治
    1973 年 76 巻 3 号 p. 315-323
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    目的:分泌型免疫グロブリンA(SIgA)は粘膜局所で合成され,外分泌液中に特異的に存在し,SlgAの存在がその体液の外分泌液としての証左となつているものといえる。従ってもしSIgAが中耳腔貯留液中にあれば,中耳腔貯留液は外分泌としての性質をもち,中耳粘膜が分泌機能をもつことを証明することになろう.さらにSIgAは局所免疫の主役をなしていると見做されるため,SIgAの存在は中耳粘膜が他の呼吸上皮同様,局所免疫防禦の働きを有するものと思われる.これらのことから中耳腔貯留波160例中につきSIgAの存在を免疫拡散法を用いて検索した.
    実験方法:健康人耳下腺唾液からDEAEセルロズ•カラム•クロマトグラフィーおよびG-200セフアデツクス•ゲル源過によつてSIgAを分離精製した,唾液より得たSIgAで家兎を免疫し,抗SIgA血清を作成し,さらにこれをプールした健康人血清で吸収し抗secretory component血清とした.1%寒天ゲル内でOuchterlony法により抗SIgA血清ならびに抗secretory component血清をもちい,160例の中耳腔貯留液および貯留液を得た同一人の患者血清を同時に反応させた.
    結果:中耳腔貯留液中のSIgA陽性率は以下の通りであつた.漿液性貯留液100例中29例(29%),漿液膿性3例中1例,膿性3例中2例,粘液膿性7例中5例(71.4%)および粘液性47例中38例(80-8%)であつた.患者血清中には1例を除き他はすべて陰性であった.
  • 高山 哲
    1973 年 76 巻 3 号 p. 324-331
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    目的:ひと口蓋編桃の免疫機能,とくに扁挑の全身的な免疫反応への関与の有無の究明を意図した。
    対象と方法:扁挑炎61例および編桃炎以外の耳鼻咽喉科領域の急性感染性疾患(以後対照疾患)31例において,急性炎症症状の著明な時期(初診時)と治療後の炎症症状消失時の2回にわたつて血清中の免疫グロブリン(IgG,IgAおよびIgM)を定量し,初診時の免疫グロブリンレベルおにび免疫グロブリンレベルの変動を観察した.免疫グロブリンの測定はSingle radial immunodiffusionで行つた.
    結果:
    A. 免疫グロブリンレベル
    IgG:急性カタル性編桃炎,慢性編桃炎および対照疾患では大多数が正常範囲内であつた.腺窩性扁桃炎では正常範囲をこえて上昇している症例(30%)が存姦した.
    IgAおよびIgM:扁桃炎および対照疾患ともに正常範囲内のレベルであつた.
    B. 免疫グロブリンレベルの変動
    腺窩性扁桃炎19例,対照疾患15例について免疫グロブリンレベルの変動を観察できた.
    IgG:腺窩性扁挑炎では,増加3例,減少12例(63.1%),対照疾患では,増加2例,不変4例,減少7例であつた.IgGは,腺窩性扁挑炎の場合には,炎症の消退につれて減少する傾向が認められた.
    IgAおよびIgM:扁桃炎および対照疾患ともに一定の変動傾向は認められない.以上の結果をもとに扁桃の全身的な免疫反応への関与の機構を考察した.
  • 伊勢 郁夫, 金子 豊, 河本 和友
    1973 年 76 巻 3 号 p. 332-337
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    (目的)
    蝸牛管側壁のラセン隆起部とその周囲の正常微細構造の観察と聴器毒として知られているKMの投与後,同部位での形態学的変化の有無についての観察が今回の研究目的である.
    (実験法)
    正常モルモット(300~400g)を20匹使用した.
    (1) 内15匹にはKM400mg/kg•dayを20日間連日筋注投与した.
    (2) 内5匹は蝸牛管側壁の正常復細構造観察のために用いた.
    (1),(2)共に断頭後,速やかに側頭骨より両耳を原り出し,2%グルタルアルデヒド及び1%Os•O4にて固定し,次いで70%,80%,90%,95%,無水アルコールの順にて逐次脱水し,エポキシ樹脂内に包埋した.Ultramicrotomeにて超薄し,蝸牛管側壁のラセン隆起部及びその周囲を光顕及び電顕にて観察した.
    (結果)
    (1) ラセン隆起部及び外腔細胞層とその周囲の形態学的所見からは内リンバ吸収能が同部位に存在するとは考え難い.
    (2) Stroma cells及びRoot cellsはラセン隆起内毛細血管(vas Prominence: V.P.)と形態学的には非常に近接なる位置にある.
    (3) Stroma cellsはfibroblastに形態学的に非常に似た形態を示し,更にKM投与により,V.P.近在部から胞体の膨化,萎縮,消失等各像を呈した.従って,ラセン隆起部はV.P.を中心に細胞のないSpaceが拡大している像が認められた.これはStroma cellsのKM感受性が高いことの他に,V.P.のKM透過性の亢進も否定できぬ.
    (4) ラセン隆起部上皮細胞,及び外腔細胞とRoot cellsではKMにより著明なる形態学的異常所見を示されなかつた.
    (5) KM投与例でV.P.の内皮細胞の一部に血管腔面に向かう明らかな胞体膨隆を観察し,この意義について考察した.
    (6) これらのKMによる変化は蝸牛下方回転にのみ観察され,上方回転には観察されなかつた.
  • 笠島 和子
    1973 年 76 巻 3 号 p. 338-346
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    1. 目的
    著者は利尿剤であるethacrynic acid (EA)を静注した際のモルモットにおける蝸牛管,特に血管条の形態的変化を,主として透過型及び走査型電子顕微鏡を用いて観察した.またhorseradish peroxidase (HRP)を追跡子として血管条の毛細血管の透過性の変化を電顕的に観察した.そしてEAによる血管条の障害過程の電顕的観察結果にもとづきこの聴器毒の作用機序について考察を加えた.
    2. 方法
    プライエル反射正常のモルモツト29匹(対照群10匹,EA群19匹)を実験対照とした.EAは50mg/kgを無麻酔下に静注し,10分から4時間後に断頭し固定した.HRPは対照群3匹,EA群7匹に対して100~200mg/kgな静注し5分から15分後に断頭固定しベソチジン反応を行つた.蝸牛は摘出後グルタールアルデヒド及びオスミウム酸にて固定し電顕試料を作成し,透過型及び走査型電子顕微鏡で観察した.
    3. 結果
    1) EAによる血管条の変化はかなりの個体差があるがおおむね静注後10分で認められ,1時間目で最も強い変化を示し3時間,4時間目でほぼ回復した.
    2) 血管条の変化は,血管内皮細胞に始まり,中間細胞,辺縁細胞,基底細胞と進行し,同時に広い細胞間隙を生じ全体が浮腫状となる.EA静注後1時間では中間細胞の強い障害像と共に辺縁細胞に特徴的な変性を認めた.すなわち辺縁細胞の多くは変性して濃縮する.しかしライスネル膜,ラセン隆起の境界付近では特異な膨化像を示す変性細胞が認められた.走査電顕像ではこれら細胞の表面欠損が見られ,またこれら細胞間解離を認めた.
    3) HRPを静注すると無処置動物血管条では毛細血管内皮細胞よりpinocytosisで漏出し,HRPは細胞間隙に存在し,中間細胞に取り込まれる.しかしEA静注後1時間ではHRPは血管外には漏出しないが,2時間,3時間では再び正常の如く血管外に認められた.
    4) EAはほぼHRPが無処置動物血管条で通過した経路をたどり血管壁,中間細胞,辺縁細胞,基底細胞などに直接作用して細胞変性をおこすものと考えられる.同時にまた血管透過性も障害されるが,これが血管条の変化を一層高度にしているものと考えられる.
  • 南 吉昇
    1973 年 76 巻 3 号 p. 347-363
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    正常被検者を対象として,種々の音刺激に対する聴性反応時間を測定した.その日的は,聴性反応時間の基本的性質の追求並びにその臨床応用への可能性の検討である.
    方法
    種々の音刺激を右耳に与え,それが聴えたら直ちに右手に持つたマイクロスイッチを押すことによつてその時間を測定する.その瞬間はpoststimulus time histogram (100回試行)として,その最多頻度呈示個所の時間を求め,反応時間と規定した.
    結果
    (1) いかなる刺激方法を用いても,単純反応時間(音が聴えたら押すという単純な反応に要する時間)はすべて150~350msec.の間に分散しており,大多数は200~250msecの中にある.
    (2) 刺激音として0.25,1,4KHzの三周波数純音を用いた場合,その三者間に於ける反応時間の差はない.
    (3) 刺激音の強さが弱い時は反応時間は長く,強くなるに従つて短かくなるが音圧がSL4 40dB以上になると略一定となる.
    (4) 年令別では青年群,高令者群,小児群の順に反応時間が延長する.
    (5) 反応時間の練習効果は,青年群,小児群に於いて認められず,高令者群に於いては初期にのみ認められる.
    (6) Off反応時間はon反応時間と同じであるが,バラツキが若干大きい.
    (7) 反応時間には刺激側を右耳とした時と左耳にした時とでは差はない.
    (8) 注意方向(注意を押すスイッチに向けた時と刺激音を聴く方に向けた時)による反応時間の差はない.
    (9) 反応時間測定の際,同時に脳波誘発反応を測定記録すると,脳波誘発反応の第一陰性波潜時には個人差がなく,少なくとも正常者における反応時間にはmotor periodに左右される要素が大きいと考えられた.
    (10) 語音(5母音)に対する単純反応時間は,純音に対するそれと差がなく,語音(5母音)間に於ける差もない.
    (11) 選択反応時間は単純反応時間に比し可成り延長する.即ち左右選択反応時間は約60msec.,語音選択反応時間は約40msec.,周波数選択反応時間は180msec.の延長を示した.
    (12) 反応時間測定を中枢障害の際の障害部位や性質の判断に応用することは意味があると思われるが,測定条件設定の困難さや個人差等を考えると現段階では臨床への応用は困難な事と思われる.
  • 山田 朋之
    1973 年 76 巻 3 号 p. 364-373
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    I 研究目的
    有意2音節単語を用いての雑音遮蔽下語音明度検査が諸種の聴覚障害耳においてどのようなあらわれ方をするかを検討し,あわせてそれを後迷路性難聴の細別診断に用い得るか否かを検討した.
    II 研究方法
    難易度の等しい有意2音節単語を用い無歪語音明瞭度検査用語音表,1表20語,5語音表を作成し,つづいて同じく1表20語の語音表4表を作成し,中2表づつにS/N比0dB,及び10dBになるようにelectrical mixerを用いて白色雑音を混合して雑音負荷語音明瞭度検査用テープを作成した.
    検査は純音オージオメトリーを施行した後に上記検査用テープの1部にてMCLレベルを片耳づつで決定しMCL明瞭度を測定した.全検査同レベルにて無歪語音明瞭度検査,並びに雑音負荷語音明瞭度検査を施行し,両者を比較検討した.
    III 研究結果
    白色雑音負荷明瞭度を正常者10例20耳,諸種難聴者95例150耳について測定した結果は
    1) 正常耳は無歪明瞭度は100%,遮蔽明瞭度はS/N比10dBで96.0%,0dBで68.3%であつた.
    2) 内耳性難聴例56耳では(上記の順に)それぞれ92.9%,76.2%,38.0%,頭部外傷例44耳では92.0%,76.4%,36.9%,老人性難聴例26耳では87.9%,62.9%,36.6%,後迷路性難聴例24耳では76.3%,54.3%,29.4%であつた.
    3) 無歪明瞭度と遮蔽明瞭度との関係を検討すると,無歪明瞭度が悪いもの程遮蔽明瞭度の悪化の程度が著るしい傾向があつた.
    4) その悪化の程度は(i)正常耳,(ii)内耳性難聴例及び頭部外傷例,(iii)老人性難聴例及び後迷路性難聴例の順に著明となる傾向が認められた.
    5) 上記の結果より雑音遮蔽下の明瞭度悪化は後迷路性難聴の診断に用い得ると考えられた.
    6) しかし,その実際及び詳細については今後個々の症例についての具体的な検討を経なければならない.
  • 和田 昌士, 坂田 英治, 李 汝培, 栄木 恭男, 杉田 麟也
    1973 年 76 巻 3 号 p. 374-385
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    過去約2年間に,順天堂大学耳鼻科神経耳科外来を訪れ,手術•剖検または神経学的にかなりの確かさをもつてその障害部位の確かめられた症例588例のうち,eye-tracking testを実施し得た85例,さらにskipping eye-tracking testを実施し得た23例について検討した.
    その結果eye-tracking patternを4つの型に分類した.I型(正常型)は末梢障害,中枢障害ともに認められ,II型(丸味をおびたsaccadic pursuit)は広汎な中枢障害を思わせるものに多く,これには更に,convexo-convex typeを示すものと,convexo-concave typeを示すものがあり,III型(大きくatacticなpursuit)を示すものは,脳幹•小脳の腫瘍例に多く,IV型(いわゆる"tremorartig"なタイプ)は中脳•間脳領域の障害に多く認められた.また,末梢性自発眼振を認めたものは,全例においてeye-tracking patternは正常を示した.
    次にskipping eye-tracking testについてみると,eye-tracking patternが正常でskipping eye-tracking patternが異常というタイプを示すものは,中脳•間脳領域の障害に多く,脳幹障害例では,eye-tracking pattern, skipping eye-tracking Patternともに乱れを認めることが多く,末梢障害では,自発眼振の有無 にかかわらすeye-tracking patternと同様にskippipg eye-tracking patternもきれいである.とくにわれわれは,skipping eye-tracking testが錐体外路系疾患の診断にあたり重要な情報を与えてくれる可能性を推察した.
  • 岸 澄子
    1973 年 76 巻 3 号 p. 386-400
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    [目的]
    メニエール病の臨床症状は多種多様で,かつその経過も長短まちまちである.そこでメニエール病の臨床的経過を明らかにすると共に,その臨床症状ならびに検査成績から予後に関係する因子を知る目的から研究を行なつた.
    [対象]
    昭和42年1月から45年12月までの4年間に当科を受診したメニエール病78例,および原因不明の耳性眩暈98例の内,外来観察ないしはアンケートによつて受診後少なくとも1年以上の経過を知ることのできたメニエール病67例,耳性眩暈78例をえらんだ.
    [結果]
    アンケートの結果,めまいが治癒あるいはほぼ治癒した例は約90%以上あつたが,その罹病期間はメニエール病では平均4年4ヵ月であつた.
    初発年令はメニエール病,耳性眩暈ともに20代から40代に多く,初発年令が高令化するにつれて罹病期間が短かくなる傾向がみられた.
    初回眩暈発作時に耳鳴,難聴を加えて3主徴をもつたものは42例(63%),さらに耳閉塞感を加えて4主徴を伴つたものは24例(36%)であった.
    まためまい発作がcluster groupingを示す傾向は耳性眩暈例には少なく,メニエール病に特徴的であつた.
    CMI (Cornell Medical Index)検査では,メニエール病が精神身体疾患の傾向をもつことが確かめられた.
    初診時の純音聴力検査では,平均聴力損失が40dB以内の軽度難聴者と40dB以上の難聴者の2つのグループに分けることができた.患側耳の聴力型は水平型が最も多く,次いで斜昇型,高音急墜および斜降型,山型,正常,聾の順であつた.
    このうち,水平型は発病よりの期間が長い例に多く認められ,一方斜昇型はその逆に経過の短い例に多かつた.
    温度刺激検査と発病から初診までの期間との関係はNo Response群が他群に比し,明らかに長い経過を示した.
    臨床症状のうち予後に関係すると思われた因子は,初発年令,めまい発作におけるcluster groupingの有無であり,若年者に初発した場合,発作にcluster groupingをみとめる場合,初回発作時にすでに難聴を自覚した場合に治癒までの期間が長くなる傾向があった.
    検査成績と予後との関係をみると,純音聴力検査で平均聴力損失が40dB以上か,あるいは患側耳の聴力型が高音急墜あるいは斜降型の場合に短い予後期間を示した.
    温度刺激検査成績では正常型か,あるいは著しい半規管機能の低下例に予後期間の短い例を多くみとめた.
  • 山田 成子, 渡辺 泰夫, 平野 優子, 内藤 儁
    1973 年 76 巻 3 号 p. 401-406
    発行日: 1973/03/20
    公開日: 2008/12/16
    ジャーナル フリー
    嗅覚の生理に関しては不明の処が少なくない,嗅覚は非常に鋭敏な感覚であるが,万余の匂いが,どのようにして末梢のreceptorに受容されるのか,末梢のreceptorの受容機構はどの様になつているか,また末梢で受容された刺激は,中枢へどの様に伝達されるか,など未だ未解決の問題が多い.
    嗅覚の検査に用いられるべき嗅素として,最も適当な匂いは何であるかという基本的な問題も解決されていない.
    このような現状において文部省科学研究班,"嗅覚測定の基準設定"が結成された.私どもはこの班の一員として次の10種の嗅素の各種濃度(10-1より10倍稀釈で10-14迄)で日本人の平均閾値の測定を行なつている.
    使用ている嗅素は,バラ臭,糞臭,腐敗臭,樟脳臭,酸臭,麝香,フェノール臭,焦臭,果実臭,にんにく臭,である.
    撰択的無嗅覚症(selective anosmia or specific anosmia Amoore)という病名はAmooreにより使用され,ある種の匂いにのみ特異的に閾値の高い場合に用いられる.
    現在まで238名の測定対象に8名の撰択的無嗅覚症例を認めた.このような8症例の中,2例は嗅覚障害を自覚していない.
    男女性別に差はなく 男女共各4名である.撰択的無嗅覚症がみとめられた嗅素はフェノール臭,麝香臭,パラ臭,糞臭である.
    撰択的無嗅覚症の機構は不明であるが,恐らく嗅覚受容機構における部分的障害と考えられる,Amooreによれば,青酸,メルカプタン,イソ酪酸に嗅盲が認められるが,嗅盲は遺伝的因子が強いと考えられる,一方,撰択的無嗅覚症は後天的な受容機構の受傷性の差によつてもおこることが考えられる.撰択的無嗅覚症に認められる嗅素は嗅覚機能検査に必要な基本的嗅素の1つであると思われる.
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