日本耳鼻咽喉科学会会報
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104 巻 , 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 佐藤 公則
    2001 年 104 巻 7 号 p. 715-720
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    上顎洞炎の保存的治療で効果がなく, 手術的治療を行った歯性上顎洞炎34例 (35側) を臨床病理組織学的に研究し, 最近の歯性上顎洞炎の病態と治療を研究した.
    1) 最近の歯性上顎洞炎の原因歯は, 不十分な根管処置が行われた歯科処置後の歯がほとんどであり, 未処置の齲歯が原因である例はまれであった. 歯科的に治療された歯で外見上齲歯がなくても, 歯性上顎洞炎の原因歯として疑うべきであるといえた.
    2) 上顎洞炎の治療は, 内視鏡下鼻内手術が有用であり, 歯性上顎洞炎は内視鏡下鼻内手術の良い適応であった.
    3) 原因歯の治療に関しては, 原因歯が根管処置歯の場合は, 抗生物質により根尖病巣の消炎療法をまず行う. 術後に上顎洞の換気と排泄が十分保たれている場合は, 多くの例で原因歯の症状は消失し原因歯 (根管処置歯) の保存が可能であった.
  • 松村 道哉, 千田 英二, 須藤 敏, 福田 諭, 柏村 正明, 黒田 努, 大渡 隆一郎, 犬山 征夫
    2001 年 104 巻 7 号 p. 721-727
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    歪成分耳音響放射 (DPOAE) のスクリーニング用に開発されたGrason-Stadler社製GSI 70は, 国内に導入されて間もないためその有用性の検討はいまだ十分には行われていないのが現状である. そのため今回, 1999年12月から2000年6月まで当科外来でGSI 70にてDPOAEを測定した123耳 (年齢0~64歳, 平均13歳, 女性84耳, 男性39耳) を対象とし, 純音聴力, ABR閾値, Otodynamics社製ILO 92で測定した結果との比較検討を行った. その結果GSI 70とILO 92でのDPOAEの測定結果は, 相関係数が2kHzで0.773, 4kHzで0.813といずれも高い相関を認めた. 成人例の純音聴力との比較では2kHzで感度80%, 特異度94%で4kHzにおいても感度100%, 特異度94%と満足できる結果であった. 乳幼児例のABR閾値との比較では2kHzでは感度100%, 特異度97%で4kHzでは感度100%, 特異度94%の結果であり成人例と同様に乳幼児例においても良好な結果が得られた. また機能性難聴と診断された8耳においてDPOAEはいずれも良好な反応を呈した. しかし成人例の2kHzのスケールアウトの聴力で正常と判定された症例が1耳存在し判定基準の再検討の必要性が認められた. 本検討によりGSI 70ではより簡便, 短時間にDPOAEの測定が可能であり, 一般外来で聴覚検査の一つとして他覚的に聴力を評価する上で有用性が高いと考えられた.
  • 北原 糺, 武田 憲昭, 近藤 千雅, 森鼻 哲生, 奥村 新一, 三代 康雄, 福嶋 宗久, 久保 武
    2001 年 104 巻 7 号 p. 728-734
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    (目的) 従来よりメニエール病の病態を内耳の自己免疫あるいは浮腫と考え, その治療法としてステロイドの全身投与もしくは中耳腔投与が行われてきた. 今回我々は薬物投与経路として内リンパ嚢に注目し, 難治性メニエール病患者の内リンパ嚢内腔へ高濃度ステロイドの局所投与を試みた.
    (対象・方法) 難治性メニエール病20例に対して, 内リンパ嚢高濃度ステロイド挿入術 (endolymphatic sac drainage & steroid-instillation surgery: EDSS) を施行した. 本術式では嚢内腔に水溶性プレドニゾロン塊を挿入溶解させ, デキサメタゾン加ゼルスポンジを挿入留置し, フィブリン糊にて被覆固定した.
    (結果) 術後観察期間17-32カ月で, 20例中15例 (75%) にめまい発作消失, 再発5例についても改善~軽度改善傾向を示した. 術前術側CPを示した一側メニエール病11例中5例 (45%) にCP陰性化が認められた. 聴力成績に関しては20例中12例 (60%) に10dB以上の聴力改善が認められ, さらに20例中9例 (45%) では術前6カ月の変動幅以上に改善した. また聴力改善12例中, 術前グリセロールテスト陽性例および疑陽・陰性例はいずれも6例ずつであった. 耳鳴の気になり方については20例中15例 (75%) で改善した. 術前グリセロールテスト陽性10例中7例 (70%) が術後陰性化した.
    (考察) 難治性メニエール病患者の内リンパ嚢内腔に高濃度ステロイドを局所投与することで, 長期的にも良い成績を得ることができた. とくに術前聴力70dB以上の高度進行例7例含む対象群に対する本法の良好な聴力改善成績は, 他の保存的ステロイド治療もしくは内リンパ嚢手術治療に例を見ない. その理由としては, 内リンパ嚢の開放拡大とともに高濃度ステロイドの内リンパ嚢内直接投与の相乗効果の可能性が考えられた.
  • 池田 稔, 中里 秀史, 安孫子 譲, 杉浦 むつみ, 弘重 哉子
    2001 年 104 巻 7 号 p. 735-743
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    [目的] 顔面神経麻痺の程度を評価する方法として, 本邦においては, 柳原法とHouse-Brackmannの評価法 (H-B法) が用いられている. 本研究では, これらの方法による麻痺評価が, 患者自身の麻痺に対する自覚の程度とどのような相関を示すのか検討した. [対象] 対象症例は131例の顔面神経麻痺例であり, 男性68例, 女性63例, 年齢は17歳から84歳 (平均41±18歳) であった. [方法] 柳原法およびH-B法に加え, 患者の麻痺の自己評価を2つの方法を用いて行った. すなわち, 麻痺の程度を6段階で自己評価させる方法と, 「全く動かない」を「0」, 「正常に動く」を「100」として0-100の自覚的な麻痺の強さで評価させる方法を行った. [結果] 柳原法およびH-B法による麻痺のscoreおよび麻痺のgradeは, 6段階に自己評価させた麻痺の程度や, 患者の麻痺に対する自覚的な強さとの間に強い相関を示したが, 患者の自己評価に大きなばらつきも認められた. [結論] 柳原法とH-B法の両者とも, 総体的には自覚的評価とよく相関することが確認された. しかし, 麻痺に対する患者自身の自覚的な受け取り方には大きな個人差があることも理解できた. 柳原法とH-B法で「完全麻痺」あるいは「治癒」と評価された状態でも, 患者自身は必ずしもそれらの評価に合致した自覚症状を持っているわけではない. 特に「治癒」と評価しても, 約20-30%の症例は微妙な運動障害の残存を自覚しており, 臨床的に留意しておくべき問題と思われた.
  • 今野 昭義
    2001 年 104 巻 7 号 p. 744-747
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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